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雨どしゃぶるなよ[2019年10月17日(Thu)]

防災無線撤去

◆クレーン車が間近で腕を伸ばしていて、何ごとかと思ったら、市の防災無線を撤去しているのだった。台風で傾いてしまったものとみえる。

DSCN1930.JPG
4つのスピーカーとアンテナが取り付けられた上半分がトラックに運ばれるところ。

ついで支柱の下半分が吊り上げられた。地中に埋めてあった部分だろう、コンクリートの基礎部分ごと掘り起こして撤去したようだ。

DSCN1933.JPG


◆頑丈に見える鉄柱や電信柱の倒壊や損壊が各地で報告されている。
地元でも、傾いてしまった電柱や、大きなビニールシートが引っかかったまま風に煽られている電線をそこここで見かける。
15号による倒木で3週間近く通行止めになっていた御嶽神社上の道は開通したばかりだったのに、再び通行止めになっていた。倒れた杉が電線にしなだれかかっていたほか、大きく斜めに傾いていつ道を完全に塞ぐか知れない杉の巨木も複数あった。

◆この週末、被災地をふたたび雨が襲うとの予報が出ている。
予報を伝えるニュースの中に「今週末もまとまった雨のおそれ」という見出しを見付けて仰天した。
「まとまった雨」とは、日照り続きの時に一定量の降雨がある場合に使うものだとばかり思っていたからだ。一般的には「旱天の慈雨」、つまりプラス評価で用いる表現なのではないか?
被災地にとって歓迎されざる降雨を「まとまった」と表現する感覚が理解できない。

*******

雨はおびただしい水を吐いた   八木忠栄

北の窓ガラスいちめん
東の壁面いっぱいに
つたわりおちる雨
南のカーテン濡らし
ながれおちる雨
それは、もはや
予感ではなく現実となった
西には凍るような
雨すだれ

降りだすものを待ちながら
吊りあげられてゆく烏賊のこころ
至近から
神さまの遠吠え
〈おれはもう歌なんぞ信じない
〈おれはもう豚のこころなんぞ信じない
〈おれはもう貴様たちなんぞ信じない
降りだすものを待ちながら
吊りあげられてゆく鳥賊の生涯
おれはもうカメさまだって信じない
カメさまの肩にも
どしゃぶる雨

うんざりだ
そんな笑いはうんざりだから
もう、出かけてゆかない
川も渡らない
踏切りも越えない
つめたい箱の娑婆は
洪水でくすぐってあげよう
突いて、突いて、
喰ってやる

水で組み立てられた舟を
どこまでも曳いてゆく
そんなイメージが浮かんでは沈む
くりかえし狂気の火を運ぶ
運びながら
雨はおびただしい水を吐き
おびただしい量の
水に襲われている
頭蓋をなめまわし
ポケツトをさぐって
記憶の現場を呼び出してみる

それから一挙に
泣き声をひらいて見せる
おぞましくも
いとしい降り!


『八木忠栄詩集』(思潮社・現代詩文庫、1996年)より

◆第3連「つめたい箱の娑婆」とは雨に襲われる一つひとつの家であり、またそれらが軒を寄せ合っている村や町であろう。それを「洪水でくすぐってあげよう」とは不謹慎な放言と思われるかも知れない。しかし、これは予め悪罵の限りの言挙げを敢えて行うことで、実は被害なきよう切に祈っているのであろう。
最終連の「おぞましくも/いとしい降り!」の「いとしい」も同様の反語的表現で、「降り」が「フリ」の掛詞であることもそれを裏付ける。
「いとしい」と「焦がれてるフリ」をしているのであって、本当は瞋恚(しんい=怒り)の炎の裡におびただしい涙を閉じ込めているのである。


おびただしい〉は、八木の詩に頻出する形容詞である。

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