心底、いやですよ[2018年05月19日(Sat)]
ハハコグサ。オギョウ・ゴギョウとも。春の七草の一つ。食するのは葉の方だそう。
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◆山田太一『月日の残像』で教わった志ん生のことば――
「人間てえ奴は、表でもってものに転んで、向うずねをぶっつけて痛てえと思うけれども、それが二時間くらい前に、これから痛い思いをするてえことが分ってたら、その間がとてもいやですよ」
(『志ん生芸談』より、青木一雄との対談)
◆アベ政権下の行き着く先に我々が経験する痛苦は、すでに分かっているだけでなく、そこに至るまでの間も、「とてもいや」どころの話でない。
咽喉の奥まで画鋲が詰め込まれていて、取っても取っても果てしがなく、ヒリヒリ焼けつくような痛さを味わい続けている、この10数年。
……心底、いやですよ。
山田太一『月日の残像』(新潮文庫、2016年。単行本2013年。初出は2009年5月の季刊「考える人」)
*志ん生のことばは「本の話」冒頭にある。