CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る
« 切断の痛覚ー守中高明「石」より | Main | われわれを見つめる巨きな目 »
<< 2019年11月 >>
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
最新記事
カテゴリアーカイブ
月別アーカイブ
日別アーカイブ
〈生き残った人々はなにを為したらいい〉[2019年10月21日(Mon)]

10・21
1943年、学徒出陣第一回壮行会が東京、台北で行われた日である。それまで徴兵を猶予されていた大学等に学ぶ若者たちまでもが戦地へと駆り立てられていった。
東京・明治神宮外苑で行われた雨の中の壮行会は映画に記録され今も見ることができる。
神宮外苑には戦後、「出陣学徒壮行の地」の碑が建立されて戦場に散った若い命を惜しむよすがとなっていたが、2020年東京五輪のために現在は秩父宮ラグビー場に移設されている由。
どこまでも負の歴史を遠ざけて五輪狂躁が続く。

◆詩人村上昭夫(1927-68)は旧制中学卒業後に満州国濱江省の官吏に採用されて大陸に渡り、ハルピンにて臨時召集を受けて18歳にして現地の部隊に入隊、シベリア抑留の体験を持つ人。
幸い1946年秋に帰国できたものの、引き揚げ時の無理がもとで数年後に結核を発病。病気を理由に郵政事務官も免職となった。
闘病生活と詩作を続け、1968年に詩壇の登竜門たるH氏賞を受けるに至る。詩誌「歴程」同人に推されたがその直後に41年の生涯を閉じた。

「石に言葉をきざむ」という自己の詩作を表現した詩があるが、その心もて廃兵について、引き揚げについて、また刑死した小松川事件(1958年)の李珍宇少年について言葉を刻み続けた。

村上昭夫の作品より、6編からなる連作詩「戦争」の1〜4を写しておく。


戦争 1

家族の生活を十分に保障し
私の亡いあと何時までも安心させてくれるならば
私はいつでも戦争へ行ってやる
人を殺すためではなく
自分の身を業火に投げ入れるために


戦争 2

昔の特攻隊員を狩り集めて兵隊を作ったら
日本には強い軍ができるだろうと
その君こそ戦争に行け
人一倍いのちの惜しい
君たちこそ戦争に行け


戦争 3

日本はよい国だ
戦争があってもよい国だ


戦争 4

のんのん のんのん
地の底から海の底から
湧き起こってくるうかばれぬ人々の声
生き残った人々は
何を語ったらいい
日本はもう三千億土の遠くにある
帰ろうとしても帰れない
その人達のために
生き残った人々はなにを為したらいい


『村上昭夫詩集』(思潮社現代詩文庫、1999年)より。
その生涯については同書の年譜に拠った。



この記事のURL
http://blog.canpan.info/poepoesongs/archive/1381
トラックバック
※トラックバックの受付は終了しました
 
コメントする
コメント
検索
検索語句
最新コメント
根来珠青
銃剣道 歴史に目をふさぐおぞましさ (03/29) 当ブログ管理人
ジャーナリスト・安田純平さん解放との報【追記】 (10/26) 3億円で買える銃と弾
ジャーナリスト・安田純平さん解放との報【追記】 (10/25) マキシミリアナ・マリア・コルベ
コルベ神父のこと その2 (06/23)
若き音楽家リュカ・ドウバルグ (06/09)
タグクラウド
プロフィール

岡本清弘さんの画像
http://blog.canpan.info/poepoesongs/index1_0.rdf
http://blog.canpan.info/poepoesongs/index2_0.xml