CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る
« 2018年04月 | Main | 2018年06月 »
<< 2018年05月 >>
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    
最新記事
カテゴリアーカイブ
月別アーカイブ
日別アーカイブ
絵本作家・加古里子さん逝く[2018年05月07日(Mon)]

◆「だるまちゃんとてんぐちゃん」などの絵本で私たちを楽しませてきた加古里子(さとし)さんが5月2日亡くなった。享年92。

以前に取り上げた「絵本への道」(福音館書店、1999年)によれば、絵本の道に入ったきっかけが、福音館の松居直(ただし)さんとの出会いであったことは前に触れた。
加古さんが大学を卒業後、会社に勤めながら川崎のセツルメントの活動に打ち込んでいた時期のこと、子供会にしばらく顔を出していた女子学生がアルバイト先の福音館で加古さんの活動(子どもたち相手の紙芝居や童話)を吹聴してくれたという経緯だ。
このときの松居直さんの注文は、今の日本の状態に一番ふさわしいものを書いて下さい、とのこと。
セツルメントの子供会には日本鋼管や日立造船に勤める子どもたちが多く来ていたので、重工業か、電力事情の悪い時期だったので発電をテーマにしようと考えていたという。
やがてそれは「だむのおじさんたち」という絵本として実を結ぶ。

◆子どもたちから学んだことは、絵描き遊びにしろ草木遊びにしろ、鬼ごっこにしろ、すべて遊びの中からだった。

子どもの遊びの世界では、能力的にゼロに近い小さな子までまきこんで参加者全員で楽しむよう、それでいて能力ゼロの子が、うんと能力のある者にスポイルされないようにしています。大人だと何のかんのと言いながら最後は勝負ですよね。利益とかプライドとかもちらついてくる。子どもの遊びではお互いが楽しくなければやめてしまいます。それが目的ですから、単純なんですね。
そして子どもは、良く言えば柔軟性があるけれども、悪く言えばルールはあってなきがごとく臨機応変に、その場で適当に「それはダメー」と言って新しいルールを決めてしまう。口をとんがらせて言い合いながら、結局ともに楽しんでしまう。また、そうでなきゃ遊びは成立しないのです。

  *「絵本への道」より

「結局ともに楽しんでしまう」というところが肝心な点だ。誰かが楽しみを独占していては楽しくないし、他の誰かに犠牲を強いる結果になってしまう。
永田町や霞が関のおとなたちはよくかみしめたいことばだ。

*******

◆藤沢市民であった加古さんの作品や原画を眺める機会があり、当ブログでも何回か取り上げてきた。
昨年11月に駅ビルの市民ギャラリーで見た絵本原画で忘れ難いのは「万里の長城」だった。

加古里子常嘉煌万里の長城_0063-B.jpg
加古里子・常嘉煌「万里の長城」(福音館、1999年より)

◆長城が加古さんの絵。絵本の画面としては上部に楽譜(常嘉煌の筆)が重ねられて完成作。
なお、コラボした画家・常嘉煌は、父が敦煌の守護神と呼ばれた常書鴻、母も敦煌のすぐれた研究者であった李承仙氏。「煌」の字をもつ常嘉煌は敦煌の申し子のような画家だ。彼がここで描いたのは中国国歌「義勇軍行進曲」のメロディーである。
もう一つ付け加えると、これを作曲した聶耳(ニエアル。1912-35)は、日本に亡命中、藤沢市鵠沼の海岸で友人と遊泳していて水死した。現在、「聶耳終焉之地」の碑が立っている。
その縁から藤沢市と聶耳のふるさと昆明市(中国雲南省)とは友好都市となっている。

【関連記事】
加古さとしの「だるまちゃんすごろく」[2017年1月2日]
http://blog.canpan.info/poepoesongs/archive/399

加古さとしの世界[2017年11月29日]
http://blog.canpan.info/poepoesongs/archive/696

加古さとしの悔悟[2017年11月30日]
http://blog.canpan.info/poepoesongs/archive/697



| 次へ
検索
検索語句
最新コメント
根来珠青
銃剣道 歴史に目をふさぐおぞましさ (03/29) 当ブログ管理人
ジャーナリスト・安田純平さん解放との報【追記】 (10/26) 3億円で買える銃と弾
ジャーナリスト・安田純平さん解放との報【追記】 (10/25) マキシミリアナ・マリア・コルベ
コルベ神父のこと その2 (06/23)
若き音楽家リュカ・ドウバルグ (06/09)
タグクラウド
プロフィール

岡本清弘さんの画像
http://blog.canpan.info/poepoesongs/index1_0.rdf
http://blog.canpan.info/poepoesongs/index2_0.xml