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伏流水に耳を澄ます[2019年06月04日(Tue)]

DSCN0948.JPG
すっかり夏の雲である

*******


失った言葉   青木みつお


言葉をつかう
言葉をひきだす
言葉と言葉がより合わさり
新しく言葉を生む

砂地の下の伏流水は
ある日どっとあふれてくる
わたしのなかで
抑えきれない勢いになって

失った言葉の花々が
咲き乱れている
誰もふりかえらなかった


匂いも色も
あったものを


『詩集(バラード) 人間家族 (あけび書房、1994年)


◆第1連の〈新しく言葉を生む〉とは、相手とことばをやりとりす営みから新たに生成するものがあることを言う。
伏流水のようにわたしの中から湧きでてくるように見えるが、実は相手の中にも伏流水が存在し、それが私に滲出しあふれ出てくるのだ。
人間が人と人との間に存在するものとして立ち現れる、ということの深い意味がここにある。
相手の中に「花」を見出したとき(たとい十全に咲くことが叶わなかった形であったとしても)、その彩りと香は目と鼻腔を通してわが身を満たさないはずがない。
その意味では「花」は自他の間にこそ咲くのだ。

作者は福祉事務所のケースワーカーを経て児童福祉司となった人。
困難を抱えている人たちだけでなく、福祉事務所や児童相談所で働く職員の待遇改善のためにも奮闘してきた経歴を持つ。生きがたい人生を苦闘する人々の権利を保障し、その声に耳傾けるところから生まれた詩群を収めた一冊だ。

◆川崎市登戸の事件のあとに起きた練馬区の事件、送検される父親の印象を、さるキャスターは「自分でホッとしたような表情に見える……人様に迷惑をかけないで済んだという感情のあらわれのような」と述べたという。
1シーンを切り取ってコメントするのがTV業界の習わしとは言え、父親の苦衷・懊悩がこれで終わりとなるはずもない。
悲劇が繰り返されないためにこの事件から何がくみ取れるのか、殺された長男の視点、母親の視点、医療・福祉など外部との接点等々、まだ語られていないものを呈示(ないしは、せめて示唆)するのがメディアに関わる者のつとめであろうに。

父親について言えば、わが子の命を己の手で奪った老親としての苦しみが新たに加わった。
そして彼が引き受けねばならない仕事がなおも、この先に待ち受けているはずだ。



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