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5・3憲法集会 本田由紀さんスピーチ[2019年05月04日(Sat)]

◆昨日の憲法記念日に行われた集会を伝える朝日新聞記事(社会面)に驚いた(下の写真)。
改憲・護憲双方をざっと同じ分量載せれば「公平中立」だと考えたのだろう。写真の高さ、大きさを同じにし、それぞれの上に配した見出しも「 」を含めて共に10字分。
憲法をめぐって対立する立場双方を平等に扱っていますよ、などという言い訳は誰を意識しているのか。
集会の様子を伝える記事本文自体の分量は護憲派18行VS改憲派16行。朝日としてはここに護憲のスタンスを滲ませたつもりかもしれないが、だとすれば姑息。

190504朝日新聞憲法集会記事.jpg

◆改憲論者が権力の座にあるわけだから、メディアへの露出度、行使できる影響力の差が最初からある。それを見かけ同じに扱うのは、実際には権力側に加勢することと同じだ。

実は記事はこれだけではない。
1面左上には「首相、9条改憲に意欲」の見出しで4段組の記事があり、そこで改憲派集会に寄せたビデオメッセージについて書いているのである。
サブ見出しの「来年施行 見通せず」によって情勢を伝え、ブレーキを効かせてもいるのだが、「首相/改憲に意欲」のフレーズが繰り返されれば読者の意識に刷り込まれ改憲への抵抗感を薄めて行くだろう。

「首相、9条改憲になおも執着」ぐらいの見出しを付ければ社論を闡明することになるはずだが、その勇気はないのだろう。
しかし、そのぐらいの気概をもって力なき者の側に立つところにジャーナリズムの真骨頂があるのではないか。

*******

◆その「2019 5・3憲法集会 −許すな!安倍改憲発議−2019 平和といのちと人権を!」のスピーチから本田由紀さんの渾身のメッセージを文字起こしして紹介する(映像で迫力を感じて欲しいと切に願いつつ)。

*Youtubeにアップされた下記の動画の投稿者に感謝いたします。
https://www.youtube.com/watch?v=oZjx5cNacXQ

*なお集会の全体は下にアップされています。
https://www.youtube.com/watch?v=gVB5a56pw2E


本田由紀さんスピーチ(全文)2019.5.3憲法集会(東京・有明防災公園)

皆さん、こんにちは。
素晴らしい歌声にやや放心気味ではあるんですけれども、ちょっと頑張って気を取り直してお話ししたいと思います。

私の専門は教育社会学という学問分野なんですけれども、今日はその社会学という立場から、憲法をいじっても何も変わらない、あるいは憲法をいじらなくても取り組んで変えて行けるし、変えていくべき日本社会の現状についてお話ししたいと思います。

少し歴史を遡ります。第二次世界大戦の敗戦後の昭和期は、経済成長に牽引される形で社会全体の循環が――一応は、という形ですけれども――成立していました。勤続年数と共に上がる賃金を、主な働き手としての男性が家に持ち帰り、妻であり母である女性はそれを消費だけでなく、子世代の教育に熱心に投入していました。家族の費用負担と教育意欲に支えられて、子世代の高校進学率は急激に上昇し、次いで高校卒業後の進学も拡大し、教育を終えた子世代は、新卒一括採用という日本独特の慣行により、スムーズに仕事の世界に入って行っていました。

しかし、この循環は大きな負の側面をも伴っていました。性別役割分業を前提として、子供や高齢者のケアは家族の中の女性が担うことが美徳とされていました。家族を養うために、企業に抱え込まれる「社畜」、会社人間、過労死といった問題が既に浮上しており、有利な就職を目指す受験競争が教育の荒廃を招いた、いうことも指摘されていました。

このような日本社会の中の循環が平成初期のバブル経済の崩壊をきっかけとして、以後長きにわたって平成の期間の間に崩れて来ました。経済の低迷と団塊世代の人件費負担の重さから、90年代半ばから今世紀にかけて、安定した職を得られない若年層は一気にふくらみました。いわゆる就職氷河期、超氷河期世代です。少しでも良い就業機会を得ようとして、大学進学率は急増しました。しかし高額の授業料をまかなうために受けた奨学金は卒業後の負債として彼らを苦しめました。労働条件の悪さから家庭を持てない若者が増え、それは少子化を加速させ、人口減に歯止めをかけるチャンスは永遠に失われました。

日本には存在しないと竹中平蔵が言った貧困問題が、データによって明るみに出ました。しかし税収が伸びないところに高齢者の社会保障支出が増加し財政赤字が膨らんだことを理由に、政府は困窮者のセーフティ・ネットや教育への公的支出を切り詰め続けて来ました。
そして、平成の終盤には、安倍政権によって、こうした社会循環の崩壊にツギを当てようとするような施策が立て続けに打ち出されました。――女性の活躍、外国人労働者の受け入れ、消費増税、金融緩和、軍備増強(!)――しかしそれらの底にある「つべこべ言わずにお国のためになれ」とも言うべき安倍政権の人間観はますます露わになりつつあります。一方的に愛国心などの道徳を注入しようとする教育課程の改編がその典型です。

自らの政権の延命のためには、力を増してきた近隣のアジア諸国や、苦しい状況にある人々への憎悪を掻き立て、利用する、そのような政権となれ合い、官製株式相場に支えられて労働者に収益を回さない経営者たちにより、働く者たちの困窮と生活苦は強まっています!

他方で、世の中の人々の中には、もうこのままではダメだ、この社会は変わらなければならない、という覚悟が徐々にせり上がっているようにも見えます。

米国追従外交の負荷を背負わされた沖縄の粘り強い抵抗、時に自民党の政治家も加担して行われるハラスメントや性犯罪への怒りを込めて上げられる「#MeToo」の声、醜いヘイト・デモを圧倒するカウンターの迫力、困窮する人々に食事と住処をまず保証しようとする草の根の動きなどに、そうした市民の覚悟は表れています。

もう過去の昭和期の循環には戻れません。そしてそれらは既に数々の問題を含んでいました。そして平成の間にその循環はすっかり壊れています。
それならば私たちは新しい社会の循環を自分たちの手で生み出して行くしかありません。
そしてそれは全ての人々が憎悪も軽蔑も向けられることなく、生活の基盤とその多様な意思と可能性を実現して行くことを、社会の中に偏って存在する資源を分け合いながら支えて行くような、そういう新しい社会循環です。

その資源の総量を確保するためにも、経済の合理化と再活性化は不可欠であり、それを支えるのは、高度な知識と専門性を得る機会の保障です。どのような家族に生まれたとしても人生を閉ざされない社会をつくり出すためには、教育の果たすべき役割は一層大きくなります。憎悪と侮蔑に満ちた社会から個々の人々への信頼と支持に満ちた社会へと転換していくこと以外にこの国が存続するすべは残されていないことを私たちは銘肌すべきです。この課題に正面から取り組むことなく、ぬるぬるグズグズと、ゾンビのように社会の問題を引き延ばし、むしろ悪化させ、人々を踏みつけにしている現政権に憲法をいじらせてはなりません。
どうか皆さんのお力を貸してください!!
 


*******

★その本田由紀さんの講演会が来週、藤沢でもある。
主催は「みんなの教育・ふじさわネット」だ。

本田由紀さん講演会
〈変容する社会に生きる若者と教育・仕事〉


5月12日(日) 13:30〜16:00(開場13:00)
藤沢市民会館第2展示ホール(藤沢駅南口より徒歩10分)



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