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中嶋れん(日本共産党 宮城県議会議員)のブログ
宮城県議会 環境生活農林水産委員。
      障がい児・者福祉調査特別委員会 副委員長。
      「脱原発をめざす宮城県議の会」副会長。
自閉症児の親の会会長。
青森県むつ市大畑町生まれ。青森高校卒(音楽部、将棋同好会に参加)。
東北大学理学部物理学科卒(東北大学男声合唱団に参加)。

「戦争する国」No! 女川原発の再稼働中止 「人間の復興」を追求。
ライフワークは「障害のある人が生きやすい社会をめざす」。
日本国憲法の全面実施をめざす日本共産党に共感、入党して44年に。
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年金問題「納得できない」が68%−「朝日新聞」世論調査 そうだよねえ。[2019年06月23日(Sun)]
 朝日新聞社が22、23日に実施した全国世論調査(電話)で、老後の生活費が2千万円不足するとした金融庁の報告書について、安倍政権の対応に「納得できない」が68%、「納得できる」は14%でした。そうだよねえ。
 以下に、記事を紹介します。

 麻生太郎金融担当相は「不安や誤解を与える」として、審議会の報告書の受け取りを拒否。調査では、この問題を巡る安倍政権の対応について聞いた。自民支持層でも「納得できない」が59%を占め、無党派層では70%に上った。
 この報告書が出たことで、年金についての「不安が強まった」は49%、「それほどでもない」は45%。今の暮らし向きがどちらかと言えば、「苦しい」と答えた層(全体の53%)に限ると、62%が「不安が強まった」と答えた。「余裕がある」層(同31%)では65%が「それほどでもない」と対照的な結果になった。
 安倍政権の年金制度改革への取り組みについては、72%が「十分ではなかった」と答えた。「十分に取り組んできた」は14%。「十分ではなかった」は18〜29歳を除くすべての世代で7割以上に達し、特に60代では8割を超えた。
 消費税を予定通り、10月に10%に引き上げることには「賛成」が43%(前回5月調査は39%)、「反対」が51%(同54%)。賛成は前回よりやや増えたが、依然反対が上回っている。安倍首相は予定通りの増税を掲げて参院選に臨む方針だが、「反対」は自民支持層でも40%で、無党派層では56%に上った。
 参院選を前に、首相のこれまでの政策評価も尋ねた。経済政策は「評価しない」43%が、「評価する」38%を上回った。一方、外交政策は「評価する」が52%と高めで、「評価しない」は34%だった。安倍政権のもとで憲法改正をすることに、「反対」は50%、「賛成」は30%だった。
 内閣支持率は45%(5月調査は45%)、不支持率は33%(同32%)で横ばいだった。

(数字は%。小数点以下は四捨五入。◆は全員への質問。◇は枝分かれ質問で該当する回答者の中での比率。〈 〉内の数字は全体に対する比率。丸カッコ内の数字は、5月18、19日の調査結果)

◆いまの政治などについてうかがいます。あなたは、安倍内閣を支持しますか。支持しませんか。
 支持する 45(45)
 支持しない 33(32)
 その他・答えない 22(23)
◇(「支持する」と答えた人に)それはどうしてですか。(択一)
 首相が安倍さん 13〈6〉
 自民党中心の内閣 14〈6〉
 政策の面 15〈7〉
 他よりよさそう 55〈25〉
 その他・答えない 2〈1〉
◇(「支持しない」と答えた人に)それはどうしてですか。(択一)
 首相が安倍さん 14〈5〉
 自民党中心の内閣 28〈9〉
 政策の面 46〈15〉
 他のほうがよさそう 6〈2〉
 その他・答えない 5〈2〉

◆あなたは今、どの政党を支持していますか。政党名でお答えください。
 自民党 37(34)
 立憲民主党 5(5)
 国民民主党 1(1)
 公明党 3(4)
 共産党 3(2)
 日本維新の会 2(3)
 希望の党 0(0)
 社民党 0(0)
 れいわ新選組 0(―)
 その他の政党 1(2)
 支持する政党はない 38(37)
 答えない・分からない 10(12)

◆この夏に、参議院選挙があります。仮に今投票するとしたら、あなたは、比例区ではどの政党、またはどの政党の候補者に投票したいと思いますか。(択一)
 自民党 40(37)
 立憲民主党 13(12)
 国民民主党 3(3)
 公明党 6(6)
 共産党 5(5)
 日本維新の会 6(7)
 社民党 1(1)
 れいわ新選組 1(―)
 その他の政党 2(3)
 答えない・分からない 23(26)

◆あなたは、この夏の参議院選挙にどの程度関心がありますか。(択一)
 大いに関心がある 18(17)
 ある程度関心がある 42(44)
 あまり関心はない 31(29)
 全く関心はない 8(10)
 その他・答えない 1(0)

◆あなたは、今後の安倍首相に期待しますか。期待しませんか。
 期待する 47(46)
 期待しない 45(45)
 その他・答えない 8(9)

◆消費税についてうかがいます。あなたは、消費税を予定通り、今年10月に10%に引き上げることに賛成ですか。反対ですか。
 賛成 43(39)
 反対 51(54)
 その他・答えない 6(7)

◆金融庁の審議会が、公的年金だけでは老後の生活費が2千万円不足するとの報告書をまとめました。この報告書が出たことで、あなたは、年金について、不安が強まりましたか。それほどでもありませんか。
 不安が強まった 49
 それほどでもない 45
 その他・答えない 6

◆老後の生活費についてのこの報告書が、世間に不安や誤解をあたえたとして、金融担当の麻生大臣は受け取りを拒否しました。あなたは、この問題をめぐる安倍政権の対応に納得できますか。納得できませんか。
 納得できる 14
 納得できない 68
 その他・答えない 18

◆安倍政権は、年金制度の改革に、十分に取り組んできたと思いますか。十分ではなかったと思いますか。
 十分に取り組んできた 14
 十分ではなかった 72
 その他・答えない 14

◆今度の参議院選挙で投票する政党や候補者を決めるとき、あなたは、年金の問題を重視しますか。重視しませんか。
 重視する 51
 重視しない 41
 その他・答えない 8

◆あなたは、安倍首相の経済政策を評価しますか。評価しませんか。
 評価する 38
 評価しない 43
 その他・答えない 19

◆あなたは、安倍首相の外交政策を評価しますか。評価しませんか。
 評価する 52
 評価しない 34
 その他・答えない 14

◆あなたは、安倍政権のもとで憲法改正をすることに、賛成ですか。反対ですか。
 賛成 30
 反対 50
 その他・答えない 20

◆あなたは、今の暮らし向きについて、どちらかといえば余裕があると感じていますか。それとも、どちらかといえば苦しいと感じていますか。
 どちらかといえば余裕がある 31
 どちらかといえば苦しい 53
 その他・答えない 16


〈調査方法〉 コンピューターで無作為に電話番号を作成し、固定電話と携帯電話に調査員が電話をかけるRDD方式で、22、23の両日に全国の有権者を対象に調査した。固定は有権者がいると判明した2087世帯から946人(回答率45%)、携帯は有権者につながった2045件のうち962人(同47%)、計1908人の有効回答を得た。

朝日.jpg
「減らない年金」に変える、マクロ経済スライド方式を廃止する提案、財源も具体的に示したー党首討論の志位和夫委員長の発言(録画)[2019年06月19日(Wed)]
 党首討論で、日本共産党の志位和夫委員長が「マクロ経済スライド」を廃止し「減らない年金」にするための財源提案をしました。
 年金保険料の上限額を、現行の1千万円から、健康保険なみに2千万円まで引き上げることで、1兆円の保険料収入を増やそうというもの。
 安倍首相は、発言内容をよく理解できなかったようで、意味不明の答弁でした。
 具体的な提案で、ぜひ実現したい。
 力を合わせましょう!

右矢印1衆議院インターネット中継(録画)

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化学物質(芳香剤・柔軟剤)、微弱電波などによる健康への影響、「しんぶん赤旗」が環境過敏症に関わる学会の取り組みを紹介しました。[2018年12月26日(Wed)]
 通常では問題にされないことが多い柔軟剤、芳香剤、殺虫剤などの微量の化学物質、パソコン、携帯電話、家電製品などの微弱な電磁波曝露によっておこる健康障害=環境過敏症が増えています。
 「しんぶん赤旗」が12月25日、室内環境学会学術大会の環境過敏症分科会が開催したセミナーの概要を報道しました。悩んでいる人たちの理解を進め、予防に向けたルールづくりを考えたい問題です。
●記事のダウンロードははこちらから右矢印1181225 室内環境学会.pdf

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高すぎる国民健康保険料(税)を引き下げ、住民と医療保険制度を守ります―日本共産党が11月1日に新しい政策を発表しました。[2018年11月02日(Fri)]
高すぎる国民健康保険料(税)を引き下げ、住民と医療保険制度を守ります
                  2018年11月1日 日本共産党

 高すぎる国保料(税)が国保制度の構造的な危機となり、医療保険制度としての持続性を揺るがしています
 全国どこでも、高すぎる国民健康保険料(税)に住民が悲鳴をあげています。滞納世帯は289万、全加入世帯の15%を超えています。無保険になったり、正規の保険証をとりあげられるなど、生活の困窮で医療機関の受診が遅れたために死亡した事例が、昨年一年間で63人(全日本民医連調査)にのぼるという、深刻な事態も起こっています。
 高すぎる保険料(税)は、住民の暮らしを苦しめているだけではなく、国民健康保険制度の根幹を揺るがしています。全国知事会、全国市長会、全国町村会などの地方団体は、加入者の所得が低い国保が他の医療保険より保険料が高く、負担が限界になっていることを「国保の構造問題」だとし、「国保を持続可能とする」ためには、「被用者保険との格差を縮小するような、抜本的な財政基盤の強化が必要」と主張しています。日本医師会などの医療関係者も、国民皆保険制度をまもるために、低所得者の保険料(税)を引き下げ、保険証の取り上げをやめるよう求めています。

 “所得は低いのに保険料はいちばん高い”――この不公平をただすのは政治の責任です
 国保加入者の平均保険料(一人当たり)は、政府の試算でも、中小企業の労働者が加入する協会けんぽの1・3倍、大企業の労働者が加入する組合健保の1・7倍という水準です。東京23区に住む給与年収400万円の4人世帯が、協会けんぽに加入した場合、保険料の本人負担分は年19・8万円ですが、同じ年収・家族構成の世帯が国保加入だと保険料は年42・6万円、じつに2倍以上の格差が生じています。
 この25年間に、一人当たりの国保料(税)が、6・5万円から9・4万円に引き上がった結果です。しかも、同時期に、国保加入世帯の平均所得は276万円から138万円に半減しています。
 国民の4人に1人が加入し、国民皆保険制度の重要な柱を担うべき国保が、他の医療保険制度に比べて著しく不公平で、庶民にたいへん重い負担を強いる制度になっているのです。高すぎる保険料(税)問題を解決することは、住民の暮らしと健康を守るためにも、国保制度の持続可能性にとっても、社会の公平・公正を確保するうえでも、重要な政治課題です。
 日本共産党は、この国保の構造的危機を打開し、公的医療保険としての国保制度を立て直すために、以下の提案を行います。

1、高すぎる国保料(税)を「協会けんぽ」並みに引き下げる

(1)全国知事会なども強く要望している公費の投入で保険料(税)を引き下げます

――全国知事会は、国保料(税)を「協会けんぽの保険料並み」に引き下げるために、「1兆円の公費負担増」を政府に要望しました(2014年)。日本共産党も賛成です。

 高すぎる保険料を引き下げ、国保の構造的な問題を解決するためには、公費を投入するしかありません。全国知事会、全国市長会、全国町村会なども、国保の定率国庫負担の増額を政府に要望し続けており、2014年には、公費を1兆円投入して、協会けんぽ並み負担率にすることを政府・与党に求めました。
 もともと、現行の国保制度がスタートした当初、政府は、「国民健康保険は、被保険者に低所得者が多いこと、保険料に事業主負担がないこと……などのため……どうしても相当額国庫が負担する必要がある」と認めていました(社会保障制度審議会『1962年勧告』)。
 ところが、自民党政権は、1984年の法改定で国保への定率国庫負担を削減したのを皮切りに、国庫負担を抑制し続けてきました。国保加入者の構成も、かつては、7割が「農林水産業」と「自営業」でしたが、いまでは、43%が「無職」、34%が非正規雇用などの「被用者」で、あわせて8割近くになっています。
 国保に対する国の責任後退と国保の加入者の貧困化・高齢化・重症化が進むなかで、国保料(税)の高騰が止まらなくなったのです。国保の構造的な危機を打開するためには、国庫負担を増やす以外に道はありません。
 財源は、安倍政権のもとで、純利益を19兆円から45兆円へと2.3倍にも増やしながら、4兆円も減税されてきた大企業や、超大株主(保有株式時価総額1000憶円以上)が保有する株式時価総額が3.5兆円から17.6兆円へと5倍にもふくれあがるなど株高で資産を大きく増やした富裕層に、応分の負担を求めることで十分つくりだすことができます。例えば、アメリカなどと比べても高額所得者優遇となっている証券税制を改め、株式配当の総合課税や高額の株式譲渡所得を欧米並みに30%に引上げるなど、富裕層への証券課税の強化だけで1.2兆円の財源が生まれます。

――国保財政への公費負担は、国と都道府県で4.6兆円、そのうち国が75%、都道府県が25%を負担しています。これを1兆円増やせば、国保料(税)を協会けんぽ並みに引き下げることができます。財政力の弱い県には交付税措置などを検討します。

(2)「人頭税」と同じ「均等割」「平等割(世帯割)」を廃止し、国保料(税)を協会けんぽ並みに引き下げていきます

 国保料(税)が、協会けんぽなどの被用者保険と比べて、著しく高くなる大きな要因になっているのは、国保にしかない「均等割」「平等割(世帯割)」という保険料算定です。
 被用者保険の保険料は、収入に保険料率をかけて計算するだけで、家族の人数が保険料に影響することはありません。ところが、国保料(税)は、所得に保険料率をかける「所得割」、固定資産税の額に応じてかかる「資産割」のほかに、世帯員の数に応じてかかる「均等割」、各世帯に定額でかかる「平等割」を合算して算定されます。このうち、「資産割」「平等割」は、自治体の判断で導入しないことも可能ですが、「均等割」は、法律で必ず徴収することが義務づけられています。
 東京23区の国保料の「均等割」は、39歳以下の人で1人=5・1万円です。家族が1人増えるごとに、「5・1万円」「10・2万円」、「15・3万円」…と、国保料の負担額が上がっていきます。低所得者には一定の減額があるものの、子どもの数が多いほど国保料(税)は引き上がる「均等割」には、「まるで人頭税」「子育て支援に逆行している」という批判の声があがり、全国知事会などの地方団体からも「均等割」見直しの要求が出されています。
 “人間の頭数”に応じて課税する人頭税は、古代に作られた税制で、人類史上でもっとも原始的で過酷な税とされています。それが21世紀の公的医療制度に残っているのです。この時代錯誤の仕組みこそ、国保料(税)を低所得者や家族が多い世帯に重い負担にしている最大の要因です。これを廃止し、“逆進的な負担”をなくして所得に応じた保険料(税)にしていきます。
 全国で「均等割」「平等割」として徴収されている保険料(税)額は、およそ1兆円です。公費を1兆円投入すれば、「均等割」「平等割」をなくすことができ、多くの自治体では、協会けんぽ並みの保険料(税)にすることができます。そのうえで、「所得割」の保険料率の引き下げや、低所得世帯に重い「資産割」がかかる問題の改善など、各自治体の負担軽減の取り組みもすすめ、所得に応じた国保料(税)への改革を進めます。

●均等割・平等割(世帯割)をなくせば、保険料(税)は大幅に引き下がり、協会けんぽ並みになります。

試算例。給与年収の場合は、同収入の協会けんぽ保険料を掲載。
〇給与年収400万円・4人家族(30歳代の夫婦+子2人)
 東京都特別区:42万6,200円右矢印1〔廃止後〕22万2,200円 〔協会〕19万8,000円
 大阪市   :41万9,500円右矢印1〔廃止後〕26万0,400円 〔協会〕20万3,400円
 京都市   :39万7,400円右矢印1〔廃止後〕24万2,000円 〔協会〕20万0,400円
 札幌市   :41万3,500円右矢印1〔廃止後〕28万0,700円 〔協会〕20万5,000円
〇給与年収240万円・単身者(20歳代)
 東京特別区 :16万2,600円右矢印1〔廃止後〕11万1,600円 〔協会〕11万8,800円
 大阪市   :20万2,200円右矢印1〔廃止後〕13万0,800円 〔協会〕12万2,000円
 京都市   :17万7,200円右矢印1〔廃止後〕12万1,500円 〔協会〕12万0,200円
 札幌市   :20万5,600円右矢印1〔廃止後〕14万0,900円 〔協会〕12万3,000円
〇年金収入280万円(夫:230万円、妻:50万円)・高齢者夫婦世帯
 東京都特別区 :15万5,000円 右矢印1〔廃止後〕7万3,400円
 大阪市    :16万6,600円 右矢印1〔廃止後〕8万6,000円
 京都市    :15万1,100円 右矢印1〔廃止後〕8万0,000円
 札幌市    :16万2,600円 右矢印1〔廃止後〕9万2,700円
〇所得300万円・自営業・3人世帯(30歳代の夫婦+子1人)
 東京都特別区 :40万7,700円 右矢印1〔廃止後〕25万4,700円
 大阪市    :42万8,300円 右矢印1〔廃止後〕29万8,500円
 京都市    :39万9,500円 右矢印1〔廃止後〕27万7,400円
 札幌市    :43万1,800円 右矢印1〔廃止後〕32万1,700円

2、国による保険料の免除制度をつくる――困ったときに、困った人を助ける国保制度に

 現行の国保制度には、災害などで所得が激減した人の保険料を“一時的・臨時的”に免除する仕組みはありますが、常設の免除制度はありません。“一時的に困った人は助けるけれど、ずっと困っている人は助けない”という矛盾した制度になっています。
 こうした制度のもと、所得が生活保護基準を下回る人に重い保険料が課されたり、所得が保護基準をギリギリ上回る「境界層」が、国保料(税)を払うことで所得が保護基準以下となるケースが全国で発生しています。地震・津波・集中豪雨などの災害の被害者も、国保料(税)の免除が、「いつ打ち切られるか、わからない」状況が、大きな不安となっています。
 ドイツやフランスでは、所得が一定基準を下回り、医療保険料の負担が困難とみなされる人は、保険料を免除し、国庫でその財政を補う制度が整備されています。貧困と格差が広がる日本でこそ、生活に困窮する人の国保料(税)を免除する仕組みが求められています。

――生活困窮者の国保料(税)を免除し、その費用は国庫で補う国の制度をつくります。

3、無慈悲な保険証取り上げや強権的な差し押さえをやめる

 滞納者からの保険証取り上げは、国民的な批判が高まり、減少していますが、正規の保険証が発行されない世帯は引き続き100万を超え、受診抑制による重症化・死亡事件が全国で起こっています。
 国保料(税)滞納者に対する差し押さえは、2005年、国が「収納対策緊急プラン」などで取り立て強化を指示して以降、激増し、10年間で3倍、33万件を超えました。生活が苦しくて国保料(税)を滞納した人が、銀行に振り込まれた給与や年金の全額を差し押さえられ、さらなる窮迫に追い込まれる事例が各地で起こっています。
失業や病気、事業の不振などで国保料(税)が払えなくなった加入者に追い打ちをかけ、命と健康を脅かし、住民をさらなる貧困に叩き落すようなことがあってはなりません。

――保険証取り上げの制裁措置を規定した国保法第9条を改正し、保険証の取り上げをなくします。

――強権的な取り立てを奨励する国の行政指導をやめさせます。

――滞納者の生活実態をよく聞いて親身に対応する相談・収納活動に転換します。

4、安倍政権による「国保都道府県化」を利用したさらなる保険料値上げを許さない

 安倍政権は今年4月から、これまで市町村ごとに分かれていた国保の財政を都道府県に集約することなどを内容とする「国保の都道府県化」をスタートさせました。この最大の狙いは、市町村が一般会計から国保会計に繰り入れて行っている、自治体独自の国保料(税)軽減をやめさせ、その分を保険料に転嫁させることにあります。差し押さえなどの収納対策の強化、病院統廃合や病床削減による医療費削減なども推進するとしています。都道府県と市町村のこうした取り組みを政府が“採点”し、“成績の良い自治体”に予算を重点配分する仕組み(保険者努力支援制度)も導入されました。
 こうした政府のやり方をいっしょになって推進するのか、住民をまもる防波堤となるのか、自治体の役割も問われています。改悪法は施行されましたが、厚生労働省は、「都道府県化」実施後も、「一般会計の繰入は自治体の判断でできる」「生活困窮者への自治体独自の軽減は問題ない」と答弁しています。地方自治の原則を完全否定することはできないからです。
 今年度には、宮崎市、韮崎市など少なくない市町村が国保料(税)引き下げを実施し、仙台市、清瀬市、旭川市などが子どもの均等割の独自軽減に足を踏み出しました。国保の運営主体である市町村と都道府県が、住民の立場で国保料(税)の値下げ・抑制の努力を続けるかどうかも問われています。

――「国保の都道府県化」による国保料(税)引き上げに断固反対し、改悪を中止・撤回させます。

――住民の生活破壊をくいとめ、国保危機の加速をとめるため、自治体独自の負担軽減の取り組みを維持・拡充するために力を尽くします。

≪高すぎる国保料(税)を引き下げるために、自治体や医療機関をはじめとするみなさんの知恵と力を≫

 医療保険制度には、国保料(税)問題以外にも、改善すべき様々な課題があります。窓口負担の引き下げ、国による子どもの医療費無料制度の創設、後期高齢者医療制度を元の老人保健制度に戻して“差別医療制度”をなくす、協会けんぽへの国の支援を拡充するとともに、被用者保険の拠出金負担を軽減するなど、病気と貧困から命と健康、暮らしを守る医療保険制度へと改革することが必要だと、日本共産党は考えています。
 同時に、高すぎる国保料(税)の問題の解決は、住民の健康と暮らしを守るうえでも、国民皆保険制度の最重要な柱である国民健康保険制度の持続性を確保するうえでも、社会の公平・公正という面からも、避けて通れない課題となっています。立場の違いや社会保障政策の違いがあったとしても、この問題の解決に向けて、知恵を出し合い、力をあわせることは可能であるし、必要だと考えます。日本共産党は、そのために力をつくす決意です。

<資料>
・都道府県別国保料(税)滞納世帯数等
・国保世帯主の職業別 世帯構成割合の変化
・市町村国保の保険料、 加入世帯の平均所得
・差し押さえの件数・金額の推移
・国民健康保険料(税)と 協会けんぽ保険料の比較
 ダウンロードはこちらから右矢印1181101_kokuho_hyo.pdf

kokuho.jpg
後期高齢者医療保険料の『特例軽減』廃止方針に意見書を提案する方向―1月30日の広域連合議会[2015年01月13日(Tue)]
 安倍政権の暴走政治のひとつが公的医療保険制度の改悪をめざす動きです。
 厚生労働省が9日、社会保障審議会の医療保険部会に、75歳以上の人が加入する後期高齢者医療保険の保険料『特例軽減』を2017年度から原則廃止する考えを示しました。
 そこで日本共産党は、1月30日に行われる宮城県後期高齢者医療保険広域連合の議会に、政府方針を再検討するよう求める意見書を提出することを決め、歌川渡議員団長(七ヶ浜町議)がきょう議会事務局に連絡しました。
 そうしたら歌川議員から、「野田讓議長(仙台市議)から、このテーマに関わる意見書の提案を準備しているという趣旨の連絡がありました」と。『特例軽減』を廃止しようとしている政府に対して、なんらかの意見書が提出される方向です。
 安倍政権の暴走が新たな矛盾を広げていること、国民の反撃が拡大していることを実感させられます。宮城県広域連合議会の傍聴をしてみませんか。会場は、仙台市青葉区上杉にある宮城県自治会館の9階、1月30日の13時に開会する予定です。

 ちなみに、歌川議員と話し合い、日本共産党議員団が提案しようとした意見書案は、概要以下のような内容です。

後期高齢者医療保険料の「特例軽減」の廃止について慎重な取り扱いを求める意見書(案)

 厚生労働省は1月9日、低所得者の後期高齢者医療保険料を軽減するため設けられている「特例軽減」を平成29年度から原則廃止する方向を打ち出しました。
 「特例軽減」がなくなれば、「8・5割減額」を適用されている人の保険料は「7割減額」となり、保険料は2倍に引き上がります。年収が80万円以下で「9割減額」を適用されている人の保険料も「7割減額」となり、負担は3倍に跳ね上がります。健保・共済の扶養家族だった人は、後期高齢者医療制度に移って2年以内なら「5割減額」、3年目以降は「全額負担」とされますが、そうなれば保険料は現行の5倍から10倍になります。これにより、75歳以上の後期高齢者のうち、全国で865万人の保険料が引き上げられることになります。
 公的医療保険制度においては、その保険料は負担能力に応じた応能負担とすることが原則です。後期高齢者医療制度はその創設時において、高齢者の保険料を負担能力をこえて引き上げることになるのではないかという疑問がだされ、「特例軽減」は制度の円滑な導入を進める対応として政府が実施したものです。
 その後平成20年の制度導入以来、すでに3回にわたる保険料値上げが実施されていますが、年金の引き下げや年金への課税強化をはじめ高齢者の可処分所得が低迷しているもとでは、後期高齢者医療保険料の負担増は高齢者の生活を圧迫する要因の一つになっています。
 したがって本議会は、保険料の「特例軽減」の廃止については慎重に判断すべきものと考え、今後2年の間にその実施を見送ることも含めてさらに検討を重ねることを求めるものです。
自殺予防 WHO(世界保健機構) が公表している「メディア関係者のための手引き」[2013年08月23日(Fri)]
 著名な芸能人の自殺が報道されたことに伴い、日本のメディアの自殺報道がWHO(世界保健機構のガイドラインを踏まえていないことが問題視されている。
 内閣府の自殺対策サイトはこちら⇒http://www8.cao.go.jp/jisatsutaisaku/index.html

<メディア関係者のためのクイック・リファレンス>
努めて、社会に向けて自殺に関する啓発・教育を行う
自殺を、センセーショナルに扱わない。当然の行為のように扱わない。あるいは問題解決法の一つであるかのように扱わない
自殺の報道を目立つところに掲載したり、過剰に、そして繰り返し報道しない
自殺既遂や未遂に用いられた手段を詳しく伝えない
自殺既遂や未遂の生じた場所について、詳しい情報を伝えない
見出しのつけかたには慎重を期する
写真や映像を用いることにはかなりの慎重を期する
著名な人の自殺を伝えるときには特に注意をする
自殺で遺された人に対して、十分な配慮をする
どこに支援を求めることができるのかということについて、情報を提供する
メディア関係者自身も、自殺に関する話題から影響を受けることを知る

はじめに
自殺は、広く社会的に、情緒的に、経済的に影響をもたらす最も重大な公衆衛生学上の問 題である。今世界で、毎年約 100 万人の人が自殺で亡くなっている。そして自殺によって影響 を受ける人が、周囲に 6 人前後はいるものと考えられている。 自殺と、その予防に関与する因子は複雑で、まだ十分には解明されていない。しかし、メディ アが、そこに重要な役割を果たすということについて根拠が示されている。 自殺に傾いている人は、自殺の報道が大々的で目立つものであったり、センセーショナルで あったり、自殺の手段を詳しく伝えられたりすることで、その自殺追随するように自殺することに 気持ちがのめりこんでしまうだろう。逆に、責任ある報道は、自殺に関して社会を啓発し、自殺 に傾く人が助けを求めることを促すことにもつながるだろう。
この手引きは、自殺報道の影響に関する事実を簡潔にまとめ、その事実に基づいて、どの ように自殺を報道すべきかということを提示する。 この手引きは、自殺を報道する際の注意を促すものである。記事にする意味があると考え られて自殺が報道される機会もあるだろう。その際に、どのように伝えることが最も正しく、責任 ある方法で、そして倫理的なのかということを、この手引きは提案するものである。
自殺の報道は、国や地域ごとに異なる。また、何が自殺報道において適切なことか、そして 人がどのように自殺報道に接するかということは文化の違いによっても異なる。この手引きに 書かれていることは一般的なことであるが、メディア関係者には、どこでも使えるような自分た ち独自のガイドラインを作り、それぞれが関わる領域と連動していくことが望まれる。
この手引きにある提案のほとんどは、新聞、テレビ、ラジオ、ウェブ関係者のためのものでもあ り、すべてのメディアに共通するものでもあるが、内容のいくつかは、紙媒体に特異的である。
自殺の模倣に関する事実
これまでに、50 を超える模倣自殺の研究がある。体系的なレヴューは、どれも一致して同じ 結論を出している。それは、メディア報道が模倣自殺を引き起こしているということであり、さら に、そこにはいくつかの特徴があるということも示されている。 経時的には、報道開始から最初の3日間にピークがあり、約2週間で横ばいとなり、時に長く 遷延するということである。それは、情報の量と影響力に関連し、特に、報道の繰り返しによる 多量の情報と、強い露出度と最も強く相関する。それは、報道された人物とそれを読むユーザ ーに何らかの共通点があると、より強調されることになる。若者、うつ病に罹患している人にお いては特にその傾向があらわれる。さらに重要なこととしては、特殊な手段を用いた自殺につ いて詳細に伝えることは、その手段を用いた自殺を増加させるということであろう。
責任ある報道とは
1. 努めて、社会に向けて自殺に関する啓発・教育を行う
自殺に関して世の中には多くの誤解があるが、メディアは、さまざまな誤解を払拭する力を もつ。 ひとりの人が自殺する際にはたいてい複数の要因があり、それは複雑である。だから自殺を 単純化して報道してはいけない。自殺は、決して一つの要因や出来事から起こるものではない。 また、自殺には衝動性が大きく関与している。うつ病や依存症罹患は、その人がさまざまな生 活上のストレスや、対人関係における葛藤を処理する力に影響を及ぼしてしまうだろう。文化 的、遺伝学的、そして社会経済的因子も考慮されなければならない。 その死について十分な調査がなされていない状況では、自殺はいつも、「試験に失敗した」 とか、「人間関係が破綻した」とか、あるいは個人的な出来事のせいにされがちである。自殺が、 個人の抱える問題を処理する方法であると報道されることは絶対にすべきでない。 自殺という複雑事象は、家族や友人にすさまじい衝撃を与える。これらの人々は、自殺の原 因を探したり、何か予兆を見落としていなかったかと悩み、喪失を嘆き、罪の意識を感じ、時に 怒り、偏見をもたれたり、あるいは放置される。このような自殺の及ぼす衝撃について調査をし、 報道することは、社会的な啓発につながるだろう。
2. 自殺を、センセーショナルに扱わない。当然の行為のように扱わない。あるい は問題解決法の一つであるかのように扱わない
メディア関係者は、誰よりもことばのニュアンスのもたらす影響力を知っているだろう。自殺が 最大の公衆衛生学上の問題であると伝えることで、社会を啓発することになる。 しかし用いることばはセンセーショナルであってはならない。たとえば、「自殺の流行」といった 過剰な表現ではなく、「自殺率の上昇」ということばを用いるべきである。また、見出しに「自 殺」ということばを用いることには慎重でなくてはならない。ことば遣いによって、人々に自殺に 関する誤解を与えたり、自殺を正当化することを避けなければならない。「政治的自殺」といっ た、本来の意味から離れたことばの使い方は、人々の感覚を麻痺させるだろう。「自殺の不成 功」という言い方は、死が望ましい結果であるということを意味するものなので使うべきではな
い。「死に至らなかった自殺未遂」の方が、より正確で誤解の余地が少ない。「自殺を犯した」と いうことばも、それが犯罪を意味することばであるし、それによって愛する人を自殺で失った 人が偏見を受けたり、自殺に傾く人が援助を求めにくくなるので使うべきではない。むしろ、「自 殺既遂」ということばを使うべきである。なお、世界のいくつかの国では、自殺はまだ犯罪とさ れている。
3. 自殺の報道を目立つところに掲載したり、過剰に、そして繰り返し報道しない
自殺の話題を、目立つところに掲載したり、過剰に繰り返し報道することは、自殺をそっと報 道するよりも模倣自殺を引き起こしやすい。自殺に関する新聞報道は、第一面や、中のページ の最上部に掲載されるよりも、中のページの最下部に掲載されるようにすべきである。 同様に、テレビの報道番組においても、自殺の話題は、番組のトップではなく、番組の流れに おける最初の区切りか、2 つ目の区切りの後に報道すべきである。 繰り返して報道をする場合、あるいは改めて報道をする場合には、どの程度の内容にする のかということについて配慮すべきであり、その必要があるかどうかまで検討すべきである。
4. 自殺既遂や未遂に用いられた手段を詳しく伝えない
自殺既遂や未遂の方法を詳しく述べることは避けなければならない。なぜなら、それをひと つづつ順を追って述べることで、自殺に傾いているひとがそれを模倣するかもしれないからで ある。たとえば、大量服薬の報道において、その薬物の詳しい名前や量、同時に服用した薬物、 あるいはそれをどのように入手したかを伝えるのはまったく賢明ではない。 その自殺の手段・方法が特殊な場合には、特に注意が必要である。その特殊な自殺は報 道する価値が高いように見えるかもしれないが、報道によって、同じ手段・方法で他の人が自 殺をするきっかけをつくってしまうことになるのだ。
5. 自殺既遂や未遂の生じた場所について、詳しい情報を伝えない
ある場所が、“自殺の名所”といわれるようになることがある。例えば、自殺企図が生じる橋、 高いビルディング、崖、鉄道の駅や踏み切りなどである。センセーショナルな表現によって、ある いはそこでの自殺の件数を誇張するような報道がそういった場所を“自殺の名所”にしてしま うことがあるので、報道関係者は特に注意しなければならない。
6. 見出しのつけかたには慎重を期する
報道の見出しというものは、出来るだけ少ないことばで報道内容を端的に表し、読者の興 味を惹くために考え出されるものである。見出しでは、“自殺”のことばを使うべきではないし、 同様に自殺の手段・方法や場所についての言及も避けるべきである。
7. 写真や映像を用いることにはかなりの慎重を期する
自殺の状況・現場の写真やビデオ映像は使うべきでなく、特にそれが自殺の生じた場所や 自殺の手段・方法を読者や視聴者にはっきりと分からせるようなものであればなおさら使って はならない。 -8-
自殺をした人の写真を報道に使うこともすべできはない。もし視覚的な画像を用いるのなら、 遺族から正式な許可を得なければならない。それらの画像は、目立つところに掲載されるべき ではなく、また美化するべきでもない。また、遺書も掲載するべきではない。
8. 著名な人の自殺を伝えるときには特に注意をする
著名な人の自殺は、報道の対象になりやすいし、しばしば関心の対象となる。しかしながら、 著名な芸能人や政治的に力をもつ人の自殺は、その人たちが崇敬の対象であれば特に自殺 に傾く人に影響を与えてしまう。 著名人の死を美化することは、社会が自殺を称えることにつながる。そのため、著名人の自 殺を報道する際には特に注意が必要である。報道は、自殺を誇張して扱ってはならないし、手 段・方法の詳細を述べてはならず、他の人々に与える影響についてコメントをすべきである。さ らに、自殺の必要はなかったことがすぐに伝わるような配慮が必要である。 メディアの一部にみられるような自殺に関する憶測記事は有害であり、死の原因が明らか になるまではそのような記事の掲載を見合わせるべきである。
9. 自殺で遺された人に対して、十分な配慮をする
自殺によって後に遺された人から話を聴くということは、決して軽々になされてはならない。 遺された人は、その人自身においても自殺の危険性が高まっている。愛する人を自殺によ って失った人は脆く、悲嘆とさまざまな問題の克服に取り組んでいる。そのような人たちのプラ イヴァシーは、いついかなる時も尊重されるべきである。
10. どこに支援を求めることができるのかということについて情報を提供する
自殺報道の終わりの部分には、支援を求める際に有用な情報を掲載すべきである。報道 の内容にもよるが、かかりつけ医、保健専門家、地域の社会資源、そして電話相談サービスに 関する情報が含まれるとよいだろう。利用可能な社会資源をリストに挙げることで、報道によっ て悩み、自分を傷つける状況に直面しているような人がすぐに支援につながることになるだろ う。
11. メディア関係者自身も、自殺に関する話題から影響を受けることを知る
ある自殺の報道を準備することは、報道関係者自身にも影響を与える。それは、そのメディ ア関係者が強い地縁をもつような、小さい、そして人々のつながりが密接な地域であればなお さらである。 メディア会社は、スタッフに対して、特に若手のスタッフに対して、必要な支援が行われるよう に備えておかなければならない。その支援には、ディブリーフィングの機会、指導・教育などが 含まれるであろう。そしてメディア関係者個人が自殺の報道によって何らかの形で影響を受 けた場合には、組織の内外に支援を求めることをためらうべきではない。
信頼できる情報資源
メディア関係者が自殺に関する基礎的な情報を求める際には、正当で信頼のおける情報 源を利用するべきできある。また、統計は、注意深く、正しく解釈されなければならない。 世界の多くの国で、政府機関によって年毎の自殺率の統計データが提示されており、通常、 年齢、性別のデータも示されている(注:国ごとに法令が異なり、これが自殺の確定のしかたや 記録のしかたに影響する場合もあるので、国際的な比較には注意が必要である)。 また、世界保健機関(WHO)に加盟する国・地域では、自殺を含む死因に関するデータを WHO に報告しており、1950 年まで遡って報告されている場合もある。これらの一部は、WHO のウ ェブサイト(http://www/who.int)で検索できる。
多くの国々が、自殺に関して一般的な情報を提供するような組織を有している。またいくつ かの組織は、自殺予防活動の役割を担い、自殺念慮をもつ人、あるいは自殺によって後に遺 された人に支援を提供したり、調査・研究を助成している。 国際自殺予防学会(International Association for Suicide Prevention: IASP)はこれら に相当する国際的組織で、世界の多くの国から代表を得て活動している。IASPのウェブサイト (www.iasp.info)には、メディア関係者が自殺の報道を準備する際に有用な基礎的情報とな るようなかなり多くの資料が掲載されている。IASPのウェブサイトには、30 以上の国の自殺の報 道のガイドライン等が掲載されている。
可能な限り専門家からの助言も求めるべきである。専門家は、自殺にまつわる迷信のいくつ かを払拭する助けになり得る。また専門家は、一般的な自殺予防に関して、そして自殺の危 険性の見方やそれへの対処について助言をしてくれる。
他の種類のメディア
この手引きは、新聞、テレビ、ラジオといった従来型のメディアの自殺報道に対するものであ るが、インターネットのような新しいメディアについても考慮すべきであることは言うまでもない。 インターネットは、自殺の方法・手段を詳しく紹介をしたり、集団自殺を後押ししたり、著名人 の自殺についてあけすけな記事を載せたり、自殺で亡くなった人の画像を載せたりしている。 さまざまな映像や演劇における自殺の描写も、人々の見方や行動に影響を与えるだろう。 ウェブサイトのコンテンツ、映画、テレビのドラマ、あるいは演劇といった、これら注意すべきさまざ まな領域に対応することは、この手引きの守備範囲を超えてはいるが、しかし、この手引きは、 そうした他のメディアにおいても有用であると考えられる。
解説 : 模倣自殺に関する研究のオーバーヴュー
メディアが自殺行動に強く影響することを明らかにした事例のうち、最も古いものは、18世紀 にまでさかのぼる。 1774 年に出版されたゲーテの小説、「若きウェルテルの悩み」の中で、主人公は、恋に落ち た相手に失恋した末に銃で自殺をした。この本の出版後に、この小説に影響された多くの自 殺がヨーロッパ中で生じた。自殺者の多くはウェルテルと同じような服装で、ウェルテルと同じ方 法で自殺し、この小説を所持していた。同じ方法で自殺を図った若者に関して、数多くの報告 がなされている。結果的に、ヨーロッパのいくつかの国でこの小説は販売禁止となった。 自殺の報道や、演芸における自殺の描写に反応してそれを模倣した自殺行動が生じるこ とは、1970 年代の Phillips(1)の独創的な研究が発表されるまでは逸話のレベルに留まってい た。 Phillips は、アメリカの新聞に自殺の記事が第一面に掲載された時と掲載されていない時と で、その後の自殺の発生数を後方視的に比較したが、20年の期間を調査したところ、第一面 に関連報道が掲載されたのは 33 か月分に相当し、そのうちの 26 か月分で自殺者数は有意 に増加していた。
この Phillips の研究を端緒に、その後 50 を超える模倣自殺の研究が行われているが、総じ てこれらの研究は、さまざまな方法でメディアの影響の根拠を明らかにしている。 まず、これらの研究は、方法論がより進化している。例えば、Wasserman(2)とStack(3)はと もに、Phillips の研究から得られた結果が、その期間をさらに延ばして検討してもやはり同様の 結果が得られることを、自殺者数だけでなく、時系列を考慮した解析、予測値を用いたより複 雑な解析で明らかにした。 2つ目に、これらの研究は、異なる種類のメディアを調査している。例えば、Bollen と Phillips (4)、そして Stack(5)は、アメリカの全国ネットのニュースで報道される自殺の話題の影響に 注目し、そのような報道の後で、自殺率が有意に上昇することを見出した。 3 つ目として、初期の研究のほとんどはアメリカで行われたものであり、しかも既遂となった自 殺のみ検討されていたが、その後、研究はアジアやヨーロッパに広がり、自殺未遂にも焦点が あてられ、研究されるようになった。例えば、Chengら(6,7)と、Yip(8)は、中国、台湾、香港特別 行政区において、著名人に関する自殺報道の後に自殺と自殺未遂が増加していることを明ら かにした。Etzersdorfer、Voracek、そして Sonneck(9,10)は、オーストリアで最も発行部数の 多い新聞で著名人の自殺が報道された後に、同様の結果がもたらされたことを報告している が、これは、その新聞の販売部数の高い地域で顕著であった。
これらの研究の系統的なレヴューは、同じ結論を導き出している。それは、メディアが自殺を 伝えることが模倣自殺を惹起するということである(11−13)。 これらのレヴューは、模倣がいくつかの条件下でさらに顕著となるということを明らかにした。 時系列でみると、通常、模倣自殺のピークは最初の 3 日以内で、約 2 週間まではそれが続く (4,14)。しかし時に長く遷延する(15)。それは、報道の量と、露出度、つまり報道の繰り返しと強 いインパクトを与えるような伝え方が、模倣による自殺行動により密接に関連している(9,10, 16)。 自殺の報道の対象となった人物と、報道に接した読者・視聴者に共通するものがあれば、こ の関連性はさらに強まる(2,3,6,8,18)。例えば、若者、うつ病に罹患した人など、特定の集団
は、模倣による自殺行動に傾きやすいだろう(14,19,20)。 さらに最も重要な点のひとつとして考えられることは、特殊な方法・手段による自殺の詳しい 解説が、その方法・手段を用いた自殺の増加を導くということであろう(9,10,21−24)。
メディアが、好ましい形で影響力を発揮し得るという根拠を示すいくつかの事例がある。これ は、好ましい報道のありかたが、果たして自殺と自殺未遂率を低減させるのかどうかということ を検証した研究から得られたものである。 Etzersdorfer と共同研究者により実施された研究では、ウィーンの地下鉄における自殺の 報道に関して、報道ガイドラインを導入し、センセーショナルな自殺報道を減らすことで、結果 的に地下鉄における自殺率を 75%減少させた。そしてウィーンのすべての自殺を 20%減少さ せたのである(25−27)。 さらに重要なこととして、繰り返しこのガイドラインを国全体に周知することで、オーストリアの 自殺率の推移に変化をもたらしたのである。この好ましい影響は、メディアがしっかりと協力をし た地域に顕著で、長い期間、広範に維持された(28)。
結論として、メディアの自殺報道は模倣自殺をもたらすが、これは、自殺と自殺未遂率が統 計学的に有意に上昇するという根拠によって強く支持される。この増加は、他の何らかの影響 によるものと解釈することはできない。もしも他の影響によるものであれば、その後の自殺と自 殺未遂の減少率を合理的に説明することができない。 自殺の報道において注意を要するということと、有害事象を引き起こす危険性、人々の知 る権利を、ある規範をもって均衡させることが、メディア関係者の義務である。
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