受動喫煙を防止する改正健康増進法に関してグループホーム学会が意見―障害のある当事者の人たちに寄り添う立場から、深みのある問題提起をしていると思いました[2018年10月30日(Tue)]
受動喫煙を防止する健康増進法改正に関して、「障害のある人と援助者でつくる日本グループホーム学会」が10月26日、厚生労働省の健康局健康課宛てに意見・要望を提出しました。障害のある当事者の人たちに寄り添う立場から、この問題がどう見えているか、たいへん深みのある問題提起をしていると思いました。
改正健康増進法に関しての意見・要望
障害のある人と援助者でつくる日本グループホーム学会
当学会は、障害のある人たちが暮らすグループホーム(共同生活援助)の入居者とグループホームで働く管理者、サービス管理責任者、生活支援員、世話人、看護師などの支援スタッフと大学等に勤務する学識経験者でつくる団体です。
グループホームの制度に関する事、建築基準法に関する事、消防法に関する事などグループホームとそこに入居する人たちの課題に関して、関係省庁に意見・要望を伝えてきました。
改正健康増進法の進める受動喫煙の防止は当学会としても大切なことだと認識しております。とは言え、受動喫煙の防止と、グル―プホーム内での喫煙について、単純ではない側面があります。
グループホームの立地や規模、その内装や構造が様々であること、そもそもグループホームは、個人の生活の場であること。
また、喫煙は火を扱うものであるから、防火上の問題を避けるわけにはいかない側面があります。
個室での喫煙が火災のリスクが高いと思われる方が入居している場合は火災の危険性が高まる可能性があります。
全国のグル―プホームの現状からみて、グループホームの喫煙の実態は、個室でなく、換気装置の近くの共有部分での喫煙、外での喫煙のルールのもとで喫煙を可としている場合が非常に多くあります。
健康増進法の改正により、事業所が換気装置のある近くの共有部分での喫煙を不可とし、グル―プホームの個室を喫煙可とした場合、特に喫煙習慣のある方で個室での喫煙が火災のリスクが高いと思われる方は、寝たばこによる出火の危険性、特に抗精神薬、睡眠導入剤などを服用している入居者が個室で喫煙するケースでの火災発生を危惧しております。
しかしながら、無理に禁煙を強いることは、個人の生活を制限することであり是認しがたいことであると共に、隠れた喫煙を誘発する恐れがあります。グループホーム内の喫煙について、無理に禁煙を強いるケースがでないかの危惧もあります。屋内に排煙装置などを取り付けることができず、敷地内の屋外に喫煙指定場所としても、都市部のアパートやマンションなどの集合住宅では屋外でも喫煙を禁止している建物もあり、隠れた喫煙からの火災の危険性が高まる可能性が否定できない事も考えられます。
こうしたことから、安全に喫煙可能で、かつ受動喫煙が防止できる方法を検討する必要があると考えます。
例えば、小規模なグル―プホームで有効な喫煙ブースの仕様とはどのようなものか、その設置のための補助や助成についての検討(例えば少人数で喫煙する場合、コンパクトな分煙装置がないか?安価な喫煙ブースの開発、簡易な消火設備、補助金制度等)。
また、個室で喫煙する場合でも、個室の部屋の防炎製品がカーテン、カーペットだけでなく、寝室の寝具(包布、シーツ、枕カバー、パジャマ等防炎機能がある製品)の配慮が必要でないでしょうか。
あくまで入居者の自己決定を尊重し、安全な環境を整備し、かつ受動喫煙を防止する事が重要です。
そのためには、改正健康増進法と受動喫煙防止についてのわかりやすい情報提供と共に実効性のある対策が必要だと考えます。
危惧する事、喫煙する利用者の入居の拒否(「たばこをすう人お断り」)、追い出しなどが増えないでしょうか!?
健康増進の美名のもと暮らしの場を失う人が出てくることを危惧しています。
以上
写真は、仙台市の「歩行喫煙等の防止に関する条例」のポスターです。
改正健康増進法に関しての意見・要望
障害のある人と援助者でつくる日本グループホーム学会
当学会は、障害のある人たちが暮らすグループホーム(共同生活援助)の入居者とグループホームで働く管理者、サービス管理責任者、生活支援員、世話人、看護師などの支援スタッフと大学等に勤務する学識経験者でつくる団体です。
グループホームの制度に関する事、建築基準法に関する事、消防法に関する事などグループホームとそこに入居する人たちの課題に関して、関係省庁に意見・要望を伝えてきました。
改正健康増進法の進める受動喫煙の防止は当学会としても大切なことだと認識しております。とは言え、受動喫煙の防止と、グル―プホーム内での喫煙について、単純ではない側面があります。
グループホームの立地や規模、その内装や構造が様々であること、そもそもグループホームは、個人の生活の場であること。
また、喫煙は火を扱うものであるから、防火上の問題を避けるわけにはいかない側面があります。
個室での喫煙が火災のリスクが高いと思われる方が入居している場合は火災の危険性が高まる可能性があります。
全国のグル―プホームの現状からみて、グループホームの喫煙の実態は、個室でなく、換気装置の近くの共有部分での喫煙、外での喫煙のルールのもとで喫煙を可としている場合が非常に多くあります。
健康増進法の改正により、事業所が換気装置のある近くの共有部分での喫煙を不可とし、グル―プホームの個室を喫煙可とした場合、特に喫煙習慣のある方で個室での喫煙が火災のリスクが高いと思われる方は、寝たばこによる出火の危険性、特に抗精神薬、睡眠導入剤などを服用している入居者が個室で喫煙するケースでの火災発生を危惧しております。
しかしながら、無理に禁煙を強いることは、個人の生活を制限することであり是認しがたいことであると共に、隠れた喫煙を誘発する恐れがあります。グループホーム内の喫煙について、無理に禁煙を強いるケースがでないかの危惧もあります。屋内に排煙装置などを取り付けることができず、敷地内の屋外に喫煙指定場所としても、都市部のアパートやマンションなどの集合住宅では屋外でも喫煙を禁止している建物もあり、隠れた喫煙からの火災の危険性が高まる可能性が否定できない事も考えられます。
こうしたことから、安全に喫煙可能で、かつ受動喫煙が防止できる方法を検討する必要があると考えます。
例えば、小規模なグル―プホームで有効な喫煙ブースの仕様とはどのようなものか、その設置のための補助や助成についての検討(例えば少人数で喫煙する場合、コンパクトな分煙装置がないか?安価な喫煙ブースの開発、簡易な消火設備、補助金制度等)。
また、個室で喫煙する場合でも、個室の部屋の防炎製品がカーテン、カーペットだけでなく、寝室の寝具(包布、シーツ、枕カバー、パジャマ等防炎機能がある製品)の配慮が必要でないでしょうか。
あくまで入居者の自己決定を尊重し、安全な環境を整備し、かつ受動喫煙を防止する事が重要です。
そのためには、改正健康増進法と受動喫煙防止についてのわかりやすい情報提供と共に実効性のある対策が必要だと考えます。
危惧する事、喫煙する利用者の入居の拒否(「たばこをすう人お断り」)、追い出しなどが増えないでしょうか!?
健康増進の美名のもと暮らしの場を失う人が出てくることを危惧しています。
以上
写真は、仙台市の「歩行喫煙等の防止に関する条例」のポスターです。
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