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『私たちは戦争を許さない』―原告たちの声(1)[2017年09月20日(Wed)]

私たちは戦争を許さない_0001.jpg

◆昨日の国会前集会で安保法制違憲訴訟の会の方が紹介していた本を買って来て読んだ。
同会が編んだ『私たちは戦争を許さない』だ(岩波書店、2017年8月発行。すでに2版となっている)。

ジャーナリストや写真家、弁護士、元自衛官、戦争体験や被爆体験のある世代から大学生、高校生に至るまで年齢も職業も異なるさまざまな人たちが、自由と平和を求めることばを発信している。直接には司法への期待であり、同時にこの社会に生きるすべての人たちへのメッセージである。

神奈川在住の原告の方たちも暮らしの足もとを見詰める所から声をあげている。
いくつか抄録する。

◆横須賀市に住むNさんは、米海軍横須賀基地に配備されている米艦船が湾岸戦争やイラク戦争で先制攻撃の中軸を担ってきたこと、イラク侵攻が9.11を呼び込んだことに照らし、原子力空母の母港であり原潜も停泊する横須賀が攻撃の対象となったときの惨害を憂慮する――

*******

横須賀基地と原子力空母
    N・H

新安保法制法の成立によって、私たちが暮らしている横須賀の米軍と自衛隊が、より同盟化を強め、一緒になって、新たなテロを生み出すことにつながる軍事行動を起こすことになりはしないかと、心から心配しています。
米軍基地自身が、随分前から「テロ」を現実問題と考えていることを、私たちは知っています。二〇〇一年九月一一日、アメリカで発生した「同時多発テロ」に関連して、在日米軍基地がとった対応をみれば、そのことは明らかです。九・一一「テロ」の直後、米陸軍相模補給廠の入口には土嚢が積まれ、その上部には機関銃が据え付けられました。重武装の兵士が構える銃回は市民に向けられていました。
横須賀基地の正面ゲートでは、基地で働く人々の通勤時には、弁当の中身や着替えの下着までがチェックされ、人権侵害の指摘が新聞記事になりました。
九・一一の二日前の「星条旗新聞」は、一面で「テロに注意、韓国と日本の米軍基地が攻撃の対象に」という警告記事を掲載していました。
そして、空母キティーホークは、テロを恐れて横須賀基地から避難しました。このとき、横須賀の海上自衛隊の二隻の護衛艦は、集団的自衛権の行使というべき、米空母の警護をすでに行っています。一五年前のことです。
新安保法制法の成立によって、こうした軍事行動がより日常的になれば、米軍自身が自覚している横須賀基地への「テロ」の脅威は、さらに増すものと思います。
 (中略)
二〇〇八年から横須賀に配備された原子力空母は、一時寄港ではなく、横須賀基地で定期修理も行い、平均的な滞在日数は二〇〇日前後。加えて、原子力潜水艦の寄港もあり、年に三〇〇日近くは、横須賀基地に原子力艦が停泊しているのが現状です。こうした原子力艦が攻撃され、原子炉が破壊されたときにどのようなことになるか、福島原発の事故による放射能汚染の深刻さを知った私たちにとっては、住まいも近隣の環境も故郷も失うことになる、取り返しのつかない惨事となります。そして、その被害は、私たちの地元にとどまらず、首都圏全域に広がると、原子力情報資料室のシミュレーション結果は警告します。
基地の存在で、穏やかな生活を脅かされ、これまでも、在日米軍基地周辺に暮らす市民として、いろんなことを考えてきましたが、新安保法制法の成立は、日本全体に関わるような大きな被害になります。私の平和の下に暮らす権利はすでに大きく脅かされています。こういった具体的な被害が想像できる私たちのような立場の者の意見もくみとることなく、集団的自衛権を認めて九条を骨抜きにするようなことを勝手に決められたことは、私の利益だけではなく他の国民市民のためにも、私は主権者として訴える権利を侵害されたといえます。
基地の街に住む市民のひとりとして、具体的にその被害の大きさを想像することができる私は、なんとしても新安保法制法を廃止したいとの思いで原告に加わりました。


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