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長しょんべんのあと[2018年04月04日(Wed)]

DSCN6060.JPG

◆花見がてらの相棒との散歩、いつものルートをハズして遠回りすると不思議なものに出くわすことがある。
上は高さ2m以上もありそうな鉄のキノコ。
泥棒よけにも雨風よけにもなりそうにはなく、ただただ目を驚かすだけのところがうらやましい。

*******

犬と人  天野 忠

よく見えるところに
犬と印刷した札を貼っている家がある。
あれは押し売り除けの
或いは
泥棒除けのまじないかもしれん。
ある高級官吏の邸の門柱には


犬と三枚も貼ってあった。

うちの近所に
年中洟風邪をひいている七十歳の
もと腕利きの特高がひとり
腰のふらつく老犬一匹と
ひっそり住んでいる。
半分傾いた
表の戸の
(くろず)んですっかり字も読めぬ表札の下にも
一枚貼ってある。

「犬」


★☆★☆

拝む  天野 忠

みんな拝みにいくと言っていた。
僕はチビだったから
一番前列にいた。
ぎあーっと烈しい号令が聞えて
いきなり
シーンとなった。
もうくると思って眼をつむった。
見たらつぶれるというので
もうええかと薄眼をあけたら
ピカピカ光る自動車の中の
ひげの人がこっちを見ていた。
長しょんべんのあとみたいな顔をして
みんなゾロリゾロリと帰った。
お天気が良うてよろしおましたなどと言っていた。
走って帰って僕は鏡台の前に座った。
眼は
つぶれていなかった。

 *ともに『私有地 天野忠詩集』(編集工房ノア、1981年)より

◆相棒が毎年やさしい獣医さんから予防注射してもらい、良い子にしたごほうびにいただいて帰る「犬」の字のシール、門扉にスペースがなくなって古いシールの上に重ねて貼るほどになった。
今年は12枚目をもらうことになる。
相棒も老年に達したが、散歩で「長しょんべん」することなくサッさと済ませ、主を先導して威勢が良い。

◆上の詩に言う「長しょんべんのあとみたいな顔」という比喩、しばらくガマンを強いられたあとのホッとした感じと、長く体内に留めて置いたら毒が回る厄介ものを体の外に流しおおせた感じを言うのであろう。周囲への恥ずかしさも含んで、終わったのに茫洋として心もとない感じが、何とも言えずおかしい。

◆「腕利きの特高」も「ピカピカ光る自動車の中の/ひげの人」もとっくにあの世で余計な肩書きを下ろしているはずだが、それに代わるようにして世にはばかる者たちは跡を絶たない。
おまけに、そろって冒頭の錆びた鉄のキノコほど役に立たないのが困ったことだ。

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