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ETV「こころの時代」の辺見庸[2017年03月12日(Sun)]

DSCN0197.JPG
◆農家が多い我が「湘南のオアシス」の路傍で見つけた甕。
農薬を入れてあったものだろう。
幼時、これと同じ甕に「サンソ液」と称する、硫黄が主成分の農薬が入っていて、少量を風呂に入れて使うこともあった。どんな効能があったのだろう。
硫黄の強い臭いは父親や兄と入った風呂の記憶と分かちがたく結びついている。

*******

辺見庸、父を問う

◆今朝(3月12日)のETV「こころの時代 父を問う―いまと未来を知るために」を視た。
1月30日の紀伊國屋ホールでの講演と、地下室のブロック壁を背にした語りを軸にした、一時間目一杯の構成。

講演を生で聴いたはずなのに、番組を作る人の視点によって意味の深さを帯びて浮かんでくる部分がいくつもある。
このブログで1月末に2回に分けて講演をとりあげたが、番組と見比べると随分違った印象があるかも知れない。
★辺見庸1・30講演から(1)
   ⇒https://blog.canpan.info/poepoesongs/archive/414
★辺見庸1・30講演から(2)
   ⇒https://blog.canpan.info/poepoesongs/archive/415

◆再放送は3月18日(土)午後1〜2時(Eテレ)。
共謀罪についても警鐘を鳴らしており、番組制作陣の志を評価したい。
再放送で差し換えやカット部分があってはならないので、再放送もしっかり視なければならない。

「歴史は相似的な反復をやるものだと思っている。」として関東大震災(1923年)の2年後の治安維持法に始まる歴史と現在の相似点に注意を促す。
3.11東日本大震災のあと、2013年の秘密保護法、2014年の防衛装備移転三原則の閣議決定(武器禁輸三原則の見直し)、2015年の集団的自衛権行使容認、安保関連法制=戦争法制(委員会での強行採決の場面がキッチリ入れ込んである)、そして閣議決定を目論む共謀罪である。
いま現在を辺見は次のように表現した。
「世の中の土台が、大地の地殻変動と同時に人間の共同体の土台が地殻変動している」

◆こうした状況の先に待ち受けるものについて辺見は「剣呑(けんのん)な予感にならざるを得ない」と言う。「剣呑」とは当て字で「険難」の音が転じたものという説があるが、ここでは文字通り、剣を呑まされるような未来を予感せざるを得ないということか。

◆晴れがましさの奥底にある「いかがわしさ」を指摘する辺見のことばに重ねて、画面は1937年の南京陥落を「奉祝」する日本人の姿を映し出した。我々の親や祖父たちの姿と言ってよい。
*銀座あたりの奉祝風景では、「皇軍萬歳」の垂れ幕や「落陥京南祝」の横断幕(当時の横書きは右から左)、日の丸・旭日旗とともに、ナチス・ドイツのハーケンクロイツが飾られている場面が登場する。
デジタル放送のおかげで、一時停止してシッカリ確認できる。

◆650シーベルトの脅威をよそに、2020年東京オリンピックに突き進む今現在のいかがわしさに重なることはいうまでもない。
地元の公的な施設にもポスターが貼り出されている。
それらに動員をかける主体からは距離を置きつつ(時には批評のことばも漏らしつつ)、実は辺見の言う「するすると自分の主体をはずして行くやり方」をふたたびやっていないか、おのれは?と自問する。

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