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自我のはたらき[2017年12月29日(Fri)]

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ナナカマド。毎年のことながら、どうしてこんなにみごとな実がたわわに生るのか不思議だ。

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中井久夫『精神科医がものを書くとき』は素人にもわかる平易なことば遣いを貫きながら、考えるヒントに満ちた本だ。

たとえば、医師と看護師さんたちに向けた講演「公的病院における精神科医療のあり方」、ちくま学芸文庫版(2009年)169頁の「自我の働きから精神科の病気をみる」。

人間の自我の働きという点から病気を考えることが大切だと言う。
自我の大事な働きとして3つ挙げている。

(1)まとめる力とひろげるちから
人間の自我の働きにはまず、「まとめる力」と「ひろげる力」があります。精神統一なんていいますが、統一ばかりしていたら何もなくなってしまいます。ひろげなければ、新しい経験が入ってきません。しかし、ひろげたものはまとめないと、自分というものがひとつのまとまりでなくなってしまうわけです。
こういう微妙なつりあいが人間の正気を保つために必要なことです。


◆「統一ばかりしていたら何もなくなってしまう」
 ――統一や秩序、組織としての一体性をことさら強調するエライ人に対するにアマノジャクの効用も大事と考え直してみる。組織の内部にいてはオカシさに気づきにくい。
「ひろげなければ、新しい経験が入ってこない」という指摘にもなるほどと思う。
どちらがより重要、ということでなく、どちらも大事なはたらきで、両方の働きがつりあっていることが重要だという。

(2)外界と内界の区別
――夢の中ではこの区別がごちゃごちゃだが、目覚めている時の正気を保つには必要な働き。

(3)世界の中心であるとともに世界の一部
――自己は世界の中心であると同時に、世界の中の一人、あるいは世界の一部であるということです。この二つのことを同時に感じることが精神健康の目安のひとつです。


◆自分が世界の中心である、という意識は独善を意味しない。家族や友人といった密な関わりをもつ相手にはじまって、自分が属している地域や社会をどう理解するかは自分の目や耳が働いて感じ、知るのでなければ始まらない。
一方、相手が自分と異なる考えや価値観であることに気づくこと(=他者の発見・気づき)は、世界が広がったという実感をもたらす。自分がいる位置を確かめるのに有用であるだけでなく、相手への感謝と畏敬の念さえ生まれて、違うけれど共感できる、と思える所からは実りある協働も可能になるだろう。

◆国と国との関係についても同様のことが言えるのではないか。
2015年の従軍慰安婦問題をめぐる「日韓合意」について、韓国の検証チームが、「合意」は当時の日韓首脳の「側近による秘密交渉」で、元慰安婦の意見が十分反映されなかったと指摘したことに対して河野外相は「日韓関係がマネージ不能となり、断じて受け入れられない」と批判、安倍首相も「平昌五輪に行くのは難しい」と述べたと伝えられる。

一昨年末の「合意」は、「不可逆的」という言葉を用いるなど、加害側が居丈高な姿勢が濃厚で、とても解決とは言えないなと感じていたが、案の定暗礁に乗り上げる事態となった。
何より、元慰安婦の方たちの意思を考慮しない交渉であったことが致命的だ。国家が中心で、個々人がないがしろにされた結果である。

「北」の脅威を口にしながら韓国と仲違いしているようでは有事の対処・連携は不可能だろう。
何より国家が最優先で人間はその付属物でしかない、と言わんばかりの唯我独尊の態度、生身の人間の内面に及ぼす想像力の欠如を物語る。

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