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一陣のたてがみ[2017年07月15日(Sat)]

     たてがみ 
一 陣 の 鬣 ゆ け り
湖 の 面 に 真 夏 の
しろき波を生ましめ

  永田淳『湖をさがす』

◆「短歌日記2011」と副題にある歌集から。一日一首を自らに課した歌人・永田淳は、河野裕子を母とし、永田和宏(現在、朝日歌壇選者)を父とする歌よみの家の人。
最初に歌集を手にしたときはそのことに気づかず、表紙のデザインと「2011年」という年を冠してあることに惹かれて手にした。

上の一首は「7/15 FRI」と日付けがある。
「湖(うみ)」とはタイトルと同じく「近江のうみ」すなわち琵琶湖をさす。
かの人麻呂をはじめ、万葉の昔から多くの歌詠みの心にさざなみをわき立たせてきた湖だ。
風が起こした白い波を「鬣(たてがみ)」ととらえた。
画家ゴッホが糸杉や麦の穂のゆらぎで風をとらえたように、ここでは「たてがみ」によって風はあざやかに見えるものとなった。
琵琶湖であれ、遠い異国の湖であれ、一陣の風は湖の上を翔る白馬=夏の光の化身であり、視る者の魂を幻想界へと拉し去る。

永田淳湖をさがす-B.jpg
 永田淳「湖をさがす」ふらんす堂、2012年



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