理事長からご報告 [2011年04月28日(Thu)]
2011年4月24日午後1時、我がRDTAを代表する名救助犬”ランディー号”が天国に旅立ちました。
ランディーは、この度の東日本大震災に3月12日より出動、宮城県名取市のベースキャンプから、亘理町、坂元町で捜索に当たりました。胸までつかる水の中、生存者を求め長時間過酷な任務を成し遂げて3月17日帰還いたしました。 翌週3月23日より体調を崩し入院、溶血に伴う血尿、貧血、黄疸がみられ、輸血その他あらゆる治療を受けました。獣医師の懸命の治療のお陰で4月中ごろには貧血や黄疸も少し収まり食欲やお腹の状態も良くなってきて明るい兆しを感じていましたが、4月24日容態が急変し午後1時永眠いたしました。 ランディーはジャーマンシェパードとしては、稀にみる温和な性格で小さな子どもからお年寄りまで多くの方々に愛されて、沢山のフアンを持っていました。その能力は、2007年日本代表として出場したオーストリア・アイゼンシュタッドの救助犬世界大会において発揮され、見事17位入賞を果たしました。 それまで低迷していた日本の救助犬関係者に希望の光を与えてくれました。数々の出動実績と福祉活動もランディーが我々に与え残してくれた大きな功績です。犬は人が育てるものと思いがちですが、名犬は人を育ててくれるのだと私はランディーから教わりました。 ランディーのパートナー村山健太は今や誰もが認める優秀な救助犬ハンドラーですが、彼はランディーと過ごした8年間で大きな経験と実績を積み上げる事が出来たと思います。私には教えてあげる事の出来ない挫折感や悔しさ、それを乗り越えた喜びと自信の全ては、彼がランディーと二人で掴んで培ったものだと思います。 ランディーとの思い出は尽きず、込み上げてくる哀しみはまさに大切な友を無くした思いです。彼の死は、RDTAにとっても、我々救助犬を愛する者すべてにとっても大きな損失と感じております。長年にわたり救助犬の活動にご理解とご支援をくださっている所有者の武内様を始め応援くださる皆様に感謝し、共にランディーの冥福を祈りたいと思います。 特定非営利活動法人救助犬訓練士協会 理事長 村瀬英博 |