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中嶋れん(日本共産党 宮城県議会議員)のブログ
宮城県議会 環境生活農林水産委員。
      障がい児・者福祉調査特別委員会 副委員長。
      「脱原発をめざす宮城県議の会」副会長。
自閉症児の親の会会長。
青森県むつ市大畑町生まれ。青森高校卒(音楽部、将棋同好会に参加)。
東北大学理学部物理学科卒(東北大学男声合唱団に参加)。

「戦争する国」No! 女川原発の再稼働中止 「人間の復興」を追求。
ライフワークは「障害のある人が生きやすい社会をめざす」。
日本国憲法の全面実施をめざす日本共産党に共感、入党して44年に。
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日本製紙が回答―「一関市の放射能汚染ほだ木を加工したチップは石巻工場でも雲雀野発電所でも使用していない」[2018年04月17日(Tue)]
 4月17日午後2時、三浦一敏県議(石巻・牡鹿区選出)といっしょに石巻市南光町にある日本製紙石巻工場を訪問し、「一関市の放射能汚染ほだ木を加工したチップは、石巻工場でも雲雀野発電所でも使用していない」としている同工場から、詳しい説明を伺いました。

 一部の報道機関が、一関市の放射能汚染ほだ木を加工したチップが石巻市で産業利用されていると報じました。日本製紙は、3月1日から石巻雲雀野発電所の営業運転を開始しましたが、石炭・バイオマス混焼の発電方式を採用していることから、「発電に汚染チップを利用しているのではないか」という観測が流れていました。同社は、操業に先立って2月28日、宮城県・石巻市・東松島市との間で「公害防止協定」を結んで各種の環境保全活動を約束し、石巻工場と雲雀野発電所のボイラーについては燃料使用計画を毎年提出することにしています。報道の後、宮城県環境対策課が放射能汚染ほだ木を加工したチップが混入しているかどうかを問い合わせましたが、同社は否定していました。
 私と三浦議員の訪問は、事実の再確認が目的でしたが、日本製紙石巻工場の村上義勝氏(事務部総務課課長代理)をはじめ3名に応対していただき、詳しい説明を伺うことができました。

 雲雀野発電所では、石炭、A重油、木質ペレット、木質チップをボイラーの燃料に使用する計画になっていますで。木質チップの使用割合はカロリー比で3%です。
 間伐材を基本に林地残材から生成したものだけを使用することになっていて、「建設廃材やほだ木のような認定を受けていない廃棄物を使用すると、FIT制度に基づく補助金を受け取ることができなくなる」という事情から、「将来も使用することはない」という説明でした。

 石巻工場では、工場内で使用する電力をまかなうための自家発電施設に5基のボイラーがあります。このうち木質チップを使用することが可能なのは1号バイオマスボイラーだけです(表を参照)。
 一関市で放射能汚染ほだ木を木質チップに加工する処理に関わっているA社については、「燃料を幅広い事業者から確保できるようにしておく必要があり、A社も取引先リストには載っています。報道の後、木質チップを納品している事業者から聞き取り調査をしましたが、放射能汚染ほだ木からつくったチップは混入していないことを確認しました」「植菌したほだ木は3〜5年で腐朽が進み、燃料には不向きです」という説明がありました。

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 放射能汚染ほだ木をチップ化して産業利用に充てるという一関市の事業について、情報をお持ちの方はお知らせいただければ助かります。
 市民の方々から問題提起をいただき、調査を始めました。
 放射能汚染のある物が有価物として販売されてしまうと、どのように流通してどこで使用されたかが追跡できなくなることに、問題意識を覚えました。この点についても、いろいろご教示いただければ幸いです。
仙南クリーンセンターの試験焼却―測定前から排気ガス中の放射性セシウムは必ず「不検出」になるとわかっています。計算してみました。「不検出だったから」は、本焼却に移行してよいという根拠にはなりません。[2018年03月24日(Sat)]
 宮城県南部の2市7町でつくる仙南地域広域行政事務組合が、放射性物質汚染廃棄物の試験焼却を3月20日から始めました。

 一部のマスコミが、モニタリングの数値で、安全か否かが判断できるかのように報道しましたが、排気ガス中の放射性セシウムは必ず「不検出」になります。行政の担当者も、もちろん知っています。住民団体との面談で、宮城県の担当者も、モニタリングは「住民の不安解消のため」という趣旨のことを発言していましたから。

 そこで、排気ガス中のセシウムの濃度を計算してみました。
 燃焼の過程で温度や圧力に大きな変動があるし、焼却炉のあちこちに放射性セシウムが吸着すると思われますが、これらを無視したおおづかみな計算だということをお断りしておきます。
 「不検出だったから、放射能は漏れていない」とか、「不検出だったから、本焼却に移行してもいいんだ」とは、主張できないことを知ってほしいのです。

 放射性物質汚染廃棄物とどう向き合うか、宮城県の村井知事が打ち出した一斉焼却をどう見るかについては、2017年6月29日の宮城県議会本会議での私の一般質問をご参照ください

<県南クリーンセンターの試験焼却の計画を確認します>
・汚染ほだ木の放射能の平均濃度     ⇒  100Bq/s
・一日当たりの焼却予定トン数      ⇒  1d つまり1,000s
・焼却炉に吹き込む空気量1時間当たり  ⇒  20,000㎥/h
・混焼する一般廃棄物 一日当たり    ⇒  100d つまり100,000kg
<測定器の検出限界は>  
・排気ガスについては、ろ紙部で0.2Bq/㎥  

【では、排気ガス中のセシウム濃度を計算してみましょう】

・濃度は放射性セシウムの総量(単位Bq)を排気ガスの体積で割算すると得られます。
 排気ガス中の濃度の単位は Bq/m3
・セシウムの総量は100Bq/s×1,000s=100,000Bq  
 これが全部漏れるという、大胆な想定で試算することにします。
・排気ガスは、初めは空気だけを考えて濃度を計算してみましょう。
 吹き込まれる空気は、一日では20,000㎥/h×24h=480,000m3 
・濃度を計算すると
 100,000Bq÷480,000m3=0.21Bq/m3
 これは検出限界ギリギリですね。

・排気ガスは実際にはもっと多いのです。
 廃棄物も、そこにふくまれている水分も、燃やせばほとんどが気体になるからです。
 吹き込んだ空気は窒素が80%、酸素が20%、一部の酸素は燃焼で消費されます。
 これを全部計算してみましょう。
 水分が30%、残りの70%は炭水化物(CH2O)だと想定します。

・廃棄物に含まれる水分は、水蒸気になります。
 101dの30%が水分 水分は30.3d これが水蒸気になります
・廃棄物は炭水化物(CH2O)だとしました。
 廃棄物の70%は70.7d 
 分子量の18/30 つまり60%にあたる42.42dは水。これも水蒸気になります 
 炭水化物の40%は炭素です。101dの40%なので、炭素は28.28dになります
 炭素は燃焼するとCO2になります。
 炭素原子の2倍の酸素原子と結合します。
 炭素の原子量は14、酸素の原子量は16 ですから32/14の酸素と結合します。
 燃焼の際に炭素と結合する酸素は64.64dになります。
 吹き込んだ空気中の酸素は、燃焼により64.64dが減るということです。
 二酸化炭素は、炭素の44/12の重量が生成します。CO2は103.69dとなります。

・排気ガスの体積は、気体の状態方程式から計算することができます。
    PV=nRT  P圧力:V体積:T絶対温度:nモル数:R気体定数
・気体22.4リットルの質量(重さ)は、分子量gになります
 (水の分子量は18ですから、H2O 水蒸気22.4リットルは18g
  二酸化炭素の分子量は44ですから、22.4リットルのCO2は44g)
 これを利用して体積を計算しましょう。
・水蒸気は72.72d発生します。この体積がどれだけになるかですが
    水蒸気22.4リットルは18g
    千倍して 22.3m3なら18kgです。
    では72.72d  72,720kgなら何m3になるでしょうか。
    これは比例の計算問題です。答えは90,496m3
・同じようにして、二酸化炭素、酸素の体積も計算できます。
    二酸化炭素は103.69d      体積は52,792m3  
    燃焼により生成する水蒸気と二酸化炭素は合計で145,288m3です。
    吹き込んだ空気は  体積が240,000m3でした。
    燃焼で消費され、減少する酸素の体積は45,248m3
   排気ガスの総量は60万m3程度(48万+14万5288−4万5248)になります。
    計算できました。
・排気ガス中の放射性セシウム濃度は
    排気ガス中の濃度は100,000Bq÷600,000m3=0.167Bq/m3
    排気ガス測定装置の検出限界が0.2Bq/m3なら、不検出になります。
・今回の試算は、放射性セシウムがすべて漏れると想定しました。
 バグフィルターで90%を捕捉し、10%の放射性セシウムが漏れるとすると、不検出になることはますます確実です。

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国際連合食料農業機関(FAO)に、市民運動団体が意見書「世界農業遺産で放射能汚染廃棄物焼却は不適切です」を送付[2017年11月23日(Thu)]
大崎市の「放射能を拡散させる『一斉焼却』をスルナ・サセルナ市民集会実行委員会」が国際連合食料農業機関(FAO)に意見書(11月21日付け)を提出し、11月23日の集会で紹介しました。
意見書『世界農業遺産で放射能汚染廃棄物焼却は不適切です』は、以下のとおりです。

国際連合食糧農業機関(FAO)駐日連絡事務所 御中
                        2017年11月21日
放射能を拡散させる「一斉焼却」をスルナ・サセルナ市民集会実行委員会  
(原発問題を考える田尻の会
 放射能汚染ゴミ問題を考える大崎の会 
 船形山のブナを守る会  
 鹿島台・女川原発の廃炉を求める会 
 放射能汚染から天平の郷土を守る涌谷の会 
 放射能汚染から子どもを守る岩出山の会 
 放射能汚染から美里を守る会)
会長  若井 勉(〒989-4102宮城県大崎市鹿島台木間塚字福芦570-5)
事務局 中嶋 信(Tel/Fax 0229−47−4494)

世界農業遺産で放射能汚染廃棄物焼却は不適切です

 大崎耕土には長い歴史が育んだ豊かな文化があります。山から海へと移動する水を巧みに管理する水田農業もそのひとつ。化学肥料や農薬を極力抑えた環境保全型の農業地帯が維持されています。そのことで貴重な植物や魚類が保全され、野鳥の大規模なコロニーが維持されています。そして、農業の持続的な展開が模索されています。
 そのような地域は世界農業遺産指定にふさわしいと思われます。ただし、その地域で、歴史の成果を突き崩す事態が進行しています。
 2011年・東京電力福島第一原発の事故により、この水系にも大量の放射性物質が降り注ぎました。大気・水・土壌が放射能で汚染されました。汚染稲わらや牧草は二次汚染を避けるため、一時保管されています。持続的な農業を再生するには、それらの安全な隔離保管や水系全体の除染が必要です。
 ところが宮城県や大崎市は放射能汚染廃棄物の処分で、焼却や土壌埋め込みを計画しています。放射能の希釈拡散という政策選択。土・水・大気は放射能で汚染されます。この水系が育んできた持続的な農業の基盤を一方で壊しつつ、他方で世界農業遺産の指定を求めるという思考は分裂的です。大崎市は放射能汚染廃棄物処理の計画を速やかに改めるべきです。
 私たちは世界農業遺産の真の趣旨をわきまえない申請を、国連食糧農業機関が公正な審査を通じて退けることを希望します。
「長期保管」への転換は当然、一斉焼却中止・あらゆる段階での住民合意が争点―村井知事の指定廃棄物に関する加美町での発言について[2017年10月06日(Fri)]
 宮城県知事選挙に立候補した現職の村井嘉浩候補が告示日の10月5日、加美町で第一声を行い、8000㏃/kgを超える放射性物質汚染廃棄物(指定廃棄物)について、長期保管する案を発言しました。

別紙資料の「大崎タイムス」10月6日付けを参照=
171006 「長期保管」は当然、一斉焼却中止が争点.pdf

1,県庁の担当室もビックリ―「トップダウン」の発言のようです

 村井知事は10月1日付けで組織機構を改編し、環境生活部の循環型社会推進課の中に「放射性物質汚染廃棄物対策室」を新設したばかりです。問い合わせに対し、室長は「何も聞いていない。報道で知り、情報収集しているところです」と回答しました。
 村井氏のお得意のトップダウン発言のようです。

2,発言は環境省の提案と同一内容―長期保管は当然で、住民運動の成果

 環境省は、7月10日に宇都宮市で「栃木県における指定廃棄物の保管農家の負担軽減策に関する市町長会議」を開催し、市町単位で1ヶ所または数ヶ所の暫定保管場所を確保し集約する方針を示しました。
 =別紙資料の、環境省が栃木県で行った提案を参照=

 環境省が新しい方針を提案せざるを得なくなったのは、最終処分場建設計画に反対し、放射性物質汚染廃棄物は保管を原則にするよう求めてきた世論と運動の成果です。
 しかし、環境省は指定廃棄物最終処分場(長期保管施設)を各県に1ヶ所整備する方針を変えていません。村井嘉浩候補の発言は、この環境省の提案と同一内容のものです。

3,他県にない「8000㏃/kg以下の廃棄物の焼却加速」―全量焼却の危惧

 栃木県の市町村長会議は、環境省の提案を協議しましたが、合意には至っていません。
 宮城県は、村井知事が8000㏃/kg以下の放射性物質汚染廃棄物の焼却処分を加速しようとしていることが他県とは異なります。指定廃棄物が8000㏃/kgを下回ったら、指定を解除して、一般廃棄物として扱い、焼却することに道が開かれています。「焼却の加速は、現在の指定廃棄物も含めて、汚染廃棄物の全量焼却に行き着くのではないか」と危惧する声がたえません。

4,一斉焼却と特措法の見直しが争点―多々良知事の誕生こそ問題解決の力

 この問題の争点は、住民自治を否定して焼却と最終処分場を押しつけている国の方針(基本計画)と特措法の見直しを求めるかどうかです。
 県の担当室は、「(村井嘉浩候補の)真意を確認するのは選挙後になる」としており、まだ何も 決まっていない状態です。
 放射性物質汚染廃棄物問題でも県政を転換しましょう。
国立環境研究所の研究者から、文献の引用の誤りを認める回答がありました。異例です−放射能汚染廃棄物の焼却に関わって[2017年08月10日(Thu)]
 宮城県議会の環境生活農林水産委員会は、岩見億丈氏(宮古市、医学博士)と大迫政浩氏(国立環境研究所 資源循環・廃棄物研究センター長)を招いて参考人質疑を行い、「バグフィルターで、焼却炉の排気ガス中の放射能は99.9%を除去できる」という環境省の主張を検証しました。
 岩見億丈氏が指摘した文献の引用の誤りについて、議会が照会したところ、大迫政浩氏から指摘を認める回答が届きました。放射能汚染廃棄物に関わる環境省の専門性は十分なのでしょうか。

 引用の仕方に誤りがあると分かったのは下のグラフです。
 回答文書と宮城県議会の照会文は、こちら右矢印1170711 大迫政浩氏からの回答、照会資料−環境生活農林水産委員会に対する.pdf

グラフ.jpg












■バグフィルターの煤塵除去率は90%〜99%

 国立環境研究所のホームページには、今でもバグフィルターの煤塵除去率は90%〜99%だという説明が掲載されています。つまり、「一割くらいまでは漏れることがある」ということです。
 環境研究所は、「バグフィルターの捕捉率は、煤塵の粒径が大きい所では高い」。また、「数ナノメートル以下の超微粒子も、ブラウン運動の効果でよく捕捉される」。捕捉率は「数十ナノメートルから数百ナノメートルのところで最小」になる、としてきました。この領域の粒径のものが漏れやすいことは以前からよく知られていることです。

■宮城県議会は、「バグフィルターで放射能を99.9%除去できる」という説を確認するために参考人質疑を行いました。

 放射能汚染廃棄物の焼却を進めている環境省は、「バグフィルターで放射能を99.9%除去できる」ので焼却は安全だとしていますが、疑問視する意見が絶えません。
 そこで昨年12月13日、「99・9%以上除去」説を検証するために、宮城県議会の環境生活農林水産委員会は計3回の参考人質疑を行うことを決めました。大迫氏からは1月10日に、岩見氏からは2月5日に意見を聴取しました。

■大迫政浩氏と岩見億丈氏の意見に大きな隔たりがあったので、確認を求めた

 国立環境研究所から招いた大迫政浩氏は、バグフィルターで放射能をよく補足できていると言って、「焼却の教科書にも載っている」と、根拠となるグラフを示しました(図)。
 もう一人の参考人である岩見億丈氏は、このグラフはバグフィルターではなく、特殊な繊維でできた非常に薄いフィルターの測定データで、教科書を書いた人が間違って引用し、大迫氏がそれに気が付かないで孫引きした、二重の引用の誤りがあるという趣旨のことを指摘しました。
 参考人質疑に提出された資料に引用の間違いがあったのであれば、議会として放置できないので、私は4月19日の環境生活農林水産委員会に、「大迫氏に文書で回答を求める」ことを提案。全員一致で文書回答を求めることが決まりました。
 大迫氏から7月11日付の文書回答が届き、7月21日の環境生活農林水産委員会に報告されました。

■専門性は大丈夫か

 環境省は、国立環境研究所をはじめとする専門家に依頼して「放射性物質汚染廃棄物安全対策検討会」などの審議会を構成して放射能汚染物質の焼却を推進しています。
 廃棄物処理に関わっている技術者や研究者の間では、フィルターの種類によりその集じん性能が大きく異なることは常識です。
 今回のできごとで、第2回「放射性物質汚染廃棄物安全対策検討会」に、原著を確認しないで資料が発表されていたこと、そのことに委員が気づいていなかった可能性が浮かび上がりました。

宮城県議会の会議録はこちら右矢印1右矢印1170205 環境生活農林水産委員会 岩見億丈氏の参考人質疑.docx

放射性物質汚染廃棄物とどう向き合うか、一斉焼却をどう見るか―2017年6月29日の宮城県議会本会議での私の一般質問をご参照ください[2017年06月29日(Thu)]
 次に、復興にかかわる問題として、放射能汚染廃棄物問題について伺います。
 知事は、6月18日の市町村長会議で、全県一斉焼却から圏域ごとの一斉焼却に軌道修正しましたが、市町村に放射能汚染廃棄物の一斉焼却を求めるという方針の基本は変えませんでした。しかし、放射能汚染廃棄物の一斉焼却中止を求める世論と住民運動は、大きな成果を上げました。放射能汚染廃棄物を保管していない仙台市に他圏域の放射能汚染廃棄物を持ち込み焼却することを断念させました。仙台市の焼却灰を受け入れている富谷市石積処分場に放射能汚染焼却灰を持ち込むことも断念させました。知事の一斉焼却を批判する世論と運動は全県に広がっています。仙台と富谷に押しつけることを断念した方針は全県で断念すべきです。お答えください。

 放射能は焼却したり埋めたりしたところでなくなることも減ることもありません。被曝と汚染の拡散を防ぐため隔離・保管が原則です。農林水産省が東日本大震災農業生産対策交付金で、今年度から新しい事業を始めました。放射能で汚染された牧草、堆肥などを適正に維持管理するために必要な一時保管施設などに全額を支援する事業です。将来の処理方法が未定でも申請できるので実情に合っていて、当面は保管を継続せざるを得ないところ、特に濃度が高い牧草や堆肥の保管には大変助かります。新たな交付金事業を市町村と農家に周知して保管の改善に活用することを求めます。お答えください。

 我が国の放射線防護は国際放射線防護委員会の考え方を参照しています。被曝線量は、容易に達成できる限り低く保つことが望ましいというのが原則です。これは被曝によりガンなどを発症する晩発性障害には「これ以下の被曝なら安全だ」という閾値がないという考え方に基づいています。知事の一斉焼却の方針は、焼却炉の排気ガスや処分場の流出水に放射性セシウムが含まれていても、濃度さえ薄ければよいというものになっています。これは被曝リスクには閾値がないという考え方の否定につながりませんか。お答えください。

 放射性物質は公害原因物質の一つですが、我が国では、原発の重大事故が起こらないから放射能による環境汚染は考えなくてもよいという原発安全神話のもとで、公害規制関連法などの環境法制の適用除外にされてきました。このため、福島第一原発事故で巨大な環境汚染が引き起こされたのにもかかわらず誰も責任をとらず処罰もされませんでした。そこで国会は2011年6月、環境省が国民の負託に応える行政を法に基づき執行できるよう、放射性物質にかかわる適用除外規定の見直しを含め体制整備を図ることを決議しました。そして2012年6月、まず環境基本法が改定され放射能除外規定を削除しました。次に2013年5月、個別法が改定されました。具体的には、大気汚染防止法、水質汚濁防止法、環境影響評価法その他の法律から一挙に放射能除外規定を削除し、大気と水質の放射能は常時観測する対象になりました。これは環境行政の大転換で、放射性物質は法律の上で初めて公害原因物質に位置づけられたのです。自治体の第一の使命は、住民の命と健康を守ることです。宮城県も含めて行政は、放射能を公害原因物質と受けとめ、原則として拡散すべきではありませんが、いかがですか。
 また、環境基本法改正の趣旨を踏まえて、放射能の適用除外規定がまだ削除されていない、土壌汚染対策法の改正や法令の整備を国に要請することを求めるものですが、あわせてお答えください。

 知事の一斉焼却方針は問題だらけの放射性物質汚染対処特措法とその基本計画に基づくものです。特措法には放射線防護の原則をゆがめて市町村と住民に犠牲を押しつける誤り、汚染者の負担で解決するという公害対策の原則をゆがめて東電を免罪するという不当性や住民合意を無視する強権性という多くの誤りがあります。その誤りは知事の方針にも持ち込まれており、住民合意は不可能です。一斉焼却の方針は撤回し、特措法そのものの見直しを求めるべきです。答弁を求めます。
一斉焼却―「全県」から「圏域毎」に、「選挙対策」(自治体幹部)の方針修正ー村井知事の放射能汚染廃棄物対策[2017年06月20日(Tue)]
 福島原発事故に伴う放射性物質で汚染された、1キログラム当たり8000ベクレル以下の廃棄物を巡り、宮城県の村井知事は6月18日、廃棄物を保管する市町村に地元の圏域ごとに焼却する方針を提案しました。
 放射能汚染廃棄物を抱えていない仙台市など6市町村は焼却しなくてよいことになります。仙台市の焼却灰を処分している富谷市石積には、放射能汚染焼却灰が持ち込まれなくなるという結果を生みます。ある市幹部は「選挙対策」と断言しました。さしせまる仙台市長選挙で放射能汚染廃棄物を焼却するのかどうかが争点になることを避け、秋の知事選挙への影響も最小限にしようとしているのだという解説です。なるほど。
 そうすると、全県的に広がった運動が、仙台と富谷での放射能汚染拡散にストップをかけたと見ることができるので、世論と運動が成果をかちとったと言える側面をもっています。 
 ただし、県内の15焼却施設で一斉焼却を目指した従来方針を修正したものの、あくまで焼却を市町村に求める姿勢は変わっていません。ここをよく見ることが大事です。
 一部の報道が、「一斉焼却断念」と不正確な報道をしました。これは、市町村長会議が19時30分頃まで行われたため、各記者や取材クルーが速報を用意することに追われて、新方針が何を意味するかを吟味できなかったことによると思われます。細川内閣は。わざと真夜中に記者会見をやり、取材記者が発表どおりに流すしかないように仕向けたことがよく知られています。
 県は、焼却への住民の反発が根強いので、堆肥化や土壌へのすき込みといった焼却以外での処理に取り組む市町村を容認するとしました。焼却を予定する広域行政事務組合や自治体には、今秋から1日1トン程度を家庭ごみと混焼する試験焼却を6カ月間実施し、モニタリングなどの結果を踏まえ本焼却に入ることが求められていいます。
 会議では、県が全市町村を対象に5月に実施した意向調査の結果が公表されました。

●こちらが意向調査の集計結果です右矢印1170618 市町村長会議 資料2.pdf

●新たな方針を説明している資料はこちらです右矢印1170618 市町村長会議 資料3.pdf

●焼却を求められている放射能汚染廃棄物を保管している市町村名、汚染廃棄物の種類別保管量がこちらの資料から分かります右矢印1
170618 市町村長会議への提出資料 汚染廃棄物の種類別、市町村ごとの保管量.pdf

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170618 市町村長会議 資料2.pdf
放射能汚染廃棄物『一斉焼却』に反対する宮城県民連絡会が村井知事宛に質問書を提出[2017年04月12日(Wed)]
 宮城県の村井嘉浩知事が、1kgあたり8000Bq以下の放射能汚染廃棄物を一斉焼却する方針を打ち出していることに対して、「放射能汚染廃棄物『一斉焼却』に反対する宮城県民連絡会」が知事あてに中止を求める申し入れ書と質問書を提出しました。
 共同代表の中嶋信氏、賀谷義郎氏、長谷川進氏ら15人が参加し、「宮城の空に放射能が拡散する危険性がある。宮城県内15ケ所の埋立処分場に大量の放射性セシウムが持ち込まれ、大地が汚染され、地下水・浸出水に放射能が移行する危険性がある」と、一斉焼却中止を求めました。
 また、同連絡会は12項目にわたる質問書を提出。富谷市・石積の処分場では降った雨が浸出するまで8ケ月くらいを要するのに、試験焼却がわずか半年だけでは結果がわからないうちに終了することになり、「これでは試験にならない」と指摘し、放射線量率をモニタリングすると言うのならバックグランドをキチンと測定してからにすべきだなどとして、宮城県の考え方に疑問を示しながら、5月19日までの回答を求めました。
 応対した宮城県循環型社会推進課は検討を約束しました。
 同連絡会は宮城県内各地の7団体が呼びかけて4月2日に結成され、これまでに17団体が参加し、全県で署名運動を推進しています。

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「バグフィルターで放射能の99.9%除去」は誤り―異例の日曜日議会 参考人質疑[2017年02月05日(Sun)]
 宮城県議会の環境生活農林水産委員会がきょう11時から開催され、岩見億丈氏(医学博士、宮古市在住)を参考人として招き、「放射性物質汚染廃棄物の焼却に伴うバグフィルターによる放射性セシウム除去の評価について」意見聴取しました。
 日曜日の議会開催は異例です。宮城県の村井知事が放射能汚染廃棄物の全県一斉焼却を打ち出しているなかで関心を集め、20人が傍聴につめかけました。
 岩見氏は、焼却炉の周辺に放射性セシウムが漏出していると指摘した氏の初期の論文には誤りがあったと認めたうえで、2016年発表の論文「放射性セシウムの灰中回収率の推定」については、今のところ廃棄物資源循環学会の査読による異論はでていないと報告しました。
 岩見氏は、3μm以下の粒子はバグフィルターで除去しにくいと主張し、環境省の第2回放射性物質汚染廃棄物安全対策検討会に提出された資料には原著を確認しないで引用した誤記があると批判しました。
 環境研究所の大迫政浩氏が1月10日の参考人質疑で述べた「微粒子になるほど捕集効率が上がる」とする意見については、フィルターを通過する速度が速くなると微細な粒子は取れにくくなること、通常の運転ではブラウン運動により微細な粒子ほどバグフィルターに補足されやすいがバグフィルターの捕集効率が最低になるのは粒径数10nmから数100nmの粒子であることを指摘しました。
 また岩見氏は、バグフィルターは気体を除去できないことを指摘。バグフィルター温度ではすべて固体になっているとしている大迫氏の意見については「平衡状態に達していない動的な変化をシミュレーションした研究は未だにない」と批判し、実際に測定すべきだと力説。そのうえで、環境省が関連する審議会の資料と議事録の多くを非公開にしていることを厳しく批判しました。
 岩見氏の意見発表原稿は添付ファイルのとおりです。
 右矢印1170205 岩見億丈氏の参考人意見原稿.pdf

 私は、ガス吸収瓶による方法では、排ガス中に漏れ出しているセシウムを検出できないのではないかと質問しました。岩見氏は、まったく同じ見解だと述べました。
 また私は、大阪市で平成24年10月11日に行われた実験のデータで、セシウムの濃度が低くなるほど濾紙による捕集率が悪くなる傾向があり、放射能汚染廃棄物の焼却の可否を論じるうえでセシウムの濃度が低レベルの場合の実験こそが必要ではないかと質問しました。岩見氏は、私の意見を認め、大阪市での実験データから推計すると、焼却炉で期待される発生ガス濃度(0.025mg/m3)でのセシウムの円筒濾紙通過率(つまり、どれだけ漏出するか)は20.0%になるという推計を示しました。

 自民党の藤倉知覚議員が、参考人として招致した環境研究所の大迫政浩氏と岩見億丈氏とでは「見解に非常に大きな開きがある」と感想をのべたうえで、県は「岩見氏の見解をどのように受け止めたか」をただしました。佐野環境生活部長は、必要な事項については環境省に問い合わせたいという趣旨を答弁しました。

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「放射能汚染廃棄物の焼却中止を」ー署名に圧倒的支持[2016年12月17日(Sat)]
 泉中央のアリオ前で17日13時から、放射能汚染廃棄物全県一斉焼却の中止を求める署名を訴えて、大変驚きました。なんと寄せられた署名が1時間で130筆もありました。他の署名なら40筆がせいぜいです。
 これは、「看護婦を増やしましょう」(医労連のナースウェーブ署名)、「核兵器を廃絶しましょう」(原水協の署名)、「女川原発の再稼働中止」(原発センター署名)に匹敵する規模で、世論調査で有権者の過半数の支持があるときにだけ現れる特有の反響です。とくに20代〜30代の、署名運動には「いまいち」の世代が並んだことが印象的で、20代の女性から「この署名は大賛成です。共産党、大好きです」と、握手を求められました。嬉しいですね。
 大いに署名を広げましょう。
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放射能汚染廃棄物を仙台市内で焼却するのは止めてー市民団体が仙台市の奥山市長に申し入れ[2016年11月12日(Sat)]
 脱原発仙台市民会議(共同代表=篠原弘典氏、水戸部秀利氏)が11日、仙台市の奥山恵美子市長に、放射能汚染廃棄物を全県でいっせい焼却しようとする村井知事の方針に全面協力しようとしていることに抗議して、以下のような申し入れを行いました。                 

 他市町村発生の放射性廃棄物を仙台市内で焼却するのはやめてください!
2016年11月11日(金)
      脱原発仙台市民会議 共同代表  篠原弘典 水戸部秀利
                        
 11月3日宮城県市町村長会議が開かれ、宮城県村井知事が8000ベクレルを下回った放射性廃棄物について県内で一斉に焼却処理したい旨提案し、12月に市町村長会議を再招集して合意が得られれば年明け以降試験焼却を始めると報道がされています。
 そして放射能汚染物520トンを2015年に焼却した奥山恵美子仙台市長が読売新聞に対し「試験焼却に限定して応じることを前提に住民説明が可能かどうか検証したい」と、受け入れに前向きな姿勢を表明しています。また仙台市環境局も河北新報の取材に対し「能力的には、一定量を他から受け入れられる」と答えています。
 私たちは昨年の焼却時も焼却に反対しましたが、今回も反対せざるを得ません。仙台市内での焼却を以下の理由で反対します。宮城県の試験焼却の受け入れを中止してください。

1、焼却する理由がない
 放射性廃棄物を焼却しても、放射能は減りません。何故焼却するのですか。減容化を理由としているようですが、放射性廃棄物を焼却しても廃棄物の量は減りません。昨年の仙台市の焼却では「放射性廃棄物8,5トンを1000トンの一般ごみと混焼する」と説明。平成27年度の埋め立て焼却灰量実績では焼却ゴミの14,3%が灰として捨てられおり、これより推定すると8,5トンの放射性廃棄物が144トンの焼却灰に変化したことになります。17倍に増えているのです。

2、焼却工程での安全性が担保されていない
 仙台市は昨年の焼却時「焼却工場敷地内で空間放射線量を測定して変化がない」「焼却時の排気ガスを水にくぐらせ、その水を測定してもセシウムは測定されない」の2点を理由に、安全が確保されていると説明しました。仙台市環境局の方は排気ガスに含まれる煤塵は1〜3km離れた地点に降下すると説明していましたから、焼却工場敷地内での空間放射線量測定は意味がありません。それに「水に排気ガスをくぐらせて測定する」方法はダイオキシン用であり、放射性セシウムをこの測定方法で捕捉した実例はありません。どこの専門家がこの方法を勧めているのか教えてください。
 それに現在仙台市が使用しているバグフィルターは、JIS規格で0,3μm以上の粒子の捕捉しか保証されていません。琉球大名誉教授矢ケ崎克馬氏は、2015年4月の大阪ガレキ訴訟で「放射性セシウムは60l程度の捕捉」と説明しています。仙台市はこのバグフィルターの性能をどう考えておられるのでしょう。
 昨年の焼却時健康への被害を心配し、仙台市青葉区貝ヶ森や泉区鶴が丘の住民が他県に転居されました。それほどに周辺住民は健康被害が心配なのです。

3、輸送工程での安全性も担保されていない
 焼却工程だけでなく、輸送工程での安全性も疑問視されます。
 まず焼却する放射性廃棄物の運搬方法です。昨年の焼却時の写真を見ると、放射性廃棄物がはだかのままで衛生車に積み込まれ、焼却場に運ばれています。フレコンバックやロールに入れられている廃棄物をどこではだかにして衛生車に積むのか、具体的方法を教えてください。写真から想像されるに、管理地から焼却場に送られる間、道路周辺に飛散している心配があります。
 もう一つは焼却後の焼却灰の運搬方法です。昨年の説明会で、「飛散しないか」と質問したところ、市職員は「水をかけて湿らせる」と答えました。衛生車には屋根はついていますが、すきまがあります。焼却灰の輸送中の飛散が心配されます。
 以上2点の輸送方法を説明してください。

4、富谷市との協定や松森工場建設の際の住民協定に違反している
 現在仙台市の埋め立て処分場は富谷市石積(黒川郡富谷町石積字堀田11 電話 022-358-6662)にあります。旧富谷町石積処分場建設の際、石積処分場に運ぶ焼却灰は「仙台市および富谷町で発生したごみを焼却したもの」と限定されて協定が結ばれています。松森工場建設の際の住民協定でも、同様です。それらの協定に違反していませんか。説明を求めます。
 しかも石積処分場からの流水は仙台市には向かわず、成田・鶴巣を通って吉田川に注ぎます。富谷市民だけでなく、大和町・大郷町・大崎市鹿島台・松島町にも影響しかねない問題です。

5、特措法に抵触する
 放射性物質汚染対処特措法には、「8000ベクレル以下の放射性廃棄物については各市町村が担当する」と記載されています。そもそも8000ベクレル以下の放射性廃棄物は宮城県が対処方針を決定するものではなく、各市町村の個別の判断にゆだねられています。「一斉焼却する」理由はどこにもないのです。よって宮城県が主体になって「試験焼却」する行為は、特措法に抵触することになります。

6、発生責任を問う
 そして一番大事なことですが、放射性汚染物質を発生させた責任は「東京電力」にあります。農林系の放射性廃棄物の処理について、各市町村が責任を負うのはおかしな話です。「東電」の責任で処理させる必要があります。焼却処理に全額国の補助金が使用されるとうかがっていますが、私たちの税金を使うことには反対です。

                                       以上
写真はNHKの「てれまさむね」が報道した記者会見の模様。

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「焼却炉のフィルターをくぐり抜ける放射能」[2016年04月22日(Fri)]
 宮城県議会の環境生活農林水産委員会で4月21日、「焼却炉のフィルターをくぐり抜ける放射能」というタイトルの「週刊ダイヤモンド」(2012年10月25日付け)の記事を取り上げました。記事は、ネットで公開されています→http://diamond.jp/articles/-/26833
 環境省は、放射能汚染のある廃棄物を焼却処分するよう自治体に求め「焼却炉のバグフィルターで放射能は99.99%除去できている」としていますが、各地の住民は疑問視しています。この記事は、環境省の言う根拠に疑問を投げかけています。
 そこで、宮城県の環境生活部に、以下の3点を環境省に照会するよう求めました。
 第1は、週刊ダイヤモンドの記事を否定できるかどうかということなのですが、バグフィルターに付着させて除去した汚染物質がはがれて飛び、集塵装置の入り口での濃度よりも出口での濃度の方が高くなる現象(メモリーエフェクト)が発生しているのではないかという点について。
 第2点は、環境省が行った実証試験で、放射性セシウムの99.99%が本当に除去できたと確認されているのかどうかということで、放射性セシウムの物質収支が明らかになっているかどうかという点です。この点については、実証試験を継続した時間が妥当かどうかや、とくに放射能の測定方法とその信頼性に注目してみたいと考えています。
 第3点は、福島県鮫川村で行った実証試験の際に発生した爆発事故についてです。事故の調査報告書の情報開示を請求した人が「多くが黒塗りだった」としています。国民の信頼を得ていくためには、この種の事案の情報は可能な限り公表すべきではないかという問題意識から、報告書の紹介を求めたものです。
 宮城県の市町村長会議が5月下旬に開催され、そこで放射性物質汚染に対処する方針が協議される予定です。選択肢に焼却処分がのぼっているので、採用する前にその技術が信頼できるかどうかを確認しておくことは当然のことです。環境省には、私たちが納得できる根拠を明示していただくことを希望しています。
 写真は、集塵機のバグフィルターをくぐり抜けてサイレンサー(消音器)にたくさんの付着物があることを紹介したものです(週刊ダイヤモンド 「2012年10月25日付け」より)

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放射能のある指定廃棄物の「指定解除」は国の責任放棄でしょー県民センターがパブコメ、焼却は「住民合意が困難」とクギを刺しています[2016年04月11日(Mon)]
 環境省が、放射能のある指定廃棄物の「指定解除」に関するパブコメを行っています(〆切は4月21日)。東日本大審査復旧・復興支援みやぎ県民センターが環境省に意見を送り、今日の14時、宮城県庁内で記者会見しました。提出した意見は以下のとおり。

特措法施行規則改正(指定解除)に関する意見
            2016年4月11日
東日本大震災復旧・復興支援みやぎ県民センター
        代表世話人  綱島 不二雄

 東日本大震災復旧・復興支援みやぎ県民センターは2011年5月29日に設立され、東日本大震災の最大被災地である宮城県において、被災者の生活・生業・住宅を再建することを願って復旧・復興の現状を調査し様々な提案を行ってきています。
 放射能物質汚染対処特措法を根拠に、貴省は2014年1月、指定廃棄物最終処分場建設の候補地に宮城県の栗原市・深山嶽、加美町・田代岳、大和町・下原地区を選考しました。当センターは、3カ所すべてが地すべり地帯にある水源地で、指定廃棄物最終処分場を「決してつくってはならない最悪の場所」であると判断し、「食材王国」宮城の広い産業分野に甚大な被害をもたらす計画の白紙撤回を求めるアピールを他の市民団体と共同で発表(2014年9月16日)し、その後も調査と発言を続けてきています。
 そもそも放射性物質汚染対処特措法は、国民の無用な被曝を防ぐために人工的な放射性物質は厳格に管理するという考え方を捨てて、従来のクリアランスレベル(100Bq/kg)を8000Bq/kgに引き上げた重大な問題をかかえています。また、国が指定廃棄物最終処分場を建設するにあたって、住民の理解や市町村の同意を前提としておらず、憲法が保障する民主主義と地方自治に反する事態を引き起こす可能性があるという問題を抱えている法律です。福島第一原発事故による放射性物質汚染に対処する上では、公害事件解決の原則である「汚染者負担」「汚染者責任」に立ち返って、福島第一原発事故を引き起こした東京電力と政府の責任で、適切な問題解決を進めるべきです。そのために当センターは、放射能物質汚染対処特措法と、5県の各県に1カ所ずつ最終処分場をつくるとしている『基本方針』そのものを見直す必要があることを繰り返し求めてきました。
 当センターは、他の市民団体とともに2015年1月15日、東日本の各地からの参加を求めて「建設中止しかない! 放射能を含む指定廃棄物最終処分場を考えるシンポジウム」を開催し、最悪の場所が候補地にされたのは貴省が地質学の知見を十分には考慮していなかったことに原因があること、最終処分場計画には一般廃棄物や産業廃棄物を焼却し処分場に埋設してきた既存の技術をそのまま放射能汚染廃棄物に転用しようとしている技術上の問題があることなどを明らかにするとともに、放射能で汚染した稲わらや堆肥が放射線を遮蔽する十分な対策がとられないままに仮保管されている現実を告発しました。また、原発の輸出・再稼働を最優先して福島第一原発事故による被害の補償や除染を打ち切る方向に向かおうとしている安倍政権の政策を厳しく批判しました。
 その後も当センターは、貴省が候補地選考にあたって使用したデータが古いうえに欠落もあり、候補地選考基準と選考経過が科学的な検討には耐えられないものであることを明らかにし、特措法と『基本方針』を見直すよう、繰り返し求めてきました。

 今回のパブリックコメントは、8000Bq/kgを超えていて、自治体の申請を受けていったん環境大臣が指定廃棄物に指定した放射能汚染物質について、再測定で8000Bq/kgを下回った場合に指定を解除できるように、その際の手続き規程についての意見を求めているものです。
 原子炉等規制法が2005年5月に改正されて、放射性物質が100Bq/kg以下の低濃度の場合には放射性物質として扱わなくてよいとする『すそ切り』制度が持ち込まれましたが、80Bq/kgを基準にすべきだとする意見が提出されるなど、そのクリアランス基準には当時から批判的な意見がありました。放射能物質汚染対処特措法は、そのクリアランス基準をさらに80倍に緩めました。その結果、8000Bq/kg以下の汚染物質に対しては、適切な監視体制も、汚染物質の保管・引き取りなどの管理体制も、何も用意されず、汚染者である東電と監督者である政府の責任が投げ捨てられるという事態が生じています。ここにメスを入れて、改めることが今まさに求められていることではないでしょうか。
 廃棄物処理法は第2条で、(クリアランスレベル100Bq/kgを超える)放射性物質および放射能で汚染された物質は適用対象外にしています。ところが、放射性物質汚染対処特措法が第22条でこの規定を「除く」としたために、8000Bq/kg以下であれば放射能で汚染されている廃棄物であっても一般廃棄物であるとされ、その処理責任が地方自治体に転嫁されて、住民と市町村に犠牲と負担が押しつけられてきました。貴省は、8000Bq/kg以下の放射性汚染廃棄物を通常の一般廃棄物と混焼することを宮城県内の市町村に要求してきましたが、住民合意が困難で、かつ大量の一般廃棄物が必要であることなどが理由でほとんど進展しておらず、今後の見通しもありません。したがって宮城県町村会が、8000Bq/kg以下の放射性物質汚染廃棄物についても、国の責任で処理するよう要求してきたところです。
 にもかかわらず、再測定で8000Bq/kgを下回った場合に指定を解除できるようにするということは、時間が経過すればするほど国の責任が免責されるようにすることを意味しています。逆に、地方自治体の負担と責任および住民の犠牲は、時間がたつほど増えるようにするということです。かかる方針を構想してパブリックコメントを実施すること自体が、宮城県町村会の意見と宮城県民の要求を踏みにじるものです。指定解除については、3月19日に宮城県が主催した市町村長会議でも厳しい批判が出されたところです。
 したがって、指定解除そのものをやめて、第22条をはじめとして特措法を見直すよう要求いたします。

 当センターは、放射線を遮蔽する措置をとって人体に対する被ばくを最小限に抑えること、放射性物質の再拡散や環境汚染を最小限に抑えること、今後の対応ではあらゆる段階で住民合意を原則に進めることを求めます。
 今後、貴省は、8000Bq/kgを超えているのに未指定の放射能汚染廃棄物について、宮城県の要請を受けて測定と調査に乗り出すと思われますが、8000Bq/kg以下の放射能汚染廃棄物や、農家の物置などに保管されていて正確には把握されていない薪などの焼却灰についても測定して、除染土を含む放射性物質汚染物の全体の所在と保管状況などを明らかにする調査を行って下さい。
農家の物置などで保管されている薪などの焼却灰、農家の庭先等で保管されている汚染稲わらや牧草、畜舎等で保管されている家畜の糞尿、下水汚泥などの全体を国の責任で中長期に保管する体制に移行することを急いでください。保管場所の選定に議論を集中させて下さい。
 その際に、長期保管可能な性状に改質する技術・方法について、貴省がさまざまな技術・方法を情報提供し、自治体からの提案も尊重して、住民合意を原則に決定されるようにしてください。
減容化のための焼却については、「バグフィルターで放射性セシウムが99.99%除去された」とする貴省の実証実験について疑問視する意見があり、放射性セシウムの物質収支が明らかにされていないという問題点があります。また、焼却後に焼却灰を埋設した管理型処分場で浸出水から放射能が検出された事例があります。仮設の焼却施設を建設するという構想が報道されていますが、焼却に関わる以上の疑問点を解明して住民の納得を得ること、高感度のモニタリングシステムによる常時監視とデータの公開を前提とすることを求めます。現状では、焼却については、住民合意は困難ではないかと考えるものです。
 最後に、できるだけ早い将来に、特措法の第22条を見直すことなどにより、クリアランスレベルを100Bq/kgに統一して二重基準の状態を解消し、100Bq/kg以上の放射性廃棄物を管理するという従前の考え方にもどすことを求めるものです。
          以上
指定廃棄最終処分場建設計画は断念し、被爆と放射能汚染の拡散を防ぐため分散保管を決断するよう提案しましたー宮城県議会の環境生活農林水産委員会で[2015年12月17日(Thu)]
 宮城県に放射能のある指定廃棄物の最終処分場をつくる計画は暗礁に乗り上げています。宮城県議会の環境生活農林水産委員会で、時間をとって議論させてもらいました。科学的根拠の乏しい選考基準で選ばれた3候補地への処分場建設は断念すること、住民の被曝と放射性廃棄物の汚染拡散を防ぐ措置に緊急に乗り出す必要があること、「一時保管場所の管理の徹底」を認めている環境省の「取りまとめ」にもとづいて公用地を活用した暫定保管に踏み切ることを提案しました。
 私の提案は、1月25日に開催したシンポジウムでの専門家による検討を踏まえてたどり着いたものです。おもしろいことに、6月26日の宮城県議会本会議で藤倉知格議員(自民党)が行った提案と、主要な点で内容が一致しているのです。打ち合わせをしたわけではなく、政治的立場が異なっても結論が一致しているのは、この提案にこそ根拠があるからではないでしょうか。

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加美町の抗議行動に参加し、連帯のあいさつ[2015年10月30日(Fri)]
 加美町の田代岳に行きました。水源地を汚染する指定廃棄物最終処分場計画の撤回を求めて、住民が詳細調査に入ろうとする環境省に抗議行動を続けて阻止し続けています。その連帯・支援のためです。
 抗議行動の前の集会で、「今日は来賓の方が見えています」と紹介され、あいさつする機会を与えていただきました。
 田代岳の抗議行動に参加するのは4回目であること。指定廃棄物最終処分場計画の撤回を求め、東日本地域の全体が合意できる対案をめざして1月25日にシンポジウムを開催したこと。その対案は、加美町の猪股洋文町長の提案と基本点において一致していること。宮城県議選で日本共産党が獲得した8議席は、衆議院に置き換えると65議席に相当する大きな力であること。大きくなった力を生かして実現をめざしている公約の重要な一つが指定廃棄物最終処分場計画の撤回であること。加美郡で処分場計画の撤回を掲げた高橋啓さんが大差で県議に当選したことに注目していること。現地の闘いと連帯していく考えであることをお話しいたしました。
 環境省は、住民約140人の抗議を受けて、きょうも詳細調査を断念して帰りました。
 写真の左は、加美町の「断固反対する会」の高橋福継会長です。

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