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大西連氏「生活保護基準の引き下げはやめてほしい」[2017年12月15日(Fri)]

◆NPO・自立生活サポートセンター「もやい」の理事長・大西連氏が「生活保護基準の引き下げはやめてほしい」と訴えている。
全く正論である。冒頭部分を紹介する。

生活保護基準の引き下げはやめてほしい

みなさんは、自分の生活費を来月から1割減らさなければならなくなったら、どうするでしょうか。
月収25万円の人にとっては2万5千円。月収15万円の人にとっては1万5千円。月収50万円の人にとっては5万円のカットになります。
もちろん、それぞれの負担感は違うでしょうが、ちょっと遊びに行くのを控えたり、節約したり、貯金をやめたり。
当然ですが、所得が低ければ低いほど、減らしてはいけないものを減らさなければならなくなります。
食事を減らしたり、エアコンの使用を控えたり、そもそも不要な外出をやめたり……。
この1割カットをもし、政府に強いられるとしたら、あなたはどう思いますか?
自分で働いて稼いだお金だから政府が関与するべきではない? 年金は自分が払ったものだから削減されるべきではない? では、生活保護はどうですか?
生活保護なら1割カットをしてもかまわないのでしょうか。

いま、日本で最も生活が苦しい人たちの生活水準を最大で1割程度カットしようという議論が佳境に入っています。そもそもがギリギリの水準で生活している人の生活費をカットするというのは、正直、かなり厳しいことですし、僕は反対しています。
以下にいろいろ書くのですが、言いたいことは一つだけ。

生活保護基準の引き下げはやめてほしい。そして、低所得者の生活水準をあげるための方策をとってほしい。


大西連「生活保護基準の引き下げはやめてほしい」
https://news.yahoo.co.jp/byline/ohnishiren/20171215-00079311/


◆この中で大西氏はいくつかのケースを例示している。都市部の2例を下に引いて置く。

▼都市部の母子世帯 (子2人) (40代親+中学生+小学生)の場合は、現行基準が155250円のところ、展開方法(1)だと145710円、展開方法(2)だと144240円となり、こちらはどちらも1万円以上の減額。

▼同様に都市部の高齢単身世帯 (65歳)に関しては、現行基準で79790円のところ、展開方法(1)では73190円、展開方法(2)だと74370円とこちらも減額。


*「報告書原案」の2つの算出法による試算。

◆問題の一つに、基準見直しに生活保護を受けていない低所得世帯を比較対象としていることがある。
これについては先週、当ブログでも短く触れた。
★当ブログ12月8日の「生活保護引き下げは許されない」の項
http://blog.canpan.info/poepoesongs/archive/705

◆現在の低成長社会では、報告原案の考え方に立つ限り、生活保護の給付額はひたすら減額へと向かうことになる。しかも前回(2013年)も平均6.5%もの引き下げを行っており、今回最大13%以上という試算(都市部の40代夫婦に小・中2人の子どもが居る世帯の例)もある引き下げが実施されれば、わずか10年の間にどれだけ削ることになるのか。空恐ろしい話ではないか。

◆生活保護基準の引き下げに連動する影響についても大西氏は言及する。

生活保護基準の引き下げは、厚労省以外の施策にも大きくその影響があると言われています。代表的なものでは就学援助住民税等の非課税基準介護保険の減免基準などなど。

子どもの貧困問題が深刻化する中で2013年に「子どもの貧困対策基本法」が制定されたにも関わらず、子どもがいる世帯ほど減額が大きい結果になり、同法の理念に逆行していると大西氏は指摘している。

*******

ユニセフも日本の子どもの貧困を憂慮

◆NHKニュースによれば来日中のユニセフ事務局長が日本の子どもたちの貧困率の高さに懸念を表明したという。

★【NHKニュース12月14日】
ユニセフ事務局長 日本の子どもの貧困率に懸念

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20171214/k10011258011000.html
ユニセフ(国連児童基金)のアンソニー・レーク事務局長の懸念は、日本の子どもの貧困率が先進国でも高い水準にあることに向けられている。
国連は〈世界の持続可能な開発目標「SDGs」〉を掲げて、あらゆる貧困の解消を目指しているが、日本の子どもの貧困率が先進国の中でも高い水準にあり、「日本のおよそ16%の子どもが深刻な貧困状態にある。SDGsの下で、とりわけ豊かな社会において子どもが飢えや格差に苦しむことがあってはならない」と懸念を示したという。

◆ユニセフと言えば、TV等で途上国の子どもたちへの支援を呼びかけている。敗戦後、復興に必死だった過去の自分たちを、現在のアジア・アフリカの途上国の子らの姿に重ねて見る人はいないだろうと思っていたら、何と、今再び心配される状況に転じてしまったということか。暗然とせざるを得ない。

◆生活保護であれ、教育を受けることであれ、憲法が一人一人に保障した権利を実現させることだ。低い水準に合わせて切り下げを進め、人間を底知れない闇の底に押し込めるやりかたが許されるはずがない。

*******

◆厚生労働省の「社会保障審議会生活保護基準部会資料」は下記からダウンロードできる。

「社会保障審議会生活保護基準部会資料」
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000187903.html

厚労省幹部は「科学的、客観的検証を貫いた」と強調している(朝日新聞12月15日朝刊)というが、低みを目指して帳尻を合わせるひたすらな情熱は精緻な冷たさと言いたく代物で慄然とする。

生活保護世帯も低所得世帯もともに引き上げて豊かさを目指そうとは考えないのか?

◆改めて「資料」を読むと、実は現行の水準均衡方式については、
一般世帯の消費水準が低下すると、それにあわせて変動する方式であり、それに伴い基準の低下が起こりうるものである。
という記述もあって改善が必要との認識を含んでいる。

◆また、以下のような記述もある。

一般低所得世帯との均衡のみで生活保護基準の水準を捉えていると、比較する消費水準が低下すると絶対的な水準を割ってしまう懸念があることから、これ以上下回ってはならないという水準の設定についても考える必要がある。
(下線は引用者)

「絶対的な水準」という強い表現に危機意識がこめられている、と解したいが、「〜について」と、付け足しの「も」をくっ付けて腰砕けになっている。

憲法第25条の「健康で文化的な最低限度の生活」のうち、「最低限度」ということばに拘泥してその第2項にある「国は〜社会福祉、社会保障…の向上及び増進に努めなければならない」という定めを忘れているのではないか。福祉政策はまさしく国の責務として低下や削減でなく向上を目指さなければならない以上、低所得世帯も生活保護世帯も等しく引き上げることを忘れていてはならない。福祉が国から国民への「恩沢」であるかのような発想がどこかにありはしないか。

憲法第25条
すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
2 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。




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