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中嶋れん(日本共産党 宮城県議会議員)のブログ
宮城県議会 環境生活農林水産委員。
      障がい児・者福祉調査特別委員会 副委員長。
      「脱原発をめざす宮城県議の会」副会長。
自閉症児の親の会会長。
青森県むつ市大畑町生まれ。青森高校卒(音楽部、将棋同好会に参加)。
東北大学理学部物理学科卒(東北大学男声合唱団に参加)。

「戦争する国」No! 女川原発の再稼働中止 「人間の復興」を追求。
ライフワークは「障害のある人が生きやすい社会をめざす」。
日本国憲法の全面実施をめざす日本共産党に共感、入党して44年に。
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4年間で5回も議長選挙。不祥事を起こしても議長ポストをたらいまわし、議会改革に対する自民党の責任が問われています。[2019年07月03日(Wed)]
 第368回宮城県議会(6月定例会)の最終日に佐藤光樹議長が議長辞任を表明し、後任に相沢光哉氏が選出されました。4年間で5回目の議長選挙です。辞任の許可には反対し、新議長選出にあたっては抗議の白票を投じました。
 2015年11月に議長に選出された安部孝氏が、政務活動費の問題で1年もたたずに辞任したことが発端でした。次の中山耕一氏は、政務活動費を水増しして請求した不正が指摘され、日本共産党議員団が議長辞職勧告決議案を提出しました。決議案は否決されましたが、中山氏は辞任せざるをえなくなりました。本来であれば、議員辞職にも値する問題です。
 そのあとの議長、中島源陽氏が議長就任から2年で昨年11月に辞任しました。宮城県議会では、自民党が「2年で交代」させて議長ポストをたらいまわしにしてきています。中島氏の後任に推された佐藤光樹氏は、昨年11月の時点ですでに塩釜市長選挙への転出が取りざたされていました。日本共産党は「議長としての任期を全うできないのではないか」と問いかけました。佐藤氏からも自民党からも明確な回答がなかったため、日本共産党県議団は議長選挙で遠藤いく子に投票しました。
 最大会派である自民党・県民会議の責任が問われています。
新天皇の即位をお祝いする賀詞 宮城県議会が全会一致で採択。[2019年06月17日(Mon)]
 第368回宮城県議会(6月定例会)が6月17日に開会しました。初日に新天皇の即位をお祝いする賀詞を全会一致で採択しました。賀詞は、以下のとおりです。

   賀   詞
天皇陛下におかせられましては この度 風薫るよき日に 御即位になりましたことは まことに慶賀に堪えないところであります
天皇皇后両陛下のいよいよの御清祥と 令和の世の平和と繁栄を お祈り申し上げます
ここに宮城県議会は 県民を代表して 謹んで慶祝の意を表します
   令和元年六月十七日
       宮城県議会


 日本共産党宮城県会議員団は、遠藤いく子団長が6月4日付けの「しんぶん赤旗」を佐藤光樹議長と議会事務局に届け、賀詞が日本共産党も含めて全会派が一致して提案・賛同できるものになるよう、働きかけました。
 「天皇の制度と日本共産党の立場」は、以下のとおりです。

<参考資料>
天皇の制度と日本共産党の立場 
志位委員長に聞く(聞き手 小木曽陽司・赤旗編集局長)
2019年6月4日

この機会に大本から考えたい――日本国憲法と改定党綱領を指針に

 「しんぶん赤旗」・小木曽陽司編集局長
 この間、天皇の「代替わり」が行われました。新しい元号の発表、新天皇の即位、「代替わり」の儀式などが続き、即位にあたっては衆参両院で「賀詞」決議が採択されました。これらの動きに対する日本共産党の対応がメディアでも話題になり、「もっとよく知りたい」「真意はどこにあるのか」という声も寄せられています。

 志位和夫委員長
 この間の一連の動きへの対応で、私たちが指針にしてきたものが二つあります。一つは、日本国憲法の条項と精神です。もう一つは、2004年の第23回党大会で改定した日本共産党綱領です。私たちは、この二つを指針に、天皇の「代替わり」、さらに現在の天皇の制度にかかわるさまざまな問題に対して、慎重に、また厳格に吟味し、発言や行動をしてきました。
 ですから、今日は、この一番の基本にたちかえって、現在の天皇の制度をどうとらえるか、この制度の現在と将来にどのような態度をとるか、いまただすべき問題点はどこにあるかなどについて、私たちの考えをお話ししたいと思います。

 小木曽
 天皇の制度については、議論を避けるという傾向も強いですね。

 志位
 そう思います。でも思考停止、議論停止になってはいけません。タブーをもうけず、この制度について、この機会に大本から考え、議論していくことが大切だと思います。

なぜ「君主制の廃止」という課題を削除したか
日本国憲法の天皇条項をより分析的に吟味した結果

 小木曽
 それではまず一番の基本のところからお聞きしますが、日本共産党が04年の綱領改定で、それ以前の綱領にあった「君主制の廃止」という課題を削除した理由はどこにあったのかから、お話しください。

 志位
 それは何よりも、日本国憲法の天皇条項をより分析的に吟味した結果です。以前の綱領では、戦後の天皇の制度について、「ブルジョア君主制の一種」という規定づけを行い、民主主義革命が実行すべき課題として「君主制の廃止」を掲げていました。
 しかし、「ブルジョア君主制の一種」という規定は、戦前の天皇絶対の専制政治(絶対主義的天皇制)が、戦後、違う性格のものに変わったという事実の指摘としては一定の意味をもったのですが、「君主制」と規定することは誤解を残すものとなりました。
 国家制度の性格をつかむ場合に何よりも大切になるのは、主権がどこにあるかということです。主権という点では、日本国憲法に明記されている通り、日本という国は、国民主権の国であって、君主制の国とはいえないことは明らかです。
 さらに、天皇の制度は、ヨーロッパなどでの立憲君主制――形のうえでは国王が統治権を多かれ少なかれもっていて、それを憲法や法律(慣習法)などで制限し、事実上国民主権の枠の中にはめ込んでいる国家制度――とも決定的な違いがあります。それは、日本国憲法第4条が、天皇の権能について、「天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない」と明記していることです。世界に、「国政に関する権能を有しない」――統治権にかかわる権限を一切もたない君主というものは、存在しません。天皇を、いかなる意味においても君主と呼ぶことはできないのです。
 改定綱領で、「ブルジョア君主制の一種」という規定づけを削除し、「君主制の廃止」を民主主義革命の課題から削除したのは、このような理由からです。

根本的な性格の変化――主権者・国民のコントロールのもとにおく

 小木曽
 戦後の天皇の制度は、国を統治する全権限を天皇が握っていた戦前の天皇制とは根本的に性格が変わったということですね。

 志位
 そうです。日本国憲法の「第1章 天皇」を読みますと、この憲法が、天皇とその制度を、主権者である国民の全面的なコントロールのもとにおくものとなっているところが、大切なところだと思います。
 まず、憲法第1条は、天皇を「日本国の象徴であり日本国民統合の象徴」であるとしたうえで、天皇の地位の根拠として、「主権の存する日本国民の総意に基く」と明記しています。戦前の天皇の地位の根拠は、「万世一系」――天照大神の神勅にあるとされたわけですが、現憲法では「主権者・国民の総意」がその根拠なのです。
 これは、将来、「国民の総意」が変われば、天皇の地位にも変更が起こりうることを示しています。この点は、『註解 日本国憲法』(法学協会、1953年、有斐閣)でも、憲法第1条の解説で、「(国民の)総意に基くとはどういう意味か」について、「天皇の地位は、主権者たる国民の意思による根拠づけによってはじめて、象徴としての存在を認容されていることを意味するものであり、そのような法的基礎を失えば、天皇の地位は変動せざるをえないものである」とのべているとおりです。
 つぎに、憲法第2条は、皇位を「世襲」のものとしていますが、その継承のあり方については、「国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する」とあります。戦前と同じ「皇室典範」という名称を使用していますが、これは「国会の議決」による――一般の法律と同じであって、国会の多数の議決で変更することができます。戦前の「皇室典範」は議会も政府もいっさい関与できなかったのに対して、大きく変わりました。
 つぎに、すでに見てきたように、憲法第4条は、天皇は「国事に関する行為」のみを行い、「国政に関する権能を有しない」と明記しており、その国事行為は、憲法第4条・第6条・第7条で13項目にわたって限定的に列挙され、さらにそれらの国事行為についても「内閣の助言と承認を必要」とする(憲法第3条)とされています。
 さらに憲法第8条で、皇室の財産授受について、「国会の議決に基かなければならない」とされ、これも国会のコントロールのもとにおいています。
 これらの憲法の諸条項は、主権者である国民、その代表者が構成する国会、国会の指名にもとづく内閣と、天皇との関係を規定したものとして、いま天皇の制度を論じるさいにも、まずおさえておくべき基本中の基本だと考えます。

 小木曽
 主客転倒した議論もありますから。

 志位
 そうですね。天皇の制度との関係でも、日本の国の主人公・主権者は国民です。この基本を絶対にゆるがせにしてはなりません。

改定綱領で「天皇の制度」という言い方をしていることについて

 小木曽
 改定綱領で、戦後の制度を「天皇の制度」という言い方をしていることも、そうした変化をふまえたものでしょうか。

 志位
 私たちは、戦後の制度を呼称するさいに、略称としては「天皇制」という言葉も使いますが、綱領の文章としては「天皇の制度」という厳密な言い方をしています。それは直接には、日本国憲法のなかに「天皇制」という規定がないからですが、さらにいえば、国家体制のなかで天皇の占める比重が根本的に変化したからです。
 戦前の政治体制は、国家体制の頂点に天皇が君臨し統治権の全権を握っており、まさに「天皇制(絶対主義的天皇制)」と呼ぶにふさわしい体制でした。
 しかし、戦後の政治体制は、あくまでも国民主権の国家体制であり、そのなかに天皇の制度が政治的権能をいっさいもたない制度として存続しているというものです。ですから、そうした国家制度の全体を「天皇制」と特徴づけることは、厳密には正確さを欠くことになると考え、改定綱領では、戦後の制度を表現するさいには、「天皇の制度」という言い方をしているのです。

社会進歩の事業とのかかわりでも、戦前のような障害にはなりえない

 小木曽
 社会の進歩をめざす事業とのかかわりでも、天皇制、天皇の制度のもつ意味は、戦前と戦後ではまったく変わってきますね。

 志位
 そのとおりです。戦前の日本社会では、反戦平和をつらぬくためにも、国民主権、民主主義と人権をかちとるためにも、絶対的な権力をもつ天皇制を倒すことは避けてとおることはできませんでした。私たちの先輩が、どんな弾圧や迫害を受けようとも、「天皇制打倒」という旗印を高く掲げて不屈にがんばりぬいたことは、わが党にとっての誇りであり、日本国民の歴史にとっても大きな意義あるたたかいでした。
 しかし、戦後は、すでにお話ししたように、天皇の制度の性格と役割が憲法によって根本的に変わりました。この制度をなくさないと、私たちが掲げる民主的な改革――日米安保条約の廃棄や「ルールある経済社会」をつくるといった改革ができないということはありません。憲法の規定を守るかぎり、この制度の存在は、社会進歩の事業とのかかわりでも、戦前のような障害にはなりえないのです。
 この点からも、天皇の制度の廃止を、民主主義革命の課題から削除したことは、合理的な改定だったと考えるものです。

前の綱領の規定には歴史的背景もあった

 志位
 なお、前の綱領が「ブルジョア君主制の一種」、「君主制の廃止」とのべていたことの問題点をお話ししましたが、ここには当時の歴史的背景もあったと思います。


 小木曽
 昭和天皇(裕仁天皇)が天皇の地位にあったということですね。

 志位
 そうです。アジア諸国民と日本国民に甚大な犠牲者を出した侵略戦争に対して最大の責任を負う昭和天皇が、その責任をとることもなく、新しい憲法のもとでも天皇の地位にとどまった。
 しかも、昭和天皇は、新しい憲法のもとでも「元首」としての自己意識を持ち続け、憲法の制限条項を無視して、さまざまな国政への関与を行ってきました。1947年9月、米側に独自のルートを使って「沖縄及び他の琉球諸島の軍事占領を継続することを希望」すると伝えたこと、1951年10月、国会の開会式で、サンフランシスコ平和条約への肯定的な態度を表明するとともに米国政府への感謝をのべたこと、1975年10月、日本記者クラブで、広島への原爆投下について「やむを得ないことと思う」と容認する発言を行ったことなど、憲法を無視した多くの言動が公式に記録されています。当時のわが党の天皇の制度に対する評価と対応には、こうした歴史的背景もあったことをのべておきたいと思います。

天皇の制度の現在と将来にどのような態度をとるか
「制限規定の厳格な実施」「憲法の条項と精神からの逸脱の是正」が中心課題

 小木曽
 つぎにすすみます。それでは改定綱領では、天皇の制度の現在と将来について、どのような態度をとっているのか。説明をお願いします。

 志位
 改定綱領は、第12項――「日本社会が必要とする民主的改革の主要な内容」の「憲法と民主主義の分野で」の第11項目で、天皇の制度に対する態度をのべています。短いものですので、まずはその全文を紹介します。
 「天皇条項については、『国政に関する権能を有しない』などの制限規定の厳格な実施を重視し、天皇の政治利用をはじめ、憲法の条項と精神からの逸脱を是正する。
 党は、一人の個人が世襲で『国民統合』の象徴となるという現制度は、民主主義および人間の平等の原則と両立するものではなく、国民主権の原則の首尾一貫した展開のためには、民主共和制の政治体制の実現をはかるべきだとの立場に立つ。天皇の制度は憲法上の制度であり、その存廃は、将来、情勢が熟したときに、国民の総意によって解決されるべきものである」
 この綱領の条項は、二つの段落からなっています。
 最初の段落――「制限規定の厳格な実施」「憲法の条項と精神からの逸脱を是正」などは、天皇の制度にかかわって、民主主義革命の課題として何にとりくむかをのべています。私たちがいま、この問題で最も力をそそぐべき中心課題はここにあるということを、まず強調したいと思います。その具体的な内容については、後でお話ししたいと思います。
 第二の段落は、将来の問題として、わが党が天皇の制度にどういう態度でのぞむかについてのべています。この部分は、たいへんに慎重で厳密な表現になっており、若干、踏み込んで説明しておきたいと思います。

「民主共和制の政治体制の実現」――日本共産党の「立場」の表明

 志位
 まず、第二の段落の最初の文章――「党は、……民主共和制の政治体制の実現をはかるべきだとの立場に立つ」についてです。ここでは、天皇の制度に対する綱領の「認識」と「立場」を表明しています。
 綱領がのべているように、現制度は、何よりも「世襲」にもとづく制度であり、それ自体が人間の間に差別や身分的秩序をつくりだす制度であるという点で、「民主主義および人間の平等の原則」と両立するものではありません。綱領では、現制度に対するこうした「認識」をのべたうえで、「民主共和制の政治体制の実現をはかるべきだとの立場に立つ」と表明しています。
 ここで注意をむけてほしいのは、綱領のこの部分の「立場に立つ」という表現についてです。綱領のこの部分――「日本社会が必要とする民主的改革の主要な内容」は、合計で21項目にわたって民主的改革の内容がのべられていますが、そのなかで「立場に立つ」という表現でのべているのはこの文章だけなのです。他はすべて「○○を行う」「○○をはかる」などというように、日本共産党としてその課題の実現をめざして国民多数の合意をつくるという表現になっています。

 小木曽
 この文章だけは、「立場」の表明にとどめているということですね。

 志位
 そうです。あくまで日本共産党としての「立場」の表明にとどめているということです。つまり日本共産党としては、こういう「立場に立つ」が、それを改革の課題にすえ、その実現をめざして国民多数の合意をつくるために運動を起こしたりはしないということです。
 なぜそういう慎重な表現にしたかといえば、「民主共和制の政治体制の実現」のためには憲法改正が必要だからです。かりにこの問題で国民多数の合意をつくる運動を起こすということになれば、憲法改正の運動を起こすことになりますが、わが党は、すでにのべた政治的権能をいっさいもたない現制度の性格にてらして、そのような運動を起こすことが、国政の民主的改革にとって必要不可欠だとも適切だとも考えていません。

どうやって解決をはかるか――主権者である「国民の総意」にゆだねる

 小木曽
 それではどうやってこの問題の解決をはかるか。

 志位
 その問題の答えが、続く綱領の文章に書かれています。
 「天皇の制度は憲法上の制度であり、その存廃は、将来、情勢が熟したときに、国民の総意によって解決されるべきものである」
 つまりこの問題の解決は、主権者である「国民の総意」にゆだねるということです。私たちは、自らの展望として、将来、日本国民が、「民主主義および人間の平等の原則」と両立しないこの制度の廃止を問題にする時が必ずやってくるだろうと考えています。そのときに、日本共産党は、「民主共和制の政治体制の実現をはかるべき」という立場で対応します。同時に、この問題の答えを出すのは、あくまでも主権者である「国民の総意」だということが、綱領のこの記述の意味なのです。
 そのさい、綱領で、「その存廃は…」と書いていることにも注意を払っていただきたいと思います。つまり「解決」の中身は、制度の「廃止」という「解決」もあれば、制度の「存続」という「解決」もありうるということです。この問題で、日本国民の将来の選択をあらかじめしばるようなことはしない。それが綱領の立場です。
 こうした綱領の立場は、天皇の地位の根拠を「主権の存する日本国民の総意に基く」と明記した、日本国憲法第1条にも合致したものだと考えます。

民主共和制の実現の時期を、特定の社会発展の段階と結びつけない

 小木曽
 もう一つ、問題があります。綱領では、「将来、情勢が熟したときに」とありますが、ここでいう「将来」とはいつのことでしょうか。

 志位
 綱領には、「将来、情勢が熟したときに」とだけ書いてあり、その「将来」はいつかということを書いていません。書いていないところが大切なところなのです。時期についても、あらかじめ手をしばるようなことをしていないのです。
 以前の綱領では、「君主制の廃止」と民主共和制の実現を民主主義革命の課題としていました。そうしますと、天皇の制度が廃止され、民主共和制にならなければ、日米安保条約の廃棄をはじめ他の民主的改革がすべて達成されたとしても、民主主義革命は終わらないということになります。
 改定綱領では、民主共和制の実現の時期を、特定の社会発展の段階と結びつけることをやめました。改定綱領では、この問題を解決する時期についても、主権者である国民の総意にゆだねるという態度をとっているのです。このことを、第23回党大会での綱領改定についての中央委員会報告では、次のように表明しています。
 「改定案では、天皇制の廃止の問題が将来、どのような時期に提起されるかということもふくめて、その解決については、『将来、情勢が熟したとき』の問題だということを規定するにとどめているのであります」
 私たちは、この課題の解決には、外交、経済、民主主義の改革などと比べて、より長い視野が必要になるだろうと考えています。

 小木曽
 将来、日本が社会主義的変革に踏み出した段階で、天皇の制度が存続していることがありうるでしょうか。

 志位
 実際にこの問題がどう解決されるかは別にして、綱領の組み立てからすれば理論的には、言われたような段階で存続していることはありうるということになるでしょう。
 かなりの長期にわたって天皇の制度と共存する、共存する場合の原則としては、日本国憲法の条項と精神、とくに「国政に関する権能を有しない」という規定を厳格にまもる、これがなによりも大切になるというのが、日本共産党の立場です。

天皇の制度についての綱領改定がもたらした積極的意義について
現行憲法の「全条項をまもる」とスッキリと打ち出せるようになった

 小木曽
 改定綱領が、天皇の制度についての認識と方針の発展を行ったことは、どういう意義があったのか。この点についてお話しください。

 志位
 この綱領改定は、日本国憲法の天皇条項の分析的吟味の結果から導かれたものでしたが、それは結果として、日本の社会変革の事業をより合理的にすすめるうえで、大きな積極的意義をもつ改定となりました。3点について強調したいと思います。
 第一は、この綱領改定によって初めて、「現行憲法の前文をふくむ全条項をまもり、とくに平和的民主的諸条項の完全実施をめざす」という立場を、綱領のなかでスッキリ打ち出すことが可能になったということです。

 小木曽
 綱領で「全条項をまもる」と打ち出したのは04年の改定綱領が初めてですね。

 志位
 そうです。前の綱領では、「君主制の廃止」という憲法改正を必要とする課題を掲げていたため、憲法については、「憲法改悪に反対し、憲法に保障された平和的民主的諸条項の完全実施を要求してたたかう」(1961年綱領)とまでしか綱領に書けませんでした。改定綱領では、「全条項をまもる」ということを、初めて明確に打ち出せるようになったのです。
 憲法問題のたたかいの最大の焦点は、憲法9条の改定問題ですが、それを許さないためには、どんな形であれ憲法の部分的な「改正」案の土俵にのらないことが非常に大切です。改定綱領が現行憲法の「全条項をまもる」という立場をスッキリ打ち出したことは、憲法9条擁護を中心とする憲法改定反対のたたかいを発展させるうえでも、大きな力を発揮するものとなったということがいえると思います。

「制限規定の厳格な実施」をより強い立場で打ち出せるようになった

 志位
 第二は、この綱領改定によって、天皇の制度への対応としても、「制限規定の厳格な実施」をはじめ、憲法の条項と精神にそくした改革を、より強い立場で打ち出せるようになったということです。
 わが党は、前の綱領の時代にも、現憲法の「制限規定の厳格な実施」という立場に立って、さまざまな改革の提案をしてきました。
 たとえば、1973年1月、日本共産党国会議員団は、国会の開会式の民主的改革を提案しています。この提案は、現在の開会式のあり方が帝国議会時代の反民主的行事のひきつぎであること、開会式での天皇の発言に国政に関する政治的発言がふくまれていたことを批判し、国民主権の憲法にふさわしい開会式への改革を求めたもので、画期的な提案として注目されました。わが党は、この提案を行うさいに、将来の政治制度についての党の立場を押し付けるものではなく、現行憲法の主権在民の原則と諸条項をもっとも厳格にまもるべきという見地からのものであることを強調しました。
 それでも、綱領に「君主制の廃止」を掲げていたもとで、わが党の提起は「君主制の廃止」の立場からのものと誤解・曲解されることもありました。「共産党はイデオロギー的にこの問題をとりあげている」といった不当な攻撃もくわえられました。
 改定綱領では、「君主制の廃止」を削除したことで、そのような誤解・曲解を払拭(ふっしょく)し、不当な攻撃をはねかえして、「制限規定の厳格な実施」をはかるうえで、より強い立場に立てることになったといえるのではないでしょうか。

 小木曽
 「共産党のいうことは何でも『天皇制反対』の立場からのものだろう」といった式の議論がいよいよ通用しなくなったということですね。

天皇の制度への是非をこえて統一戦線を安定的に発展させるたしかな展望が開かれた

 志位
 第三は、天皇の制度への賛否をこえて、当面の民主的改革のプログラムに賛成するすべての人々との統一戦線をつくり、安定的に発展させることができるようになったということです。

 小木曽
 以前の綱領では、天皇の制度と統一戦線はどういう関係だったのでしょうか。

 志位
 以前の綱領では、当面の要求を定めた「行動綱領」をのべたうえで、「以上の要求の実現をめざし……民族民主統一戦線をつくりあげる」とされていました。ところが、「行動綱領」のなかには、思想の面での「天皇主義的・軍国主義的思想」を克服するたたかいに触れているだけで、「君主制の廃止」という要求は掲げていません。「君主制の廃止」という課題は、民主主義革命が発展するプロセスの先のほうの段階に位置づけられているのです。そうなりますと、統一戦線の出発点では「君主制の廃止」という合意がないが、途中で「君主制の廃止」を目標にした統一戦線への発展をめざすという複雑なことになってしまいます。

 小木曽
 難しい問題になりますね。

 志位
 そうですね。改定綱領では、こういう難しい問題が解消されました。天皇の制度に賛成する人も、反対する人も、この問題に対する立場の違いをこえて、外交、経済、民主主義などの民主的改革に賛成する人はみんなで力をあわせて統一戦線をつくり、統一戦線を安定的に発展させるたしかな展望が開かれました。

 小木曽
 なるほど。この改定のもたらした積極的意義はきわめて大きなものがありますね。

 志位
 そう思います。

制限規定を厳格に実施し、憲法の条項と精神からの逸脱を是正する
天皇の政治利用を許さない――憲法違反の無法ぶりを示した「主権回復の日」式典

 小木曽
 先ほど委員長は、「いま、この問題で最も力をそそぐべき中心課題は、『制限規定の厳格な実施』『憲法の条項と精神からの逸脱の是正』にある」ということをいいました。いま問われている問題に対する日本共産党の態度をお話しください。

 志位
 まず、「国政に関する権能を有しない」という憲法の「制限規定の厳格な実施」をはかり、天皇の政治利用を許さないたたかいが非常に大切になります。
 明仁天皇の時期をふりかえってみて、最悪の政治利用だったとあらためて思うのは、安倍内閣が、2013年4月28日、「主権回復の日」記念式典を開催し、ここに天皇夫妻を出席させたことです。この日は、サンフランシスコ平和条約と日米安保条約によって、日本が対米従属の体制に組み入れられた日であるとともに、沖縄では、平和条約により日本から切り離され米国の施政下におかれた「屈辱の日」とされている日です。政府の計画に対して、国民のなかから批判の声が広がりました。
 私は、事態は深刻だと考え、式典に先立つ4月22日に見解を発表し、式典開催の問題点を批判するとともに、「今回の式典のような、明らかな特定の政治的意図をもったもの、国民のなかで意見が分かれるようなものについて、天皇の出席を求めることは認められるものではありません」と強調し、(1)「主権回復の日」式典の開催の中止を求めるとともに、(2)式典開催の是非で立場が異なったとしても、天皇に式典出席を求める方針は日本国憲法に反する天皇の政治利用であり、この方針を撤回すること――を政府に申し入れました。
 安倍政権は、わが党の批判を無視して式典を強行しましたが、強い批判が起こりました。安倍政権のこの行動は、自らの政治的目的のためには、憲法に反した天皇の政治的利用をためらわない無法ぶり、傲慢(ごうまん)ぶりを示すものとなったと思います。こうした行動を絶対にくりかえさせてはなりません。

天皇の「公的行為」――憲法からの逸脱、問題点はないかを、きちんと吟味を

 小木曽
 天皇の「公的行為」についてさまざまな議論があります。

 志位
 この式典への天皇の出席も、天皇の「公的行為」として行われたものです。天皇の「公的行為」として行われているもの一つひとつについて、不当な政治利用はないか、憲法の条項からの逸脱はないか、さらに憲法の精神にてらして問題点はないかなどを、きちんと吟味することが必要だと思います。

 小木曽
 天皇の制度の政治利用という点では、いま安倍首相が進めている憲法改定への政治利用も重大ですね。

 志位
 その通りですね。この問題はきわめて重大です。このインタビューの最後にふれたいと思います。

「天皇主権」の時代の儀式をそのまま踏襲するという時代錯誤をあらためる

 小木曽
 「憲法の条項と精神からの逸脱を是正」するという点ではどういう問題があるでしょうか。

 志位
 いろいろな問題がありますが、まずあげたいのは、大日本帝国憲法時代につくられた儀式をそのまま踏襲するという時代錯誤の事態を是正することです。
 たとえば国会の開会式についていうと、戦前の大日本帝国憲法下では、「主権在君」の原則のもと、議会は天皇の「協賛機関」にすぎませんでした。当時行われていた「開院式」は、統治権の総攬(そうらん)者とされ、立法権を握る天皇から、勅命によって「議会に活動能力が与えられる」儀式でした。国民主権の日本国憲法のもとで、国権の最高機関とされている国会の開会式が、戦前の「開院式」の形式をそのまま踏襲するものとなっていることは、大きな問題です。

 小木曽
 2016年1月の国会から、日本共産党国会議員団は開会式に出席するようになりました。

 志位
 以前の開会式では、天皇の発言のなかに、米国政府や自民党政府の内外政策を賛美・肯定するなど、国政に関する政治的発言が含まれており、わが党はそれを批判してきました。その後、開会式での天皇の発言に変化が見られ、この三十数年来は、儀礼的・形式的なものとなっています。天皇の発言の内容には憲法からの逸脱は見られなくなり、儀礼的・形式的な発言が慣例として定着したと判断し、開会式に出席することにしました。
 一方で、開会式の形式が戦前をそのまま踏襲するものとなっているという問題点は、現在にいたるもなんら改善されておらず、引き続き抜本的改革を求めていくことには変わりはありません。私自身、実際に開会式に出席してみて、天皇のために、特別に高い席が設けられ、そこで「お言葉を賜る」という形式というのは、現憲法の主権在民の原則と精神にふさわしいものではないということを、肌身を通じて実感しました。

 小木曽
 儀式という点では、この間行われている「代替わり」の儀式も、憲法に反する大きな問題があります。

 志位
 政府は、新天皇の即位にあたって、1989年から90年にかけて行われた「平成の代替わり」の儀式を踏襲するとして、一連の儀式を行っています。わが党は、2018年3月、政府に対して「天皇の『代替わり』にともなう儀式に関する申し入れ」を行いました。政府の進める儀式が、戦前の絶対主義的天皇制のもとでつくられ、現行憲法のもとで廃止・失効した旧皇室典範と登極令をそのまま踏襲したものであって、国民主権と政教分離という憲法の原則に反することを具体的に批判し、現行憲法の精神に即して全体として見直すことを強く求めました。政府は、わが党の「申し入れ」を真剣に検討しようとせず、憲法の原則に反する、時代錯誤の儀式を強行しています。事実にそくした冷静な批判と抜本的是正を求めるとりくみが引き続き重要です。

 小木曽
 国会の開会式にせよ、「代替わり」の儀式にせよ、戦後、天皇主権から国民主権への大転換が起こった時点で、抜本的見直しが必要でした。

 志位
 そのとおりです。政府は、それをしないまま、「伝統的なやり方」などと説明しているわけですが、「伝統」といっても明治期以降のものであり、それが日本国憲法の原則と食い違ったら、憲法の原則にそくしてあらためるべきなのです。

国会での「賀詞」決議について――二つの原則を堅持して対応してきた

 小木曽
 新天皇の即位に対する国会での「賀詞」に日本共産党議員団が賛成したことが話題になりました。

 志位
 先ほどお話ししたように、改定綱領では、天皇条項をふくめて現行憲法の「全条項をまもる」という態度をとることを明らかにしています。そうした立場をふまえ、日本共産党は、この種の問題について、次の二つの原則を堅持して対応を行ってきました。
 第一は、天皇の制度は、憲法上の制度であり、即位や慶事、弔事などのさいには儀礼的な敬意をもって対応するということです。私自身、現天皇夫妻に長女が誕生したときには祝意をのべましたし、現天皇の即位にあたっても祝意を表明しました。党の綱領で、天皇条項もふくめて現行憲法の「全条項をまもる」という態度を表明している以上、憲法上の制度である天皇の制度に対して、儀礼的な敬意を払うのは当然だと考えています。
 第二は、同時に、憲法の国民主権の原則にてらして、天皇および天皇の制度を過度に賛美したり、国民に賛美を強制することには反対してきました。すでにのべたように、日本国憲法は、主権者である国民と、天皇および天皇の制度との関係を、厳格に規定し、後者を主権者・国民の全面的なコントロールのもとにおくものとなっています。この主客を転倒させるような動きには、わが党は賛成しないという態度をつらぬいてきました。

 小木曽
 「賀詞」にかかわって、具体的にお話しください。

 志位
 わが党議員団は、一連の「賀詞」の一つひとつを、先にのべた二つの原則にそくして厳密に検討し、対応してきました。
 まず、わが党議員団は、2月26日の衆議院本会議での「天皇ご即位30周年」の「賀詞」決議に対しては、「即位○○周年」ということで「賀詞」決議をあげた前例はなく、異例のことであり、全体として天皇を過度に賛美するものとなっているとして賛成せず、欠席の態度をとりました。参議院本会議でも同様の決議に対して、同じ態度をとりました。とくに、決議のなかに「国民ひとしく敬慕の念に堪えない」という文言があり、国会として、「国民ひとしく……」という決議をあげることは、事実上、国民に対して祝意を強制することになります。国民主権の原則から問題であるだけでなく、思想・信条・内心の自由にも触れることになり、わが党として賛成できるものではありません。
 つぎに、5月9日の衆院本会議での新天皇即位の「賀詞」決議については、憲法にてらして問題点を指摘しつつ、賛成するという対応をとりました。その日の記者会見での私の発言を紹介しておきます。
 「天皇の制度というのは憲法上の制度です。この制度に基づいて新しい方が天皇に即位したのですから、祝意を示すことは当然だと考えています。
 ただ、(賀詞の)文言のなかで、『令和の御代』という言葉が使われています。『御代』には『天皇の治世』という意味もありますから、日本国憲法の国民主権の原則になじまないという態度を、(賀詞)起草委員会でわが党として表明しました」
 ここでのべているように、わが党議員団は、憲法の国民主権の原則にてらして問題点を指摘しつつ、祝意を示すという点で賛成しうるという態度をとりました。この決議案には、「国民ひとしく……」という文言もありませんでしたから。
 つづいて、5月15日の参議院本会議での新天皇即位の「賀詞」決議は、賛成という対応をとりました。参議院では決議案から「令和の御代」という言葉がなくなっていたので、とくに異論を表明する必要もなくなり、賛成という態度をとりました。

 小木曽
 なるほど。一つひとつを厳格に吟味して対応しているのですね。

 志位
 そうです。とくに重視しているのは、国民主権をはじめ日本国憲法の条項と精神にてらして問題がないかという点です。憲法からの逸脱があれば是正のために力をつくす。この立場で国会での対応を行っているのです。

元号について――どう考え、どう対応するか
元号に対する日本共産党の基本的態度について

 小木曽
 元号が「平成」から「令和」に変わりました。元号について、日本共産党はどういう態度をとっているのですか。

 志位
 私は、新元号の発表にあたって、4月1日に記者会見で次の談話を発表し、党としての基本的考え方をのべました。
 「一、元号は、もともと中国に由来するもので、『君主が空間だけでなく時間まで支配する』という思想に基づくものである。それは日本国憲法の国民主権の原則になじまないものだと考えている。
 一、わが党は、国民が元号を慣習的に使用することに反対するものではない。
 同時に、西暦か元号か、いかなる紀年法を用いるかは、自由な国民自身の選択にゆだねられるべきであって、国による使用の強制には反対する。
 一、政府は、これまでも『一般国民にまで(元号の)使用を強制することにはならない』ことを『政府統一見解』として明らかにしている。
 この立場を厳格に守ることを、あらためて求める」
 最初の段落は、元号に対するわが党の「認識」、「立場」をのべたものです。「国民主権の原則になじまない」という、そもそもの「認識」、「立場」を表明しました。つけくわえていえば、一人の天皇で一つの元号という「一世一元」が採用されたのは、「天皇制の伝統」でも何でもなく、明治期以降のことであって、天皇制の専制政治によって国民を支配していく政策の一つとして始まったということも、強調しておきたいと思います。

慣習的使用に反対しないが、使用の強制に反対する

 志位
 そのうえで、元号に対する対応の問題ですが、「慣習的使用に反対しないが、使用の強制に反対する」という態度をのべました。

 小木曽
 「慣習的使用に反対しない」と。

 志位
 そうですね。どんな紀年法をもちいるかは、自由な国民の選択にゆだねられるべきだという立場です。「しんぶん赤旗」でも、慣習的に元号を使用する方などへの便宜をはかるうえで、元号を併記していますね。

 小木曽
 この方針は、新元号のもとでも続けています。同時に、「使用の強制」に反対するということですね。

 志位
 ここが肝心な点です。実際には、談話で紹介している「政府の統一見解」にも反する強制が、さまざまな形で行われています。
 たとえば戸籍です。1979年6月、元号法の施行にともなって法務省の通達が出されていますが、そこでは「国民に対してその使用を義務付けるものではない」としながら、「西暦による表示を併記した謄・抄本等の交付請求がなされても、これに応じることはできない」と明記されています。これは明らかな元号の強制というほかありません。元号使用の強制、事実上の強制が各所に残されており、是正が必要です。

元号の将来――その解決は、主権者である「国民の総意」にゆだねる

 小木曽
 元号の将来についてはどう考えますか。

 志位
 この談話を発表した記者会見でも、同じ質問がありました。私は、「いま元号あるいは元号法を廃止すべきという立場には立っていない。将来、国民の総意によって解決されるべきだと考えている」と答えました。
 この問題での態度は、天皇の制度の将来に対する態度と同様のものです。私たちの元号に対する「認識」、「立場」は、「国民主権の原則になじまない」というものです。同時に、その解決は、将来、主権者である「国民の総意」にゆだねるということです。
 ただし、天皇の制度は憲法上の制度ですが、元号は法律上の制度です。法律を変えればこの制度を廃止、あるいは変更することは可能です。元号に対する国民の意識からみても、その解決の時期は、天皇の制度の問題が解決される時期よりも、ずっと早い時期になると考えていいのではないでしょうか。

元号が変われば世の中が変わるか――社会を変えるのは主権者である国民のたたかい

 小木曽
 ところで、元号で「時代」を論じるということがさかんです。「令和」の時代でがらりと世の中が変わるといった議論も氾濫しています。

 志位
 私は、ここに、元号にかかわる一つの大きな問題点があると思います。私も、記者会見で、記者のみなさんから「『平成の時代』をどう総括するか」とか、「『令和の時代』に何を期待するか」などと、よく問われます。
 私は、「そもそも私たちは、天皇の在位、あるいは元号によって時代を区分するという考え方に立っていない」と答えています。
 歴史において、一つの「時代」が終わり、あるいは始まるというのは、社会、政治、経済、文化の全体が大きく変化することによってです。たとえば、1945年の日本軍国主義・帝国主義の敗北は、まさにそうした意味での時代の大転換でした。政治制度の面で、天皇絶対の専制政治から、主権在民を原則とする民主政治に変わり、経済・社会制度でも大変動が起こりました。
 しかし、いま天皇が「代替わり」し、元号が「平成」から「令和」に変わったことで、時代が変わったかというと、そんなことはありません。安倍政権による国民の暮らし、平和、民主主義をおしつぶす政治の実態は、何一つ変わっていません。元号が変わったことによって、時代が変わるとか、社会が変わるとかといった議論は、一つの幻想・錯覚であり、私たちは決してくみするわけにいきません。時代を変え、社会を変えるのは、主権者である国民の世論であり、国民のたたかいなのです。

 小木曽
 その基本点をおさえた、冷静な議論が大切ですね。

「皇室典範」にかかわる問題――天皇の退位、女性・女系天皇について
憲法の条項と精神に適合する改正には賛成する

 小木曽
 天皇の「代替わり」にかかわって、天皇の退位の問題、女性・女系天皇の問題など、現行の「皇室典範」の問題が、さまざまな角度から議論されています。

 志位
 現行の「皇室典範」は、戦前の絶対主義的天皇制と一体につくられた「旧皇室典範」を、戦後、日本国憲法が制定されたさいに、新憲法に明らかに不適合と考えられた部分だけを削除したうえで、存続させたものです。そういう経緯で現在に残っているものですから、現行憲法の条項と精神にてらして、いろいろな矛盾点が残されています。
 「皇室典範」の改正に対する私たちの態度を一言でいえば、「改正が提起された場合、日本国憲法の条項と精神に適合する改正には賛成する」というものです。

天皇の退位――「個人の尊厳」という憲法の最も根本の精神にてらして賛成した

 小木曽
 今回の「代替わり」は、天皇の退位にともなってのものとなりました。

 志位
 天皇の退位は、現「皇室典範」が認めていないものです。この問題が提起されたさいに、私たちが基準においたのは、日本国憲法の条項と精神でした。
 私は、この問題について、「『個人の尊厳』という日本国憲法の最も根本の精神にてらして考えるなら、一人の方に、どんなに高齢になっても仕事を続けるよう求めるという現在のあり方には改革が必要です」(2017年1月24日)と表明しました。わが党は、国会での審議において、政治の責任において天皇の退位を認める法改定を行うことに賛成するという態度をとりました。

 小木曽
 天皇の人権ということをふまえた対応ですね。

 志位
 その問題を検討しました。天皇の制度は、「世襲」の制度であるという点で、憲法が定める平等原則と相いれない制度であり、それにともなって、天皇の人権が一定程度制約されることは、避けることはできません。同時に、天皇もまた人間であることに変わりはなく、当然に保障されるべき権利があると考えます。とくに「尊厳をもって生きる権利」という日本国憲法が保障した最も根本の権利は、天皇にも保障されるべきだと、私たちは考え、こうした表明を行いました。

 小木曽
 今回は、「皇室典範」の改正でなく、退位に関する「特例法」によって、退位が行われましたが、今後についてはどう考えますか。

 志位
 今後については、そうした提起がされたさいに状況にそくして検討しますが、一般論でいえば、高齢の問題は、明仁天皇の特別の問題でなく、誰にでも訪れるものであって、今回の「特例法」は先例となるものです。

女性・女系天皇について――憲法にてらして認めることに賛成する

 小木曽
 女性・女系天皇については、どう考えますか。

 志位
 私たちは、憲法にてらして女性・女系天皇を認めることに賛成です。

 小木曽
 憲法にてらしてとは、どういう意味ででしょうか。

 志位
 日本国憲法では、第1条で、天皇について「日本国の象徴」「日本国民統合の象徴」と規定しています。
 「日本国民統合の象徴」とは、天皇が積極的・能動的に国民を「統合する」ということではありません。もしかりにそのような権能を天皇に認めたら、政治的権能を有しないという憲法の制限条項と矛盾するという問題が生まれてくるでしょう。「日本国民統合の象徴」という憲法の規定は、さまざまな性、さまざまな思想、さまざまな民族など、多様な人々によって、まとまりをなしている日本国民を、天皇があくまで受動的に象徴すると理解されるべきだと考えます。
 そのように「象徴」が理解されるならば、多様な性をもつ人々によって構成されている日本国民の統合の「象徴」である天皇を、男性に限定する合理的理由はどこにもないはずです。「皇室典範」では、戦前の規定そのままに、第1条で、男系男子だけに皇位継承の資格を認めていますが、これを改正し、女性天皇を認めることは、日本国憲法の条項と精神にてらして合理性をもつと考えます。女系天皇も同じ理由から認められるべきと考えます。

 小木曽
 男女平等、ジェンダー平等という見地からはどうでしょうか。

 志位
 皇室の内部での男女平等という見地からこの問題に接近すると、「もともと世襲という平等原則の枠外にある天皇の制度のなかに、男女平等の原則を持ち込むこと自体がおかしい」という批判も生まれるでしょう。
 私は、そういう接近でなく、国民のなかでの両性の平等、ジェンダー平等の発展という角度から接近することが重要ではないかと考えています。「日本国の象徴」「日本国民統合の象徴」の地位にある天皇を男性に限定しているという現状をただすことは、国民のなかでの両性の平等、ジェンダー平等を発展させるうえでも意義ある改革になるのではないかと、考えるものです。

憲法9条改定への天皇の政治利用を許してはならない

 小木曽
 先ほど委員長は、天皇の制度の政治利用という点では、いま安倍首相が進めている憲法9条改定への政治利用が重大だという指摘をしました。

 志位
 これは、現在行われている最も危険な天皇の政治利用だと、強く警鐘を鳴らさなければなりません。
 安倍首相は、5月3日の改憲集会に寄せたメッセージで次のようにのべています。
 「一昨日、皇太子殿下がご即位され、新しい時代、令和の時代がスタートしました。国民こぞって歴史的な皇位継承をことほぐ中、令和初の憲法記念日に『第21回公開憲法フォーラム』が盛大に開催されますことを、まずもってお喜び申し上げます」「憲法は国の理想を語るものであり、次の時代への道しるべであります。令和元年という新たな時代のスタートラインに立って、私たちはどのような国づくりを進めていくのか、この国の未来像について真正面から議論を行うべきときに来ているのではないでしょうか」
 また、ある右派雑誌での対談では、次のようにあけすけにのべています。
 「令和の時代にふさわしい憲法づくりへ、機運を盛り上げていきたいと思います」(『WiLL』7月号)
 いったい、天皇の「代替わり」、元号の変更と、憲法改定がどんな関係があるというのでしょうか。何一つ関係はありません。「令和の時代」がスタートした、さあ「新しい時代」にふさわしい憲法をつくろうと、自らの野望である9条改憲の旗振りを行う。これは、天皇の制度の最悪の政治利用というほかありません。
 強く警戒する必要があるのは、「国民こぞって歴史的な皇位継承をことほぐ」といった式の、天皇の「代替わり」への祝意の強制とセットで、こうした言説が流され、多くのメディアがそれを無批判にたれ流していることです。
 天皇とその制度を過度に礼賛し、国民に祝意を強制するキャンペーンが行われていることが、主権者は国民であるという日本国憲法の根本原則を弱める力として働いていることは、きわめて重大です。

 小木曽
 萩生田自民党幹事長代行は、「ご譲位が終わって、新しい時代になったら、少しワイルドな憲法審査を自由民主党はすすめていかなければならない」と語りました。

 志位
 本音を露骨に語った発言ですね。祝意の強制をさまざまな形で氾濫させ、「令和の時代」「新しい時代」を連呼して、憲法で規定された主権者である国民と天皇との関係で「主客転倒」の社会的雰囲気をつくりだし、そうした状況をも利用して、改憲策動の行き詰まりを打開し、ことを一挙にすすめよう――こうした政略的意図が働いていることを、強く批判しなければなりません。
 天皇の制度を政治利用して、海外での無制限の武力行使を可能にし、「戦争する国」づくりをすすめる憲法9条改定を強行するという暴挙を、決して許してはなりません。そのことを最後に強く訴えたいと思います。

 小木曽
 「しんぶん赤旗」も大いに理性の論陣をはっていきたいと決意しています。長時間、ありがとうございました。


女川原発・県民投票条例問題を特集した宮城県議団ニュース[2019年03月27日(Wed)]
 女川原発 国際基準なら不合格!? 
 今回の日本共産党宮城県議団ニュースは、衝撃的な内容です。
 労働安全衛生法令に違反する、普通の工場では禁止されている危険な操作を、こともあろうに原発に要求しています。住民被ばくの防護、放射能対策では2つの改悪を行いました。
 連合審査会で指摘した新規制基準の問題点、女川原発の弱点を特集し、県民投票は宮城県でこそ必要とされていることを示しました。
 女川原発の稼働の是非に係る県民投票条例が最大の争点になった第367回宮城県議会を振り返って、自民党・公明党の主張と日本共産党の主張を対比して紹介しています。
 県民投票条例案に対する全議員の賛否の態度を紹介しています。
 日本共産党宮城県議団ニュースは3月29日に到着し、ただちに配布を始めます。

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村井県政の問題点を指摘した討論(19議案に対する反対討論)を紹介します(第367回宮城県議会の最終日=2019年3月15日)[2019年03月15日(Fri)]
 第367回宮城県議会の最終日、女川原発の稼働の是非に係る県民投票条例案に対する賛成討論は女川原発の立地自治体から選出されている三浦一敏議員(石巻・牡鹿区選出)が行い、私は予算関係をはじめ19議案に反対する討論を行いました。村井県政の問題点を指摘しているので、紹介いたします。

 日本共産党宮城県会議員団を代表して、提案されている77件の議案のうち19件に反対して討論いたします。
 初めに、予算議案関連の第1号・平成31年度一般会計予算、第4号・国民健康保険特別会計、第10号・土地取得特別会計、第13号・水道用水供給事業会計、第14号・工業用水道事業会計、第16号・流域下水道事業会計、第71号・一般会計補正予算、第80号・土地取得特別会計補正、第82号・流域下水道事業特別会計補正に反対する理由を述べます。

 その第1は、被災者・県民の要求に背を向けていることです。
 今議会は、大震災から8年目を迎える中で、「創造的復興」が被災者の救済や支援につながっているかが問われています。制度に被災者を合わせるのではなく、被災者に合わせて制度を改善・充実させ、人間としての生きる基盤を取り戻せるまで支援を続けることが重要です。
 被災者の医療・介護の減免は、岩手県が市町村をバックアップして来年度も全県で継続される一方、宮城県では2013年の打ち切り以降、県が支援せずに市町村まかせにしたため、来年度はついに全市町村で打ち切りになります。住んでいる県で被災者への支援がこれほど違うということがあっていいのでしょうか。ハード面での復興事業のかげに隠れ、とりこぼされてきた在宅被災者への支援をはじめ、住宅再建への県の独自支援が強く求められています。復興格差と言われるような遅れが生じていることについて、一刻も早い改善が求められています。
 県民の大きな願いである私学助成の拡充は、またもやかえりみられることなく、高校の助成に対する県の上乗せ単価は349円にすぎません。

 第2に、県政のゆがみとも言える、県民の利益から逸脱・逆行する施策がみられることです。その典型が、カジノ・IR導入可能性調査費の500万円です。カジノについては、昨年11月の政府の誘致意向調査に対し、「計画を予定していない」と回答し、これまでも知事は「導入は考えていない」と繰り返し述べてきました。カジノは一晩で全財産を失う賭博であり、調査とはいえ施策に入れ込むこと自体が重大な誤りであり、撤回すべきです。
 さらに、観光振興財源検討事業費500万円は、宿泊税導入を念頭においた財源検討であり、内陸部にある温泉や沿岸部の民宿などが現在も苦戦していることを考えると、同意できません。

 第3に、「創造的復興」を看板にして推進してきた「規制緩和」政策や大規模開発、特定企業を優遇する施策で、矛盾が広がっています。
 LCCなどの就航便拡大のためと称して今回計上された航空路線誘致対策費6000万円は、官の関与を極力排除するという、仙台空港の完全民営化を押し進めてきたうたい文句と矛盾しています。
 広域防災拠点整備は、供用開始が計画より3年遅れる見通しであることが明らかとなり、補償費が29億円も増えて、総事業費は324億円となることが判明しました。また、予算化を急ぐあまり、前年度計上した補償費は補償契約が未締結の状態で使い道を失い、用地代に振り替えられました。さらに、来年度予算には債務負担行為63億円が新たに設定されました。県民の納得と理解を得られないままの事業継続は許されず、立ち止まって見直すべきです。
 水素エネルギー利活用推進費では、FCV(燃料電池自動車)に偏った導入支援は問題です。

 第4に、知事が「一丁目一番地」と言う民営化路線の焦点に、上工下水一体官民連携運営事業がおかれ、水道事業の民営化が強引に進められていることです。
 「いのちの源である水道事業運営を民間にまかせていいのか」という声が急速に広がっており、関連する会計に強く反対するものです。
 また、2019年度から流域下水道事業は、地方公営企業法が全部適用され、土木部所管の特別会計から企業局が所管する企業会計に移るとする関係議案が提案されています。その途端に、県内の流域関連26市町村が負担する人件費分が、職員20名から28名に増加し、市町村負担が大きくなります。
 流域下水道をもつ42都道府県のうち、地方公営企業法を全部適用するのは、今回の宮城県を含めても5つにすぎず、37道府県は一部適用だけです。今回の措置は、上工下水一体で民営化するためのものであり、同意できません。
 また、水道基盤強化計画策定費は、市町村の水道事業の広域連携のためのシミュレーションを作成し広域計画を作成するものです。広域連携は、主役は市町村であり、それぞれの市町村が主体的に検討をおこない、具体化するのがスジです。しかし改正水道法のもとで行われるこの事業は、上からの広域化を強制する恐れがあると言わなければなりません。
関連して、議案の第18号・流域下水道の構造及び終末処理場の維持管理の基準を定める条例、第23号・公の施設の指定管理者の指定の手続きに関する条例の一部改正条例、第37号・公営企業の設置等に関する条例の一部改正条例、第70号・平成31年度流域下水道事業受益者負担金について、反対します。

 第5に、公教育の使命を脇におくような問題のある施策が盛り込まれています。
 「学力向上マネジメント支援事業」は、白石・石巻・塩釜・大崎の4教育委員会に、一教委あたり約800万円を充てる経費です。年2回の標準学力学習調査テストを行うなど、全国学力テスト対策のためであり児童生徒の競争や学校の序列化を激化させ、教員の多忙化を助長することが懸念されます。
 仙台二華高校における国際バカロレア教育のために、総工費5億8400万円かけて事実上の専用棟をつくることを予定して、今回は設計費3300万円が計上されています。知事の公約をトップダウンで具体化し、教育関係者の合意が不十分なまま進められていることは問題です。
また、児童生徒の発達と成長にかけがえのない役割を持つ部活動ですが、この4月から教員の部活動手当が切り下げられます。仙台市との較差を考えても早急に是正されるべきです。

 第6に、県民や市町村にさらなる負担を強いる提案が含まれていることです。
 高すぎる国保料・国保税については、引き下げが県民の切実な願いです。ところが宮城県が市町村に示した県標準保険料率は、前年度より引き上がり、40代夫婦子ども2人・所得200万円余の世帯の場合、46万6千円から更に2万円上がります。これは県民の願いと逆行するものであり認められません。
 大崎市民病院救命救急センター運営費補助金を2018年度から段階的に削減し、2017年度まで1億2000万円だった補助金を、2020年度以降は国基準の5772万円余にまで削減する方針です。地域の実情を無視した削減には反対です。

 第7に、財政運営の問題です。
 今回もまた補正で、震災後の財政運営の特徴である、黒字分を特定目的基金に振り分けて積み増し、黒字額を少なく見せる手法がとられました。これは財政運営の基本をあざむくものです。

 次に、予算外議案について述べます。
 議第17号議案、森林環境整備基金条例は、(仮称)森林環境税を賦課することにより県に譲与税として交付されるお金を基金として積み立て、市町村がおこなう森林管理事業を支援する事業の経費に充てるものです。温暖化対策をすすめるためにも森林整備は重要ですが、その費用については温暖化ガスの大量排出者であるエネルギー産業などの発生者に負担させるべきで、逆に新たな国民負担にされたことは問題です。

 議第19号議案、職員定数条例の一部改正は、土木部から下水道課をはずして企業局に異動させるものですが、上工下水3事業の民営化を推進するためのものであり同意できません。
また、学校教職員の定数は,全体では6人増ですが、これは名取が丘の特別支援学校分校の設置で77人を増やすのに対し、小学校で13人減、中学校で45人減、高校で13人減と、以前からの教職員の減少に歯止めがかかっていません。あらためて教職員を増やすべきであることを強調します。

 議第24号議案、手数料条例の一部改正ですが、2つの問題があります。
2018年度から国が介護支援専門員(ケアマネジャー)実務研修受講試験の受講資格を限定したため、受験者が40%に激減しました。議案は、手数料収入が減少したことから、手数料を8400円から12800円に1・5倍も引き上げるものです。国の政策変更のしわ寄せで、受験者に負担を強いるものであり反対です。高齢化が進む中で、介護保険の根幹をなすケアマネジャーの確保と養成は重要であり、手数料の急激な増加は更に受験者を減らしかねません。
 もう一つは、「所有者不明土地」を公共事業のために収用する場合、収用委員会の審理・裁決の手続きを省略して、知事の裁定でできるようにするために、その手数料を新設するものです。個人の財産権保障の点から同意できません。

 議第27号議案、県立病院機構の内部組織を定める条例の一部改正は、「宮城県立循環器・呼吸器病センター」を削除するものです。
本来、結核入院医療は県の政策医療として県立病院が担うべきであること、瀬峰地域住民にとって命と健康を守るかけがえのない病院であったこと、センターで働く職員の雇用と生活が脅かされたことから、循環器・呼吸器病センターの廃止は認められません。

 議第42号議案、県立病院機構の業務運営に関する目標達成のための計画の認可についてですが、この計画には「人事評価制度の構築・導入」が含まれ、給与・人事管理への反映も検討するとしていることは問題です。
すでに知事部局に同等の評価制度が導入されていますが、職員からは「いくら頑張っても高い評点を得られない」「特定の人だけが昇給を続ける制度であり、この人事評価は公務員にはなじまない」などという批判の声があがっています。
病院は職種間の連携や民主的な職場づくりが患者さんへの医療の質に直結します。職員のやる気を阻害し、離職につながるおそれもあり、給与に反映する人事評価制度には反対です。

 議第101号議案は、ベンチャー育成ファンド出資金貸付金に係る債権放棄について、議会の議決を求めるものです。
宮城県は1億円、他の19者とあわせて総額35億8000万円を出資して、2006年度から21社に27億1300万円を投資しました。ところが19社で損失を出し、うち3社は倒産という惨たんたる結果になりました。
県は、2004年にも2億円を出資しており、最初に設立したこのファンドでも1億5346万円もの債権放棄をしています。今回の9172万円とあわせ、2億4000万円余に債権損失を拡大したことは重大です。
驚いたことに、運営管理したファンドだけは、約16億円もの管理報酬を受けとる仕組みでした。
経済団体などから要請があったとは言え、このようなハイリスクのファンドに県が安易に出資したことは言語道断であることを指摘し、討論といたします。
 ありがとうございました。

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県政レポート第20号ー再生可能エネルギーの妨害でしかない、原発再稼働のための接続制限を取り上げました、給電に関わる情報公開と優先順位のルール厳守を求めることを呼びかけています。[2019年01月02日(Wed)]
 2919年の初めての「中嶋れん県政レポート」をつくりました。通算第20号です。
 表面では、女川原発の稼働の是非に関わる県民投票を求める署名運動の到達点について、市区町村ごとの署名数も含めて紹介しています。
 裏面では、東北電力が12月7日に発表した再生可能エネルギーによる発電の出力抑制を取り上げました。
 再生可能エネルギー発電の接続制限を打ち出したことは、原発がもう不要であること、原発が再エネの妨害物でしかないことを示しています。
 具体的な抑制量を明らかにして計画が妥当かどうかを確認する必要があること、送電に関わる情報をリアルタイムで公開してもらい給電の優先順位が守られているかどうかを検証する取り組みが重要になっていることを述べています。
 何よりも、再エネ潰し=安倍政権の原発固執政策の転換を求める声を大きく広げていきましょう。

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質問します。傍聴を。9月4日15時30分から。予算特別委で。[2018年08月31日(Fri)]
 県の対政府要望と財政状況を報告してもらい、来年度予算編成のあり方をただす予算特別委員会で9月4日、日本共産党を代表して質問します。登壇は15時30分からで、質問時間は21分。5階の日本共産党控室に、質問予定原稿と関連資料を用意しておきますので、傍聴する方はお立ち寄り下さい。
 県民の願いである学校の普通教室へのエアコン設置、高校の「35人以下学級」、再生可能エネルギー導入の支援を求めて知事と教育長にただします。
 県が今年度内にまとめようとしている県立高等学校将来構想は、全国でもまれな「高校リストラ計画」につなげようとされており、審議会でも委員から異論が続出しました。県教委は大崎市の東部地域から高校の統廃合を先行させようとしており、中止を強く要求します。
 岩手・宮城の両県が北上山地に誘致しようとしている素粒子研究の実験施設ILC(国際リニアコライダー)は、経済効果だけが一方的に宣伝されていますが、7月4日に公表された有識者会議の「まとめ」で、科学的意義が減り、日本の経費負担を削減する見通しが無いこと、トンネルや地下水の放射化が引き起こされて放射性物質が漏洩する可能性があり、実験終了後も実験設備や空洞を長期間に渡って維持管理しなければならないなどの大きなリスクをともなうことがわかりました。「計画全体の周知」を迫ります。

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宮城県関係の臨時・非常勤職員は8千人近く 地位・待遇の改善を求め、導入される会計年度任用職員の問題点を指摘しました[2018年07月10日(Tue)]
 文教警察委員会で7月3日に行った質疑で、宮城県関係の臨時・非常勤職員が8千人近くに上ることがわかりました(表)。
 現在、地方自治体に働く臨時・非常勤職員は全国で64万人を超え、臨時・非常勤職員なしには自治体行政は一日たりとも運営できないと言っても過言ではない状況です。
 2017年5月に会計年度任用職員制度の導入を柱とする地方公務員法および地方自治法の改正が行われ、2020年4月から施行されます。会計年度任用職員とは、会計年度を超えない範囲内で置かれる非常勤職員のことで、任期は最長1年、再度の任用は可能ですが、任用するか否かは自治体の判断に委ねられています。勤務時間によりフルタイムと短時間勤務の2種類が設けられますが、服務の宣誓・守秘義務などに常勤職員と同じ規律が求められるにもかかわらず、給料・報酬や手当で待遇を差別することができる仕組みです。
 民間企業に働く非正規雇用労働者では、2018年4月から労働契約法第18条に基づく無期雇用への転換請求が始まっています。ところが、公務に働く臨時・非常勤職員には労働契約法は適用されず「いつまでも非正規、いつでも雇い止め可能」という状態に置かれています。これは、2020年の改正地方公務員法および地方自治法施行後も変わらないのです。
 地方自治体では、業務全般にわたりアウトソーシング・民間委託が進められていますが、改正法施行を機にこれがさらに進み、職員の中に蓄積された知識や経験が継続されなくなることが懸念されています。
 改正法には、会計年度任用職員委には一時金が「支給できる」という条文があり、これが注目されていますが、実際に支給するかどうかの判断は地方自治体に委ねられています。
 私は、「財源が確保されなければむしろ賃金や労働条件が引き下げられていく」と指摘し、国に対して言うべきことをシッカリ主張して、地位と待遇の改善につとめるよう求めました。
 2018年度内に条例が制定されると思われます。会計年度任用職員に関わる問題は、しばらく目を離せない状況が続きます。 

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※知事部局の臨時・非常勤の職員数は平成30年4月1日現在の人数。
 宮城県警は平成29年度の実績ベースの人数です。
 県教委は、平成29年度の実績ベースですが、人数ではなく発令数です。
 一人の非常勤講師が、その年度に複数の学校で教えるということがあり、実人員とは差異があります。
※教育委員会の臨時的任用職員は、産休・育休・病休の代替講師や事務補助員。
 非常勤職員には非常勤講師だけでなく、学校医、薬剤師を含む。
 パート職員は、給食調理員、司書業務員、教務補助員。
※宮城県警の非常勤職員は、警察医、警察相談員、交番相談員等。
 パート職員は庁舎清掃業務など。

文教警察委員会で県内3カ所を視察しました[2018年06月02日(Sat)]
 宮城県議会の文教警察委員会が6月1日、宮城県農業高等学校、宮城県警察学校、名取市立閖上小中学校を視察する県内調査を行いました。いずれも名取市内でした。
 宮城県農業高等学校は明治18年開校で、この秋に133周年の記念式典を予定しています。東日本大震災で津波に襲われましたが、後島武徳校長から、三校に分散して教育を継続しながら、この4月に名取市高舘に移転するまでの足跡と関係者の尽力を伺いました。真新しい校舎、充実した施設を備えた農場、畜舎等に若々しい声が響いていました。
 宮城県警察学校では、点検の訓練、逮捕術の授業を見学し、射撃場を視察しました。
 閖上小中学校は、4月7日に開校したばかりです。東日本大震災の直前に約450人だった児童生徒が140人まで戻って開校式を迎えました。名取市で初めての小中一貫校で、校舎一体型。津波で甚大な犠牲者があった閖上で、これからの地域防災の拠点の役割を果たすべく、一千人が避難できるスペースが屋上に用意されています。
 特別支援学級の教室は4部屋が用意され、シャワー室、洗濯室が隣接してつくられています。
 写真は郷土資料室で、14時46分で止まった時計、閖上中学校の黒板に残された応援メッセージ等とともに、東日本大震災を記録する資料が保管されています。

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日本共産党宮城県会議員団が「東日本大震災記録集」をつくりました、7年間の調査、申し入れ、8人の議員の手記を掲載。[2018年04月06日(Fri)]
 「東日本大震災記録集―宮城県議団の活動」は、発災害から7年間に日本共産党宮城県会議員団が行った活動を記録した冊子で、A4版156ページ。
 第1部は「県議たちの手記」で、8人の議員が発災時からの7年を振り返って、それぞれの「震災活動日誌」などを寄せています。私の約5000字の手記も、4ページにわたって掲載されています。
 第2部は「被災地の現状と復興の課題」で、遠藤いく子・県議団長が雑誌『議会と自治体』(2018年4月号)に寄稿したものを、同志の了解を得て一部加筆して、収録しています。
 第三部は、「党県議団の申し入れ・見解等」を収録した資料編です。発災直後の2011年3月13日に村井嘉浩・宮城県知事に提出した緊急要望に始まり、大川小学校の訴訟問題への対応に関わって『宮城県は学校防災に関わる責任を認めて和解することを求めます』とした見解(2016年11月11日)までを収録しています。
 第4部は、この7年間の党県議団ニュースで、発災当時2人だった議員が2011年10月の選挙で4人に倍増し、2015年10月の選挙で8人にさらに倍増して、復旧復興に関わる質問時間も活動内容も飛躍したことが記録されています。
 宮城県内の各団体にお届けするほか、全国の日本共産党の各都道府県議員団などに資料として発送しました。
 ご希望があれば、ご連絡ください。

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代表質問(2月23日)の速報ニュースを紹介します。[2018年03月30日(Fri)]
 私の代表質問(2月23日)の概要を速報した日本共産党宮城県議団ニュースを紹介します。
●速報ニュースのダウンロードはこちらから右矢印1
180228 中嶋廉の代表質問 速報.pdf

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旧優生保護法下での人権侵害、これからの復興のあり方と被災者の生活再建支援、教職員の働き方改革、特別支援教育の充実、女川原発の再稼働中止を取り上げた代表質問の全文を紹介します[2018年02月23日(Fri)]
 開会中の第363回宮城県議会の本会議で2月23日、日本共産党宮城県会議員団を代表して、初めての代表質問を行いました。
 宮城県議会の代表質問は、予算審査のある2月定例会と決算審査のある9月定例会に、5人以上の会派が行うことができます。日本共産党の代表質問は、8議席になった後の2016年2月に遠藤いく子議員が初めて行い、そのあと三浦一敏、天下みゆき、福島かずえの各議員が担当し、私は5人目になります。
 第1回目の発言の大要は以下のとおりです。

 日本共産党の中嶋廉です。代表質問をいたします。
大綱1、旧優生保護法のもとでの人権侵害について
 
 旧優生保護法のもとで不妊手術を強要された人が全国で初めて仙台地裁に国を相手どって損害賠償を起こしました。
 本定例会開会日の二月十五日、当事者と関係者が意見書の提出等を求めて宮城県議会を訪れましたが、当事者の方々のお話は、涙なしには聞けないものでした。
 宮城県議会で昭和三十七年十月、複数の議員が強制不妊手術について発言しており、当議会がこれを推進していた事実は、重く受けとめなければならないと思いました。
 知事に伺います。当時は法にもとづくこととされていたとはいえ、宮城県政が進めた強制不妊手術は深刻な人権侵害であり、いまの到達点に立って自らの誤りをえぐり出してこそ、初めて責任を果たしたと言えるのではないでしょうか。県は、情報の開示、被害者の救済につながる対応を始めていますが、国による補償の実現、相談窓口の設置など、当事者の方々からの要望に真摯に対応することはもとより、県に調査委員会を設けて関係資料の照会や収集にあたり、なぜ全国2位の約一千四百件もの不妊手術が本県で行われたのか、その原因と経過の全容を可能な限り明らかにする必要があると思います。当事者・関係者のみなさまへの謝罪も必要だと思いますが、お答えください。

大綱2、これからの復興と被災者の生活支援、水産特区について

 さて、村井知事は新年度予算を今後3年間の復興「完成期」に向かう「ジャンプアップ予算」と銘打ちましたが、被災者・県民の生活が本当にジャンプアップする予算なのか、冷静な検証が必要です。
 今年は、村井県政が「富県戦略」を掲げて十三年、東日本大震災からの「創造的復興」を掲げて八年目を迎えます。「富県戦略」は、国際的にも破たんした「トリクルダウン」論に立ち、大企業を支援すれば、やがて県民に果実がしたたり落ちてくるという、アベノミクスの宮城版とも言えますが、実際は勤労者の実収入が落ち込み、企業の収益があがっても県民には還ってきていないのが現実です。 また、大震災を受けて、知事が進めた「創造的復興」は、惨事便乗型資本主義そのもので、ハード中心、被災者は置き去りにされてきました。
 こうした中で、いま被災者と県民の声に耳を傾ける、暮らし第一の県政への転換が強く求められています。私は以上の認識のもと、直面している県政課題について、提案を含めて質問いたします。

 まず東日本大震災からの復興と被災者の生活再建支援について伺います。
 東日本大震災では、「私有財産の形成に公金を投入することはできない」という考え方を転換して、事業所の復興のために中小企業等グループ施設等復旧整備補助事業をはじめとする、従前よりも手厚い支援が行われました。しかし労働力を確保できない、販路を回復できないなどの理由で水産加工業や食品加工業を中心に業績がなかなか回復しない企業もあります。
 再建途上の企業は、新商品を開発するための新たな設備投資や旧設備の更新・修繕に充てる補助金を求めています。また中小企業は、活用できる制度を自力で探すことが難しいので、支援に関わる情報をわかりやすく定期的に各団体に提供してほしいと要望しています。申請書類の作成にあたる伴走型支援の充実も求めています。お答えください。
 販路が回復しない要因の一つに、福島第一原発事故の放射能に関わる風評被害がありますが、東電は賠償を打ち切っています。復活を引き続き強力に働きかけるべきです。国内の取引でも輸出でも、放射能の検査証明書が求められることがありますが、その経費を補助することを求めます。県が補償し東電に求償できないでしょうか、お答えください。
 みやぎ産業振興機構などによる中小企業診断士などの派遣は、小規模企業者に該当する場合は3回まで無料ですが、「3回だけでは実情把握しかできない。4回目以降は手弁当でやった」という例があります。無料派遣の回数を、実情により増やせないでしょうか、伺います。
 津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金ですが、支援の割合がわかりにくく、応募してみたら補助率が低いことがわかり、仕方なく辞退したという話がありました。採択され実行されたのが九十二件なのに対し、採択された後で辞退したのが百二件もありました。補助金の継続と改善を政府に求めてほしいのですが、いかがでしょうか。
 サンマ、イカなどの不漁が続き、魚体も小型化しています。これが長期間続く恐れがあり、原材料確保の支援の仕組みづくり、強力な販路拡大を県政が音頭をとって進める必要があるのではないかと思いますが、お答えください。

 被災市町では、自治体職員のマンパワー不足に悩まされてきましたが、復興事業の業務量と進捗状況を踏まえて支援体制を重点的に強化する必要が生まれています。
 最大被災地の石巻市は2月1日現在、必要な職員数四百四十六人に対して三十六人が確保できず、新年度はさらに不足する見込みです。石巻市は、復興事業は平成二十九年度と三十年度が最大の山場といっていますが、大震災の後に全国各地で災害が発生し、他の都道府県から派遣されている職員がどんどん引き上げていく傾向が生まれており、とくに土木と用地取得の技術者が不足しています。気仙沼市、石巻市をはじめ必要な市町に思い切った県職員の配置を求めますが、お答えください。

 人口流出が著しい地域では、復興期間の後々までを視野に入れて、まちづくりと合わせて被災地それぞれの地域の産業振興、子育て支援、公共交通の確保などの諸課題を総合的に進めていくことが求められます。住民参加で地域の将来計画を練り上げて、市町が推進していく必要がありますが、計画立案段階から県が関与して、長期にわたって粘り強く支援していく取り組みが必要です。
高知県が、人口減少に歯止めをかけるという一大目標を正面に据えて、全市町村に県の企画支援員を配置し、それぞれの地域課題の推進に市町村の職員とともに当たり、県政の対応を見直すという取り組みを進めています。
 高知県の取り組みから学び、支援を必要としている被災市町に県職員を系統的に配置すること、県庁の各部局の力をそれぞれの市町村の支援に横断的に発揮できる仕組みづくりを提案いたしますが、いかがでしょうか。

 次に、被災者の生活再建支援について5点うかがいます。
 被災者生活再建支援金について。
 県は四月十日までで基礎支援金の受付を終了する考えですが、仙台市の実情を固定資産税台帳から調べてみたところ、以前から把握されていた未申請者三百二十人に加えて、大規模半壊で家屋を解体した人のうち二百十六人、半壊で解体した人のうち四百九十人が未申請者で、合計で一千人を超えることがわかりました。県は、市町村に問い合わせた上で判断したとしていますが、受付を延長し、市町村に再調査を求めるべきですが、お答えください。
 災害公営住宅の家賃減免について。
 復興庁の十一月二十一日付の通知を徹底していただき、5市町が災害公営住宅の家賃減免を継続すると表明しました。財源は十分に交付されており、災害公営住宅を建設している二十一市町のすべてで延長することは可能なので、県のイニシアチブ発揮を求めますが、いかがですか。
 いわゆる収入超過者は、平成二十三年に改正された公営住宅法にもとづけば、入居を継続できる人が圧倒的多数です。働き盛りの世代が多く、災害公営住宅のコミュニティを維持する力です。復興庁の通知が、わざわざ収入超過者に言及し、公営住宅法をふまえた条例改正をすること、建設費高騰等の震災特有の要因による家賃増加分を減免する手法まで例示している趣旨を市町村に徹底して、市町村間で格差が生じることがなく、収入超過者の減免が継続されるようにすることを求めます。お答えください。
 被災者の医療・介護の負担免除の継続について。
 岩手県は、収入に関わらず医療・介護・障害者福祉サービスの利用料の免除を継続しています。宮城県では、住民税非課税の低所得者に限定し、9市町で医療・介護の負担免除を継続してきましたが、免除措置をとればその8割は国が支援します。残りの2割については、被災3県に対して国保財政が困難な保険者に対する特別調整交付金による国の支援があり、市町村の判断で残り2割の負担に充てることができます。二〇一八年度から県が国保の保険者になりますから、県は、少なくとも低所得者については支援するという判断を示すべきです。お答えください。
 在宅被災者にについて。
 半壊などの被害を受け、様々な住宅と生活の課題を抱えながら、自宅で暮らし続けているために支援から取り残されてきた在宅被災者に対する対応について、一貫してとりくんできたNPOと仙台弁護士会から重要な提言が寄せられました。いま現実に苦しんでいる在宅被災者のため、既存の見守り活動とは別に、県がこちらから出かけていく戸別訪問や出張相談などに充たる体制の確立、いまある被災者支援総合交付金や生活困窮者支援法の施策の活用を市町と連携して急ぐことを求めます。
 アウトリーチ型法律相談支援事業、ケースマネージメント体制の確立を喫緊の課題として国に求めることなど、在宅被災者の願いへの対応を求めますが、お答えください。

 水産特区について伺います。
 今年秋に5年ぶりに漁業権の更新が予定され、県はいま特区導入の結果を検証しています。平成二十五年に国に提出した「復興推進計画」に掲げられていた諸目標が、計画期間の平成二十八年度までに達成できたかどうかが大事です。
 仙台水産のホームページに桃浦かき生産者合同会社の売上額があったので、計画期間の実績を計算してみたところ、累計売上高は計画の六三・一%にとどまり、金額では計画より三億七千万円も少なく、当期純利益を計算すると累積赤字四千六百万円でした。計画と実績は大きく乖離していると思いますが、間違いないでしょうか。事業の継続性が懸念されますが、桃浦かき生産者合同会社が債務超過に陥っていないか、実情を伺います。
浜の連帯を壊したこと、漁師のあり方を変えたこと、他産地かきの流用を引き起こしたことなどから、特区は廃止して漁業権は漁師の自治に委ねるべきですが、お答えください。

大綱3、教師の働き方改革、国際バカロレアについて

 県政の各分野のうち、教育に重点を置いて伺います。
昨年末の十二月二十六日、文部科学大臣が「学校における働き方改革に関する緊急対策」を発表し、その内容が二月九日付で教育長に通知されました。
 教員があまりにも多忙で子どもたちと向き合えなくなっていますが、十年ぶりに行われた教員勤務実態調査で、さらに勤務時間が伸びていることがわかりました。過労死ラインを超える長時間労働は小学校で三三・五%、中学校で五七・六%と、他産業をはるかに上回っているという、非常に深刻な状況です。
 緊急対策と通知は、中教審が昨年十二月二十二日に公表した「新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について(中間まとめ)」にもとづくものです。教員の命と健康にとっても、子どもの教育にとっても、教員の異常な長時間労働を是正することは、まさに喫緊の課題です。「中間まとめ」と通知を積極的に受けとめ、必要性の乏しい行事の廃止など、従前の対策から大きく踏み込んで具体化すべきですが、県教委の受けとめ方をお答えください。

 具体化にあたっては、留意すべき点があると思います。
 第1に、通知が、削ることを検討する対象に「授業準備」をあげていることは問題です。国は、教員定数を算定するのに、「一時間の授業に一時間程度の準備が必要」という考え方をとっています。「主体的・対話的な深い学び」をつくれという最近の要請は、教員に従来以上の授業準備を求めており、教材研究や授業準備の時間はシッカリ確保すべきですが、お答えください。
 第2に、「学校における働き方改革」について「中間まとめ」は、「押し付けではなく、基本的には各学校の主体性を大事にしながら行うべき」で、「教職員間で業務のあり方、見直しについて話し合いの機会を設けることが有効」であるとしています。現場の教職員の意見を尊重して進めるべきですが、お答えください。
 第3に「中間まとめ」は、学習指導要領の改定による授業時間の増加の問題に踏み込んでいません。教員の長時間労働は、授業コマ数が増えたのに、それに見合う定数増をしてこなかったことが主な要因ですが、県教委はどう考えていますか、うかがいます。
 第4に「中間まとめ」は、教職員の増員に控えめな要求しかしていません。「日本教育新聞」が今年一月、学校の「働き方改革のため国に期待する施策」を尋ねたところ、全国の市区町村の教育長のじつに九七%が「教職員定数の改善」を挙げたと報道しました。これが教育現場の圧倒的多数の声です。
 仙台市の郡和子市長が、新年度からの2年間で中学校の全学年を「三十五人学級」にすることを打ち出し、宮城県の教育行政に新しい風が吹き始めました。
 隣の山形県教育委員会は、「三十三人」を目安に「少人数学級編成」に移行したあと、一クラスの人数が減ったことによる効果として、@欠席が減り不登校が減った、A学力が向上した、B教員のゆとりが生まれ、意欲的に仕事を進めるようになった、と報告しました。
 これこそ宮城県民が願っている、本物の「学校の働き方改革」です。
 国に対して教職員定数の抜本改善を求めること、県独自に教職員を増員すること、少人数学級をめざすことをあらためて求めますが、お答えください。

 仙台二華高校で海外の教育プログラム「国際バカロレア」の認定取得をめざす予算二千三百五十万円に関わって伺います。
 国際バカロレアそのものは「全人教育」が特色で、思考力・表現力に重点を置いた高い知的水準の達成をめざすとともに、異文化に対する理解力、寛容性、社会の一員としての自覚と責任を養うことを目標としており、意義あるものだと理解しています。
 しかし安倍政権のもとでの国際バカロレアの導入は、成長戦略実行計画、日本再生の基本戦略などに位置づけられ、グローバル人材を育成するという名目のもとで、ごく一握りのエリートを育成するねらいの英語教育強化の一環として持ち出されてきたものです。
 高知県では各地で県が説明会を開催して三千人を超える県民が参加し、高知県議会では二〇一四年からその功罪が論議されています。
 ところが本県では、県立高等学校将来構想審議会や教育委員会の会議でも、国際バカロレアは議論されていません。昨年十月の宮城県知事選挙で村井知事の選挙公約に登場し、知事のトップダウンで拙速に予算化されたことは大問題です。県民への説明や教育関係者の論議を先行させるべきです。お答えください。

大綱4、特別支援学校の増設と通級指導教室の拡充を求める

 転機を迎えている特別支援教育について伺います。
 特別支援学校に通学する児童生徒が増えていることに伴い、県教委は二〇一七年度に利府支援学校の分校を塩釜市に開設し、二〇一八年度には小松島支援学校の分校を泉区松陵に、二〇一九年度には名取支援学校の分校を名取市内に置く予定です。太白区秋保町に特別支援学校を新設する計画が二〇一八年度に動き出すことになっています。
 しかし仙台圏の特別支援学校の保護者からは、「過大過密の問題が一向に解決されていない」という声が絶えません。利府支援学校、名取支援学校のプレハブ校舎は、いつ解消できるのでしょうか、お答えください。
 仙台圏では、特別支援学校の児童生徒が、今年度の千五百十七人から7年後の二〇二四年度の千七百二十人まで増加を続け、その後もあまり減少しないで推移するという見通しです。とくに高等部がそうです。
 秋保の他にもう一校の特別支援学校を仙台圏に設置することを早期に決断するよう求めます。また、各支援学校の規模については、児童生徒数を概ね百人以下にすることをめざして今後の整備計画を考えてほしいのですが、お答えください。

 言語障害や発達障害などがあり、小中学校で通級指導を受ける児童生徒が急増しています。本県でも通級指導教室の開設が進み、今年度の仙台市以外の公立小学校の通級指導教室は百五十二学級で、通級している児童数は二千二百九十人、中学校は十一学級で通級している生徒数は七十四人です。
 小学校には発達障害の診断がある児童生徒が八百六十四人、中学校には四百八十人、合わせて一千三百四十四人が在籍しています。診断はないが発達障害が疑われる児童生徒は約二千九百人で、合計で約四千二百人に達します。ほとんどの学校で通級指導のニーズがあると思われますが、とくに中学校での活用が遅れています。
 通級指導教室は対象児童生徒十三人に教員一人が配置されます。文部科学省は通級指導の体制の充実をめざし、昨年度まで加配で対応していた通級指導に関わる教員を、今年度から十年かけて段階的に基礎定数化する措置をとり、本県でも今年度二十人が基礎定数化されました。
 県がニーズをよく把握するようにして通級指導学級を増やせば教員定数も増えます。県も積極的に教員を配置し、十年を待たずに指導体制を充実させるよう求めますが、お答えください。

 新年度から高等学校の通級指導教室が制度化されます。
 知的遅れがない発達障害の子どもとその保護者、中学校の特別支援教室を卒業した後の子どもの進路で悩んでいる保護者をはじめ、多くの人々が、必要な場合にどこの高校でも実施されるようになることを期待しています。
新年度に予算は確保されているでしょうか、何校で実施する予定でしょうか、お答えください。

大綱5、原発ゼロ法、女川原発の避難計画と安全審査について
 東日本大震災と原発事故の複合災害が深刻な福島県で、今なお多くの人々が避難を続けているにも関わらず、安倍政権が被災者への補償の打ち切りに動き、その一方で日立のイギリスでの原発建設に百%の政府保証を与え、「利益は原発企業に、ツケは国民に」という政治を進めていることは言語道断です。
 小泉純一郎元首相、細川護熙元首相が顧問を務める「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟」が、原発の稼働停止や、電源構成に占める再生可能エネルギーの割合を高めることを明記した「原発ゼロ・自然エネルギー基本法案」を提案しました。再生可能エネルギー開発、脱原発・脱石炭という世界の流れに日本が大きく立ち遅れていることは一刻も早く打開しなければならず、日本共産党は全面的に賛成です。
 村井知事に、「原発ゼロ・自然エネルギー基本法案」に関する見解を求めます。

 女川原子力発電所2号機の適合性審査を進めている東北電力は、主要な論点の説明を5月末にも終えたいという意向を表明しており、宮城県議会が再稼働に関わる意向の確認を求められる日が、早ければ年内にも訪れるかもしれないという状況になっています。
 新しい原子力災害対策指針のもとで、三〇キロ圏内の住民は、五キロ圏内の住民を先に逃がしている間は自宅退避をすることになっていますが、そのことを自覚している人は少数です。防災関係者の多くも、「指示に従う人は少数にとどまるだろう」と見ています。自宅退避は、居住地域が高濃度に汚染されてから避難することになりかねないからです。
 自宅退避を強要することはできません。緊急時に住民が被ばくを避けて避難する権利を奪うことはできないからです。住民避難はできるだけ早期に行うことが鉄則であり、無用の被ばくを招く不合理な指針は見直すよう、政府に求めていただきたいのですが、お答えください。

 原発周辺の2市2町と県内避難先自治体との避難協定がまとまりましたが、地震・津波などの自然災害と同時に原発事故が発生した場合に、避難先自治体は「受け入れは難しい」としており、避難計画は絵に描いた餅といわざるをえません。
 知事は、大規模な広域避難訓練を秋頃に実施したいという意向を定例記者会見で示しましたが、島根県や福井県などで行われた大規模広域避難訓練では、避難計画どおりの時間ではとても避難できず、放射能汚染の検査手順が守られていないなどの重大な欠陥や課題が見つかっています。実効性のある避難計画ナシの再稼働がそもそも許されませんが、大規模訓練も、それを生かした避難計画の見直しもまだの今年秋に、再稼働への地元同意を求められたとしても、そもそも判断できる前提がないと思います。お答えください。

 避難計画にも関わり、最近動きがある蔵王をはじめ火山噴火の評価について伺います。
 四国電力伊方原発3号機の運転差し止めを求めて、広島市の住民らが申し立てた仮処分の即時抗告審で、広島高裁が昨年十二月十三日、阿蘇山の噴火に関わる原子力規制委員会の判断を不合理だとして、運転を差し止める決定を下しました。広島高裁の決定は、原発に対しては考え得る限り最大の災害に備えなければならないという考え方を示しました。
 伊方原発と阿蘇山の距離は約百三十㌖ですが、女川原発と蔵王山は約百㌖です。女川原発の火山に関わる適合性審査は広島高裁判決前だったので、それが適切だったのかどうか、「女川原子力発電所2号機の安全性に関わる検討会」に意見を求めていただきたいのですが、伺います。

 女川原発では、炉心損傷に備えて、原子炉格納容器の下部に注水する設備をもうけて、溶融した核燃料を水で冷却することにしていますが、高温の溶融核燃料が水と接触したら水蒸気爆発を引き起こす可能性があります。
 県も、水蒸気爆発の可能性を認め、私の質問に対して「国の審査の状況を注視してまいりたいと考えております」と答弁していました。
 ところが原子力規制委員会は、水蒸気爆発が発生したTROI(トロイ)と呼ばれる実験を、結果的に無視して合格を出してしまい、専門家から激しい批判が湧きおこっています。
原子力規制委員会の水蒸気爆発に関わる審査は不当ですが、県はどのように判断しているでしょうか、お答えください。
 安全対策として導入される格納容器の下部への注水は、安全どころか東日本を壊滅させる大惨事を招く危険があり、私はこのまま実行に移されてはならないと考えています。「女川原子力発電所2号機の安全性に関わる検討会」に、水蒸気爆発の可能性を評価するよう求めていただきたいのですが、お答えください。

 最後に、航空機の原発への衝突防止に関わって伺います。
 新規制基準で航空機の衝突に耐えられる原発を求めるとともに、原発上空を飛行禁止にして安全確保をはかっていますが、軍用機の墜落、とくに航空法適用除外の米軍機による事故が安全対策の盲点になっています。
 米軍オスプレイの飛来にあたり、県を含む「王城寺原演習場対策協議会」が二月七日、「人家や学校等を避けて飛行する」ことや事前に飛行ルートや飛行時間等を明示するよう要望しましたが、米軍と防衛省は無視しています。そこへ二十日、米空軍三沢基地所属のF16戦闘機の事故と小川原湖への燃料タンク投棄が発生しました。
 オスプレイに関わる要請を無視されても、県が中止要請も抗議もしないという態度をとったことは遺憾です。
 米軍機事故から県民の安全を守るために、言うべきことは主張するという態度を貫くこと、オスプレイはとくに事故が多い欠陥機であり、厳しく対応することを求めます。お答えください。

 壇上からの質問は以上です。

(了)
宮城県議会の第362回定例会が開会、文教警察委員に[2017年11月25日(Sat)]
第362回宮城県議会定例会が24日に開会しました。
常任委員会の選出が行われ、私は文教警察委員会の所属になりました。
開会前の時間帯に宮城県議会の一階でラウンジコンサートが行われました。今回は第50回目。高橋泉さんと縄文Jazzオーケストラのみなさんが縄文太鼓、オカリナ、石琴という民族楽器とシンセサイザー、ピアノ等で不思議な世界をつくり出しました。
会期は12月14日まで。私は12月8日午後、予算特別委員会で総括質疑を行います。
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討論で、村井県政12年を決算し、宮城県政の転換を訴えました[2017年09月29日(Fri)]
 10番、中嶋廉です。日本共産党宮城県会議員団を代表して、提案されている19議案のうち、議第177号ないし181号、および201号の6件に反対し、討論いたします。
 今議会は、村井県政12年とは何だったのかが問われました。
「富県戦略」のもとで、賃金に回るべき雇用者報酬が村井知事就任前より減ったのか、増えたのか、これが本会議でも決算審査特別委員会の総括質疑でも論議されました。企業誘致で増加した以上に雇用者が減っていること、しかも一人あたり雇用者報酬が減っていること、県民が豊かさを実感できる県政にはなっていないことが、具体的に明らかになりました。
 東日本大震災から6年半が経過しているもとで、被災者のいのちと健康などへの支援が弱く、安心できる住まいの確保については岩手県と較べて極端に見劣りするなど、県政全体の転換が必要であることをあらためて実感させられた議会でした。

 まず、議第201号議案、一般会計および特別会計の決算の認定について、反対する理由を述べます。

 第一に、被災者・県民の願いが置き去りにされていることです。
被災者医療への支援の復活、住宅再建への支援という課題に対しては、向き合おうとはしませんでした。
 平成28年度の県民意識調査で最も高かった県民の願いが「自然環境の保全の実現」であったにもかかわらず、石炭火力発電所に関わる対応が明らかに後手に回り、原発と放射能汚染廃棄物への対応では国の言いなりが特徴でした。
 県の政策医療を担い、瀬峰地域の住民にとってかけがえのない病院であるとともに、地域経済やまちづくりの拠点として役割を果たしてきた循環器・呼吸器病センターの廃止を進めたことには、同意できません。
 農林水産県にふさわしい、県としての独自施策が不十分です。小さい農家への支援、中山間地の地域づくり、販路確保などのためにGAPP認証取得を考えている経営体への支援などが求められています。
 私学助成では、決算年度はついに高校生に対する県の上乗せ分がゼロ円にされました。
 一人ひとりの児童生徒に目がゆきとどく教育が痛切に求められているのに、「35人学級」への努力は全国最低水準のままです。仙台市の郡和子・新市長は、中学校から順次「35人学級」に移行させることに意欲を見せており、県政の立ち遅れを一日も早く是正するよう、あらためて求めるものです。

 第二に、富県戦略や創造的復興の名で、大企業依存型の県政運営が進められたことです。
「みやぎ企業立地奨励金」は、2009年度から2016年度までで総額約120億円が支給されましたが、そのうち半分以上の約66億円余がトヨタとその関連会社分です。
「創造的復興」についてですが。まず仙台空港が決算年度の7月から「完全民営化」されたことについてです。公共施設である仙台空港の運営権を、最大65年にわたって、運営権者である仙台空港株式会社に委ねるものですが、公共の立場で適正に運営されていることを点検するモニタリングが極めて重要であるにもかかわらず、毎月提出されているセルフモニタリングの報告書は、たった3つのチェック項目に〇印をつけるだけです。国によるモニタリングは行われておらず、すべて運営権者まかせになっている現状は、公共施設の運営としてきわめてズサンです。
 次に、広域防災拠点事業についてですが、経過もリスク回避も不透明なままに、300億円もの事業が「宮城野原ありき」でJR貨物ヤードに推進され、そのJR貨物の移転地となる岩切・燕沢東のまちづくりにも深刻な影響がおよぼうとしています。
「水素社会の先駆けの地」にするという派手なネーミングで、燃料電池自動車(FCV)への突出した支援にのりだし、3億8千万円という全国最高の補助で宮城野区に商用水素ステーションが設置されましたが、県が財政負担して走らせているFCVのタクシーやレンタル自動車を含めても、水素の充填に訪れるのは一日に数台だけです。FCVの普及は、知事自身も「見通せない」と、答弁せざるをえなくなっています。
 知事は「創造的復興」のシンボルとして漁民の猛反対を押し切って水産特区を導入しましたが、知事の肝いりでつくられた合同会社は債務超過の状態です。決算年度に、合同会社が他地区産カキを混入して消費者をあざむいていたことが明らかになりましたが、その調査もまた責任の所在をあいまいにするものでした。今後の「水産業のモデル」に到底なりえない水産特区は、その問題解決を漁師の自治に委ね、解消することを求めます。
「創造的復興」と称するこれらの施策は、中央政財界のアイデアに十分な検討なしに飛びついたことが共通の特徴で、宮城県の風土や県民の願いに根差したものではありません。

 反対理由の第三は、財政運営における「ためこみ主義」ともいうべき手法がますますひどくなっていることです。震災による財政の膨らみによってつくられた黒字分を計画性もなく各種基金にいれこむ一方、被災者個人の支援や県の独自施策に使うべき「復興基金」や「地域整備推進基金」の復興財源分を本当に必要な施策に振り向けていません。世界中から震災遺児・孤児への支援にと寄せられた寄附金である「みやぎこども育英基金」の流用を可能とする条例改悪を強行したことも見過ごせません。
 「富県戦略」は、大企業を応援すればそのうちおこぼれがあるというトリクルダウンの考え方にもとづいていますが、経済先進国35か国が参加しているOECD(経済協力開発機構)は、5年前からこの考え方は間違っているとしています。経済と財政に関する時代遅れの考え方は、宮城県政から一日も早く一掃する必要があります。

 以上、指摘した3点は、決算年度だけでなく、村井県政の12年に共通する問題です。知事は近年、国いいなりの姿勢を強める一方で地方自治の発揮や情報公開を後退させており、批判や異なる意見に耳をふさぐ傾向があることは問題です。
 地域医療構想と国保の県単位化についてですが、人口1人当たりベッド数が日本一多い高知県の尾崎正直(おざき・まさなお)知事は、各圏域ごとの受診機会確保のため、現状維持を基本とする地域医療構想をまとめていますが、村井知事は地域医療構想でも国保の県単位化でもベッド削減と医療費抑制を押しつけている国の言いなりです。
 原発の再稼動についてですが、これまで知事は国まかせの態度をとっています。新潟県の米山隆一知事は、福島第一原発事故の原因と経過、放射能による健康への影響、実効性のある避難計画をつくれるかどうかを独自に検証して、慎重に判断しようとしています。村井知事も、こういう立場に立つべきです。
 決算年度に計画された観光PR動画について、県の男女共同参画条例に反するという批判がわきおこりましたが、それでも配信を続けたことは、女性差別の人権問題であることに対する理解を欠いた、批判に耳をふさぐきわめて不適切な対応です。
 以上、述べましたように、知事の政策の中心点とその政治姿勢に大きな問題があり、議第201号議案、一般会計および特別会計の決算認定に反対するものです。

 なお、決算年度に県民の暮らしといのちに深く関わる上工下水道を一体で運営権を民間委譲するための懇話会が密かに進められました。民営委譲された後のことに県が責任をもつといっていますが、それを保証するものは示されておらず、料金値上げの恐れがあり、県政から水道事業に関わる経営の能力や技術が失われていくことは目に見えています。
 また、私どもが、上工下水道一体の民間委譲に関わる文書を開示請求したことに対し、全体の3分の1以上にあたる160ページが全面黒塗りで平然と出されてきました。プロポーザルを隠れみのに、民間の知的財産権などとは無関係な、応募した企業名さえ情報公開しないという、全国でもまれにみる情報隠しの県政に後退していることは重大だと指摘しておきます。

 議第177号議案は、一般会計補正予算ですが、その中の「結核医療提供施設整備費」は、循環器・呼吸器病センターの機能移管に向けた病棟建設の予算であり、先に述べた理由で反対いたします。
 議第178号議案は、手数料条例の一部を改正するものですが、小規模不動産特定共同事業の登録、更新にかかわる手数料設定に反対します。
不動産特定共同事業法は、出資を募って不動産を売買・賃貸し、その利益を分配する事業です。バブルの崩壊によって小口化商品を販売する事業者が倒産し、投資家被害が生じたために、資本金等の許可要件を定め、投資家を保護し業務の適正化をはかろうとするものです。ところが議案は、せっかく定めたルールを緩和して不動産取引のリスクを拡大するもので、賛成できません。
 議第179号議案、県税条例等の一部改正は、法人事業税の超過課税であるみやぎ発展税の適用期間をさらに5年間(平成35年2月28日まで)延長しようとするもの、また議第180号議案、企業立地促進のための県税の課税免除等に関する条例の一部改正は、企業立地促進税制の適用期間を同じく5年間(平成35年3月31日まで)延長しようとするものです。
 この発展税と誘致企業優遇税制は、村井県政の「富県宮城の実現」に向けて、自動車・電子産業などの製造業の集積を図ろうとするものですが、先に述べたように雇用者数、一人あたりの雇用者報酬とも減少したのが過去の事実です。とりわけ活用実績を見ると、総額の78%が企業立地奨励金に使われ、約120億円のうちトヨタとその関連会社に半分以上が交付されました。宮城に根差す企業に税負担を求めながら、地元企業には7億円しか交付されておらず、逆立ちした産業政策というほかありません。よって両議案に反対します。
 議第181号議案は、農村地域工業等導入促進法の改定にともない、農村地域工業等導入促進審議会条例の一部を改正するものですが、地方自治体の自主性や創意性を損ない、安易な農地転用などが行われる危険性があるので、反対します。

 以上、同意しがたい議案について述べましたが、昨日、安倍首相が衆議院を冒頭解散しました。宮城県では、県知事選挙と総選挙のダブル選挙が行われます。
 日本共産党宮城県会議員団は、安保法制を廃止して憲法9条を守り、政治を変えたいと願う市民と野党の共同をさらに発展させ、国政でも県政でも政治の転換をめざして奮闘することを申し上げ、討論といたします。

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石炭火力発電所建設、放射能汚染廃棄物への対応、原発政策、水産特区、国保の都道府県単位化、コンセッション方式による水道の民営化を追及しました―一般質問の概要(6月29日)[2017年06月30日(Fri)]
一般質問 第一回目の発言(概要、2017年6月29日)

 大綱一点目、石炭火力発電所建設、放射能汚染廃棄物への対応、原発政策に地方自治の精神を発揮して取り組むことについて、うかがいます。

【石炭火力発電の建設を認めず、温暖化対策と公害防止を】

 まず石炭火力発電についてです。
 宮城県で新たな火力発電所5基が計画され、その設備容量の合計は五十一万九千キロワットです。全国の石炭火力の新増設計画は四十九件、その設備容量の合計は二千三百二万キロワットで、原発二十四基分に相当します。電気は今でも十分です。省エネと再生可能エネルギー開発が進展しており、こんな巨大な火力発電施設はまったく必要ありません。
 一方、社会の批判、住民運動が高まり、事業者が今年、計石炭火力4基の計画を中止・変更していますが、自治体も事業者を動かしています。
 兵庫県では井戸敏三知事が、温暖化ガスの排出量を現状から増やさないという考え方から意見を述べ、あの関西電力が赤穂市の計画を変更せざるをえませんでした。
 宮城県でも、石炭火力に反対する緊急署名が短期間で約二万三千人から寄せられました。村井知事は、石炭火力発電は認めないという強い姿勢で臨むべきです。お答えください。
石巻市・雲雀野の新たなバイオマス火力発電所計画に対して、県漁協等が温排水の漁場への影響を懸念して県に要望書を提出しましたが、関係団体の要望を尊重して、県有地の売却を見送るべきですが、いかがでしょうか。

 石炭火力の新増設計画は、安倍政権が「エネルギー基本計画」などで石炭火力発電をベースロード電源に位置付けたため、電気事業者がこれに便乗しているからですが、環境省が石炭火力発電に警鐘を鳴らし始めました。温暖化対策を定めたパリ協定に反するからで、政府内の矛盾が表面化しています。
 前田建設が大船渡市の石炭火力の計画を六月十五日、木質バイオマスに変更し、その理由でパリ協定に言及しました。民間事業者のパリ協定を理由にした計画変更は初めてです。
 パリ協定にもとづく対策を成功させることは、人類的課題、国民的課題です。県の温暖化対策計画の見直しでは、大胆な温暖化ガス排出削減目標をもつべきです。一定規模以上の事業者に温暖化ガスの排出を抑制する努力を求める計画書制度の導入を求めますが、お答えください。

 仙台港地域に建設された石炭火力、関西電力の仙台パワーステーションは、安上がりの古い技術を採用したため、出力が十一万二千キロワットと小規模でも、最新鋭の石炭火力の何十倍も環境汚染物質を排出する施設です。
 最近、大気汚染による健康影響は以前考えられていたよりも深刻だとわかりました。世界保健機関(WHO)は大気汚染による早期死亡を毎年三百万人にのぼるとしています。喘息等を引き起こすPM二・五の生成にもつながるオキシダントや煤塵などの大気汚染物質、そして水銀などの重金属をさらに抑制する対策を進めなければなりません。
 これらを規制項目に加える県公害防止条例の改定を求めますが、お答えください。

 大気汚染に関わる県政の対応として測定体制の整備も急がれます。仙台港周辺は大気中に逆転層が出現して汚染物質の影響が大きくなるので、多賀城市・七ヶ浜町から要望が出ている観測局の設置は急ぐべきですが、いかがでしょうか。

【放射能汚染廃棄物の圏域毎一斉焼却の中止、隔離・管理で汚染拡散防止を】
 
 次に、復興に関わる問題として、放射能汚染廃棄物問題について伺います。
 知事は六月十八日の市町村長会議で、「全県一斉焼却」から「圏域毎の一斉焼却」に軌道修正しましたが、市町村に放射能汚染廃棄物の一斉焼却を求めるという方針の基本は変えませんでした。
しかし、放射能汚染廃棄物の一斉焼却中止を求める世論と住民運動は大きな成果をあげました。放射能汚染廃棄物を保管していない仙台市に、他圏域の放射能汚染廃棄物をもちこみ焼却することを断念させました。仙台市の焼却灰を受け入れている富谷市・石積処分場に、放射能汚染焼却灰を持ち込むことも、断念させました。
 知事の一斉焼却方針を批判する世論と運動は全県に広がっています。仙台と富谷に押し付けることを断念した方針は、全県で断念すべきです。お答えください。

 放射能は、焼却したり、埋めたりしたところで、無くなることも、減ることもありません。被ばくと汚染の拡散を防ぐため、隔離・保管が原則です。
 農林水産省が「東日本大震災農業生産対策交付金」で、今年度から新しい事業を始めました。放射能で汚染された牧草、堆肥などを適正に維持管理するために必要な一時保管施設などに全額を支援する事業です。将来の処理方法が未定でも申請できるので、実情にあっていて、当面は保管を継続せざるをえないところ、とくに濃度が高い牧草や堆肥の保管にはたいへん助かります。
新たな交付金事業を市町村と農家に周知して保管の改善に活用することを求めます。お答えください。

 わが国の放射線防護は、国際放射線防護委員会(ICRP)の考え方を参照しています。被ばく線量は、「容易に達成できる限り低く保つことが望ましい」という原則です。被ばくによりガンなどを発症する晩発性障害には、これ以下の被ばくなら安全だという閾値(しきいち)がないという考え方にもとづいています。
 知事の一斉焼却の方針は、焼却炉の排気ガスや処分場の流出水に放射性セシウムが含まれていても、濃度さえ薄ければよいというものになっています。これは「被ばくリスクには閾値はない」という考え方の否定につながります。お答えください。

 放射性物質は公害原因物質の一つですが、「わが国では原発の重大事故は起こらない」から放射能による環境汚染は考えなくてもよいという「安全神話」のもとで、公害規制関連法などの環境法制の適用除外にされてきました。このため、福島第一原発事故で巨大な環境汚染が引き起こされたのに、誰も処罰されませんでした。
 国会は二〇一一年六月、「環境省が、国民の負託に応える行政を法に基づき執行できるよう……放射性物質に係わる適用除外規定の見直しを含め、体制整備を図る」ことを決議しました。そして二〇一二年六月に、まず環境基本法が改定され、放射能除外規定を削除しました。次に二〇一三年五月、個別法が改定されました。具体的には、大気汚染防止法、水質汚濁防止法、環境影響評価法、その他の法律から一挙に放射能除外規定を削除し、大気と水質の放射能は常時観測する対象になりました。
 これは環境行政の大転換で、放射性物質は法律の上で初めて公害原因物質に位置づけられたのです。
 自治体の第一の使命は、住民の命と健康を守ることです。宮城県も含めて、行政は放射能を公害原因物質と受け止め、原則として拡散すべきではありませんが、いかがですか。また、環境基本法改正の趣旨を踏まえて、放射能の適用除外規定がまだ削除されていない土壌汚染対策法の改正や法令の整備を国に要請することを求めるものですが、合わせてお答えください。

 知事の一斉焼却方針は、問題だらけの放射性物質汚染対処特措法とその基本計画にもとづくものです。特措法には、放射線防護の原則を歪めて市町村と住民に犠牲を押し付ける誤り、汚染者の責任で解決するという公害対策の原則を歪めて東電を免罪するという不当性、住民合意を無視する強権性という、数多くの誤りがあります。その誤りが知事の方針にも持ち込まれており、住民合意は不可能です。
 一斉焼却の方針を撤回し、特措法そのものの見直しを求めるべきです。答弁を求めます。

【原発の安全対策を地方から、実効性ある避難計画がなければ再稼働中止に】

 原発政策について伺います。
 原子力規制委員会の規制基準と適合性審査は、安全を保障するものではなく、再稼働のための手立てになっています。
 新潟県の技術委員会は、福島第一原発事故の検証に取り組み、事故の二ヶ月後に公表されたメルトダウンを、東電が事故直後から把握していたことをつきとめました。フィルターベントについて、放射能が一千分の一以下になるとされていましたが、六分の一までしか低下しないことを明らかにしました。いずれも規制委員会に影響を与え、地方自治体の取り組みがいかに重要かを示しました。
 女川原発は大震災で被災した特殊な原発です。マサチューセッツ工科大学の研究者が二〇一一年十月のアメリカ原子力学会に、地震の影響を受けやすい原発を報告しましたが、世界一地震の影響を受けやすい原発は女川原発でした。
 昨年、規制委員会の委員長代理を務めた島崎邦彦氏が、地震対策に関わる審査に疑問を投げかけました。島崎氏と規制委員の面談で、基準地震動を正確に割り出すことはまだできず、原発の耐震性評価は困難だという「科学の限界」が浮かび上がりました。国まかせではますます県民の安全を守れなくなっています。
 ところが宮城県では、女川原発の安全性を検証するために県独自の検討会を設置していますが、知事が「適合性審査による安全性向上の確認」という非常に狭い範囲に議論の枠をはめているために、国の審査を後追いするだけになっています。このままでは再稼働のための手立てにしかなりません。
 女川原発の特殊性も踏まえて、検討の枠を広げること、検討会の体制強化を求めます。お答えください。

 川内、伊方、高浜の各原発が再稼働していますが、重大事故時に被ばくを避けて住民が避難できる方法はどこでも示されていません。
 宮城県では、立地市町と緊急時防護措置準備区域(UPZ)の計3市4町で、原発事故の避難計画が出そろいましたが、数え切れないほどの課題を抱えています。
 医療機関、介護施設、障害者利用施設の避難計画はほとんどつくられていません。県はまもなくアンケートを始めてUPZ圏外の受け入れ施設の情報を集め、UPZ圏内の老人施設と障害者施設に提供しようとしています。しかし事業所が避難計画をまとめるまでには、協定の締結、避難手段やマンパワーの確保など、多くの課題があります。東北電力が再稼働のメドにしている「二〇一八年度後半」には、とても間に合わないと思われますが、お答えください。
 避難には多くの車両と運転員が必要です。3市4町の避難計画を実行するためには、全県で何台の車両、何人の運転員を確保しなければならないか、その規模をお答えください。運送事業者と業界団体からアンケートをとるなど、規模に見合う車両と運転員を確保する努力が必要ですが、現状と今後の対応をお答えください。
 重大事故が起これば、県民は初めから県外への避難を考えます。県外避難の計画を策定すべきですが、お答えください。

 UPZ圏内2市3町が東北電力と「同意権」のない「安全協定」を締結した直後の二〇一五年四月二十七日、村井知事が定例記者会見で「立地自治体の判断で十分だと思う」と発言したことは問題です。原発が重大事故をおこせば広範囲に放射能が拡散することが明確になり、UPZ圏内の自治体に避難計画の策定が義務づけられました。当然、UPZ市町の「安全協定」は、立地市町と同等の「同意権」をもつものに発展させることをめざすべきです。お答えください。

 新潟県の米山隆一知事は、実効性ある避難計画の検証などに委員会をつくって取り組み始め、検証が終わるまでは再稼働の協議には応じることができないと表明しました。
村井知事は、実効性ある避難計画策定を進め、それができない場合は再稼働の協議には応じることができないという態度を表明すべきです。お答えください。

【他産地かき流用は法令違反、「創造的復興」の象徴=水産特区は止めよ】

 復興に関わって、大綱2点目、合同会社による他産地カキ流用と、水産特区の検証について伺います。
 「創造的復興」の象徴とされている水産特区を適用して漁業権を村井知事から免許された「桃浦かき生産者合同会社」が侍浜のかきを混入させて販売していました。

 県は、ブランド管理に問題があるが、法令違反はなかったとする調査結果をまとめました。桃浦と侍浜のかきの値段にあまり違いがなかったことを理由に、景品表示法の「優良誤認」に該当しないとしました。しかし村井知事は常々、桃浦のカキは「非常に高く売れている」と発言していました。この二つが両立するとは思えません。整合性のある説明を求めます。

 「桃浦かき」は、「宮城県石巻市桃浦産の牡蠣」を使用することを条件に、商標に登録されています。侍浜産のかきを流用し、桃浦産に混入させて販売したことは、商標法が第51条で禁止している「商標権者が故意に指定商品に類似する商品、指定商品と誤認される商品を提供した場合」に該当し、法令違反です。法令違反はなかったという県の調査報告は見直すべきです。お答えください。

 侍浜産かきの流用に仙台水産は関与していないとした県の調査報告が、疑問です。三月十七日の新聞報道に、当時の合同会社代表の「仙台水産がやっていた」という証言が掲載されています。仙台水産会長は、流用は「知らなかった」と言っていますが、どちらかが正しくありません。県は、両者から事情を聞きましたか。お答えください。
 県の調査報告では、流用は四人の業務執行役員で話し合い、会社として意思を決定した、ということになっています。仙台水産は、合同会社の業務執行役員に一人を派遣し、日常的に合同会社に関与していた人もいます。仙台水産の関与は否定できないと思いますが、お答えください。

 「桃浦かき」の商標権者は仙台水産で、商標を正しく使用するよう監督する責任があります。県は五月十九日の環境生活農林水産委員会で指摘されるまで、侍浜産かきの流用が商標法違反になることをまったく把握していませんでした。仙台水産と合同会社も、気がついていなかったのではないですか、お答えください。

県漁協の幹部は、特区を適用する前に、桃浦産かきだけでは事業は成り立たないと合同会社に指摘していました。合同会社が他産地のかきを流用した背景には、計画に無理があり、構造的な経営難を抱えていたためではないでしょうか。知事の「復興推進計画」と、生産数量、売り上げの実績とには、乖離があると思いますが、ご説明ください。債務超過に陥っていないか、合同会社の経営状況の概要を説明して下さい。
合同会社は設立した後、県漁協に加入しています。漁業権を得るためであれば、特区を適用する必然性はなくなっていたし、将来も必要ないと思います。特区そのものを見直すべきですが、お答えください。

【国保の都道府県単位化、水道の民営化…県政の重要課題と知事の政治姿勢】

 大綱3点目、知事の政治姿勢と県政の重要課題について、うかがいます。
 国民健康保険が来年度から都道府県単位化に移行しようとしています。来年度の国民健康保険料がいくらになるか、仮係数を使って試算した結果を公表している県がいくつもあります。先日、岩手県が試算値を公表しましたが、陸前高田市など沿岸被災地の保険料が高騰していることがわかりました。
 ところが宮城県は、「国が確定係数を提示するのが十二月になるため、保険料の試算値を来年まで公表しない」としています。高すぎる保険料になることは避けなければなりません。とくに宮城県は、たくさんの被災者がいる被災地です。
 仮係数による試算で事前に保険料がわかれば、市町村も、県議会や市町村議会も、対策を検討することができますが、公表が年明けだとなれば、市町村は対策を考えることができないし、県議会も市町村議会も十分な議論ができないまま予算の議決を求められます。ましてや住民は、請求書が送られてきて、初めて事態を知るということになります。
 国民健康保険のあり方は、県民の命に関わることです。県民や議会をないがしろにすることは改めて、保険料の試算を早急に公表するよう求めます。お答えください。

 上工下水道を一体でコンセッション方式で民営化しようとする計画についてです。
 日本共産党宮城県議団が、「みやぎ型管理運営方式導入可能性等調査業務」及び「デューディリジェンス調査業務」の委託業者選定に至る経過の資料を情報開示請求したところ、開示された四百九十五枚の三割を超える百六十枚が真っ黒に塗りつぶされていました。黒塗り以外の文書は応募要領など、すでに公開されているもので、新たに「公開」された情報はほとんどありませんでした。
応募した企業名も委託業者名以外は明らかにされず、「技術提案書」の部分は、受託することが決定した事業者も含めていっさい黒塗りになっていました。
 県は、「個人情報及び法人情報であって正当な利益が損なわれる」という、県情報公開条例8条の2号と3号を理由に、非開示(部分開示)としましたが、二〇一二年のガレキ処理事業など、過去の開示請求ではプロポーザル参加企業名はすべて公開され、技術提案書も基本的に開示されてきました。
 明らかに不当です。
 開示を求めます。お答えください。

 以上で、壇上からの質問を終わります。 

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水産特区会社のかき流用は法令違反 県政レポート第15号を発行しました[2017年05月22日(Mon)]
PDFのダウンロードはこちら右矢印1170522 中嶋れん 県政レポート 第15号.pdf

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