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中学生の合唱コンクールを聴く[2017年10月04日(Wed)]

オオキンケイギクにツマグロヒョウモンDSCN3565.jpg
オオキンケイギクにとまったツマグロヒョウモンという名の蝶。
鮮やかな黄色同士のコラボ。

*******

合唱コンクールを聴く

◆地元中学の合唱コンクールを聴かせていただいた。
よく歌われている最近の合唱曲をライブで聴けるのは貴重な体験。
詩も曲もすばらしい現代の合唱曲がたくさんあることに驚いた。
Nコンでかつて高校の課題曲であった難曲に挑戦したクラスもあるようで、まとめ上げるのは大変だったろうと想像する。

◆歌声の最初は校歌斉唱だった。壇上の生徒代表の女生徒が会場全体に向かって指揮をする。
表情が豊かで生徒たちの声を無理なく引き出していった。これはいい会になるな、と思った予感の通り、すばらしい贈り物が待っていた。

◆1年生から順に、最初に学年合唱を全員で歌い、その後に各クラスの歌になる。
広いステージながら各学年200名ほどが載るのだから、ビッシリ並んで身動き取れない状態になる。横にスィングできるくらい余裕があった方が声も出しやすく、クラス発表に臨む前のウォーミングアップとして効果的だと思うのだが、物理的に致し方ない。
暮れの第九でもステージ後方に並ぶ合唱団はアマ・プロともに200人ほどになるのが通例ではないか。
ただ、学校のコンクールで歌うのはリズミカルな現代の曲なのだから、体が窮屈だと歌声も硬くなり、はじけたいのを抑えているように聞こえる。
せめて前後に数列増やして、横方向にゆとりを持たせたいところだった。
そのことを意識したのだろう、2年だったか、学年指揮者が指揮台を手前に引き出した。
だが、ステージ担当の人たちによってまた元の定位置に戻された。
クラス発表の都合も考えて決めた位置を動かされたら困る、ということだったのだろう。
指揮者が改善したかったことを思えばやや残念。

◆クラスはどこも30数名の規模だから、クラス発表ではスペースに余裕がある。
ありすぎて心細くなるほどのはずだ。
だが、練習でやったことを出せば良いと思い切れば、力が抜けて体が寛ぎ歌声が伸びやかになる。それを引き出す指揮者の働きは大事だ、ということをどの生徒も良く知っているようだった。

◆中で飛び切り自由に全身を使って指揮する1年生の男子がいた。
曲を終えた時にフッとこちらの息が抜けたのは、息を詰めて聴き入ったからだ。
拍手が湧く中、後ろの2年生の席から「メチャ行けてる指揮だったネ」という声があがり、それに同感する声が続いた。伝わるものがある指揮とそれに応えたクラスの面々。ステージを下りてくる上気した顔にも満足が浮かんでいた。

◆昼休み、会館の2階で昼食をとっていたら、良く響く歌声が下から聞こえて来た。
午後発表の3年生たちがあちこちで最後の練習に余念がないのだった。

さすがは3年生

◆午後の部、3年がステージに並び終えて、学年合唱に入る前に、プログラムにない短い曲が3年全員で歌われた(聞き覚えのあるクラシックのメロディに乗せて「さわやかな/さわやかな」と繰り返される)。
恐らく、整列がスムーズに進み時間に余裕が生まれたので、のど馴らしのために練習で歌ってきたものを即興で入れたのだろう。
それでも進行予定より6,7分も時間が残っていた。どうするかしばし間が生じてから「3年合唱は13:20からです」とアナウンスされた。壇上の面々は「エーッ」としばしざわつく。なお4、5分をそのまま待つことになったからだ。だが、じきにそれも収まって、壇上の生徒たちは歌うことに集中していくようだった。誰かがシーッとか制したわけではない。

◆発表順は恐らくクジなどで決めたのだろうが、進むにつれてさらに良くなっていく感じがした。受付でもらったアンケート用紙に「他のパートを良く聴いて歌っているのが伝わってきた」と書き留めていて思い当たった。この子たちは、自分のクラスの歌で他パートを聴くことを意識しながら練習してきたはずだが、今ステージ上で他のクラスの歌にも同じような耳と心を働かせているのではないかと。

◆3年生が披露した歌の題名だけ挙げておこう。どれも初めて聴いた。
「虹」「はじまり」「地球の鼓動」「聞こえる」「ヒカリ」「信じる」

終演後の講評で音楽の先生が言ったようにどの曲も異なる世界。この子たちはそれを学年全体として織り成そうと意識し、そうしてそのことに成功したのではなかったか。
単に前のクラスより上手くやろう、とかいうのではない。前のクラスの歌に耳傾けて、それに自分たちとして何かを積み増していけるように、という気持ちが共有されているようだ、と言ったらいいか。

審査の結果は「聞こえる」が最優秀賞、「ヒカリ」が優秀賞に輝いたのだった。それは順当と言って良い(感想にもそれぞれの良さをメモしていた)。しかし、個人的には最後の「信じる」を歌ったクラスに一番揺さぶられたのである。
理由は「他の存在に耳を傾ける」ことに心を尽くしそれを達成したクラスだということが良く伝わってくる合唱だったことにある。

他者に耳を傾ける、とは、自分とは違う存在に気づいてそれに関心を持つということだ。
他者を知るために心を開いていくことであると同時に、それによって変容する自分を認めて行くことでもある。
また自分と他者とが包み・包まれる関係であることを深いところで認めることでもある。

「信じる」を選んだこの最後のクラスは、恐らく練習を通してそのことを体験しながら、もがき、築き、壊し、また築くということを重ねて今日の舞台を迎えた。
そうして自分たちが獲得した、クラスとして互いに包み・包まれる関係であることを歌に込めた。
そうした人間的な時間の積み重ねを感じさせる合唱であった。
最も心動かされた合唱と言って良い。



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