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「不法難民」というデマゴーグ[2017年10月14日(Sat)]

「不法難民」というゆがんだデマゴーグ

◆朝日デジタルによれば、麻生太郎副総理が次のように述べたという(岐阜羽島駅前での応援演説)。朝鮮半島有事で難民が発生した場合を念頭に置いた発言である。

〈大量の難民が来ることを覚悟しなきゃならない。難民をどこへ収容するか。その人たちは不法難民。武器を携帯してるかもしれない。テロになるかもしれない。〉

【朝日新聞デジタル、10月14日】
「今回は大量の難民、覚悟しなきゃ」麻生副総理
http://www.asahi.com/articles/ASKBG4JXFKBGOHGB009.html

◆つい3週間前の9月23日に「武装難民かもしれない。警察で対応するのか。自衛隊、防衛出動か。射殺ですか。」と言い放ったばかりの人物が繰り返す非常識な発言。
まともでない。

そもそも「不法難民」という言葉は存在しない。

◆難民とは「紛争に巻き込まれたり、宗教や人種、政治的意見といった様々な理由で迫害を受けるなど、生命の安全を脅かされ、他国に逃れなければならなかった人々」(難民高等弁務官事務所(UNHCR))のことである。
1951年難民条約の第1条では、「人種、宗教、国籍もしくは特定の社会的集団の構成員であることまたは政治的意見を理由に迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖を有するために、国籍国の外にいる者であって、その国籍国の保護を受けられない者またはそのような恐怖を有するためにその国籍国の保護を受けることを望まない者」と定義している。

◆さらに、日本も批准している難民条約では
「庇護申請国へ不法入国しまた不法にいることを理由として、難民を罰してはいけない」(難民条約第31条)と定めている。
麻生発言はこの取り決めに公然と叛旗を翻しているのである。
「それで何が悪い」と言わんばかりの驕りは人としての道に反するものだ。
新聞も「こう発言した」と報じるだけでは不充分で、発言の誤りを指摘し、人道に悖るものであることをきちんと書かないならば、不心得なデマゴーグを広める結果になってしまう。
「どこまでもお供します」とシッポを振りたいのなら、ご随意に、と言うしかないが、当方は断然御免蒙る。

*******

音は時空を超えていくのに
言葉は胸に沈んでつみかさなる

財部鳥子(たからべとりこ)「月も水も髪も――評弾学校」より(詩集『氷菓とカンタータ』所収。書肆山田、2015年)

◆中国江南を旅して一杯のお茶を求めるのに言葉が通じなかった詩人が
評弾(ピンタン。琵琶などを伴奏に歌い語る中国風講談)の学校で少女らの歌う評弾を聴いて思ったこと。
音楽の方には時空を超えて伝わる普遍的な力があるのに、言葉のほうはしばしば誤解をもたらす。辛抱しきれない者は、意を通じさせる手間を惜しんで問答無用の蛮刀をふるってしまう。
伝わることなく「胸に沈んだ」言葉たちを堆積させたままにしないで「一杯のお茶」を喫してときほぐし、相手に届けようとすること、その積み重ねが相手のこころを手が届くところまで引き寄せる、と詩人は言いたいようだ。

*******

麻生氏の難民排除発言に欺かれないためには難民支援協会の以下のページを。
【難民支援協会】
https://www.refugee.or.jp/jar/report/2016/04/15-0000.shtml#qa


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