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『面従腹背』の教育課程行政と日の丸・君が代[2018年09月15日(Sat)]

2018091513180冨永直樹「美しき広場」三菱重工前3−A.jpg
富永直樹(1913-2006)「美しき広場」(1986年)。横浜みなとみらい三菱重工ビル前で。

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前川喜平氏が考える「日の丸・君が代」強制問題
ー『面従腹背』(毎日新聞出版、2018年6月)〈教育課程行政〉の章から

学習指導要領の改訂をはじめとする教育課程行政の場合、「個」から出発する思想と「国家」から出発する思想は、正面から衝突する。その衝突は、後述するように国旗・国歌や道徳教育の取り扱いにおいて避けがたいものになる。

教育課程行政は、国家権力と教育とが直接交錯する分野だ。ここでは、組織の方針と私個人の思想・良心との乖離が最も大きくなり、面従腹背の緊張関係が最も強くなる。なかでも、日の丸・君が代の取り扱いについては、折り合いのつけようがない。
私自身は、日の丸を国旗とし、君が代を国歌とし、両者を日本という国のシンボルとして尊重することについて特段の抵抗感はない。しかし、日の丸がかつて軍国主義・全体主義の日本、侵略戦争をする日本のシンボルであったことも事実だ。だから、日の丸・君が代に違和感や抵抗感を持つ人たちの信条や思想は理解できるし、そういう心情や思想を抱くことは内心の自由であり、その内心の自由は国家権力による制約を一切拒否できる性格のものだと考えている。


前川氏は、学習指導要領が法的拘束力を持つ、という立場から1989年改訂の学習指導要領が教師たちに日の丸・君が代の指導を行うことを義務づけた、とする。
しかし教育法学者をはじめ学習指導要領の法的位置づけについては拘束力を持たない「指導・助言・指針」に過ぎない、という説から、大綱的基準(旭川学力テスト最高裁判決)であるとするもの、拘束力の強い「基準」であるという説まで諸説存在する。
もっとも、「法的拘束力あり」と考える前川氏自身、「今回の指導要領は書き込みすぎだと感じている。最小限の記述に限る「大綱的基準」に回帰し、もっと教育現場の自主性に委ねるべきではないかと思う。」と述べている。
また、日の丸君が代問題に関して文部科学省が、私立学校は「野放し」で公立学校に国旗掲揚・国歌斉唱を押しつける態度であるのはおかしい、と指摘し、これを差別することなく(締め付けるのではなく)、指導要領の記述は「望ましい」にとどめ(=1989年改訂より前の記述に戻し)、現場への関与は「助言」程度にとどめておけば良かった、と述べている。内心の自由に関する問題である以上、内心に対する強制は許されない、というのが氏の基本姿勢だ。


拒否は子どもの権利である

◆前川氏は、1994年10月12日、村山内閣のもとで、日の丸君が代に関する「指導の義務づけ」について政府の統一見解を求められた衆院予算委員会のことを記す。その夜官邸の総理執務室に文部省幹部も集まり、与謝野馨文部大臣が自らペンを執って見解をまとめた。
(教員への)《指導の「義務づけ」については「義務」という言葉を使わずに説明し、児童生徒に対しては内心まで立ち入った「強制」はしないと説明した。》というのである。
その上で、次のように記す。

「児童生徒の内心に対する強制はしない」という政府見解は、その後もしっかり維持されている。つまり、子どもたちには国旗・国歌を拒否する自由があるということだ。

◆「しっかり維持されている」なら、「歌わない」子どもやクラス、その担任への圧力は生まれるはずもないのに実際はどうか?
また、元文科省事務方トップが「国旗・国歌を拒否する自由がある」とまで言い切っているのに、大切なその「自由」を子どもたちにしっかり伝えてあげようとする大人はどれだけいるだろうか?

教育行政に携わる文科官僚は?各地の教育委員会の人々は?
そして誰より、子どもたちにじかに接している現場の教職員たちは?


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