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〈涙の かれ谷を……〉[2019年07月05日(Fri)]

DSCN1167.JPG
アカツメクサ

*******


流れる   境 節

水が流れる
どこから?
わからない
そのままで とべ
いつわりの人生など ないと思え
打楽器の音がきこえてくる
見えなかった さそわなかった
彼方から
すでに水の音は消えて
人の動きに似た 打楽器の音だ
足音はしない
空がかがやいている
はじめての音がきこえる
人の声が もれる
地団駄を踏む音
こどもは 消えた
音がゆれる わき水が流れる
音が澄む
これ以上は無いといった 澄みかたで
いたらなかった おもいが
つみかさなって
涙の かれ谷を渡って行く


*現代詩文庫『境節詩集』(思潮社、2015年)に拠った。


◆自問自答しながら蹌踉と空谷をゆく人。
水の音と入れ替わるようにしてきこえてくる打楽器の音は、いくさが近づいていることを告げるのだろうか。

足音がしないのは、夢の中を彷徨しているからか、それとも、もうこの世ではない所に足を踏み入れているからか。

やがて人の声が聞こえてきても、子どもの姿は消えてしまっている。
音のゆれは彼らがいたことの名残りであろうか。
それともわき水としてふたたび現れた水の流れによって谷の空気がかすかに揺曳しているからだろうか。

どこかへ向かっているのだが、ついにどこにも着くことのない谷を、幾人(いくたり)もの人間たちの思念だけが、孤独と悔いのさまをいよいよ露わにしながら転(まろ)ぶように進んでゆく。



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