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畠山千代子「隻手への挽歌」[2018年01月13日(Sat)]

畠山千代子「隻手への挽歌」.jpg

畠山千代子(1902-82)の詩文集『隻手への挽歌』(新風舎、2005年)を少しずつ読んでいる。
送ってくれたのは東海地方の古書店U堂で、店主U氏の手書きの挨拶状が添えてあった。プリンタが故障のため納品書を同封できないことなどが丁寧にしたためてあった。
丁寧な梱包から、本を大切に扱っている方だとわかる。これまでインターネットで本を注文してハズれたことは幸いに一度もないが、今回の本はその中でも気持ちの伝わる届け方であったと思う。感謝しつつ少しずつ読んでいる。

心の水  畠山千代子

秋風が町の上をざわめき歩く時
私の心は
深い深い湖水の様に
ほんの少しだけ波だちます。
けれど、その底は、
雨が降ったとて
苦い水をそそがれたとて
しづまりかえつているだけです。
動かし得ないほどしづかです。
ただ、
深い心の水底から
熱涙のみが
ぼつぼつと湧き立つて来るのです。
よろこびもかなしみも
その青ざめた沈黙を破ることは出来ません。


*******

◆書名の「隻手(せきしゅ)」とは片手のことだが、編者の一人、齋藤智香子氏の解説によれば、畠山千代子は、八歳の時に事故で利き腕であった右腕を肩のところからなくしたという。だが、そのあと左手だけを使って何でもできるようになった。ミッションスクールで英語教育を受け、戦前は女学校で、戦後は高校教員として英語を教え続けた。
解説の最初に齋藤が書いている文章も豊かな示唆を含んでいるので、引いておく。

「隻手の音声(おんじょう)あるいは「隻手の声(こえ)」といえば、禅宗で精神の修養のために与えられる課題〈公案〉の中で、最も有名なものの一つなのだそうです。
二つの手を合わせて打てば音が鳴ります。でも片手だけだったら、どんな音がでるのでしょうか。禅宗の「隻手の音声」とは、その片手の音〈=声〉を聞き取りなさい、という課題なのだと聞きました。 
   (齋藤智香子 〈今なぜ「畠山千代子」なのか」〉)

〈関連記事ほか〉
【前回1月11日の記事】
http://blog.canpan.info/poepoesongs/archive/737
【1月1日の関連記事;長田弘と吉川幸次郎(1)】
http://blog.canpan.info/poepoesongs/archive/727
【青森県近代文学館の鎌田紳爾氏報告】(再掲)
https://www.plib.pref.aomori.lg.jp/top/museum/hatakeyamatiyoko.html



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http://blog.canpan.info/poepoesongs/archive/738
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