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ゲルニカ 平和 自由[2019年04月26日(Fri)]

◆4月26日、ゲルニカ空爆の日である。1937年のことだ。

「ゲルニカはオラドゥールとおなじように、ヒロシマとおなじように、生ける平和の町だ。これらの廃墟は、恐怖(テロル)よりももっと力強い抗議の声を挙げているのだ。」
と書いた抵抗の詩人ポール・エリュアールの作品から、よく知られた『自由』を。

オラドゥール…フランスのオラドゥール・シュル・グラヌという村。1944年6月10日、ナチス親衛隊により、たった一日で住民の殆どが虐殺された。


自由  ポール・エリュアール (安藤元雄訳)

学校のノートの上
勉強机や木立の上
砂の上 雪の上に
君の名を書く

読んだページ全部の上
まだ白いページ全部の上に
石 血 紙 または灰に
君の名を書く

金色の挿絵の上
兵士たちの武器の上
国王たちの冠の上に
君の名を書く

ジャングルと砂漠の上
巣の上 エニシダの上
子供のころのこだまの上に
君の名を書く

夜ごとに訪れる不思議の上
日ごとの白いパンの上
結び合わされた季節の上に
君の名を書く

切れ切れの青空すべての上
池のかび臭い太陽の上
湖のきらめく月の上に
君の名を書く

畑の上 地平線の上
鳥たちの翼の上
影を落とす風車の上に
君の名を書く

曙のそよぎの一つ一つの上
海の上 船の上
途方もない山の上に
君の名を書く

泡と立つ雲の上
嵐ににじむ汗の上
つまらないどしゃぶりの雨の上に
君の名を書く

きらきら光る形の上
色彩の鐘の響きの上
自然界の真理の上に
君の名を書く

目をさました小径(こみち)の上
伸びひろがった街道の上
あふれ出る広場の上に
君の名を書く

いまともるランプの上
いま消えるランプの上
一つに集まった僕の家の上に
君の名を書く

二つに切られたくだもののような
鏡と 僕の部屋との上
からっぽの貝殻 僕のベッドの上に
君の名を書く

くいしんぼうでおとなしい 僕の犬の上
ぴんと立ったその耳の上
不器用なその前足の上に
君の名を書く

僕の戸口の踏み板の上
いつも見慣れた品物の上
祝福された火の波の上に
君の名を書く

許し与えられた肉体全部の上
僕の友人たちの額の上
さしのべられる一つ一つの手の上に
君の名を書く

思いがけないものの映る窓ガラスの上
じっと黙っているときでさえ
心のこもる唇の上に
君の名を書く

取り壊された僕の隠れ家(が)の上
崩れ落ちた僕の烽火(のろし)台の上
僕の退屈の壁の上に
君の名を書く

望んでもいない不在の上
むきだしになった孤独の上
死神の歩みの上に
君の名を書く

立ち戻った健康の上
消え失せた危険の上
思い出のない希望の上に
君の名を書く

一つの言葉の力によって
僕の人生は再び始まる
僕の生まれたのは 君と知り合うため
君を名ざすためだった

自由 と。



安藤元雄・入沢康夫・渋沢孝輔 編『フランス名詩選』(岩波文庫、1998年)より


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