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丘と兵[2017年10月31日(Tue)]

DSCN4101.JPG
イヌタデ。昨日の田んぼの畦に咲いていた。

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国民不在で勝手に決めるな!

◆今朝の朝日新聞、一面トップは「日本版海兵隊 沖縄配置へ」という見出し。
2018年3月に新設される日本版海兵隊水陸機動団)をいずれ沖縄のキャンプハンセンにも配置する方針を固め、米側と調整に入った、というものだ。
順序が逆だ。肝心の沖縄県民の意向がここでも無視されている。

◆記事解説には「離島が侵攻された際〜島に上陸し、奪還する『水陸両用作戦』の実施部隊」と書いているが、この通りに運用すると素朴に信じることはできない。戦争法制の下で従来の専守防衛を踏み越える危険が著しく高まった状況では日本の領土以外で展開する恐れがあるからだ。

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◆「兵」の文字を見ているうちに「丘と兵」という浜江順子の詩を思い出した。
「丘」と「兵」という文字の形が似た2つの文字から生まれた詩。
むろん、「丘」は象形文字であるのに対して、「兵」は両手で「斤(おの)」を持った形を表す会意文字であり、部首も異なるのだが、「丘」を遠望していたら突然「うにゅうにゅ」と湧くように兵が出現した、という風刺の効いた詩である。
前半1/3ほどを書き写しておく。

 丘と兵 (部分) 浜江順子

城塔の上に高く突き出た監視塔から薄紅に輝く雲が遠く見える。緑霞む丘が突然、兵になったのは、なにやら必然のようであり、架空のようであり、それは心の中のことのようであり。跳ね橋は上げるべきか。まだ、よいか。危険はそこまで来ているようでもあり、まだ遠いようでもあり。さらに、落とし格子も下ろすべきか、まだか? 丘が突然、兵になるさまはなぜか美しい幻を紗に映して見るようでもあり、まだ見たことのない地獄を見るようでもあり、そのさまは腰に巻き、悦楽すべきようでもあり。丘はまるで一匹の褐色の恐ろしげな怪物のように、ある種の呪術を使って、うにゅうにゅと兵を次から次へと湧かせた。それは水溜りから果てしなく湧いてくるボウフラのようでもあり、どんよりと濁った川の隅に広がっている蛙の卵から、おたまじゃくしが次から次へと発生するさまにも似ていた。みるみるうちに丘は兵でいっぱいになっていった。それは神の悪意というものが存在するとすれば、それはまさに神の悪意であり、恐ろしいばかりの閃光が轟きわたる雷とともに発しながら、丘を覆い尽くしていく。雷の轟音はまるで進軍ラッパのように丘を兵に変えながら、丘を変形に崩していく。(以下略)

浜江順子密室の惑星へ_0002.jpg

浜江順子「密室の惑星へ」思潮社、2016年

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◆「危険はそこまで来ているようでもあり、まだ遠いようでもあり。」とは目下の事態を思えばヒヤリ・リアルで付きすぎの感があるけれど。

※「広漢和辞典」(大修館)には「兵」の字の下「八」のヒゲが半分しかない漢字が2つ載っていた。
左半分だけの方、つまり「丘+ノ」は「ヘイ」という字音の擬声語だそうだ。
反対に「八」の字の右半分だけ=「丘+丶」は「ホウ」という字音の擬声語で、どちらも銃声を表すそうなので、「武器」の意味の「兵」の字から分家した文字ということだろう。
ところがこのキナ臭い2字を続けると「ピンポン」の音訳になるというから面白い。
「ヘイ+ホウ」=「丘+ノ+丘+丶」=Ping-Pongというわけだ。

卓の上に武力も含めて並べて見せるのでなく、ピンポン外交のような対話による平和外交を進めよとアベ首相はトランプ大統領を説得すべきだろう、ゴルフに興じていつの間にか丘が兵に埋め尽くされてしまわぬうちに。

ペルソナ・ノン・グラータ[2017年10月30日(Mon)]

DSCN4096-A.jpg
稲架(はさ)がけしている田んぼを久しぶりに見た。
六会の新田地区で。

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北村太郎の詩集『港の人』が鎌倉の出版社から復刊された(2017年9月)。発行元の名前も「港の人」という。
詩人と親交のあった人が営む出版社のようだ。

ここの「港」とは詩人が60代の8年ほどを過ごした横浜のことだ。

今日など冷たい風が吹く日には、やました(山下)公園のイチョウ並木が登場する第5番の詩などふさわしいかもしれないと思うが、未だ10月だと思い直してその先のページを繰った。

ペルソナ・ノン・グラータ

◆第21番の詩で「ペルソナ・ノン・グラータ」という言葉に出くわした。

「ペルソナ」が「人、人格」のことだというのは和辻哲郎の「面とペルソナ」から了解できる気がするが、その後が良く分からない。「ノン」が付くので、ラジオ仏語講座をかじっているわが子に訊いてみるとイタリア語じゃないの?という心もとない返事。
結局ネットの世話になる。
〈persona non grata〉と綴る「受け入れ国にとって好ましくない外交官」の意味の外交用語で、「好ましからざる人」というのが原義(ラテン語)である。「persona grata」(好ましい外交官・人物)という言い方もあるようで、2つとも英和辞典にも載っていた。
先頃、スペインやメキシコ政府が、ミサイルや核実験を止めない北朝鮮の大使に国外退去を宣告したが、あれが「ペルソナ・ノン・グラータ」ということだ。

◆北村太郎の詩全体は次の通り。

詩集『港の人』より
〈21〉

朝の光がさしこんできても
頭のなかの
舌は
とまろうとしない

しゃべっているのはへんなことばかり

気がついたときに
目が覚める

いちばん最後にペルソナ・ノン・グラータと呟いたようで
おもわず肩をすくめてしまう
ベッドに寝たままそんなことをするのなんてちょっとおかしいが

自然にそうしてしまう
人びとの影は
ことばより先に
もうとっくに光の中に消えてしまっていて
壁は
きのうよりもずっと白い


◆「ペルソナ・ノン・グラート」とは、詩人の自分自身への認定である。
目が覚める直前の、無意識と意識のあわいのところで最後に出た呟きは、目が覚めてからも記憶に新しいので、しばらくその日の気分を領し続ける。
というより、誰が認定したのでなくても「好ましからざる存在」という烙印を自分に焼き付けて生きてゆく人間、生涯にわたり楽園追放の運命を引き受けて生きている人、と言ったらよいだろうか。
我こそは好ましい者として万人に容れられて居るところの有用な人材だと自任している脳天気とは、対極に在る人だ。

10.28神奈川集会から11.1国会へ[2017年10月29日(Sun)]

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◆10.28海渡雄一弁護士講演のスライドから。
憲法9条に第3項を加えるというアベ首相提案のゴマカシとその真の狙いを簡明に示す。

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10.28集会アピールをジャンプ台に

◆2017.1028「共謀罪は廃止しなければならない」神奈川集会の集会アピール(全文)を記録しておく。「共謀罪」廃止のみならず、戦争法制・特定秘密保護法等を廃止にした上で、真に民主主義社会にふさわしい市民の人権を守る法制に一新するための踏み台になることを願う。
11月1日に開会される国会に声を届けることが大事だ。

集会アピール

2017年6月15日、国民の思想・良心の自由を侵す憲法違反の「共謀罪」法の採決が参議院本会議で強行され、自民・公明・日本維新の会の賛成多数で可決されました。
審議すればするほど疑問点や新たな論点が明らかになり、追い詰められた安倍政権は、参議院法務委員会での審議を一方的に打ち切り本会議に持ち込む「中間報告」という「禁じ手」を使って異常な強行採決を断行しました。さらに、異例の速さで7月11日に「共謀罪」法が施行されました。
この共謀罪法とその施行は以下のように多くの重大な問題を有しています。

第一に、人の生命や身体、財産などの公益を侵害する危険性が客観的にはない「合意」を処罰することにあります。犯罪の実行について話し合い・合意したことを処罰する共謀罪は、犯罪実行(既遂)の処罰を原則とする刑法の原則を根本から揺るがし、思想・信条の自由、表現の自由を侵し、話し合いを基盤とする民主主義をも破壊するものです。

第二に、特定秘密保護法により知る権利の制限、通信傍受法の改悪、さらに、戦争法により、言論・表現の自由に対する制約が急速に進んでいる上に、「共謀罪」法によりますます捜査機関による監視が合法的に行われる危険です。現在でも、「岐阜県大垣署による市民監視事件」などにあるように、犯罪とは無縁の市民の人権やプライバシーを深く侵害する活動を行っているにもかかわらず、それに対して、全く反省のない警察の活動に法的根拠を与え、深刻な人権侵害を引き起こす危険性です。

第三に、政府は、国民に対し国際組織犯罪防止条約(TOC条約)締結に不可欠とかテロ対策の為に必要との虚偽の説明をしている点です。
TOC条約を締結するための国連立法ガイドを起草したニコス・パッサス教授が、「条約の目的はテロ対策ではない」と断言しているように、TOC条約はマフィアなどの国際的な経済組織犯罪の取り締まりを目的としたものであり、テロ対策の条約ではなく、「共謀罪」法もテロ対策とは無縁の法律です。

第四に、国連人権理事会が任命した特別報告者、ジョセフ・カナタチ氏から、「共謀罪」法案が、プライバシー権や表現の自由への「過度の制限」になると強く懸念する書簡が、安倍総理に届けられたことに対し、日本政府が、カナタチ氏からの質問に一切答えないまま、法案を強行採決したことです。そして、日本政府は共謀罪法施行後に、回答を送付したとは言え、その内容はカナタチ氏の指摘に全く答えたものになっていません。これは、日本政府が、国連人権理事会の理事国として国際公約した「特別報告者との建設的な対話」を反故にしてはばからない態度です。

安倍政権による憲法改悪への暴走と戦争への危機的状況に対して、立憲主義・平和主義・民主主義を取り戻すために、日本国憲法を守り生かし、特定秘密保護法と戦争法に加え、現代の治安維持法とも言える「共謀罪」法を廃止する闘いに力を合わせるときです。そして、必ず、共謀罪を廃上しましょう!
以上宣言します。

2017年10月28日
「共謀罪は廃止しなければならない!」神奈川集会 参加者一同


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◆11月1日(水)特別国会開会日に国会前行動が呼びかけられている。
その後、参院議員会館で共謀罪法廃止の院内集会もセットされている。
自由な市民であり続けることをたいせつにしたい。

安倍政権の退陣を要求する11.1国会開会日行動

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安倍9条改憲を許さない!
森友・加計学園疑惑徹底追及
安倍政権の退陣を要求する11.1国会開会日行動
■とき 11月1日(水)12時〜13時
■ところ 衆議院第二議員会館前
■主催 安倍9条改憲NO!全国市民アクション
戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会
共謀罪NO!実行委員会

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共謀罪法の廃止を求める11.1院内集会


▲とき 11月1日(水)13時30分〜15時
▲ところ 参議院議員会館講堂

*資料代 500円
▲主催 共謀罪NO!実行委員会

「共謀罪廃止!神奈川集会」成功御礼[2017年10月28日(Sat)]

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「共謀罪は廃止しなければならない」神奈川集会
 @横浜市開港記念会館


◆台風22号接近をにらんで明日予定の横浜マラソンは中止が決まった。
今日の横浜市内、すでに前兆のごとく小雨模様。
しかし「共謀罪」廃止を求める神奈川集会、横浜市開港記念会館の会場は満席となった。
県民の関心の高さを改めて知る。
◆6月15日の参院における「共謀罪」法の強行採決から4ヶ月余り、衆院選挙の結果を受けて憲法改悪の動きを憂慮する市民の、ことばへの渇望が会場を埋め尽くした。

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◆今朝、選挙結果に乗じた政府・自民党が、衆院での与野党の質問時間の配分を野党の時間を減らすことを検討していると報じられている。与党2:野党8の割合がこれまで合意されてきたのを、5:5にしようなどというのである。与党は法案提出前に政府から説明を受けているのだから、審議で野党の質問を多くするのは理にかなっている。
疑問を問い質すよりヨイショ質問に終始する与党議員の質問を大幅に増やすというのは、実質的な野党の質問封じに他ならない。問答無用の態度を恥とも思わない点で、国会扼殺に等しい。
数を頼んだ横暴は民主主義の破壊=独裁にほかならない。

戦争は武器と軍隊だけでできるわけではない

◆治安維持法が猛威を振るった戦前と特定秘密保護法・新共謀罪が施行された現在とが対比して示された。現在は戦争準備がほぼ整った段階であることに慄然とする。

▼戦争を行う主体【大本営⇒国家安全保障会議】
▼治安法制【治安維持法⇒新共謀罪
▼物質的・社会的資源の動員【国家総動員法・徴兵制⇒有事法制・自民改憲草案の国家緊急権条項
▼情報管理体制【軍機保護法・国防保安法⇒特定秘密保護法
▼報道統制【検閲統制・内閣情報局⇒報道への脅しとキャスター外し・総務大臣の電波停止発言・NHK人事への介入

体制づくりの中でも重要なのが教育だ。
▼【教育勅語・軍事教練・靖国神社⇒日の丸君が代強制・道徳教育

◆質疑の中で、参会者から、ある教員が職場でふと洩らした言葉が紹介された。
〈かつて、こうやって戦争に突き進んで行ったんだね〉

戦前・戦中の天皇機関説問題(1935)、大本教襲撃事件(1942)横浜事件(1942)など公権力による学問・思想の弾圧を振り返りながら私たちは何をすべきか。
海渡弁護士のことばを二つ書き置く。

萎縮せず活動を続けること。黙らないことが一番だいじ。

若者とつながる回路を我々がもっともっと持たなければならない。


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◆海渡弁護士の新著「共謀罪は廃止できる」(緑風出版、2017.10.25発行)を会場で求めた。
今日の講演で言及された、前川文部科学前事務次官に対するスキャンダル報道(読売新聞報道)や、官房長官への果敢な質問で話題となった望月・東京新聞記者への監視指示などもとりあげている。
また、スノーデン氏が明るみに出したアメリカの世界監視システムについても一章を割いている。
今年2月に、プーチン露大統領がトランプ米大統領にスノーデン氏を手土産代わりに引き渡すのではないか、という噂が流れたことがあったという。その直後の2月11日にスノーデン氏がツイッターで発信したメッセージを紹介している。

I don't know if the rumors are true.But I can tell you this:
I am not afraid.There are things that must be said no matter the consequence.
 ――その噂が真実かどうかはわかりません。しかし、私はあなたに次のことを伝えることができます。私は恐れていませんそのことの結果に関係なく、言わなければならないことがあるのだということを。

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”共謀罪廃止を!”神奈川集会[2017年10月27日(Fri)]

【再掲】いよいよ明日28日、講演会です。

「共謀罪は廃止しなければならない!」神奈川集会
国際人権法国連人権理事会特別報告者

講演 海渡雄一 弁護士

と き:2017年10月28日(土)14:00〜16:30(開場13:30)
ところ:横浜市開港記念会館 1号室(日本大通り駅下車1分)
資料代:500円

★主催★「共謀罪NO!神奈川市民集会」実行委員会
実行委員長:山際正道(元神奈川高教組委員長)


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ハヤトウリというそうだ。大きさも形も洋梨に似る。境川沿いの菜園で。

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山本周五郎のことば――私たちの困難と希望と

特に恵まれた人たちはべつとして、私どもいちばん数の多い人たちは、生活するだけでも常に困難と拒絶と排斥と嫌悪に直面しなければならない。けれども私は、その中にこそ人間の人間らしい生活があり、希望や未来性があると信じている。その中で宗教と信仰がどういう位置を占めているかを探求してゆきたいと思う。

「『おごそかな渇き』作者の言葉」から

「没後50年山本周五郎展」が開かれている(神奈川近代文学館で11月26日まで)。
「私どもいちばん数の多い人たち」すなわち99パーセントの名もなき人々の側に立って筆を執り続けたひと。


民権散歩・伊勢原編(4)「自由は大山の麓より」[2017年10月26日(Thu)]

雨岳文庫を見学

◆1881年に相州最初にして最大の民権結社「湘南社」は発足するが、その初代社長をつとめた山口左七郎(1849〜1942)の住居が現存し、多くの古文書・古美術品・什器とともに雨岳文庫として一般に公開されている。
今回の民権散歩の後半は、ここを会場として3つの講演と1つの報告があった。

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山口家住宅主屋。
1834年頃に建てられたもの。江戸末期に代官所とするために現在地に曳き家して武家屋敷風に改装したが、代官所として用いられたのは2年ほどで明治の世を迎え、その後は山口家個人の住宅となった。明治初期には自由民権運動の「湘南講学会」の会場にもなった。1998年、国の登録有形文化財に指定(「雨岳文庫」解説より)。
★【雨岳文庫】ホームページ
http://www.ugakubunko.com/htdocs/index.php

DSCN3994-A.jpg
門を入って右手に資料館がある。この日ゆっくり見学する時間がなかったのが残念。
右隅に映っているのは大山二の鳥居の扁額。関東大震災で落下し割れているがみごとな彫りである。

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講演会場の大広間(20畳)。右手上方に代官所時代の捕り物道具が架けてある。
その下に演台として小ぶりの机が置いてあるが、「江山堂眼科医院」と書いてあるそうで、前回記事の江口治カ人の眼科医院で使用された机が山口家で保存されている。

建物を見学した中で、領主・間部(まなべ)自ら設計したという2階の数寄をこらした部屋がみごとで、特に大きな円形の明かり取りに投網をデザインした組子の曲線はすばらしいものだった。

◆講演は(1)大山道(諸方から大山詣りで往還した道の数々)について、(2)権田直助について、(3)湘南社の憲法論議の3つを拝聴した。

権田直助(1809-1887)は、幕末から明治にかけて国学者・神道家・医者として活躍した人物で、明治6年に大山阿夫利神社の祠官となって阿夫利神社中興の祖と言われる人。講演は、多岐にわたる権田の活動のうち、「句読点」研究の先駆者・権田直助にスポットを当てたものだった。
(3)の憲法論議について配付された資料から、伊勢原で講演を行った植木枝盛起草の憲法草案より、抵抗権・革命権の条項を録する。
*明治14年立志社憲法草案「東洋大日本国国憲案」(「国民及日本人民ノ自由権利」より)
(※ひらがな・濁点表示に改めた。)

日本人民は凡(およ)そ無法に抵抗することを得(う)
政府国憲に違背するときは日本人民は之(これ)に従わざることを得
政府官吏圧政を為すときは日本人民は之を排斥するを得
政府威力を以て擅恣(せんし)暴逆を逞(たくまし)ふするときは、日本人民は兵器を以て之に抗することを得
政府恣(ほしいまま)に国憲に背き、擅(ほしいまま)に人民の自由権利を残害し、建国の旨趣(ししゅ)を妨ぐるときは、日本国民は之を 覆滅(ふくめつ)して新政府を建設することを得

擅恣(せんし)…わがまま、ほしいまま

志操と理想が相携えて高みをめざす気迫の条文である。

DSCN3981-B.jpg
昨年、相州自由民権135周年を記念して建立された碑。
「自由は大山の麓より」と誌す。


民権散歩・伊勢原編(3)-伊勢原の「赤ひげ」先生[2017年10月25日(Wed)]

伊勢原の”赤ひげ”先生ー江口治カ人

◆今回の湘南社民権散歩・伊勢原編では、伊勢原の”赤ひげ”先生こと江口治カ人について教わった。(じろんど。1861-1925。「次カ人」という表記も伝わっているが、雨岳文庫の会の調査で「治カ人」であり、読み方も「じろんど」であることが判明した。)

◆治カ人(旧姓・赤沢)は山形の鶴岡に生まれ、1888年伊勢原の漢方医・江口武壽の娘リツ子と結婚、江口家を継いだ人。武壽も鶴岡出身で、戊辰戦争後伊勢原に寄留し眼科医院を開業、明治14年に自由民権結社・湘南社に加わっている。同郷の赤沢治カ人を婿養子に迎えたのであった。
治カ人は10年ほど東大医学部第一医院眼科に勤めたのち、1900年に「江山堂眼科医院」を開業した。「江山堂」の名は養父・江口の姓から「江」の一字、開業にあたり資金援助をしてくれた山口左七郎(湘南社初代社長)の姓から「山」の一字を取って恩顧に報いたものとのこと。

DSCN3933伊勢原教会-A.jpg
伊勢原教会(日本基督教団 伊勢原教会)。教会の設立は1917年。当初の教会堂は関東大震災で半壊し、1926年に現在の教会堂が建てられた。
江口治カ人・リツ子夫妻が通った。
ここで、「江口眼科」の往時を知る地元の方のお話を伺った。

◆江口治カ人は温厚篤実なクリスチャンとして、貧窮者には無料で施療した。また日露戦争後の不況による貧困の増大、1908(明治41)年の大火災によって集落全戸消失によって困窮した人々のために自彊(自強)組合を結成して人々自らが貧窮を克服するために活動した。治カ人没後も組合の活動は続けられ、戦後の1952年に解散するまで実に43年もの間、地域を支えた取り組みであった。
現在、伊勢原の板戸に治カ人の遺徳を讃えた「頌徳碑」(自彊組合碑)が建っている。
民権散歩当日は地元・板戸地区の自治会長さんが碑の由来を説明してくださった。碑の建立から65年を経て治カ人という人物が再発見されたわけである。

DSCN3941頌徳碑(自彊組合碑).jpg
頌徳碑(自彊組合碑)。伊勢原市板戸829番地にある。

*治カ人の没後、リツ子夫人たちは息子の壽が医師として勤務していた函館に移住。
現在、函館市末広町に江山堂・江口眼科病院があり、現在の院長・江口秀一郎氏は庄内藩に御典医として出仕した初代から数えれば6代目となるとのこと。以上は湘南社の人々を調査する中で明らかになったことである。

*伊勢原の”赤ひげ”、江口治カ人について、今年3月の東京新聞(3/8付)や北海道新聞(3/17夕刊)でも紹介された。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/metropolitan/list/201703/CK2017030802000190.html
*伊勢原市のHPでも紹介されており、頌徳碑の碑文を活字に起こしてくれているのがありがたい。
http://www.city.isehara.kanagawa.jp/docs/2016120700056/




「共謀罪は廃止しなければならない!」神奈川集会[2017年10月24日(Tue)]

「共謀罪は廃止しなければならない!」神奈川集会
国際人権法国連人権理事会特別報告者

講演 海渡雄一 弁護士

と き:2017年10月28日(土)14:00〜16:30(開場13:30)
ところ:横浜市開港記念会館 1号室(日本大通り駅下車1分)
資料代:500円

★主催★「共謀罪NO!神奈川市民集会」実行委員会
実行委員長:山際正道(元神奈川高教組委員長)


◆改憲を阻む市民の連帯にとって、「共謀罪」法は放置できるものではない。
戦時下横浜事件を経験し、戦後も市民運動の長い歴史と広い裾野を持つ神奈川県民にとってはなおさらだ。

国会での答弁不能大臣のことも「中間報告」という奇手で強行採決に持ち込んだことも、ついこの前のことであるのに、たらし込まれた脳みそは忘れかけていないか?
「共謀罪」廃止は、覚醒したまっとうなことばを求めるたたかいになる。
1942年、神奈川県特高警察が謀議の容疑で雑誌編集者ら数十名を検挙、4名を獄死させた言論弾圧事件。

◆海渡弁護士は、先般も、国連人権特別報告者ジョゼフ・カナタチ氏を迎えてのシンポジウムを実現し、今月、市民のためのわかりやすいガイドブック『共謀罪は廃止できる』(緑風出版)を上梓したばかりだ。最新の情報に基づいた講演となることを期待する。
ぜひご参加を。

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昨日に続き東名高速下のトンネル出口の壁画(伊勢原市)


「国難選挙」の投票率[2017年10月23日(Mon)]

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東名高速の下を抜けるトンネルの壁画。
「市民壁画美術館」と銘打ってカラフルな壁画が目を楽しませてくれる。
(伊勢原バス停下。神奈中バス「〆引」バス停から雨岳文庫に向かう道。)

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「国難選挙」の投票率

◆戦後2番目の低い投票率とされる今回の衆院選(小選挙区)の53.68%(全国)。戦後最低の前回2014年は52.66%であったから、回復したとまでは言えない。台風21号による荒天が影響したにしても。

◆総務省が発表した都道府県ごとの投票率一覧表に▼印がついていた。戦後最低投票率を記録した府県(すなわちいずれも前回を下回った自治体)である。北からすべて挙げると茨城・埼玉・千葉・神奈川・京都・大阪・兵庫・岡山・徳島である(東京都は微増)。東京都を囲む県および、京阪神の府県が多い。徳島は台風の影響が大きかっただろうと推測されるが、その他はいずれも人口集中地域である。雨風の影響を補う交通機関の便には恵まれている地域であるだろうことを考えれば、空模様が投票意欲を低下させたこと以上に、手にした1票の軽さが政治離れを促しているのではないか、気になる。
ちなみに昨年7月の参院選の投票率は選挙区で54.7%だったので、今回の衆議院総選挙はほぼ1ポイント下回った。

◆地元、神奈川も前回から2ポイント近く下がって戦後最低を記録(51.97%。前回は53.88%)した。

これまで夏の参院選に合わせて高校生の模擬投票などを全県立高校で行ってきた神奈川県教委は、3年生の就職試験や定期試験などと重なったことから、今回の衆院選に焦点を当てた取り組みはできなかったものの、年間カリキュラムに組み込んで神奈川式「シチズンシップ教育」を進めているので大丈夫、と胸を張っていたそうだ(10/21の神奈川新聞記事)。果たしてどうだったか。
教員に窮屈な制約を課したままで進める「主権者教育」、その成果が現れているのかどうか、年齢別の投票率発表を待ちたいところだ。

民権散歩・伊勢原編(2)[2017年10月22日(Sun)]

「湘南社」民権散歩・伊勢原編(2)

DSCN3960シュウメイギク@旭せんべい店内庭にて-A.jpg
◆伊勢原民権散歩で訪れた旭せんべい店の内庭に咲いていたシュウメイギク。雨に洗われた緑の中に白い花びらが印象的。
花の名は同店の奥様に教えていただいた。
奥に八重のシュウメイギクも咲いています、と教えられて拝見すると、下の写真のように花は雨に煙る大山の方角を向いている風情で、正面を拝むことは出来なかった。対照的な紫の花であるのがゆかしい。

DSCN3962シュウメイギク八重@旭せんべい店-A.jpg

◆旭せんべい店や左隣にある鮮魚店「魚亀」のある辺りは、かつて料亭・宿屋であった玉川楼のあった場所で、そのことを物語るように、旭せんべい店の内庭には「霊魂祭」と記した小さな碑が残っており裏面には「トヨ」と名前が刻まれている。供養塔であろうとのことだ。

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(以下、民権散歩当日の説明と「資料」より)
◆玉本楼は民権家たちの懇親会場としてしばしば利用された所であり、土佐の植木枝盛(1857〜1892)も1882(明治15)年12月に淘綾(ゆるぎ)・愛甲・大住3郡の忘年懇親会で演説し、翌年一月には南金目村や片岡村(ともに現在の平塚市)でも演説しているという。
同じく土佐の板垣退助らとともに自由民権運動を率い、男女普通選挙・基本的人権の保障・抵抗権の主張など徹底した民主主義思想を説いた人物である。相州民権家たちを大いに鼓舞したことだろう。

◆当時、玉本楼の下には池があり、遊覧船が浮かんだという。
その池の端にあたる旭せんべい店の裏手は崖で、下の様な石垣が積まれている。伊勢原断層が通っており、関東大震災で崩れた石を再び積み直したものだそうだ。

DSCN3949旭せんべい店裏手の石垣-A.jpg

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衆院選

◆ここ神奈川12区は接戦が予想されたせいか、雨が激しい時間帯でも投票所に足を運ぶ人が多い印象だった。
全国の投票率は、最低だった前回よりはマシ、という程度であるらしい。
ウソ丸出しの政治への愛想づかしがまだ続くのだろうか。

◆週明け、疑惑の加計学園獣医学部新設について文科省の大学設置・学校法人審議会がゴー・サインを出すのではないか、また同じタイミングで渦中の加計幸太郎理事長の記者会見があるのではないか、という観測が流れている。
なめられたものだ。

◆同様に自民優勢の情勢が見えたのと同期させるように、21日の読売新聞「東京五輪招致、票とりまとめか…仏紙が報道」という見出しでル・モンド紙が20日に報じた東京五輪招致買収問題を報じた。疑惑を裏付けるラミン・ディアクIOC委員(2013年当時)のメールが見つかったという記事だが、東京招致委員会がシンガポールのコンサルタント会社経営者に支払ったカネで選考委員に買収工作を行ったというニュース自体は随分以前に取り沙汰されていたものだから、このタイミングで読売が報じるのは、もう何があってもオーケー、と瀬踏みした上での、「今さらですがニュース」でしかない。
これまた国民をナメ切っている。

どれもこれも都民・国民の血税によらないものは一銭もないはずだ。

◆若き日のアベ首相が勤務していたことがある神戸製鋼の不正問題にしろ、人件費を切り詰め、もうけをフトコロに貯めこむことを最優先でやって来た結果ではないのか。

政治も企業もスカスカの軽石だけの城壁の上に乗っかっているみたいだ。
石積みの間を埋めるべき信頼はドブに捨ててしまい、もはや瓦解寸前に見える。


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