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塹壕のなかで[2019年08月24日(Sat)]

DSCN9883.JPG

切り岸の上に2つの碑が並んで建っていたので、上って確かめてみると、どちらも1905年3月に日露戦争で没した人たちを悼む碑であった。
さらに上ったところにテッポウユリが咲いていた。

*******

夢うつつに   ウンガレッティ (河島英昭 訳)

(はずか)しめられた夜にぼくは立合っている

空は撃ち抜かれた
刺繍みたいに
一斉射撃で
兵士たちは
みな隠れた
壕のなかに
殻にこもった蝸牛(かたつむり)みたいに

遠くで
悲しみに打ちひしがれた
石工たちが
ふるさとの小道の
火成岩の
石畳を叩いている
見えはしない
聞こえてくるのだ
それが夢うつつに

 1916年8月6日、第四高地の塹壕で


岩波文庫『ウンガレッティ全詩集』(2018年)より。
*原訳書は筑摩書房、1988年。

◆ジュゼッペ・ウンガレッティ(Giuseppe Ungaretti, 1888-1970)が第一次世界大戦に従軍したおりの詩。
砲火の間に垣間見えたアレクサンドリアの光景だという。

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