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「大岡信ことば館」閉館とソロバン[2018年10月23日(Tue)]

大岡信の詩を文庫で拾い読みしながら、ふるさと三島市に彼の文学館があったはず、と調べてみたら、「大岡信ことば館」という公式サイトが見つかったが、何と昨年暮れに閉館してしまっていた。

通信教育で知られるZ会(増進会出版社)が三島市の自社ビルに開いた文学館であったようだが、一度も行ってみる機会のないまま閉館とは……

彼が闘病の果てに不帰の客となったのは去年の春のことだったから、没後半年余りでせっかくの文化の灯火が消滅したことになる。
数万点に及ぶ彼の著作や原稿は2020年に開館予定の明治大学の新図書館に寄贈されて大岡信文庫として保存される予定であるとのこと。

★大岡信ことば館
http://kotobakan.jp/
*閉館にあたっては、せめて詩人の年譜に逝去の日付けも追記更新して有終の美を飾って欲しかったと惜しまれる。公式HPを存置させている以上、そうしたきめ細かさを過不足なく通わせて詩人に敬意を表すことも大切ではなかろうか?

◆企業が文化事業に注力する志が悪かろうはずはない。
但し維持する資金や人に恵まれなくては初志貫徹が難しい。
お茶の水のカザルスホールや小樽の石原裕次郎記念館などいくらでも先例がある。
個人的に今も残念なのは大船にあった松竹の「鎌倉シネマワールド」だ。1995ー98年のわずか3年の寿命で、いつでも行ける近さだと思っている内に畳んでしまった。
映画「男がつらいよ」の方は繰り返し再放送され、50年を機に新作も作られるという話だから、作品の方が永く生き続けていく良い例かもしれない。

◆それにしても「大岡信ことば館」の余りにあっけない撤退には、「店じまい」→「仕舞屋(しもたや)」という商いの道の先細りを連想をしてしまう。

ソロバンの珠の上に社会貢献が乗っかっているのでは、わずかに傾いただけで滑り落ちてしまう。
本業の方も、大丈夫かと案じてしまうほどだが、それには一つ理由がある。

◆先日取り上げた文部科学省「日本型教育の海外展開推進事業(EDU-Portニッポン)」の「2018年度EDU-Port公認プロジェクト」の個別枠10事業の中に、Z会ホールデングスも名を連ねているからだ
(Z会=増進会出版社は「大岡信ことば館」閉館を決めると同時に「Z会ホールデングス」と社名を変更した)。
ブログで触れたように、官邸主導で海外に日本型教育を売り込もうというプロジェクトの発想それ自体がどうかと思うのだが、Z会ホールデングスが申請し認定を受けた事業の概要は以下の通り。

〈事業名〉
日本型の食育・健康教育を起点に、健康・福祉の向上と文化・マナーの理解を通して、社会課題の解消を実現【ベトナム】 


〈概要〉ベトナム都市部における子どもの肥満問題と栄養不足による健康格差の課題について、日本型家庭科教育を授業(調理実習を含む)や情報提供を通して現地の小学生に提供し、持続可能な開発目標(SDGs)の健康的な生活の確保、福祉促進に貢献する。さらに、食を起点に、日本とベトナムの文化相互理解を推進し、日本型のしつけやマナーなどの推進も図ることで、学校だけでなく社会や経済的な活動においても、両国の関係や連携を強化する。

「道徳教育」売ります――文科省[2018年09月22日記事]
http://blog.canpan.info/poepoesongs/archive/994

◆Z会が食育にも乗り出すということ自体驚きではある。ベトナムに子どもの肥満問題と栄養不足による健康格差の課題があることも初めて知ったが、自国に「子ども食堂」が広がりを見せるほどの貧困・格差問題を抱えていることについてはどう考えているのか?
国を挙げてのプロジェクトと銘打つだけにチグハグさを感じてしまう。

それにしても”日本型のしつけやマナーなどの推進も図る”という、他国に文化を押しつけて平気な「上から目線」にはクラクラ目まいがするほどだ。

◆折も折、日本の労働市場を外国人に広げようという政府方針を広報担当・NHKが流していた。ベトナムもその対象国である。

Z会のベトナムにおける食育プロジェクトの向こうに、人的資源を確保し日本に呼び込むという未来図があるのならば、教育を通して殖産興業に寄与せんとする壮図に、明治国家の鼻息荒しと感慨ひとしおである(政府は今日23日、明治150年祝賀式典を行ったとか)。

願わくは、ソロバンをKYなんとか製ではない免震ダンパーの上に、滑らぬよう、ソッと置かれますよう祈るばかりである。

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