CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る
« 2019年05月 | Main | 2019年07月 »
<< 2019年06月 >>
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            
最新記事
カテゴリアーカイブ
月別アーカイブ
日別アーカイブ
「ブブノワさんの絵画」展[2019年06月09日(Sun)]

「ブブノワさんの絵画」展を観た(早稲田大学・會津八一記念博物館)。
だいぶ前に町田市の版画美術館で、ブブノワさんの本領である版画作品に接する機会があったが、水彩やパステルを中心とした絵画は初めて。また別の印象を覚えた。

ブブノワさんの絵画.jpg
〈人間が扉をあけた〉1973年、水彩
 *「ブブノワさんの絵画」展図録表紙
 画像はいずれも同展図録より。作品はすべて會津八一記念博物館所蔵。

◆最も目に焼き付いたのは〈紅葉〉と題する水彩画。
燃えるような紅葉と青空の色の対比が素晴らしく、山も空も、そして大地も動的で、見る者を画の中に引き込む。
道の先に小さく傘をさした一人の人物が描かれているが、見る者は、その人物に招き寄せられ画の中に入って行くような感覚を覚えるのである。

ブブノワ「紅葉」_0002.jpg
〈紅葉〉(水彩、35.5×48.0cm)

◆戦後の焼け野原を描いた作品も多い。

焼け跡に立つ二人の人物.jpg
〈焼け跡に立つ二人の人物〉(パステル、36.2×24.7)

◆「ワルワラさん」と日本のロシア文学関係者に親しまれたワルワーラ・ドミートリエヴナ・ブブノワ(1886-1983)の来日は1922年の6月。
日本人・小野俊一と結婚した妹のアンナ(1890-1979。ヴァイオリニスト。後述)を訪ねて母とともに来日したがそのまま日本に暮らすことになり、美術の分野はもとより、ロシア語・ロシア文学を日本の学生たちに教え、東京外国語学校、早稲田大学で多くの人材を育てた。戦中、敵性外国人として監視・迫害を受けた時期を乗り越え1958年の離日まで「ワルワラさん」と呼ばれて親しまれた。

◆本展図録には教え子の一人である安井亮平氏が「ブブノワさんと早稲田」を書いて下さっている。
プーシキン、レールモントフ、チュッチェフらの詩をひもとくブブノワさんの授業とその人となりを畏敬の念とともに伝えてくれる。その一節を紹介する。

やや低い美しい声で、「深い深い湖のような碧い眼」(平塚運一)を輝やかせ、骨太な手を巧みに使って、小柄な身体全体で表情豊かに朗唱される。実にすばらしい。まるで音楽である。かつて二葉亭四迷が感激したロシア語の文調を、ブブノワさんのおかげでわたくしたちも味わうことができたのだった。
朗読の後黒板に詩を書かれる。わたくしたちはそれをノートに書き写す。次に語句や文体、詩の形式や内容を、平易で美しいロシア語で説明される。その間も何度も暗唱してくださる。複雑な内容を平易なことばで説明されるのは、実に見事であった。


ブブノワさん多磨霊園.jpg
多磨霊園の母と夫の墓所の傍らで

◆会場入り口に置いてあった小野有五氏のパンフレットで、ブブノワ姉妹の記念碑が多磨霊園の墓所に建てられたことを知った。
小野有五氏は小野俊一の子。
ヴァイオリニスト・小野アンナもまた音楽の分野で巌本真理、諏訪根自子、前橋汀子ら多くの逸材を育てた。
姉妹の日本文化への寄与を記念する記念碑は、ブブノワさんのエッチング「聖母子」を刻んで2016年、小野家の墓所に建てたものという。
小野家墓所は多磨霊園の6区1種5側11番にあり、姉妹の母アンナ・ニコラーエヴナおよびブブノワさんの夫ウラジーミル・ゴローフシチコフも現在は同所に眠るという。

◆「ブブノワさんの絵画」展の会場を出て左の展示室は同館所蔵作品の通常展示スペースだが、入ってすぐの所にもう一点ブブノワ作品が展示されていた。
油彩による日本婦人像である。また別の発見があった。

「ブブノワさんの絵画」展は6月16日まで。


| 次へ
検索
検索語句
最新コメント
根来珠青
銃剣道 歴史に目をふさぐおぞましさ (03/29) 当ブログ管理人
ジャーナリスト・安田純平さん解放との報【追記】 (10/26) 3億円で買える銃と弾
ジャーナリスト・安田純平さん解放との報【追記】 (10/25) マキシミリアナ・マリア・コルベ
コルベ神父のこと その2 (06/23)
若き音楽家リュカ・ドウバルグ (06/09)
タグクラウド
プロフィール

岡本清弘さんの画像
http://blog.canpan.info/poepoesongs/index1_0.rdf
http://blog.canpan.info/poepoesongs/index2_0.xml