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一億とよばれる抵抗のなかで――金子光晴[2018年10月04日(Thu)]

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戦争         金子 光晴

千度もぼくは考えこんだ。
一億とよばれる抵抗のなかで
「なにが戦争なのだろう?」

戦争とは、たえまなく血がながれでることだ。
そのながれでた血が、むなしく
地にすいこまれてしまうことだ。
ぼくのしらないあいだに。ぼくの血のつづきが。

敵も、味方もおなじように、
「かたなければ」と必死になることだ。
鉄びんや、橋のらんかんもつぶして
大砲や、軍艦に鋳直(いなお)されることだ。

反省したり、味ったりするのは止めて
瓦を作るように型にはめて、人間を戦力としておくりだすことだ。
十九の子供も。
五十の父親も。

十九の子供も
五十の父親も
一つの命令に服従して、
左をむき
右をむき
一つの標的にひき金をひく。

敵の父親や
敵の子供については
考える必要は毛頭ない。
それは、敵なのだから。

そして、戦争が考えるところによると、
戦争よりこの世に立派なことはないのだ。
戦争より健全な行動はなく、
軍隊よりあかるい生活はなく、
また戦死より名誉なことはない。
子供よ。まことにうれしいじゃないか。
互いにこの戦争に生まれあわせたことは。

十九の子供も
五十の父親も
おなじおしきせをきて
おなじ軍歌をうたって。


鈴木志郎康 編『詩のおくりもの4 社会の詩』より(筑摩書房、1981年)


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