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パン・水、石、風と空をすこしずつ[2018年11月14日(Wed)]

◆夕刊にさる社会学者が愛猫の話を書いていた。

「飼い主によって溺愛され、快適な住居と食事を終生与えられている」と記す。
一方的な思い込みに辟易する。

「私たちは自分の人生にうんざりし、絶望し、お終(しま)いにしたくなるときがしばしばある」とも書いていた。人間と違って、猫にそのようなことはないと言いたいようだ。
これもまた決めつけに過ぎないと思う。
猫だって己の生にうんざりしたり絶望したりすることはあるだろうに。

このような文章を書く神経が理解できない。そうしてそれを「文芸・批評」欄に色刷りで載せる編集者の神経も理解できない。

*******

風   石原 吉郎

男はいった
パンをすこし と
すなわちパンは与えられた
男はいった
水をすこし と
水はそれゆえ与えられた
さらにいった
石をすこし と
石は噛まずに
のみくだされた
そのあとで男はいったのだ
風と空をすこしずつ と


*******

◆上の詩の「男」を、くだんの社会学者の「猫」に置き換えたらおかしいだろうか?
生きものとしてパンと水で生存を確保したのちに、栄養になるどころか胃や内蔵を傷めずにはいない石を呑み下し、しかるのちに風と空を全身で味わおうと願い、その望みを神に伝える「男」。
同様に世界を味わい尽くそうとする不敵な、あるいは敬虔な「猫」がいたって何の不思議もない。


★「風」は詩集『足利』所収。『続・石原吉郎詩集』(思潮社現代詩文庫、1994年)によった。


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