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やまゆり園事件から3年[2019年07月25日(Thu)]

DSCN1293マツバギク.JPG
マツバギク。
梅雨明けを待っていたかのように蟬が鳴き始めた(24日)。

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津久井やまゆり園事件から3年

◆26日で相模原市の津久井やまゆり園事件から3年となる。
横浜拘置支所に勾留中の植松被告の「障害者は周りを不幸にする」という考えは現在も変わらぬようだ。

◆22日、相模大野にあるホールで神奈川県などの主催する追悼式があった。
報道によれば黒岩知事は「寒い冬のラーメンを楽しみにしていたあなた」「小学生と二人三脚をがんばったあなた」と犠牲者それぞれのエピソードを読み上げたという(7/23朝日新聞朝刊)。
一人ひとりが名前で呼んでもらえないのも3年前と変わらない。

家族にとってはあの日までその名で呼び、あの日以後もその名で呼び、記憶し続ける名前。その名前で呼ばれることがない、というのは、家族といきさつを知る人々の中にしか存在することを許されないことを意味しないか?事件への対応のうち、最も腑に落ちないことである。

◆扱い方が変わらないのは我々の意識もまた変わっていないことを意味している。
今夕のNHK首都圏ニュースは障害者への差別や偏見に関する世論調査の結果を報じた。

【7月25日 NHK NEWS WEB 障害者差別「社会に」が8割近く
https://www3.nhk.or.jp/lnews/shutoken/20190725/1000033201.html

◆質問の1つは〈今の日本の社会に障害のある人への差別や偏見があると思うか〉で、これに対する回答は、
A「かなりある」=18%、
B「ある程度ある」=60%、
C「あまりない」=15%、
D「まったくない」=2%
以上から、「ある」と答えた人が77%にのぼった、としている。
*(18+60=78)であるのを記事で「77」としているのは小数点以下を含めた合計の数字だろう。
「1」のズレについて説明しないまま伝えたのはいかがなものかと思うが、ニュースの見出し〈障害者差別「社会に」が8割近く〉は確かにその通り、ということではある。

だが、この見出しから視聴者が受ける印象はどうだろう。

◆第一印象は大いなる脱力感とでもいうべき感じだった。
「8割」という数字を押し出して目に焼き付けさせる無慈悲さと言い換えたらいいだろうか。
報じ方の残酷さ、と言っても良い。

◆その理由を考えてみた。
設問は、社会に差別があると感じるか、というもので、回答者の意識を問うている。
あなたはそのことを課題として認識していますか、という含意がある問いだと言っても良い。
ところが、記事の見出しは”社会の大多数は「差別」の存在を容認している”かのような印象を与えるのである。
「8割近く」という数字が圧力のように作用している。

しかし、冷静に考えれば、これは容認派や現状肯定派の数字なのではなく、社会に障害者への差別・偏見があることを見つめ、課題だととらえている人々が8割近くもいる、ということを示しているのである。
ならば、別な見出しでなければいけない。

◆2つ目の質問は〈自分自身に障害のある人への差別や偏見があると思うか〉というもので、回答は、
a「かなりある」=3%
b「ある程度ある」=22%
c「あまりない」=46%
d「まったくない」=22%
障害者への差別や偏見が「ある」と答えた人は25%だった、と述べている。

問いは、自分自身をどうとらえているかを訊いているに過ぎない。
一般に、障害者への差別や偏見を公然と言動に示す人は数の上で多いとは思われない。
aやbと答えた人はむしろ自分を振り返る内省力をそなえた人というべきだろう。

一方、cやdに答えた人の中には差別・偏見は絶対にすべきでないと強い信念を有する人から、ふだん特に意識したことがないという人まで幅がありそうだ。
7割近くを占めるcやdの人々の中に、障害者への差別解消に後ろ向きの力となってしまう人たちが一定数いるだろうと想像する。また、イジメ同様に、差別はそれを行う人間には自覚されていないことも多いだろう。しかし、その問題は別途考えるべきことだ。

いずれにしても、この問いも自分の意識を問うもので、障害の当事者およびその家族が社会の中で出くわす差別とは直接関わらない。

◆この記事、見出しに脱力感を覚えたのは、報じる側に現状容認の気分があるためのようだ。

データから希望の芽を見出すには、アンケートに回答する人間の意識を想像し、かつ障害者とその家族の立場に立って手がかりを探し求める必要がある。

記事では2人の専門家のコメントを伝えている。
希望を求めてやまない志が取材者にあれば、コメントの引き出し方と伝え方に、なお工夫がありえたはずだ。

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