遠い道をいくためには[2018年06月12日(Tue)]
木槿(むくげ) 2017年7月撮影
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膝 鄭 浩承(チョン・ホスン)
君もひざまずいてはじめて
愛を知ったのか
君もひざまずいてはじめて
歩けるということが分かるのに
一生かかったのか
真に冷たい床に
自らひざまずいたときが立ち上がるときだ
ひざまずいて
遠い山を眺めるときが出発のときだ
ラクダも遠い道をいくためには
先ずひざまずいて砂漠を眺める
ラクダも砂漠の道をいき
夜が更ければ
先ずひざまずいて
燦然たる星を眺める
鄭浩承詩選集『ソウルのイエス』の巻頭にある詩。【韓成禮(ハン・ソンレ)訳、本多企画、2008年】
鄭浩承(チョン・ホスン)は1950年1月3日、韓国・大邱(テグ)生まれの詩人。
北朝鮮軍が砲撃を開始して朝鮮戦争が勃発したのはその年の6月25日のことであった。