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中嶋れん(日本共産党 宮城県議会議員)のブログ
宮城県議会 環境生活農林水産委員。
      障がい児・者福祉調査特別委員会 副委員長。
      「脱原発をめざす宮城県議の会」副会長。
シエルの会(自閉症児の親の会)会長。
原発問題住民運動宮城県連絡センター 世話人。
東日本大震災復旧・復興支援みやぎ県民センター事務局次長。
青森県むつ市大畑町生まれ。青森高校、東北大学理学部物理学科卒。
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東北電力による水蒸気爆発実験データの不正確な孫引き問題を追及した質問(概要)[2019年09月21日(Sat)]
 9月12日の宮城県議会本会議における一般質問で、女川原発の再稼働中止と原発政策の転換を求めました。東北電力がTROI実験のデータを不正確に引用していた問題を追及しましたが、これは「安全対策」が逆に水蒸気爆発を招くのではないかという問題意識にもとづくものです。
 原発問題に関わる質問と答弁の概要をお知らせします。
 この記事は、私の責任で速報としてお知らせするためにもので、議事録ではないことをお断りしておきます。

●中嶋廉議員
 日本共産党の中嶋廉です。
 東北電力女川原子力発電所2号機は、新規制基準適合性審査が8月30日で事実上終了し、原子力規制委員会は審査書のとりまとめに移行しつつあります。パブリックコメントを経て、年内にも審査書了承となる可能性があります。
 大綱1点目では、女川原発の再稼働に反対する立場から、原発政策の転換について、その理由を述べながら伺います。

 安倍首相は、原子力規制委員会の新規制基準について、「世界で最も厳しい基準」と繰り返していますが、実態は世界のレベルには程遠ものです。
 第1に、テロ対策がまったくできていません。
 新規制基準は、テロによる航空機の衝突などへの対策として「特定重大事故等対処施設」、いわゆるテロ対策施設の設置を義務づけていますが、運転中の5原発9基に未だに一つも設置されていません。
 規制委員会自身が「工事認可から5年以内に設置すればよい」と基準を緩めたからです。
 知事は、「テロ対策施設は安全対策上の重要だ」と受けとめていますか。そうであれば、事前了解への対応にあたり、「工事認可から5年以内」ではなく、「再稼働の前」にテロ対策施設を完成させるよう、東北電力に要請すべきです。規制委員会にも同様の要請をすべきですが、お答えください。

 第2に、新規制基準が、世界の標準になっているコアキャッチャーの設置を求めておらず、別の「抜け道」を認めていることが、水蒸気爆発の危険を招いていることです。
 コアキャッチャーは、溶融炉心を受けとめて効果的に冷却し、溶融炉心とコンクリートの反応を防止するものです。チェルノブイリ原発事故の体験を踏まえたもので、水蒸気爆発が起きないように、溶融炉心と水を絶対に接触させないようにしている点が重要です。
 別の「抜け道」を考えた関西電力などの加圧水型原発をもつ電力会社グループは、炉心溶融の前に格納容器の下部に大量の水を投入して、超高温の溶融炉心を水に落として冷却するという、奇策を持ち出しました。
 知事。諸外国の原子力規制当局は、水蒸気爆発を非常に警戒しています。こんな危険な行為を認めているのは日本だけだと思いますが、お答えください。

 このことは当然、審査会合で問題になりましたが、加圧水型グループが「実際の原発では水蒸気爆発は起こらない」と、規制委員会を説得しました。しかし、悪い事はできないもので、専門家がパブコメで指摘して、水蒸気爆発を起こした実験報告書が隠ぺいされていたことが発覚しました。
 そのあと沸騰水型原発をもつ電力会社グループが、今度は「その実験は、実際の原子炉で想定される温度に比べて実験温度が非常に高かった」ということを理由に持ち出して、水蒸気爆発の可能性は小さいと主張するようになりました。
 8月30日の「第19回宮城県女川原子力発電所2号機の安全性に関する検討会」でも東北電力がそう主張しましたが、見過ごせない問題があります。
 東北電力は説明資料に、2007年の実験について、質量や圧力などの他のデータは正確に引用していますが、温度だけ不自然に入れ替えた資料を引用しています。その結果、実際の原子炉とほぼ同じ温度で水蒸気爆発が起きた実験があったのに、検討会の委員にはそれが分からないようになっていました。この実験は、東北電力の主張が成り立つかどうかに関わる重要なものです。
 なぜこうなったのでしょうか、東北電力に照会した結果をご説明ください。

 専門家は、データの引用の仕方は恣意的だと批判し、水蒸気爆発や超高温領域の現象について「規制委員会も電力会社も誤った解釈をしている」「世界で最も危険な状態での運転再開」を招いていると、警告しています。
 「脱原発をめざす宮城県議の会」が昨年3月22日、検討会の正副座長あてに、水蒸気爆発に関わる「TROI実験の報告書すべてを取り寄せて評価し検討すること」を要望しましたが、女川原発を危険な状態で再稼働させてはならないからです。
 知事は検討会に対し、実験データ引用の妥当性の検証を求めるべきです。TROI実験報告書をすべて取り寄せ、超高温域の現象に詳しい専門家の意見を聴取し、水蒸気爆発のリスクを再検証すべきですが、お答えください。

 第3に、安全性を確認すべきなのに、審査から外されている問題がたくさんあることです。
 原発事故は実験ができないので、安全対策の選び出しやその有効性評価には確率論的安全評価が活用されていますが、検討会では複数の委員が、それは「方法論として確立していない」と何度もクギを刺しています。
 地震対策について、「原子力規制委員会は、連続する地震動を想定していない」という発言がありました。
 確率論的安全評価、連続地震動に関する検討会の委員の指摘はそのとおりだと思いますが、いかがですか。新規制基準と適合性審査は、弱点も限界も抱えていますが、知事のお考えをお聞かせください。

 検討会では委員から、東日本大震災で被災した女川原発が再稼働に耐えられるかどうかを、どう検証するのかが繰り返し問いかけられましたが、適合性審査では、原子炉建屋の剛性の低下などのごく限られたテーマが検討されただけです。
 大震災で損傷した設備、機器、計器、配管などについて、その箇所、修理や交換に関わる詳しい情報を公開してもらい、そのうち安全性に関わるものの健全性を確認すべきです。
とくに、大震災での機器や計器類の脱落、それにともなう配線の断線は、次の大地震でも同じことが起こり重大事故を生む恐れがあるので、公表してもらって再稼働に耐えられるかどうかを確認すべきです。
 設備や機器等は、耐震重要度がそれぞれランク付けされていますが、大震災で損傷したものについては、それぞれのランク付けが妥当かどうかを評価すべきです。
 2016年9月27日の本会議で当時の環境生活部長が、検討会とは「国の保安検査や審査を踏まえて、施設の健全性を確認」する場だと説明したことがあります。検討会では保安検査を活用した検討はまだ行われていません。
 提案した事項の検討は欠かせないと思いますが、お答えください。

 第4に、女川原発事故時の実効性ある避難計画の策定が困難だからです。
 医療機関の避難計画についてうかがいます。
 医療機関の初期の対応は屋内退避の活用が中心ですが、原子力災害や放射能汚染が長期化しそうな場合は、発災の一週間後くらいから患者の搬送を始めることになります。464床の石巻日赤病院は、救急車は50台以上、バスは数十台が必要になるだろう、それでも一週間以上はかかるだろうと話しています。
 宮城県内に患者の救急搬送に活用可能な車両は何台ありますか。宮城地区原子力災害医療ネットワーク会議では課題をどのように検討していますか。山形など県外への搬送はどこまで具体化していますか。
 以上、医療機関の患者の搬送手段確保の現状について説明してください。
 また、搬送手段が整うまでは、東北電力からの設置変更の事前了解には回答すべきではないと思いますが、お答えください。

 第5に、福島第一原発事故を招いた「原子力ムラ」の復活です。
 原子力規制委員会の委員長代理に、原子力産業協会理事をつとめていた田中知氏が任命されています。原子力規制庁の職員も、2018年10月1日現在で約1千人のうち、150人を超える職員が日本原子力産業協会の会員企業およびその関連会社、いわゆる「原子力ムラ」の出身者で占められ、審査は国民の安全よりも再稼働優先になっています。
 「原子力ムラ」の大規模な「天上がり」は、原子力規制行政の独立性を歪めるものですが、知事はどう受けとめていますか。

 最後に、知事は、「女川原子力発電所2号機の安全性に関する検討会」を、どのように締めくくる考えでしょうか。「検討会の検討が終わるまでは、設置変更の事前了解に回答しない」という答弁は、今も変わらないと思いますが、合わせてお答え下さい。
県の検討会で委員から「原子力規制委員会はいい加減だ」という発言がありました。その検討会が、適合性審査を後追いしただけでは、県民の失望と怒りを招きます。少なくても、今日の提案を受けとめていただきたいと思います。そして新潟県のように、地方自治体にふさわしい独自性を発揮し、県民の安全を守るに足る本腰を入れた検討に改めるべきですが、お答えください。

●村井嘉浩知事
 中嶋廉議員の一般質問にお答えいたします。
 大綱3点ございました。
 まず、大綱1点目、女川原発の再稼働中止、原発政策の転換についてのご質問に答えいたします。
 初めに、テロ対策施設についてのお尋ねにお答えいたします。
 新規制基準では、原子力発電所のテロ等による重大事故への対策について、送水車等の移動式の冷却装置、いわゆる「重大事故等対処設備」を配備することなどが求められております。
 ご指摘のありました「特定重大事故等対処施設」は、こうした対策を講じたうえで、重層的にその信頼性をさらに向上させるための施設と位置付けられており、新規制基準に係る原子力発電所本体の工事計画認可から5年間は、設置が猶予されております。
 県といたしましては、テロ対策施設は作今の世界情勢から安全上重要なものであると認識しており、東北電力においては、こうした法令上の規定を踏まえながら、安全確保に万全を期していただきたいと考えております。

 次に、地方自治体の独自性の発揮についてのご質問にお答えいたします。
 原子力発電所の安全性については、国が責任をもって厳格に審査すべきとの考えに変わりはございません。
 新潟県において、原子力発電所事故に関する検証総括委員会等を設けていることは承知しておりますが、我が県といたしましては、引き続き国の審査状況を注視しつつ、独自の取り組みとして設置した、安全性検討会での専門家からの意見等も踏まえ、女川原子力発電所の安全性をしっかりと確認してまいります。

●大森克之・環境生活部長
 大綱1点目、女川原発の再稼働中止、原発政策の転換についてのご質問のうち、格納容器下部への注水についてのお尋ねにお答えいたします。
 原子力規制委員会では、事故時における格納容器下部への注水による水蒸気爆発発生の可能性は、極めて低いと評価しており、仮に水蒸気爆発が発生した場合でも、原子炉圧力容器の支持機能への影響はないとしております。
 なお、原子力規制委員会によれば、北欧の沸騰水型原子炉の一部において、この方法が採られております。

 次に、水蒸気爆発に関わる検討会説明資料への記載や、温度測定方法などについてのご質問にお答えいたします。
 先月8月30日に開催しました「第19回女川原子力発電所2号機の安全性に関する検討会」において、東北電力が使用した資料に記載されている各種のデータの出展について東北電力に確認したところ、資料に記載の論文から正しく引用しており、原子力規制委員会においても、この内容で評価を受けているとのことでした。
 また、測定方法等の詳細は、安全性検討会の資料中にすべての引用文献を明記することで対応したものと聞いております。

 次に、実験データ引用の妥当性と水蒸気爆発リスクの検討会における再検証についてのご質問にお答えいたします。
 水蒸気爆発のリスクについては、東北電力や東京電力の新規制基準適合性審査に関するヒアリングに際して、原子力規制委員会が、2002年、2003年および2007年のTROI実験の結果も踏まえた上で議論していることを確認しております。
 我が県の安全性検討会は、こうした国の審査を踏まえて、震災後の施設の健全性や、新規制基準に適合することにより向上する安全性について、けんとしても独自に確認するために設置したものであり、各構成員により慎重かつ十分に議論がなされているものと認識しております。

次に、確率論的安全評価等に関する検討会委員からの指摘や新規制基準と適合性審査についてのご質問にお答えいたします。
 確率論的安全評価については、すべてのリスクを網羅するまでに至っていないことなどから、現在のところ、安全設備に係る有効性評価のための事故のシナリオの抽出や、自主的な安全性向上ツールとしての利用にとどまっているものと認識しております。
 また、女川原子力発電所は、東北地方太平洋沖地震とその後の余震による経験も踏まえ、余裕のある設計としており、東北電力からは、連続する地震動に対しても十分な耐震性を確保していると聞いております。
 新規制基準については、福島第一原子力発電所事故を教訓に、海外も含めた最新の知見が導入されたものでありますが、その重要性に鑑み、より一層の充実・強化に不断に取り組むよう、全国知事会等を通じて要請しているところであります。

 次に、修理・交換した設備等の公表や健全性等の確認および耐震重要度のランク付けに関する質問にお答えいたします。
 東日本大震災での原子炉建屋天井クレーンの一部損傷など、主要設備の被害状況については、東北電力のホームページで公表されているほか、設備の健全性については、国の保安検査等で確認されることになっております。
 また、設備等の耐震重要度については、求められる安全性の程度に応じて国が責任を持ってランク付けをしており、県の安全性検討会において評価の対象とするものではないと考えております。

 次に、原子力災害時の医療機関の患者の搬送手段確保についてのご質問にお答えいたします。
 原子力災害時の医療機関の患者の搬送手段の確保についてのご質問にお答えいたします。
 原子力災害時の患者の搬送については、まずは医療機関が所有する車両を最大限活用していただくこととしておりますが、これが困難な場合の搬送手段については、医療機関等を構成員とする宮城地区原子力災害医療ネットワーク会議において、必要な車両等の確保に向け、現在、作業を進めております。
 また、複合災害発生時など、県内の医療機関での受け入れが困難な場合の対応について、「大規模災害時等の北海道・東北8道県相互応援協定」で我が県のカバー県となっている山形県と調整を行っております。

 次に、原子炉施設等の設置変更の事前協議への回答についてのご質問にお答えいたします。
 東北電力からの事前協議に対する回答については、原子力発電所の安全性を科学的・工学的観点から確認したうえで判断するものでございます。
 患者搬送手段を含む医療機関の避難計画については、一部機関を除き、策定を終えておりますが、原子力災害医療ネットワーク会議での検討結果等を踏まえ、実効性の向上に向けて引き続き作業を行っていくこととしております。

 次に、原子力規制行政の独立性についてのご質問にお答えいたします。
 福島第一原子力発電所事故の教訓にもとづき、独立した規制機関として設置された原子力規制委員会の委員の選定にあたっては、透明性・中立性を確保するための要件等が厳格に適用されているものと認識しております。
 なお、原子力規制庁の個々の職員の出身については承知しておりませんが、委員の指揮の下で中立・公正に事務を執り行っていると考えております。

 次に、事前了解への回答と安全性検討会の最終的な総括の方向性についてのご質問にお答えいたします。
 この検討会は、安全協定にもとづく東北電力からの事前協議への回答にあたり、国の審査等を踏まえて、専門家から意見を聴取するために設置したものであります。
 県といたしましては、検討会の議論の経過や構成員からの意見等を論点ごとに整理したうえで、これらも参考にしながら、事前協議への回答について、判断することになると考えております。

●中嶋廉議員
 原発問題についての再質問にうつります。
 まず最初に確認したいんですけれども。いま行われている検討会が、検討のまとめとか、報告をつくるまでは、設置変更の事前了解には回答しないと理解していいですか。

●大森克之・環境生活部長
 そのようになると考えています。

●中嶋廉議員
 医療機関の避難計画に関わって伺います。
救急搬送可能な台数はそ、もそも現在、把握していますか。
 
●伊藤哲也・保健福祉部長
 UPZ圏内の医療機関に照会しましたところ、17の機関から回答がありまして。救急車、ストレッチャー用福祉車両及び車椅子用福祉車両が各4台、マイクロバスが6台、乗用車が54台といった回答を得ております。

●中嶋廉議員
 圧倒的に足りないわけです。
 広域避難ですから、仙台ですとか、関係するところから救急車を呼ばなければいけないんですけれども、こちらの現状は把握していますか。

●大森克之・環境生活部長
 さきほどの答弁でも申し上げましたが、現在そういったことも含めてですね、宮城地区原子力災害医療ネットワーク会議でですね、そういったことも含めて、今後検討していくということで、作業を進めております。

●中嶋廉議員
 搬送手段については、議論にならないくらい少ない。実態把握もこれから。ですから再稼働云々を議論できる状態ではないと、あらためてはっきりさせておきたいと思います。
 それで。先ほど出た、8月30日の検討会に東北電力が提出した資料について伺います。
 検討会に提出された一連の資料は、東北電力がTROI実験報告書から引用したものではなく、「孫引き」ですよね。それを確認したいんですが、いかがですか。

●大森克之・環境生活部長
 各研究者の研究論文を引用したものと理解しております。

●中嶋廉議員
 2012年に外国の研究者が発表した論文を引用したもので、世間ではそれを「孫引き」と言うんです。もう1点、伺います。
 TROI実験の2007年のデータは、測定温度と補正温度と、2つが書かれています。引用したデータは、「3000度前後」と、丸められているんです。生のデータを書き換えることは、科学・技術の分野では、普通は絶対に許されない、データの改ざんなんです。こういう事が行われていた、という事実は認めますか。

●大森克之・環境生活部長
 東北電力に確認したところによりますと、原子力規制委員会の審査資料について、溶融物温度については、参考としている4つの文献のうち、最新の文献である2012年の資料の値を記載しており、正しい引用であると説明を受けております。

●中嶋廉議員
 それが「孫引き」だと言っているんです。
 論文が作られたのは、2012年が新しいですよ。だけども、論文を書いた人がデータを丸めて引用いているんですよ。そんなものを引用して、最新と言えるんですか。改ざんを容認するんですか。孫引きを容認するんですか。
 ここで議論していても政治家同士の話になるので、検討会の先生にみてもらって、専門的に検討してもらったらいいんじゃないですか。

●大森克之・環境生活部長
 県が設置した安全性検討会でも、そういった部分については、東北電力の説明を受けて議論していただいております。
 なお、先ほどの説明に付け加えますと、東北電力では、2012年の論文の値ですけれども、2007年の論文と基本的に値が異なるものではないことと、水蒸気爆発が発生した実験は発生させやすい環境を作っていたという事実関係に影響はないという事を確認している。

●中嶋廉議員
 その説明も、そもそもでたらめなんです。
 東北電力は何と言っていますか。実際の原発は2600度くらいで爆発が起こる、実験は3300度、だからけた外れだから参考にしなくていいんだという理屈ですよ。ところが、TEOIの35番の実験、何度で実験したか、部長は承知していますか。

 「そんなの、分からないよ」という声あり。「渡してある」という声あり)

●大森克之・環境生活部長
 TEOI35番の実験ですけれども、溶融物温度、測定値で2990度、補正値で2793度という資料になっております。

●中嶋廉議員
 お聞きいただいたとおりです。実際の原発の温度と、ほぼ同じ温度でやっているんです。そういう実験があったということを、検討会の委員にはわからないようにしているんですよ、資料が。説明もしていないんです。それで東北電力の主張が成り立つと思いますか。実際の原発と違う温度だという主張は、崩れているんじゃないですか。

●大森克之・環境生活部長
 繰り返しのような話になりますけれども。
 原子力規制委員会におきましては、TROI実験の結果を踏まえた議論がされているというふうに、理解しております。取り扱われた実験結果の中には、水蒸気爆発が発生しなかったケースのみならず、水蒸気爆発が発生しているケースも含めて、考察されていると理解しておりますので、われわれとしてはそれを尊重する、規制委員会の判断を尊重するということになろうかと思います。

●中嶋廉議員
 原子力規制員会も欺かれたということなんです。いま部長が言ったように、同じ資料を審査会合にも出しているんです。そこでも実際の原発の温度で爆発が起こったという事を隠して審査させて認めさせている。ウソを2回ついている。国に対してと県に対して。
 私たちがここで議論することも大事ですけれども、全部このデータを示して、東北大学の研究者の人たちにこの事実を知らせて、妥当かどうか、判断を求めたらいかがですか。

●大森克之・環境生活部長
 基本的に、県の安全性検討会の中に、専門の先生もいますので、その中で議論していただいているので、我々としてはチキンと対応していると考えております。
 なお、原子力規制委員会も、水蒸気爆発の発生したケースも含めて議論しているし、爆発したケースにつきましては溶融物の温度を相当高く設定しているようなる部分、それから爆薬で衝撃を契機にして水蒸気爆発が発生している、規制委員会はそういったことも含めて、きちんと判断をしていると私どもは考えております。

●中嶋廉議員
 信じられない答弁ですね。
 知事、いま聞いていただいた通りで、科学に反することがやられていると思うんです。検討会の委員の人たちは、実験報告書そのものを見せられていないし、説明もされていないんです。部長はそれでかまわないんだと言っているんですが、知事はそれでいいんですか。

●村井嘉浩知事
 部長にしても私にしても、この分野については素人の領域におりますので、検討会のメンバーの人たちに、知見をもった有識者の方にしっかりと審査をして頂いております。
 当然、今回の議会で、こういった議論があったという事は検討会の委員のみなさまには伝わることになるというふうに思いますので、そういった観点からの検討もしていただいて、安全性を担保できるかどうかという観点で、しっかり見ていただきたいと思います。

●中嶋廉議員
 知事の責任で、検討会の委員全員に、TROI実験でどういうデータがあったのかを知らせていただけますか。

●大森克之・環境生活部長
 安全性検討会が10月に予定されていますので、今日の議論をしっかり伝えたいと思います。

●中嶋廉議員
科学に反するような原発の再稼働はすべきではない、そのことを訴えて終わります。

【2007年TROI実験のデータ(一部だけ抜粋)。温度は測定値と補正値の2種類が、有効数字4桁で示されている】
TROI2007年 抜粋.jpg







【東北電力が示した資料。ストラスブウル大学の学生による学位(博士)論文から、文献調査した表からの引用。温度を「〜3000」とだけ表記。これは「3000度前後」という意味で、有効数字が1桁しかない、大きな誤差を含む不正確な温度であるという印象を与える】
東北電力の資料.jpg







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