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中嶋廉(日本共産党 宮城県議会議員)のブログ
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国際リニアコライダー(ILC)の誘致実現を求める決議ー採決に加わりませんでした。[2018年10月18日(Thu)]
「国際リニアコライダー(ILC)の誘致実現を求める決議」について
        2018年10月18日
       日本共産党宮城県会議員団

 第365回宮城県議会定例会に「国際リニアコライダー(ILC)の誘致実現を求める決議」が提案されました。
 日本共産党は、基礎研究は重視すべきであると考えており、ILC等による素粒子研究の学術的意義についても認めています。
 政務調査会長会議に決議案が持ち出された際に、日本共産党は「今の時期に、決議は提案すべきでない」と主張しました。その理由は、「学者の国会」と言われる日本学術会議が、文部科学省の依頼を受けて「国際リニアコライダー計画の見直し案に関する検討委員会」を設置し、8月から始まった同委員会の検討が大詰めを迎えていることにあります。
 同委員会が検討している論点は、素粒子研究の戦略、ILCによる研究がそもそも成立するか、計画どおりに線形加速器を建設できるだけの技術と人材があるのか、プロジェクトの全体をマネージメントできる人材がいるのか、外国の人材・財政の支援なしには成り立たないがその見通しがあるのかなど、極めて専門性が高いものばかりです。ILCの建設と運用は巨額の資金を必要とし、周辺地域に及ぼす影響も非常に大きくかつ長期間にわたるので、誘致の可否は慎重に判断されなければなりません。
 日本学術会議の検討中はそれを見守り、検討結果を待つべきです。
 よって日本共産党は、ILC等による素粒子研究の意義を認めていますが、今は決議を挙げる時期としてはふさわしくないと判断し、採決には加わりませんでした。
より良い教育を求める請願5件の採択を求めて討論ー自民・公明が5件とも反対し不採択に[2018年10月18日(Thu)]
 第365回宮城県議会の最終日、教育の充実を求めて提出された請願5件について、採択すべきという立場から本会議で討論しました。自民・公明が5件すべてに反対し、不採択になったのは残念です。討論の概要を紹介します。

 日本共産党の中嶋廉です。教育に関わる請願5件について、採択すべきという立場から討論いたします。

 請願355の2は、「宮城県独自の学級編成弾力化事業を拡大し、公立小・中学校全学年で35人以下学級の実施及び特別支援学級の編成基準を8名から6名に改善することを求める」請願です。
 一学級の児童生徒を「40人以下」とする、わが国の学級編成基準は、世界の最低水準です。このため、地方自治体の裁量権を活用して、一学級の児童生徒数を少なくする「少人数学級」編成が各地で取り組まれています。少人数学級に移行した効果として、欠席が減り不登校が減った、学力が向上した、教員のゆとりが生まれ意欲的に仕事を進めるようになったことなどが報告されています。
特別支援学級の編成基準は、児童生徒が8人まで1学級となっています。この基準は、過疎地の学校における複式学級の編成基準を、特別支援学級にそのまま当てはめているもので、一人ひとりの障害に即した配慮や支援をすることは明らかに無理です。
請願は、公立小中学校の一学級を「35人以下」にして、一人ひとりの子どもたちによく目がゆきとどくようにすること、特別支援学級は6人以下にして困難をなくしていくことをめざすものであり、採択を求めるものです。

 請願355の4は、「少子化・過疎化が進む地域の高校の存続を図るとともに、学級編成基準を35人以下とするなど弾力的な運用を認めることを求める」請願です。
 県立高等学校の将来構想に関わって、県内5カ所で開催された意見聴取会やパブリックコメントでは、地域を存続させるために小規模の高等学校を残してほしいという意見、身近に通学できる高校が無くなるのは復興に反するという意見、高等学校の一クラスを35人以下にすることを求める意見が相次いで提出されました。
 県内では近年、小中学校の統廃合が急速に進み、「このまま高等学校まで地域からなくなってしまっていいのか」という、以前にはなかった声が広がっています。
請願は、高等学校において一部で実施されている35人以下学級をさらに推し進めること、少子化・過疎化が進んでいる地域にとくに配慮して地域の存続を図るものであり、賛同をお願いするものです。

 請願363の1は、「スクールソーシャルワーカーの全中学校への配置とスクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカーの正規職員化」を求める請願です。
 子どもたちの悩みを聞き取り、成長を支えるスクールカウンセラー。家庭の問題も把握して教職員や保護者への助言、関係機関と対応を検討する「ケース会議」を主導するなどの重要な役割を担っているスクールソーシャルワーカー。いずれも重要な役割を果たしています。
 しかし、身分のうえでは期間契約の職員であり、専門性の高いスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを確保するためには、正規職員化して身分を安定させることが、どうしても必要になっています。
 被災地の児童生徒に対する心のケアがまだまだ必要とされていること、本県の不登校出現率が全国一であること、子どもの貧困が深刻になっていることなどを考慮して、本請願を採択することを求めるものです。

 請願番号363の2は、「特別支援学校の過大・過密解消及び仙台市内にもう一校新設すること」を求める請願です。
 全国特別支援学校長会や特別支援教育に関わる研究者が、特別支援学校の整備について、適正規模は児童生徒150人程度までだとする提言を繰り返し行っています。それは、この規模を超えれば、一つの体育館で体育の授業や全校的な行事を安定的に開催することが難しくなり、大人数の教職員をまとめていくことにも、学校マネージメントにも、さまざまな困難がおこるからです。
本県でも、仙台圏を中心に過大・過密が深刻で、仙台市秋保地域に特別支援学校を新設することが決まりました。しかし、過大・過密を解消できるかどうかは見通すことができず、仙台圏以外の地域も同様です。
 こうした事態を生んでいる原因は、国が特別支援学校の設置基準を設けていないことにありますが、請願はさしあたり県の裁量で問題の解消をめざすよう求めているものです。
障害のある児童生徒、保護者、関係者の想いに応えて、採択するようお願いいたします。

 請願363の3は、県独自の給付制奨学金制度の創設を求める請願です。
 貧困が世代を超えて連鎖することは許されず、教育を受ける機会の均等をめざして、国において給付制の奨学金制度が創設されました。
 しかし、日本学生支援機構の給付型奨学金の宮城県に配当された推薦枠は、平成30年度の大学入学者については426人でした。県内各高校に割り振れば、進学校でも一学年10人前後にすぎず、あまりにも少なすぎます。来年度の推薦枠は、さらに少なくなって、わずか369人になっています。
 そこで、国の奨学金制度を補完するために、新潟、秋田、岐阜、長野などの各県が独自の奨学金や返還支援制度を創設しており、若い世代の定住と地元への就労を促進する施策ともしています。
宮城県でも独自の奨学金を創設することは可能であり、この請願の採択を求めるものです。

 教職員を増やすこと、教育の予算を増やすことをめざし、よりよい教育を願う県民の声に応えられるよう、議員のみなさまに賛同を呼びかけて、討論といたします。
堤未果さんの新著『日本が売られる』に、私の宮城県議会での質問が引用されました[2018年10月07日(Sun)]
ジャーナリストの堤未果さんが『日本が売られる』を10月5日に刊行しました。
その第119頁に、私の名前があったので、ビックリしました。
「売られた漁業は大失敗」という小見出しが付けられている箇所で、宮城県の「桃の浦かき生産者合同会社」が牡蠣の出荷解禁日を守らなかったり、他産地牡蠣を流用したり、それでも累積4600万円の赤字を出していたことを引用し、私の宮城県議会での追及を紹介しています。
堤未果さんは、安倍暴走政治がTPP11で日本の国益を売り渡そうとしていることや、宮城の村井県政が前のめりに取り組んでいる水道の民営化を鋭く告発しています。
闘いは連帯をつくるということを実感します。うれしいですね。

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「水はいのち、水は人権!」−水道の民営化を諸外国の事実で告発するDVD上映運動を!ー安倍政権・村井県政の悪政と闘う武器が来月完成します。[2018年10月05日(Fri)]
 「水は商品か、人権か?」「水道サービスは誰が担うべきか」−諸外国の実例で水道事業の民営化を告発するDVDが間もなく完成します。新手のPFI、コンセッション方式で水道を民営化しようとしている安倍政権と村井県政の悪政と闘う格好の武器になりそうです。宮城県で、草の根の上映運動をおこしましょう。
 映画はギリシャの監督によるドキュメンタリー映画、「最後の一滴までーヨーロッパの隠された水戦争」です。映画は、水道の民営化で自治体の公共サービスの管理権限が失われ、財務や技術面での情報開示もなされなかったこと、水道料金も値上がりしたヨーロッパ諸国の事実を伝えるものです。民衆が立ち上がって、再公営化が進められているのが世界の動向です。
 その日本語版の製作が始まり、DVDが11月に完成し、12月には試写会が東京で計画されています。「民営化すればすべてうまくいく」という言説を事実で告発する武器になります。
 宮城県保険医協会が10月3日に開催した日米物品貿易協定(TAG)問題の講演会に訪れた内田聖子さん(特定非営利法人 アジア太平洋資料センター共同代表)からお話を伺う機会がありました。
 日本語版DVD製作のためのクラウドファンディングが呼びかけられています。DVDの概要も含めて、特定非営利法人 アジア太平洋資料センタ(PARC)のHPをご覧ください。

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「女川原発再稼働の是非を県民投票で!」ー直接請求署名がスタートしました。村井知事が、県民投票を「一つの方法」と答弁。[2018年10月02日(Tue)]
 女川原発2号機再稼働の是非に関わる県民投票条例の制定を求めて、直接請求署名がスタートしました。12月2日までの予定です(丸森町では、町長選挙の実施により11月14日から署名収集が禁止されるので、新町長が決定したあと署名収集を再開し年末まで)。

 県内の有権者の50分の1にあたるおよそ3万9000人以上の署名が集まれば、村井知事に対し、県民投票条例の制定を求める直接請求を行うことができます。直接請求を受けると、村井知事は、県民投票条例案を県議会に提出しなければなりません。

 私は地下鉄・八乙女駅前で7時30分から宣伝に立ち、「沖縄では玉城デニーさんが知事に当選しました。辺野古の新基地建設の是非を問う県民投票が間もなく行われます。宮城では、女川原発2号機再稼働の是非を問う県民投票を実現しましょう」と呼びかけました。

 宮城県議会の本会議で、日本共産党の三浦一敏議員が質問に立ち、県民投票を求める直接請求に関する考えを質問。村井知事は、県民投票は「一つの方法」と答えました。
 三浦一敏議員の質問に、女川原発2号機の「合格」が来春にも出る公算であることを県が認めました。県が設置している「女川原子力発電所2号機の安全性に関わる検討会」が「まとめ」を出すまでは事前了解の申し入れに回答しないことを県が言明しました。また、同検討会議の設置期間が平成32年10月15日まで延長されました。

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「安倍を上回る執念で!」ー改憲阻止の活動を重ねる泉区市民アクション[2018年09月28日(Fri)]
 9月28日、7時20分から、泉区役所前で。

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女川原発の再稼働の是非を問う県民投票めざし、直接請求署名を開始する決断ーキックオフ集会は満席[2018年09月23日(Sun)]
 女川原発の再稼働の是非に関わる県民投票を実現しましょう!−県民投票条例の制定を求める触接請求の署名運動を10月2日からスタートさせることを決断して「女川原発再稼働の是非をみんなで決める県民投票を実現する会」(略称=みんなで決める会、多々良哲代表)が、キックオフ集会を開催しました。会場の宮城県民会館6階会議室は満席になりました。
 集会後は、2番丁・中央通り角(平和ビル前)、広瀬通・一番丁角(フォーラス前)の2カ所で、署名運動への参加を広く呼びかける宣伝行動を行いました。
 署名運動は、、10月2日までの62日間。
 私は、丸森町で町長選挙のため11月14日から町長選挙終了まで署名運動をいったん休止しなければならないことを説明しました。丸森町では、新しい町長が決まった翌日から、残る21日間の署名収集を再開することになります。

 多々良哲さんは9月25日に宮城県選挙管理委員会に条例制定請求書、条例案などを提出します。宮城県選挙管理委員会は、市町村の選挙管理委員会事務局と直接請求署名への対応について、9月27日に協議するようです。

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「東北ILC推進協議会」が、またも野村総研のレポートをもとに国際リニアコライダーの経済効果を過大に宣伝−「根拠に乏しい」「候補地の地元に過剰な期待を抱かせ」ると批判された3日後に![2018年09月22日(Sat)]
 「東北ILC推進協議会 東北ILC準備室」が、国際リニアコライダー計画に関わる質問に答えるとして9月21日に「ILC Q&A集」を公表しました。
 URLはこちらです右矢印1http://www.pref.iwate.jp/seisaku/suishin/ilc/011158.html

 日本学術会議の「国際リニアコライダー計画の見直し案に関する検討委員会」が9月18日に「国際リニアコライダー計画の見直し案に関する論点メモ 」を公表したばかりです。「ILC Q&A集」には、「論点メモ」の内容とは異なる内容がいくつも含まれています。
 なかでもILCの経済効果についてですが、「ILC Q&A集」は、わざわざ野村総研のレポートを引用して数字を示しています。
 野村総研による経済波及効果のレポートについて、学術会議が「論点メモ」で、「ミスリーディングな表現が散見される」と厳しく指摘し、過大な計算結果を生みだしている計算方法にまで立ち入って批判したばかりです。
 ILC推進協議会等が宣伝している経済効果については、文部科学省の「国際リニアコライダーに関する有識者会議」の「これまでの議論のまとめ」(7月4日)でも、根拠が乏しく誇大ではないかとする批判が加えられています。
 行政も参加しているILC推進協議会が、専門家による繰り返しの批判を無視するつもりなのでしょうか。
 私は、その姿勢に疑問を抱かざるをえません。
 それぞれの抜粋を引用します。比較してみてください。

【日本学術会議の「国際リニアコライダー計画の見直し案に関する検討委員会」が公表した論点メモ(抜粋)

<ILC計画の説明>
〇国民への説明
 ILCは純学術的な研究施設であり、巨額を要する計画である一方、特段の社会経済的価値創成は期待できない。その推進には、国民に事実を正確に伝えた上で、その学術的意義の理解と支持を得なければならない。しかしながら、計画推進を主張する科学コミュニティの取組は従前の啓蒙モデルに基づく科学コミュニケーションと、経済波及効果や地域振興の文脈のプロパガンダにとどまっている印象である。
〇建設サイト候補地域への説明
  特に、ILCの建設候補地とされている地域の自治体や住民には、正確な情報を提供してコミュニケーションを図るべきである。経済効果、環境影響等に関して、適切な情報提供がなされるべきではないか。
<波及効果>
〇技術波及効果
 加速器技術が多方面に応用されていることは事実であるが、ILC計画の実施に伴う技術波及効果を論ずるうえでは、「ILCプロパー」技術の応用と「加速器一般」技術の応用とを明確に区別した形で社会に伝えるべきである。後者は、ILC計画が実 施されるか否かとは無関係である。「加速器」や「超伝導」に関わる技術を見境なく「技術的波及効果」にカウントするような言説は慎むべきである。
 ILC計画における超伝導加速器技術は特殊性が高く、一般の民生分野への応用にはハードルが高い。大きな波及効果を期待しないほうが良いだろう。そもそもILCで使用される諸技術は建設開始段階で成熟したものである必要があり、ILC建設過程で技術的イノベーションを想定する開発研究に依存するようなシナリオでは計画自体が成り立たない。また、要素機器の量産が民間の新たな技術開発を誘発する要素も少ないと考えられる。
〇経済波及効果
 野村総研による経済波及効果のレポートにはミスリーディングな表現が散見される。経済効果を論ずるには、ILCで想定される国家予算が、ILCに投入された場合と、他の事業に振り向けられた場合との比較で論ずるべきと思われるが、レポー トでは「ILC予算が純増で措置され、他の予算が削られることはない」という前提に立っているが、経済波及効果を論じる上でも具体的にどのような措置を講じればそのようなことが実現できるのかがまず明らかにされることが肝要であると考える。
 また、日本の予算で製作される物品をすべて国内メーカーが受注すると想定している点や、2次的波及効果の増強因子としてCERNの場合の係数3.0を機械的に用いている点など、極めて荒っぽい算定になっている。
 その他にも、根拠に乏しい経済波及効果の数字が流布し、地域振興の文脈でサイト候補地の地元に過剰な期待を抱かせている。このことにより、ILC誘致に関する議論が歪められている。

「ILC Q&A集」(抜粋)

5−2 ILC の波及効果はどのように見込まれていますか?
 科学技術立国としての日本の存在意義を示すことができる、日本から世界的成果を生み出すことで国民の誇りや世界から尊敬される国となり得る、ものづくり日本の再生、次世代人材の育成等々、 大きなメリットがあるものと考えます。
 また、直接的な波及効果としては、施設整備の土木・建設工事、施設周りの機械、給水排、空調等の工事をはじめ、観測・監視システムや各種制御関連の事業や大型施設、機器の輸送等による物流 関連にも効果がおよびます。 研究では、その成果が世界の科学の進歩に大きく貢献するほか、関連技術で医療や生命科学、新機 能材料、通信、計算機分野等で新たな技術開発や製品開発が期待されます。
 将来を担う子どもたちにとっても、世界中の優れた研究者が国籍や宗教、人種を超えて集結しますので、岩手に居ながらにして世界と直接触れられる、最先端の研究を体感できるなど他地域にはな い環境ができますので、多くの刺激を受けること、視野が広くなること等が期待されます。

5−3 ILC の経済波及効果はどの程度ですか?
 文部科学省によると、約20キロメートルのILCを建設した場合(加速器建設費5,200〜5,800億円、測 定器建設費1,000億円)の日本負担額は2,800〜3,200億円と試算されています。また、建設10年・運用10年の20年間の最終需要(直接支出)は約7,000〜7,600億円で、これに技術開発による経済波及効果(付加ビジネス)が約5,200〜5,800億円発生することから、直接効果は約1兆2,200〜1兆3,300億円と試算されています。
 これにより生産誘発額(経済波及効果)は、約2兆3,800〜2兆6,100億円と見込まれています。
 出典元:「国際リニアコライダー(ILC)計画に関する経済的波及効果の再計算結果報告書」(平成30年5月、 株式会社野村総合研究所(受託者))
 さらに、わが国全体には加速器関連技術の発展・利用による産業の波及効果が、ILC 近傍地域では住宅・オフィス・商業施設・ホテル等建設による商圏ビジネスの民間投資と研究者等の日常消費と観光・学会支出など多くの効果が見込まれます。

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安部総裁3選の翌朝に、アベ改憲阻止と「3000万署名」を訴えました[2018年09月21日(Fri)]
 安倍晋三氏が自民党総裁に3選された翌日の9月21日、早朝の地下鉄・黒松駅前は霧雨。
「安倍改憲NO! 憲法を生かす3000万署名」を呼びかけ続けている泉区市民アクションのみなさんと、新たな決意で3000万署名を呼びかけました。

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地元への説明に厳しい批判ー学術会議の検討委員会が国際リニアコライダー(ILC)についての「論点メモ」全文を紹介します。ILC計画が抱えている困難、巨大加速器という研究手段の限界にも言及しています。[2018年09月20日(Thu)]
 日本学術会議の「国際リニアコライダー計画の見直し案に関する検討委員会」が第5回の会議を同委員会技術検証分科会と合同で9月18日に開催されました。ここに提出された「論点メモ」は、ヒッグスファクトリーに計画変更された国際リニアコライダー(ILC)に関わる問題意識がよく整理されており、これからの議論のテーマも浮かび上がってきます。
 この中で、ILC計画の説明のあり方、とくに地元に対して経済効果が過大に説明されていることなどを厳しく批判しています。学術団体である日本学術会議の文書に、このような指摘が登場すること自体が異常なことです。かかる行為を繰り返してきた関係者、とくに自治体には、厳しい自己点検が求められていると思います。
 全文を紹介します。

「国際リニアコライダー計画の見直し案に関する論点メモ 」
                  2018 年 9 月 18 日
 国際リニアコライダー計画の見直し案に関する検討委員会
 同 技術検証分科会

 日本学術会議は、日本の科学者コミュニティの代表機関として、あらゆる学問分野における知の探究を奨励するとともに、学術の振興ならびに知の普及や成果の社会還元に資する施策を検討し、提言等を発出している。知のフロンティア開拓に挑戦する研究計画については、その学術的意義や実施可能性が認められれば、それをエンドースするのが基本的スタンスである。さらに、学術には人類共通の目標にむかって、国の枠を越え、多様性を活かした協同作業により世界平和に貢献できる力 があることから、国際共同研究の推進も奨励しているところである。
 しかしながら、本件(国際リニアコライダー計画)のような巨大研究施設建設を伴う国際プロジェクトに関しては、その学術的意義はもとより、建設ならびに維持・運転に要する経費、国際協力も含めた計画実施の見通し、関連学術コミュニティの合意状況、設置候補サイト周辺への影響、等の諸条件を特に慎重に精査することが求められる。

 学術会議は、平成 25 年に文部科学省研究振興局からの審議依頼を受けて、回答 『国際リニアコライダー計画に関する所見』を取りまとめた。その中で、検討すべき重要課題として、 (1) 高度化される LHC での計画も見据えた ILC での素粒子物理学研究のより明確な方針 (2) 国家的諸課題への取り組みや諸学術分野の進歩に停滞を招かない予算の枠組み (3) 国際的経費分担 (4) 高エネルギー加速器研究機構(KEK)、大学等の関連研究者を中心とする国内体制の在り方 (5) 建設期及び運転期に必要な人員・人材、特にリーダー格の人材を挙げた。

上記の「回答」を受けて文部科学省に設置された「国際リニアコライダー(ILC) に関する有識者会議」において審議が行われ、一連の報告書が取りまとめられた。
 平成 30 年 7 月 20 日付で、文部科学省研究振興局長より日本学術会議会長あてに 「国際リニアコライダーに関する審議について(依頼)」が寄せられたことを受けて、本委員会ならびに分科会が設置された。
 委員会ならびに分科会では、上記「有識者会議報告書」をもとに、適宜参考人のヒアリングを行うなどして審議を進めている。この「論点メモ」は、審議途中の論点整理の意味で作成したものである。
 なお、以降では、主として本検討委員会において検討された項目に「(委)」、主として技術検証分科会において検討された項目に「(分)」を付している。

<ILC が目指す物理>(委)
〇レプトンコライダーの必要性
 ハドロンコライダーでエネルギーフロンティアを追及する LHC と相補的な役割を担うハイルミノシティのレプトンコライダーが世界のどこかに実現することは必要かつ望ましいことである。

〇250GeV ILCの研究目標
 13TeV LHC の実験結果を踏まえて、研究目標をヒッグス結合の精密測定に絞ったことは妥当な選択である。その目的に最適化するために、500 GeV 計画を見直して250GeV 計画としたことも肯けるものである。
  一方、この選択により、見直し後の 250 GeV ILCは、ほぼ単一目的のヒッグス・ ファクトリー(ヒッグスの精密測定)という位置づけになり、500 GeV 計画の中にあったトップクォークに関する実験はスコープから外れることとなった。また新粒子探索の可能性も大幅に縮小した。

〇ヒッグス結合の精密測定で想定される結果
 建設後約20年間の運転で積算ルミノシティ2000 fb-1のデータを蓄積し、各粒子のヒッグス結合定数を精密に決定して、標準理論で予想される「質量との比例関係」からのズレの有無を検出することとしている。統計的に有意なズレが見いだされた場合にはそのズレのパターンによって、ヒッグスが複合粒子であることが示唆されたり、超対称性粒子や余剰次元の存在が示唆されたりすることとなり、素粒子物理学研究の方向性を示すこととなる。
 問題は、標準理論からのズレが見い出されない場合である。標準理論が高精度で成立していることが確認される一方、なぜ成立するかの理由は不明で、250GeV ILCで探索可能なエネルギー領域よりも高いところに新物理があるはずという帰結、あるいは、「人間原理」のような説明を持ち出すことになるともいう。
 より問題なのは、ルミノシティが上がらなかったり稼働時間が不足したりすることにより積算ルミノシティが予定に達せず、標準理論からのズレに関して明確な結論に至らない場合である。
 未踏の領域への挑戦なので「やってみなければわからない」という側面があることは十分に理解するものの、巨額の予算を投入することを前提とした計画である以上、計画段階で考えうる限りのシナリオを周到に描き、それぞれの場合の行動計画を立てることが求められる。「準備期間に検討する」、「結果が出てから考える」では説得力に欠ける。

〇高エネルギー加速器物理学の限界
 LHCやILC計画の予算規模を見ると、高エネルギー加速器物理学は持続性の限界に達しつつあるとの印象を拭えない。より高いエネルギーの加速器を次々に建設しなければ研究が進まないとすれば、そのような研究戦略が有限のリソースしかないこの世界で早晩行き詰まることは必至である。LHCやILCの先に何を構想するのか、 高エネルギー物理学コミュニティは巨大化路線からの転換を含む将来構想を真剣に検討すべきであろう。

<ILC 加速器>(委、分)
○ILC 加速器の構成
 ILC 加速器において乗り越えるべき技術的挑戦課題として、陽電子源、ダンピングリング、ビーム制御、超伝導加速空洞、ビーム集束、検出器、ビームダンプ等がある。それらの個別要素の信頼性とともに、異常事態に対処するインターロックなど、事故を未然に防ぎ長期に亘って安定的な運転を担保する巨大総合システムとしての十全性が必須である。

〇陽電子源
 ヘリカルアンジュレーター方式と従来型ターゲット方式の2案が併記されている。前者は偏極ビームが得られるというメリットがあるが技術的に未経験であり多くの開発要素を含んでいる。後者にしても所定の強度を得るのは決して容易な達成目標ではない。 250GeV ILCの主目的であるヒッグス結合の精密測定には偏極ビームは必ずしも 必須ではないとの説明であった。後者を前者のバックアップと位置付けて2案並立で開発を進めるのか、適切な時点でどちらかの方式に絞るのか、開発コストも考慮して方針を明確にすべきであろう。

〇ビーム集束と位置制御
衝突のルミノシティを上げるために、ダンピングリングで電子および陽電子ビームのエミッタンスを十分に小さくし、それぞれを主加速管で加速した上で、ビーム 径を絞ってナノメートル精度で正面衝突させることが想定されている。所定のルミノシティを達成するためのビーム集束および位置制御に関するフィードバック等に関する技術見通し、衝突点サイトにおける常時微細動としてどの程度までが許容範囲か定量的評価が必要である。

〇超伝導加速器
全体経費の相当部分が、超伝導加速空洞およびそれらを収めたクライオモジュールの製作費である。超伝導加速管の加速勾配として現時点での技術レベルに基づき35MV/m を基準としているが、技術開発によってこれが大幅に向上する余地はないか。一方、超伝導加速空洞の大量生産計画が材料のニオブの価格高騰を招くリスクもある。

〇検出器
 2種類の検出器(シリコントラッカー方式の SiD と、タイムプロジェクションチェンバー方式のILD)が提案されている。異なるコンセプトの複数の検出器で互いに検証することの意義は理解するものの、衝突点に設置できるのは1台のみなので、タイムシェアリングが行われることになる。
 ヒッグスファクトリーと位置付けられることになった 250GeV ILCのミッションを踏まえて、それぞれの検出器の特徴や役割の違い並びにタイムシェアリングの計画などについてより詳細な検討を行う必要がある。
 TDRの段階では、1 TeV までの実験を視野に入れた設計がなされていたと思われる。ヒッグス結合の精密測定という主目的に照らして最適の選択が何かについて改めて検討が必要であろう。 なお、仮に検出器を1台に絞るような選択をする場合、国際協力体制に影響が及ぶ可能性にも留意する必要がある。

〇ビームダンプ
 高エネルギーに加速された電子および陽電子ビームは衝突点を通過した後、ビー ムダンプの窓を通して10気圧の水に入射する。窓材や水ダンプへの局所的負荷を分散するためにビーム入射点を高速で回転する設計となっている。不測の事態や長期的な消耗に対する備えが十全であるかさらに検討が必要である。特に、窓材の健全性モニタリングと遠隔操作による交換作業の詳細や、高エネルギービームと水との反応で起こる事象について、これまでの説明では不安を拭えない。

〇巨大総合システムとしての ILC
ILC は、そのすべての構成要素が長期に亘って安定的に稼働しなければ初期の目的を達することのできない実験装置である。巨大総合システムの信頼性はその構成要素のうち最も脆弱な部分で決まる。TDRには、目指す物理やILC の「主役」たる超伝導加速空洞やダンピングリングやナノビーム制御などについては詳しい記述がある一方、ビームダンプなどの「裏方」の部分に関する記述が極めて少ないことに不安を覚える。

<計画遂行に必要な人材>(委)
〇計画推進に必要な人員
ILC 計画を 10 年 20 年スケールで担ってゆく人材が質・量ともに必要である。日 本の高エネルギー物理コミュニティ、加速器科学コミュニティの現状では、必要人員を満たすことは極めて難しいように思われる。特に加速器については、さまざまな加速器プロジェクトがある中で、大学等および産業界にどのような人材が居り、 あるいは新たに育成しなければならないのか、具体的で実現可能な人材育成プランが必要である。一方で、ILC計画のために動員・育成した人材のその後の活躍の場についてどのような図を描いているのか。種々の加速器関連プロジェクトを担って行く人材配置の全体像が見えない。

〇計画全体を俯瞰するマネジメント体制
大規模国際共同プロジェクトで建設・実験が進められる ILC 計画の全体をコーデ ィネートする指導的人材、特に、巨大システムであるILC加速器の建設から運転を総合指揮する加速器研究者が見えない。ILCは、全体装置が一体となって稼働して初めて所期の研究が可能となるものであるが、全体マネジメント体制の準備状況が見えない。

〇ILC と他のプロジェクトとの人材配置
 素粒子物理学のコミュニティだけを見ても、研究者はそれぞれが様々なプロジェクトにコミットしており、コミュニティを挙げてILC 計画を遂行する体制になるとは考えにくい。推進研究者たちは、「ILC計画がスタートすれば自ずと人が集まる」と楽観しているようである。素粒子物理研究者についてはあるいはその通りかもしれないが、加速器研究者・技術者を結集できるかについては見通しが甘いのではな いか。

<必要経費と他分野への影響>(委)
○ILC 計画実施に必要な予算
 ILC に必要な予算は、既存の文部科学省予算(例えば、学術研究の大型プロジェクトに係る年間予算額(補正予算を含む)は、326 億円〜526 億円)では到底カバーし得ない規模である。現在の科学技術関連予算を大幅に増やすか、現在の科学技術予算の枠外の予算を投入しないかぎり、実施は不可能である。「別枠の予算」という言説もあるが、国民の理解を求めるのであれば、その具体的な展開方策が早急に明らかにされることが、喫緊の課題ではないかと考える。

〇学術全体への影響
 ILC 計画の必要経費が、素粒子物理学分野の既存の予算規模に収まる程度であれば分野内の議論に任せることも考えられるが、その場合でも非加速器実験も含めた素粒子物理学全体の将来計画に基づいたものでなければならない。ましてや、それを大幅に超える規模の投資を要するものである以上、他の学術分野コミュニティか らも支持される計画でなければならない。特に、原子核、天文宇宙、物性など、物理学の隣接分野からの支持・理解がどれだけ得られているのか、また今後得られる見通しなのかは明らかでない。これまで、「別枠予算」という前提を立てることに よって、他分野の将来計画とのバッティングも視野に入れたギリギリの議論を先送りしてきたことは問題である。

〇KEKのミッションとILC計画
 ILC 計画を実施するにあたり、KEKが大学共同利用機関としてこれまで担ってきた機能をどうするのか。ユーザーコミュニティとの話し合いはできているのか。KEK教育研究評議会でILC計画へのコミットメントは承認されているのか。KEKの中期計画にはどのように書き込まれているのか。ILC 研究所への人材供給等、KEKとしてのスタンスはどのようなものか。これらの点についてKEKの方針とコミュニティのコンセンサス形成状況を確認する必要がある。
文部科学省所轄の大学共同利用機関であるKEKと、新たに国際研究機関として構想されるILC研究所との関係について、法的位置づけも含めた議論が必要であろう。

<国際協力と経費分担>(委)
〇国際協力体制
 ILC が一国の経済では支えることのできない規模の計画であることは明らかである。国際共同事業として進める場合、まずもってそれを推進する国際的研究者コミュニティの熱意が、計画実現に際しての種々のハードルを乗り越えることができるほどに高いことが必要不可欠である。欧州や米国の姿勢は、日本の動きを模様見している状況である。適正な国際分担の見通しなしに日本が誘致を決定すべきではない。

〇アジアという視点
 米国、欧州、日本、という三極の構図は、近年の科学の水準や国力の状況からしても適切な見方ではない。アジア諸国も視野に入れた国際協力のスキームを積極的に考えるべきではないか。 科学技術外交の観点も加味し、物理学の持つオープンで自由な相互批判を旨とする科学的文化がアジアの国々に根付いていく効果も含めて、オールアジアないしは 東アジア(中国・韓国・台湾・シンガポール等)との連携も視野に入れるべきではないか。
 LHCと補完的なレプトンコライダーという原点に戻って、最適な候補地、経費分担のあり方、更には本当にリニアコライダーであるべきなのか等、国際的にベストの選択を目指すべきではないか。

<ILC 計画の説明>(分)
〇国民への説明
 ILCは純学術的な研究施設であり、巨額を要する計画である一方、特段の社会経済的価値創成は期待できない。その推進には、国民に事実を正確に伝えた上で、その学術的意義の理解と支持を得なければならない。しかしながら、計画推進を主張する科学コミュニティの取組は従前の啓蒙モデルに基づく科学コミュニケーションと、経済波及効果や地域振興の文脈のプロパガンダにとどまっている印象である。

〇建設サイト候補地域への説明
 特に、ILCの建設候補地とされている地域の自治体や住民には、正確な情報を提供してコミュニケーションを図るべきである。経済効果、環境影響等に関して、適切な情報提供がなされるべきではないか。

<実施計画>(委、分)
〇進捗評価と軌道修正
 実施計画にはすべてのことが予定通り順調に進行した場合のシナリオしか書かれていない。設備建設、装置開発・製作の過程において深刻な技術的困難に遭遇することや、国際協力に関して人的貢献や経費負担が当初の取決めと異なる事態とな る事など、想定し得るリスクをリストアップしてその対策を練っておかなければならない。
 巨大プロジェクトの実施においてすべてが予定通り進むことはむしろ例外的であることを思えば、プランA(当初計画通りの順調な進捗)だけでなく、プランB、プランC、すなわち種々の困難に遭遇した場合の代替案や迂回策の検討もなされるべきである。さらには、計画にいくつかのチェックポイントを設け、それら の時点でしかじかの条件がクリアされていなければ計画中止に向かうという「撤退シナリオ」もあってしかるべきではないか。

<トラブル・災害対策>(分)
〇運転時のトラブル対策
 運転中の非常事態の予防措置や、トラブル発生時の被害食止め策に関して十分な 記述がなく、どの程度の検討が行われているのか不明である。トラブルの可能性として、ビームダンプあるいは陽電子ターゲットへの過負荷(冷却不調)、ビーム制御外れ、クライオジェニックス系統のトラブル、応力腐食割れ(放射線を受けて水から分解した、酸素、過酸化水素などの酸化種の濃度がビームダンプの構造材の溶接の残留応力と材質劣化が重畳することによって生じる)、トリチウム(試算によると 100 兆ベクレル(飽和))水漏れ、などが考えられる。そのほかにも、停電や地震発生時の緊急停止装置など、多重の安全対策が必要と考えられる。

〇放射線管理区域
 運転開始から時間が経過してある程度の放射化が進んだ時点でのトラブルや故障を想定して、人が立ち入って作業できる区域と立ち入れない区域を明確に区分し、後者での作業方法をあらかじめ十全に検討しておくべきである。

〇地震対策等
 建設から運転まで 20〜30 年スパンのプロジェクトであることから、その間に大規模な地震に見舞われることを想定しておくべきである。さまざまな規模の地震などの災害時を想定した多重防護の仕組みを組み込んでおくべきである。工事中や保 守点検時など、トンネル内に人が居る状況での地震や火災発生時の避難路および避難方法を確立しておく必要がある。緊急のビームシャットダウンとその後の安全停止、重大破損予防策が重要である。

〇停電対策
 様々なパターンの電源喪失を想定して、緊急ビームシャットダウンをはじめとする、インターロックシステムの作動シークエンスとそれによって発生する状況を検討しておくべきである。 無停電電源の適切な配置とともに、ある程度の期間(例えば数日間)にわたる停電を想定して、非常用電源(自家発電装置)等の維持装置を配することが必要である。その際、土砂災害等を考慮した非常用電源の配置場所についても検討しておくべきである。また、蒸発ヘリウムガスの回収や湧水の排水を担保しておかなければ ならない。

<土木工事等>(分)
〇土木工事
 20kmにわたって精度高く直線性を維持したトンネルを掘る工事が通常の土木工事と比べてどの程度の技術的課題があるのか。
 工事途中で、活断層や破砕帯など工事困難箇所に遭遇した場合の対策及び追加費用について予算計画に組み込んでおく必要があるのではないか。

〇建設候補サイト
 地下空洞建設工事に関する検討事項は、対象サイトが特定されない(明示されない)ことが前提となれば、経費算定の適否の判断等は一般論に終始せざるを得ない。
 日本の山岳地域を想定した建設コストの算定は概ね妥当なものと考えられるが、一 直線からのズレが許されない設計であることから、活断層や破砕帯に遭遇した場合に想定以上の経費がかかることもあり得る。
 (検討項目から除外されている)建設に当たっての事前準備費用や所要の時間は、サイト条件によって大きく変動するものである。すなわち、建設に当たっての地元了解、ならびに必要とされる土地取得や、環境アセスメント、建設現場への周辺ア クセス道路整備等は、当然事業主体が実施するべきものである。いずれも費用と時 間を要するだけでなく難しい交渉を乗り越えることが求められるものであるにも かかわらず、準備期間4年で可能という想定は極めて危ういものと考えられる。
 大型重量物の搬入が必要となることを考慮すると、既存の道路では建設サイトへ近づくことができないであろう。アクセス道路や、海外からの施設搬入港湾の改修整備費用は特に高額になることが予想されるので、現状で想定されていない費用の明示は不可欠であろう。

<環境アセスメント>(分)
〇環境影響評価
 大規模トンネル工事の環境アセスメントを地域住民が納得する形で行う必要がある。生態系への影響、放射化物の生成とその処理ないしは保管方法、地下水の放射化の可能性とその対策、掘削に伴って発生する土砂(ズリ)の保管および再利用法、ならびに掘削土砂に含まれる重金属類が基準値以上の場合の処理など。

〇放射化物生成とその対策
 ILCの運転に伴う放射化物の生成の問題や、立地周辺の環境への影響について、正確な情報を地元に伝えることが必須。

〇プロジェクト終了後の処理計画
 プロジェクト終了後のことを推進者は真剣に考えるべきである。ILCの特性からして、他の用途に転用することは困難と思われる。廃止措置も含むプロジェクト最終処理の点も計画に含めるべきである。
 SLACの事例を引き合いに、ILCを原子核や物性など他分野の研究に利用する可能性にも言及されているが、リップサービス以上のものがあるのか疑問である。そもそも大深度地下に設置された加速器を他の目的に転用することは極めて困難であろう。


<波及効果>(分)
〇技術波及効果
 加速器技術が多方面に応用されていることは事実であるが、ILC計画の実施に伴う技術波及効果を論ずるうえでは、「ILCプロパー」技術の応用と「加速器一般」技術の応用とを明確に区別した形で社会に伝えるべきである。後者は、ILC計画が実 施されるか否かとは無関係である。「加速器」や「超伝導」に関わる技術を見境なく「技術的波及効果」にカウントするような言説は慎むべきである。
 ILC計画における超伝導加速器技術は特殊性が高く、一般の民生分野への応用にはハードルが高い。大きな波及効果を期待しないほうが良いだろう。そもそもILCで使用される諸技術は建設開始段階で成熟したものである必要があり、ILC建設過程で技術的イノベーションを想定する開発研究に依存するようなシナリオでは計画自体が成り立たない。また、要素機器の量産が民間の新たな技術開発を誘発する 要素も少ないと考えられる。

〇経済波及効果
 野村総研による経済波及効果のレポートにはミスリーディングな表現が散見される。経済効果を論ずるには、ILCで想定される国家予算が、ILCに投入された場合と、他の事業に振り向けられた場合との比較で論ずるべきと思われるが、レポー トでは「ILC予算が純増で措置され、他の予算が削られることはない」という前提に立っているが、経済波及効果を論じる上でも具体的にどのような措置を講じればそのようなことが実現できるのかがまず明らかにされることが肝要であると考える。
 また、日本の予算で製作される物品をすべて国内メーカーが受注すると想定している点や、2次的波及効果の増強因子としてCERNの場合の係数3.0を機械的に用いている点など、極めて荒っぽい算定になっている。
 その他にも、根拠に乏しい経済波及効果の数字が流布し、地域振興の文脈でサイト候補地の地元に過剰な期待を抱かせている。このことにより、ILC誘致に関する議論が歪められている。

〇経済活性・地域振興
 土木工事については地域への投資投下がある程度見込まれるが、加速器本体の建 設は国際的経費負担で、多くがイン・カインド(現物支給)方式での供給となり、また国際入札となるため、必ずしも国内の産業が受注できるとは限らない。CERNの事例を確認する必要がある。
 建設時・運転時に地域に定住ないし長期滞在する研究者およびその家族の人数見込みとついて1万人といった誇大な数字が流布している。建設が完了して運転フェ ーズになれば、施設の維持・運転を行うスタッフは必要であるが、物理研究者はデータ解析がリモートで行えるので現地に滞在するインセンティブは高くない。この点は、SPring-8やJ-PARCのような実験施設に入れ替わり立ち替わりユーザーが訪れるのとは大きく異なる。
 仮に、構想されているような国際研究都市の構築を目指すとすれば、そのインフラ、すなわち公共施設や商業施設のハード、および外国語 対応サービスのソフトの両面にわたる環境整備に相当の経費を要することになるが、その経費負担について関係セクター間で協議が必要となる。

*参考として、ITER 計画に係る閣議了解(平成 14 年 5 月 31 日)においては、政府として、以下の点に留意するものとされている。

●ITER の建設・運転等に対し立地促進のために特段の財政措置は講じないこと。
●ITER 計画の実施に関連する公共事業については、その規模を通常の公共 事業費の中での優先的配分により対処し得るものにとどめ、国庫補助負担 率引き上げ等の国による特別の財政措置は講じないこと。
●国は、ITER 計画に関し、安全確保を図るとともに、国民への情報提供等 を通じて一層の理解が得られるよう努めること。
●また、誘致に当たっては、関係地方公共団体に対して、ITER 計画の円滑 な実施を実現するため、所要の措置を講ずるよう要請すること。

【さらに確認すべき点】
<物理>
・実験の結果、標準理論からのズレが見い出されない場合の研究戦略。
・ヒッグス結合の精密測定が、素粒子物理学の最重要課題と言えるか、標準理論からのずれの検出には様々なアプローチがあるのでは。
・もし最重要課題と誰もが認めるなら、国際的な声が挙がってしかるべきでは。
・ILC は20年後にも魅力ある装置であり続けることができるか。
<加速器>
・陽電子源の選択はどの時点でどのような基準でなされるのか。
・2つの検出器が本当に必要か。それらのタイムシェアリングはどうするのか。
・ビームダンプの健全性のモニター、遠隔操作による窓の交換はどのようにするつもりか。
・第2ビームダンプは有効か。
・ビームダンプ異常時のセパレーションのためのゲートバルブが誤作動して閉まった場合、ビームが直撃することになるが、その場合に何が起こるか。
・巨大総合システムとしての ILC。
・インターロックの体系と、それらの相互タイミング設定。
・トリチウム等放射性物質を含む一次冷却水の漏水が起こった場合の対処法。
・周囲の地下水の放射化の可能性とその対策。
・ILC を他の用途にも使うということをどの程度本気で考えているか。廃止措置経費も国際分担としないのか。
<人材>
・巨大総合システムとしてのILC全体を俯瞰する指導的人材。
<経費>
・予算計上に含まれていない項目およびその必要額のリストアップ。
・コンティンジェンシーの考え方。
<コンセンサス>
・素粒子物理学コミュニティにおいてどのようなコンセンサスができているか。
・KEKの中で、将来計画と優先プロジェクトについてどのような検討がなされているか。将来計画は教育研究評議会に諮られているか。
・物理学コミュニティに対する説明と支持要請はなされているか、それに対する反応は?
<国際協力>
・国際連携に関して、欧州や米国のグループはそれぞれの政府にどの程度の働きかけをしているのか。日本が誘致を宣言してから始めるということか。
・アジア諸国、特に中国の研究グループとの話し合いは行われているのか。
<土木工事>
・地下水の出水とその対策。
・活断層や破砕帯など工事困難箇所に遭遇した場合の対策と追加費用。
・ILC のトンネルには、通常のトンネル工事より厳しい仕様が求められる点がないか。
<不測の事態>
・電源喪失が生じた場合の対策。非常用電源の持続時間。
・電源喪失や誤作動が起こった場合に安全サイドに流れるか。
<地域住民への説明>
・リスクとその対策、経済効果等について正確な情報を伝えているか。
・土地収用の方法と権利関係。
・生態系も含む周辺環境への影響評価。
・放射化物の生成とその処理法。
・プロジェクト終了後の処理とその経費。

引用は、ここまでです。

<国際リニアコライダー計画の見直し案に関する検討委員会 のサイトを見たい人は>
 日本学術会議のHPの上部にあるバナーのうち「委員会」をクリックしてください。
次の画面を下にスクロールしていくと「国際リニアコライダー計画の見直し案に関する検討委員会 」のバナーがあります。
URLはこちら右矢印1国際リニアコライダー計画の見直し案に関する検討委員会


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こどもの安全と平和を想う「みやぎ夢燈花」ー学校の安全と障害者への理解と支援を想いつつ参加しました。[2018年09月15日(Sat)]
 泉区南中山小学校で15日16時から開催された「みやぎ夢燈花2018」に参加しました。
 大阪教育大学附属池田小学校で、乱入した刃物を持った男により児童8人が亡くなり、教師を含む15人が重軽傷を負った事件がありました(2001年6月8日)。この事件を想いおこしながら、子どもの安全と平和を語り合い、ともに願うという、とても貴重な取り組みです。

 文教警察委員会の県外調査で8月1日、大阪教育大学の学校危機メンタルサポートセンターを訪れる機会がありました。このセンターは、附属池田小学校事件の被害者とその弟妹などにメンタルサポートを続けるとともに、学校安全の研修などで全国的な拠点の役割を果たし、セーフティプロモーションスクール(SPS)の考え方を提案しています。その考え方には大いに共感するものがあり、『学校保健 学校安全 ハンドブック』に記載するなど、もっと普及されていいのではないかと思いました。

 東日本大震災の後、附属池田小学校事件を想いおこしながら、『障害者の非行・触法行為の手続きと支援』をテーマにしたシンポジウムを開催したことがあります(2013年4月6日、仙台弁護士会館)。
 このシンポジウムを企画したのは、前年の2012年7月30日、発達障害の特性があまり理解されないまま裁判員裁判が行われ、大阪地裁が出所後の受け皿がないことを理由に、求刑の16年を上回る20年の懲役刑を言い渡するという、人権に反する判決を下したことが直接の理由でした。
 障害のある人が、非行や触法行為をおかした場合、障害の特性を適切に把握して司法手続きが行われ、当事者の更生・社会復帰が進むこと、家族にも適切な支援が行われることを願い続けていました。
 障害のある人が少年院、刑務所などの矯正施設を退所する際に福祉サービスにつなげるという新たな手続きが導入され、その任に当たる「地域生活定着支援センター」が、宮城県では全国で11番目に2010年に開設されていますが、まだ歴史が浅く、よく知られていませんでした。
 犯罪加害者の家族は、不当な攻撃や偏見にさらされることがあります。障害のある人が触法行為を犯した場合は、とくに家族の障害特性理解と支援が重要です。
 このシンポジウムは、非行や触法行為があった場合、どのような手続きをたどるのか、本人と家族はどこに相談したらよいか、どんな支援をどこで受けることができるか、関係する情報を普及し学ぶために企画したものです。  
 
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再生可能エネルギーの普及促進、蓄電池の導入支援の増額(2019年問題への対応)を提案しました。[2018年09月05日(Wed)]
 宮城県議会の予算特別委員会で9月4日、再生可能エネルギーの導入促進を求めました。
 余剰電力買取制度のスタートで導入された住宅用太陽光発電設備が、来年9月から買取期間(10年)の終了を迎えていきます。導入した設備を有利に活用したいと考える世帯が蓄電池を導入する動きがあり、国と県がこれを支援しています。
 宮城県では、太陽光発電を導入した世帯の約3分の1にあたる約一万世帯が、来年9月から約一年の短期間に買取期間終了を迎えます。そこで、来年度予算編成では、2019年度が特別な年度になることに配慮して、手厚い予算措置をとるよう提案しました。
 質問と答弁の大要を紹介します。

●<中嶋廉委員>
 異常な暑さでエアコンがたくさん活用されたにもかかわらず、政府の節電要請はありませんでした。これは再生可能エネルギーの開発が進んだからで、九州電力管内では日中の電力需要量を太陽光発電が一時上回るという、初めての事態が起こりました。
 世界では再生可能エネルギーの開発でエネルギー的自立をめざす動きが加速していますが、わが国は立ち遅れています。県の再生可能エネルギーの目標値を引き上げ、関連する施策の予算を重点配分していくことを求めたいのですが、いかがでしょうか。

●<環境生活部長>
 現在の自然エネルギー等の導入を促進する県の基本計画につきましては、震災後の2014年3月に策定したもので、震災の影響が見込まれたこともあり、実態に即したものといたしまして、2020年度にエネルギー消費量に占める再生可能エネルギーの割合を6.7%と設定しています。
 その後、国における長期エネルギー需給見通し、いわゆるエネルギーミックスの策定等を踏まえまして、昨年度からその計画の見直し作業を進めておりまして、今年7月に、宮城県再生可能エネルギー等・省エネルギー促進審議会から新しい計画案を答申していただきました。
 新しい計画案の目標数値につきましては、国の目標等も勘案し、2030年度のエネルギー消費量に占める再生可能エネルギーの割合を14.1%にするなど、現計画から大幅に引き上げられたところです。
 こうした目標達成に向けて、今後とも再生可能エネルギーの導入促進に積極的に取り組んでまいりたいと考えてございます。

●<中嶋廉委員>
 引き上げたことはよいことですが、世界の趨勢や他県の努力に比べるとまだ遅れていると思います。引き続きご検討をいただきたいと思います。
 関連してうかがいます。余剰電力買取制度で導入された住宅用太陽光発電設備ですが、10年の買取期間の終了を迎え始めます。FITの適用でいま1kwh28円の買取価格が、自由契約に移行すれば10円前後まで激減します。
 そこで、蓄電池の導入を支援する制度を国がつくり、県も8万円を補助しています。これは、自家消費型ライフサイクルへの転換ということもさることながら、電源の安定化と、もっと再生可能エネルギーを導入できるようにするうえで効果がある」施策だと見ています。
導入済み設備の約3分の1が、来年秋から1年くらいの短期間に買取終了を迎えるので、この「2019年問題」への対応策として、来年度予算では、蓄電池導入支援の予算枠を拡充するよう求めたいのですが、お答え下さい。

●<村井知事>
 蓄電池の導入につきましては、住宅用太陽光発電の余剰電力を夜間に利用することによる二酸化炭素の削減効果が期待できますことから、わが県では2016年度から支援を実施しております。これまでの導入支援実績は、2016年度に126件、2017年度に589件、2018年度は7月末現在で274件と、着実に増えております。
 蓄電池の導入は、FIT期間終了後の自家消費型への転換にも有効でございますので、引き続きその普及・促進に取り組んでまいりたいと考えておりますが、拡充するというところまでは検討していません。ただ、私といたしましては、来年度も継続したいと考えております。

●<中嶋廉委員>
 来年度が特殊な年にあたるということを考えていただいて、予算措置をお願いいたします。

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女川原発再稼働の是非は県民投票でー早朝宣伝でノボリを立てて呼びかけ[2018年09月05日(Wed)]
9月4日、地下鉄・黒松駅前です。

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国際リニアコライダー(ILC)計画は、全体像をありのままに県民に周知をー村井知事に問題提起(予算特別委で) 県民に一度もキチンと説明せずに大きなリスクを引き受けることになる誘致を進めていることは疑問です[2018年09月04日(Tue)]
 宮城県議会の予算特別委員会で9月4日、最後の一問で、素粒子の実験施設である国際リニアコライダー(ILC)計画を取り上げました。
 岩手県や宮城県などが北上山地に誘致しているILCについては、日本学術会議が2013年9月に「時期尚早」という「所見」を、いったんまとめました。
 その後、文部科学省のもとに「国際リニアコライダーに関する有識者会議」が設置され、巨額の投資に見合う科学的意義あるのか、コスト面や技術面などにどんな課題があるのか、検討が重ねられました。
 ILCの衝突エネルギーを500GeVから250GeVに下げる計画変更が行われたため、有識者会議は再度の検討を加え、「これまでの議論のまとめ」が7月4日に公表されました。日本学術会議は、「これまでの議論のまとめ」を踏まえて、ILC誘致計画の是非について再び検討を始めています(第1回は8月10日に開催されています)。
 「これまでの議論のまとめ」は、ILC計画の全体像がわかる文書です。しかし、公表されてから間もないので、この文書をもとにした議会論戦は、国会・地方議会を通じて初めてではないかと思います。ごく短時間で、質問も一問だけですが、「ILC計画を捉える視点を問題提起する質問になったのではないか」という感想をお寄せいただきました。

 大事なことは、誘致が決定したら現実の問題になるリスクやコスト、県と市町村の行政課題などが、一度もきちんと説明されたことがないことです。メディアのほとんどの報道にも、欠落しています。
 日本学術会議が、「地元はリスク等を承知したうえで誘致している」と、事実を誤認して判断を下したら、一体どうなるのでしょうか。ILC誘致に賛成か、反対かという対立の図式をつくるべきではないと願って行った質問です。 
 質問と答弁の概要をお知らせします。

●<中嶋廉委員>
 最後に、県が今年度に初めて重点要望に加えた国際リニアコライダー(ILC)の計画について伺います。
 ILCは衝突エネルギーが500GeVから250GeVに引き下げられました。文部科学省の「国際リニアコライダーに関する有識者会議」が、この見直しされた計画について検討し、7月4日に「これまでの議論のまとめ」を出しました。「見直し後のILC計画の全体像」を周知することが肝要だと、報告している点が重要だと思いました。
 計画の見直しで、ILCの「科学的意義」は後退しました。トップクォークの精密測定は不可能になりました。LHCの最新の研究を踏まえて、ILCによる新粒子発見の可能性も低いということがわかりました。
 期待したコスト圧縮は見込めません。建設費や運転経費は約7割前後になる一方で、日本の負担割合が高くなり、各国政府の経費負担に明確な見通しがなく、加えて、新たな経費、予期せぬ出費、実験終了後の解体経費も必要だからです。
 重要なことは、大きなリスクの存在が明らかになったことです。中性子を含む放射線が放出されて空洞や地下水などを放射化するため、放射性物質が漏洩する可能性があり、実験終了後にビームダンプ装置などの実験装置や空洞を長期間にわたり維持管理する必要があります。また、環境アセスが行われない可能性があり、新たな法律や規制がいくつも必要であることも浮かび上がり、これが報告されています。
 私が言っているのではありません。有識者会議が「まとめ」で、そういうことを報告しているんです。
 これまでILCは経済効果ばかりが喧伝されてきました。県は、有識者会議の「まとめ」が述べているように、「全体像を」明らかにする姿勢で臨み、課題・リスク・地元負担の問題などにも目を向けるべきです。知事には、適宜・適切な判断を求めたいのですが、お答えください。

●<村井知事の答弁>
 ILCの整備計画につきましては、今年の7月20日に文部科学省が日本学術会議に対しまして、加速器の全長を短縮し、建設費を削減する新計画につきまして、審議を要請したところでありまして、今後、その審議結果を受け、誘致計画の可否の判断がなされるものと承知しております。
 ILCは、国際的なプロジェクトであり、さまざまな課題やリスク等につきましては、各国と各国際機関の詳細な検討と厳重な監視のもとに解決が図られていくものと認識をしております。
 いま、いろいろなリスク等についても、お話になりましたが、私は素人ですので、詳しいことはわかりません。こういったことにつきましては、専門家の方たちに大所高所から、科学的に検討していただくことが重要であろうと認識しております。
 宮城県といたしましては、岩手県、あるいは東北の各県といっしょになりまして、国や日本学術会議の動向を注視しながらでありますけれども、シッカリと情報収集につとめ、宮城県といたしましては誘致に努めてまいりたいと考えております。ご理解たまわりますよう、よろしくお願い申し上げます。

●<中嶋廉委員>
 ILC計画は、全体像を等身大で判断すべきだということを問題提起して、今日は終わります。

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<参考>
 電子線を回収するビームダンプ装置の内部で、電子ビームと水が反応して放射性核種を大量に作ることが、「有識者会議」に提出された野村総研の報告書に記されています(報告書の125ページ)。
 以下のように記述されています。
 Hとは、福島原発による汚染水で大問題になっているトリチウムのことです。

●ビームダンプにより発生する放射性物質の管理問題の評価 <KEK>
 電子ビームは、ビームダンプ内の水の原子核と反応し、半減期の違う複数種類の放射性核種(主に 15O、13N、11C、7Be 及び 3H)を大量につくる。このうち、最初の3つの放射性核種は約3時間で崩壊する。 7Beはフィルタリングされ外に出される。最も厄介なのは 3Hトリチウム:半減期 12年)である。
 ビームダンプには放射性物質除去装置が付いており、放射性物質は分離され、地下に貯蔵されることになる。長年にわたる放射能は、全てコントロールされ、地上には全く影響が無いように計画されている。
 しかし、これらの放射性物質の安全管理は重要な課題である。

ビームダンプblog.jpg
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まもなく稲刈り 猪の農業被害防止を求める声が切実[2018年09月02日(Sun)]
仙台市泉区根白石は、NHKの朝ドラ「天花」の舞台になった農村地帯です。
まもなく稲刈りの盛期を迎えます。しかし、いたるところに電気柵があります。
猪による農業被害を防止する対策を行く先々で訴えられました。

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