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松永浩介「希い」[2019年08月10日(Sat)]

希い   松永浩介

すべての蕾をしてふくよかに
花々の香りを野にみたさせるために
さえずる小鳥らをして存分に
樹々の小枝にとびわたらせるために
大地にふりそそぐ太陽の光を原子雲で
怪しく曇らせぬために
……平和を……たしかな平和を

あれらのこども
あれらのおや
われらのはらからをしてまどかに集い
心たのしく語らせるために
星 その笑みかけるまたたきをさえぎらせぬために
平和を……限りなき平和を

そのはるかな呼びかけにこたえ
こだまを強く打ち返すために
山を越えろ
歌よ
海をもわたれ。


 小海永二・編『日本の名詩』(新装版、大和書房、1983年)より

◆戦後間もない時期の詩の言葉に濁りや韜晦が少ないのは、沈黙を強いる圧力が消えたことによるばかりでなく、「平和」の二字の担う意味がハッキリしていたからだろう。
「平和」に「積極的/消極的」の違いもなければ、「平和主義」というような食えるか食えぬかわからない観念のようなものでは金輪際なく、ブロックを積み種の芽生えを促すように、死や飢餓から解放された心身を世界に対して具体的に働かせることを意味していただろう。

平和に倦み、戦時の到来を冀(こいねが)うような倒錯した時代が訪れようなどと考えはしなかったに違いない。

世の中が複雑になったため、というより、複雑に見えるものを腑分けしシンプルに理解する手わざを忘れてしまったからだ、と思える。


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