モモタロウ[2018年12月20日(Thu)]
尋常小学校読本(1909=明治42年)より「モモタロウ」
*12月19日、文科省「教育に関するシンポジウム」会場(3F講堂)特設展示コーナーで。
*******
でるでるモモタロウ 川崎 洋
ババ川へ洗たくに家をでる
ジジ山へしばかりに家をでる
ババ川ぎしにでる
川上からモモがまかりでる
モモの中から赤んぼうがはいでる
名前はモモタロウととどけでる
ジジババかわいくてなでるなでる
その力ぬきんでる
鬼をやっつけにいくと申しでる
キビダンゴふろしきからはみでる
サル・イヌ・キジおともを願いでる
鬼が島で鬼たちが飲んでさわいでる
サルはひっかくことにひいでる
イヌはかみつくことにひいでる
キジはつっつくことにひいでる
それぞれちょうしがでる
鬼の親分の目になみだでる
モモタロウ勝利をかなでる
いらい鬼は人の心にすんでる
『川崎洋詩集』(ハルキ文庫、2007年)より
*******
◆「いらい人は貪婪を病んでる」と余計な一行を加えたくなるけれど、
〈ヘボな付け足しを天国の詩人は憐れんでる〉だろうな。
*******
◆同じく文科省の特設展示から
学制発布(明治5年)の序文(学事奨励ニ関スル被仰出書)を。
冒頭のモモタロウの「読本」とともに国立教育政策研究所所蔵のもの。
(天井照明の反射はご容赦下されたし)
*本文は下記などを参照して下さい。
⇒http://www.geocities.jp/sybrma/61gakujisyourei.html