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小澤征悦のファミリー・ヒストリーと公文書[2019年08月12日(Mon)]

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歩道に「影を正しうす」という姿で絶命していたアブラゼミ。

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公文書は大事だ

◆12日のNHK「ファミリー・ヒストリー」〈小澤征悦〜謎だった曽祖父の行方 75年ぶりの真実〜〉に驚いた。

母(女優・モデルであった入江美樹。本名ヴェラ)方の曾祖父・ピョートル・ニコライヴィチ・イリイン(1889-1954)の生涯をたどることを可能にした公文書の存在である。

一つは、ピョートルの生まれたトボリスク市の国立アーカイブ資料館にあった1897年の国税調査の記録である。ピョートル7歳の記述とともに、父親をはじめ、家族の来歴までが記録されていた。

もう一つは1945年9月、かつて白軍兵士であり外国(ハルビン、大連)に逃れたかどで、ソ連政府により25年の懲役刑を宣告されたピョートルの死をめぐる記録である。

ピョートルが収容されたのはカザフスタンにあったカラガンダ矯正収容所。
番組取材班の照会への返書であろう、カラガンダ収容所の記録を記した回答文書にピョートルの最期が詳しく記されていた。1954年4月26日に病死したこと。埋葬されたのはペスチャンヌイ第9収容所、墓石番号B27であることまでが記されてあった。

◆日本で言えば明治30年代に生まれ敗戦後まで生きた人物の生涯。
記録ぐらい残っているだろうと軽々には言えない。
公文書が一族の系譜をたどる資料として力を発揮した実例を番組で目の当たりにすれば、彼我の公文書保存への基本姿勢の違いは明らかだ。

◆2015年春に日本の国立公文書館でJFK展が開かれた折(キャロライン・ケネディ氏の駐日大使就任にことよせて開催)、アベ首相は資料協力を仰いだ米国立公文書館にならって我が国も公文書館を充実させたい旨語っていたはずだが、その後の森友・加計疑惑が証明しているように、公文書保存に力を注ぐどころか、文書改竄を仰せつかった財務省職員が自死したことさえ黙殺して今に至っている。
公文書隠滅が当たり前になったと言って良い。

◆だが、それもまた今に始まったことでない、ということも今回の「ファミリーヒストリー」は思い出させた。

それは、ピョートル(小澤征悦の母方の曾祖父)が収容所で懲役刑に服していたのと同じ時期に同じ収容所にいた阿彦哲郎(あひこてつろう 89歳)という日本人のエピソードである。
敗戦時に樺太にいた阿彦氏はスパイの嫌疑で逮捕され収容所送りとなった。やがて日本人の帰国が始まったものの、阿彦氏は名簿から漏れていたために帰国の機会を失ってしまったのだという。
ソ連側の帰国予定者名簿に不備があったとしても、帰国できた日本人への聞き取り調査や旧・樺太在住の邦人について徹底的にリストアップする日本政府の努力が継続されていれば、阿彦氏にも帰国のチャンスが訪れていたかも知れない(氏はその後収容所近くに暮らして家庭を持った。番組は、高齢で不自由な体の阿彦さんが娘さんの世話を受ける姿を映していた)。

敗戦の日を前に戦争特番が多く放送されている中で、ロシアあるいは南洋におけるずさんな遺骨収集と問題隠蔽の実態を取り上げたドキュメンタリーもあった。

数知れぬ棄民の歴史を今なお塗り重ねて恥じない。
脳みそが沸点に達する思いだ。

JFK展の記事は
http://blog.canpan.info/poepoesongs/archive/126
http://blog.canpan.info/poepoesongs/archive/128




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