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鶴見正夫〈月は、ほんとにひとつだろうか〉[2018年09月24日(Mon)]

DSCN8527.JPG
秋彼岸、今年もたがえることなく彼岸花が黄金色の田んぼを彩る。

*******

◆中秋の名月である。雲に隠れかくれしながら中天に昇ったころおい、鶴見正夫の少年詩集を開いてみたら月の詩があった。
宇宙開発の中継地や希少資源の候補地として月は再び注目されつつあるそうだが、さて。

ぼくと月   鶴見 正夫

ニンゲンは
とうとう月をさらった、
さらった月にウサギはいなかった、
まして天女など。
それでも――
ニンゲンは月をさらって
おまつりさわぎをする。

ガリレオが
月のあばたを見てから数百年。
そのあいだに
戦争ずきなモノドモが
地球の争いだけにあきたりなくて
ちえをしぼって向かった月。

月にウサギはいなかった、
まして美しい天女など。
だからこそ――
ひとかたまりのモノドモは
月にも熱い火を散ちらしたがる。

ああ、こん夜は中秋のまん月、
地球から見るひとつの月。
ひとかたまりのモノドモが見る月と
そうでないニンゲンの見る月と。

月は、ほんとにひとつだろうか、
地球は、ほんとにひとつだろうか。
こよい、
三十数万キロの宇宙空間をへだてて、
だまりこくっている
ぼくと月。



鶴見正夫少年詩集『日本海の詩』所収(理論社、1984年)

鶴見正夫日本海の詩-A.jpg



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