CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る
« 2018年07月 | Main | 2018年09月 »
<< 2018年08月 >>
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
最新記事
カテゴリアーカイブ
月別アーカイブ
日別アーカイブ
平和を孵(かえ)す[2018年08月02日(Thu)]

DSCN7921.JPG
35℃の暑さの中に花びらを波打たせながらもムクゲが咲いていた。
葉の緑がいよいよ濃さを増す。

*******

「時よ、早く去れ」より  小熊 秀雄

時よ、早く去れ
時よ、前へ
ただ私はそれのみ夢の中に描く
すぎさつた時間は、呪ふ値打はあるが
すでにそれはない
後の時ではなく、前の時が
叫喚もなく、苦悩の声と、絶望の歌とを
美しい娘のやうな手をもつて拭ひ去るだらう
腐爛した土地を新しい時は
新しく抱きかゝへるだらう
本能的な醜い饗宴に向ふ列の
通り去つた後に
新しい母親は地球を抱くだらう
雌鶏が蛇を孵すためにではなく
平和を孵すために、
たゞ信ぜよ、新しい時を
後の時ではなく
前の時を――。


◆小熊秀雄の「時よ、早く去れ」、全72行のうち、第55行から結びまで。
岩田宏・編「小熊秀雄詩集」(岩波文庫、1982年)より。

新しい母親は地球を抱き、そこに平和を孵すのだという。

蛇を抱卵する雌鶏とは、自らを呑み込むものの卵を、それと知らずに温めているもののこと。
愚かな期待に時を空費する者のたとえだろう。

平和が地上に生まれるために必要なことは「たゞ信」じること。
何を信じるのか?
――「新しい時」をである。ただしそれは、漠然と「後の時」(未来)を待ち受けることではない。
未来につながるための「前の時」を用意すること=「すぎさつた/呪うべき」過去の、苦悩や叫喚や絶望を拭い去って、埋もれていた知恵の樹が再び芽吹くように地を耕す時間を持つことが必要なのであって、「信じる」ことは外に現れない心の動きではなく、手をもって土を耕し地球を抱きかかえるような具体的な行為なのだ、と言っているように思う。


| 次へ
検索
検索語句
最新コメント
根来珠青
銃剣道 歴史に目をふさぐおぞましさ (03/29) 当ブログ管理人
ジャーナリスト・安田純平さん解放との報【追記】 (10/26) 3億円で買える銃と弾
ジャーナリスト・安田純平さん解放との報【追記】 (10/25) マキシミリアナ・マリア・コルベ
コルベ神父のこと その2 (06/23)
若き音楽家リュカ・ドウバルグ (06/09)
タグクラウド
プロフィール

岡本清弘さんの画像
http://blog.canpan.info/poepoesongs/index1_0.rdf
http://blog.canpan.info/poepoesongs/index2_0.xml