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若松英輔「眠れる一冊の本」より[2019年01月17日(Thu)]

DSCN9642白菜の花.JPG
白菜の花

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『本を贈る』の掉尾を飾るのは若松英輔「眠れる一冊の本」という文章だ。
批評家として活躍してきた若松は、昨日の記事で触れたように、『見えない涙』『幸福論』という2冊の詩集を同じ装丁家、同じ校正者によって亜紀書房から出している。

若松の「眠れる一冊の本」は「言葉を贈る」というテーマで書かれている。
心に留まったことばをいくつか引いておく。

将来を見据えて人は、幾ばくかの金銭を蓄えようとする。貯蓄があれば、生きる不安が少しは和らぐ、そう信じている。今の日本のような、未来が不確定な社会では貯蓄熱はいっそう高まる。だが、人生の次元では言葉が光になる。自分の人生の行く末を考え、言葉を蓄える人は決して多くない。未来のために金銭を準備するが、言葉をそうしている、という人の話はあまり聞かない。

◆「未来のために言葉を蓄える」よう心がけたことのない身には耳が痛いばかり。
だが、未来の曙光を信じて、言葉を蓄える手間暇を惜しむべきではない。

むろん、貯めこむだけなら何の意味もないことはお金も言葉も同じだろう。何かを動かすでも他の何かに姿を変えるでもよいが、何かを生かすものであるよう。

私たちは、さまざまな言葉から影響を受けている。だが、もっとも強い力をもつのは自分が語る言葉である。発した言葉が他者に届くとは限らない。だが、そんなときでも自分だけは聞いている。人は、自身の言葉から不可避的に影響を受けている。さらにいえば、言葉がその人の世界を作っている。

〈自身の言葉から不可避的に影響を受けている〉とは、増上慢や独断を自らに許すことではなく、その反対に、独断や思い込みからあとうかぎり自由であろうと努めるときに起こる現象だろう。
すなわち、絶えざる自己を更新する営みのことだ。
次の若松の言葉をかみしめたい。

書くとは、思ったことを言葉にすることではない。そのとき私たちはメモしているに過ぎない。真の意味で書くとは、記された言葉に導かれて、未知なる自分に出会うことにほかならない。



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