そらと だいちを むすぶ ひかりに[2018年07月05日(Thu)]
もしもし 工藤 直子
おおかみは いつも すん・すん・すん…と
したをむいてあるく なにか なくしたきが
して それをさがしているのだ(なにをなく
したんだろ?)おおかみは それをしりたい
みつけたい すん・すん・すん…そこで よ
るになると せかいにむかって よびかける
「もしもーし わたしのなくしたものを しり
ませんかー? おおーん?」 なくしたのは
もしかしたら「じぶんのカケラかなあ」なんて
おもいつつ「もしもーし」をくりかえしている
おおかみは
いつも ねがっている
そらと だいちを むすぶ
いっぽんの
ひかりになりたい と工藤直子・詩/
あべ弘士・絵
『でんせつ』より
「でんせつ22」(理論社、2000年)