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大人は なにもかも 忘れていくんだもの[2018年06月02日(Sat)]

DSCN7187青少年センター杉山寧デザイン1962-A.jpg
杉山寧(やすし)デザインによる神奈川県立青少年センター・ホールの旧緞帳(1962年製作)。
昨日の佐藤忠良「冬のこども」と同じく、同センターのロビーに展示中。
旧の緞帳を、最新・細心の技術で復元したそうだ。

*日本画家・杉山寧(1909-1993)は長く月刊誌「文藝春秋」の表紙を描いたことでも知られる。
三島由紀夫の岳父でもある(川端康成が媒酌人をつとめた)。

*******

こんなくりかえしは   木島始

戦争のときは
司令部いがいに
知るものがなくて
どこまでも どこまでも
歩いたもんさ
――と、大人が 言った

ぼくらも
行先おしえられずに
歩かされることあるよ
――と、子供が 言った

戦場では
いつも的(まと)は真暗闇(まっくらやみ)のなか
助かりたい一心で
めくらめっぽう
射ちまくったもんさ
――と、大人が 言った

ぼくらも
暗いなかで
ぶったおれることあるよ
――と、子供が 言った

魂というのは
あのとき
殺されたひとが
今でも生きているものにしがみついて
はなそうとしない姿のことなんだね
――と、大人が 言った

ぼく そんな
魂 みたことないなあ
だって 大人は
なにもかも 忘れていくんだもの
――と、子供が 言った

殺したことを
忘れられるひとは いないよ
知らずしらずに殺せるから
それで戦争が起こせるんさ
――と、大人が 言った

じぶんがやったんじゃない と
わかるようにしてあれば
大人って 殺したいとき
いつでも殺すの?
――と、子供が 言った

むかしから
よけい殺したほうが
勝つことになってるだろ
それで勝ったほうが
正しいことになってるだろ
――と、大人が 言った

――子供は 黙ったままだった



*『ふしぎなともだち』(1975年)所収。
『[新]木島始詩集』(日本現代詩文庫。土曜美術社出版販売、2000年)より

◆森友・加計学園疑惑、イラク、南スーダン日報、いったん米朝会談中止を表明したトランプ大統領に全面支持を内外に表明して世界を驚かせた日本政府、その後の米朝復旧路線にあわてて取り繕うしかない失態を演じて世界の失笑を買い、理解不能の国として外交上は完全孤立。
醜態を忘れてもらうために羽生結弦選手に国民栄誉賞、空席のままだった財務次官、国税庁長官をこのどさくさに任命して幕引きを図っている。TVは今日まで日大アメフト問題を微に入り細をうがち……。

だが、政も官もズタボロに朽ち果てた緞帳を復元する意志をとうに放棄しているから、醜悪な惨状は丸見えのままだ。
あられもない姿に国民は恥じ入るばかりだが、うつむいていても始まらない。
「行先おしえられずに/歩かされる」のは御免だ。切実に願う子供たちをこそ、救わなければならない。


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