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渋谷→独歩→ツルゲーネフ「あいびき」の少女[2019年01月25日(Fri)]

DSCN9826佐藤忠良牧羊神at渋谷西部B.jpg

◆渋谷で道に迷ったら西武デパートB館前で佐藤忠良の作品に出会った。
牧羊神だろうか、かつてこのあたりに暮らした国木田独歩をしのぶ文学碑。
伊藤整の撰文に言う――

明治二十九年、国木田独歩は愛妻信子に去られた悲しみを抱いてこの附近に住み、武蔵野を散策し田山花袋 柳田國男 宮崎湖処子などと交流した  伊藤整

昭和四十三年四月十二日
渋谷文学碑制作委員会
制作 佐藤忠良


◆独歩の「武蔵野」ツルゲーネフ「あいびき」に触発されたものだが、ちょうど渋谷のBunkamuraで開催中のトレチャコフ美術館所蔵品による「ロマンテッィク・ロシア」展に、この小説の少女・アクーリナが居た。

PPチスチャコーフ[ヘアバンドをした少女の頭部]1874.jpg
P.P.チスチャコーフ「ヘアバンドをした少女の頭部」(1874年)〈ロマンティック・ロシア〉展図録より

◆下に二葉亭四迷の訳を引くが、上の少女像が、その装いから表情に至るまで、生真面目なほど忠実に造形したものであることが分かる。

それは農夫の娘らしい少女であッた。二十歩ばかりあなたに、物思わし気に頭を垂れ、力なさそうに両の手を膝に落して、端然と坐していた。旁々(かたがた)の手を見れば、半(なかば)はむきだしで、その上に載せた草花の束ねが呼吸をするたびに縞(しま)のペチコートの上をしずかにころがッていた。清らかな白の表衣をしとやかに着なして、咽喉元と手頸のあたりでボタンをかけ、大粒な黄ろい飾り玉を二列に分ッて襟から胸へ垂らしていた。この少女なかなかの美人で、象牙をも欺あざむく色白の額ぎわで巾の狭い緋の抹額(もこう)を締めていたが、その下から美しい鶉色(うずらいろ)で、しかも白く光る濃い頭髪を叮嚀に梳(と)かしたのがこぼれでて、二ツの半円を描いて、左右に別れていた。顔の他の部分は日に焼けてはいたが、薄皮だけにかえって見所があった。眼(まなざし)は分らなかッた、――始終下目のみ使っていたからで、シカシその代り秀でた細眉と長い睫毛(まつげ)とは明かに見られた。睫毛はうるんでいて、旁々の頬にもまた蒼(あお)さめた唇へかけて、涙の伝った痕あとが夕日にはえて、アリアリと見えた。

*〈青空文庫〉によった。二葉亭四迷・訳のツルゲーネフ「あいびき」全文は下から読むことが出来る。
https://www.aozora.gr.jp/cards/000005/files/5_21310.html





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