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黒板の桜の花[2019年04月05日(Fri)]

DSCN9999-A.jpg
新入生を迎えた地元小学校の桜。堂堂たる幹が枝をしっかり伸ばしてみごとな咲きぶり。


******

学校ごっこ   戸台耕二

桜並木の下を通って
六歳の童子は
真新しいランドセルを背負い
小学校へ向う
入学式のあと
連れられて入った教室には
赤いチョークで描かれた
黒板の桜の花が
におうばかりだった
家に帰ってから
弟妹たちに
その話を聞かせ
今度は自分が
クレヨンで
桜の花を描いて見せる
それはしかし
実際の桜とも
黒板の桜とも
まるで違っているのだった
それでも幼子たちは
そろってその夜
学校に入った夢を見る


 *『遊戯詩篇』(アディン書房、1980年)所収。

戸台耕二(1946年、東京生まれ)自身がこの詩について述べた文章を引く。

毎年春になると桜を見に行く。上野は古戦場、浅草は寺、そして谷中は墓だ。桜の樹の下には屍体が埋まっている、とは夢にも思わなかったころの思い出。その原点は、どうやら、代々木の森にほど近い小学校に入学した時にさかのぼるらしい。今ほど学校に管理主義がはびこっていなかった時代とはいえ、それなりの厳しさは当時もあったし、敗戦後間もなくということで、何より貧しかった。しかし、そうした重圧をはねのけるだけの力を子どもたちは持っていた。人を測る物差しは一つではないから、学校の成績などに一喜一憂することはない。絵だって稚拙でいいではないか。それぞれが自分の中に咲かせる花を持っていれば、そのほうがよほど素晴らしいことだ。そんな思いが、この詩を書かせた。
  
 ★詩、自注とも、小海永二・編『今日の名詩』(大和書房、1990年)に拠った。


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