時間を間違えるのも悪くはない[2017年07月09日(Sun)]
◆9日は九条の日として横浜駅前でのビラ配りの日。
休日なので、いつもより早いスタート、という頭が先行して時間を間違えた。
「4」という記憶を14時と思いこんで出かけたら誰もいない。午後4時が正しかった。
スケジュール管理ができないのは治りそうにない。
相鉄ジョイナスの屋上にある彫刻群を眺めて時間をつぶすことにした。
マリノ・マリーニ「構成」(1955年)
小ぶりの作品なのに、大きく見える。
騎馬像だそうだが、人物は埴輪を思わせる。
朝倉響子「ニケ’83」 (1983年)
カジュアルな出で立ちの女性像が多い朝倉響子の彫刻は、横浜・関内ホール横の通りにも「ニケとニコラ」という若い女性2体の作品がある。横浜という街に似つかわしい雰囲気があるということだろう。朝倉響子(1925〜2016)は彫刻家・朝倉文夫の次女。姉の朝倉摂も舞台美術で活躍した芸術一家に育った。
アントワーヌ・ブールデル「果実」(部分。1911年)
◆ロダンのアシスタントを務めたブールデル(1861〜1929)は、上野の西洋美術館や箱根彫刻の森にある「弓を引くヘラクレス」や、目を閉じたベートーヴェン像で知られるが、この「果実」はずいぶん違った印象を与える。果物を手に持った長い腕(左腕は背中に回している)や、岩か何かに腰を載せて上半身を後ろに反らした姿が特徴的。
全体の調和を統括しているのは頸(の太さと角度)、そしてその上にある頭部なのだが、そうした構成上の特色よりも、顔が磁力を放っているように感じた。写真はガラケーで撮ったものだが、感じたものをほとんど写せていない。
とりあえず「意思を湛えた豊饒」と名づけておく。
顔の印象自体、季節や光の具合によって違ってくるはずではある。しかし、3回目くらいの対面で初めて感じた顔の磁力だったので書きとめておく。
時間を間違えたおかげで思わぬ拾いものをしたようなひととき。