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タクアンの尻っ尾を囓る[2019年08月08日(Thu)]

浦上へ   山田かん

市街地の外れ
終着した電車より降りるぼくは
さて どこへ行こう
もともとあてもなく
やはり爆心へきてしまったのだ
空電車は
軌条をすでに小さくなった
丘にそびえた国際文化会館
あれはまるで板チョコだ
舗道の一隅
雑草のなかの石材に
原爆無縁仏と読まれて
香華もなく
重い雲は
むこうの岩屋岳にどっとかぶさっている
吹きまくる透明の風に
かすんでいく野球場もあった
競輪場からは津波のように
なんという喚声なのだ
酒場も洋食店も
ひととおりそろったが
流れる血汐をも裂いた地殻に
傷はかくもはやく癒えたか
電車にものらずひき返し
黄ばんだ顎でタクアンの尻っ尾を囓る
頸すぢに部厚なケロイドの狂女
と出会ってしまった
彼女は爆心へむかっている


木島始・編『列島詩人集』(土曜美術社出版販売、1997年)

山田かん(1930-2003)は長崎市生まれの人。

「タクアンの尻っ尾を囓」りながら爆心へとむかっている狂女から見れば、ヒロシマとナガサキの間を縫うような日取りに慶事の報告を官邸で行った3世議員と、そうした私事さえも人気取りに利用するやはり3世議員である官邸の主とその提灯持ちたちの心底こそが尋常でないと見えるはずだ。

尋常ならざるニュースを消費することを奇異に感じない我々の玉の緒こそ、タクアンの尻っ尾のように囓られしゃぶられているのだ。

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