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台風その後、五輪のその後は[2019年09月20日(Fri)]

DSCN1619「海・波・船」辻晋堂1958年横浜市庁舎-X.jpg

◆現在の横浜市庁舎にある陶壁「海・波・船」(部分)1958年
作者は彫刻家・辻晋堂(つじ・しんどう 1910-81)。
新庁舎が辨天橋ぎわに2020年6月供用を期して建設中で、移転作業が本格化すると、この作品、それも全体を眺める機会はしばらくないかも知れない。現庁舎自体、慌ただしく仮設工事の現場の雰囲気になりつつある。

辻晋堂の生涯と作品については以下を。感興あふれる彫刻作品が多い。
http://www.shindo-tsuji.net/index.php?lang=jp&page=index

*******

◆4日間の休眠中、漫然とTV画面の番組表を眺めている時間もあった。その日の各チャンネルが並ぶ状態から、特定の局の1週間ぶんほどを一覧することもできる。それで気がつくのだが、すでに連日、判で押したように20年オリンピック関連の番組がガッシリと組み込まれている。
だが、内容を確かめる気も起きない。
暑気におおわれるように仰臥しているためばかりでなく、「それどころではない」という気持ちがあるからだ。大震災を復興と社会システムの組み立て直しの契機にすべきところを、景気づくりと見せかけの「やってる感」演出のためにウソと恥の上塗りを重ねている現状。
そうしたやり方がもう持たないことはハッキリ分かる。
むろん、64年頃との時代の気分や経済・社会の勢いの違いは歴然とある。いかに名シーンを並べ立て、精彩なデジタル画面やタレントらのトークで演出しようとも、だ。

◆雰囲気としては、大きな不安を内に蔵しながら、"不安が現実のものになりませんよう"(もしくは"不安に耐える余力などないので、ここらあたりから狂躁の一年を突っ走り、考えないことで不安を忘れよう")という瘴気が番組編成にも立ちこめているように感じるのである。

◆TV・新聞を中心とする翼賛メディアが鉦・太鼓をにぎやかに鳴らして笛を吹いたところで、気分は踊らない、どころか、押し黙り視線を落としたまま動きたくない、という気分。

◆端的に言えば、「2020年には三波春夫の『東京五輪音頭』がない」ということになろうか。
64年当時、盆踊りのためにお宮の境内に仮設した拡声器から家庭の「電蓄」に至るまで、津々浦々に流れ、踊られたテーマソングに相当するものが見あたらないようなのである。
イメージソングのようなものが番宣で繰り返し流れているのかもしれないが、広く浸透して体を動かすようなものがあるのかどうか。
(承知の通り三波春夫は70年の万博のテーマソングを競演した歌手たちの中でも、最も支持された歌い手であり、いわば、64年から70年に向かう右肩上がりの時代の象徴であった。同時に、応召して満州に渡って4年にわたるシベリア抑留を経験、帰国して浪曲師・演歌歌手として活躍し社会的影響力を持つにつれ、政治的には体制支持の「右」に軸足を置いて活動した人物であることも知られている。)

◆むろん「五輪音頭」の代替物を待望する気分でもない。
「国民」として一体感を味わうことを「市民」意識を育ててきた人々はもはや必要としていない。
むしろその危険性や、高揚した統合意識が、「異分子」の排除と攻撃へと易々と向かうことの危険を知っているからである。

すなわち、オリンピックが、2020年と「政治的に」期限を切って政策のゴリ押しを重ねる総理Aの、AによるAのための五輪であることを我々は知ってしまっているからだ。

この十日余り、黙々と家の周りの枝や吹き溜まった葉を片付けている地域のお年寄りも、千葉で片付け手が到着しない電柱周りの倒木を、「少しでも早く復旧すれば」と念じて営々と片付け続ける老人も、そのことを敢えて言わないだけである。
あるいは、そうしたつぶやきが取材され報じられることが無いだけである。
(全国紙でも各地に駐在する支局員は大幅に削減され、足で取材する記者の数が激減しているのだという。そうした事情もあろうか。)

◆罹災証明について藤沢市役所に電話したところ、相当数の相談、申請があるそうだ。生活に支障を来すダメージを受けた世帯は市内でも少なくなさそうである。道路、通学路の一部閉鎖も依然続いている。
台風被害で出た粗大ゴミは9月24日まで無料回収する、という情報を先週得ていたが、それまでに仕分けの終わりそうにない世帯もありそうなので市の環境事業センターに電話してみたら、10月25日まで延期になった、ということだった。出せる大きさは長尺方向が2メートルの長さ、大人が二人で持ち運べる重さのものまで、ということだった。
台風で壊れた家電製品や水をかぶってしまった整理タンス類もOK、ということになる。

大事な生活情報の一つである。だが、自治会回覧でも新聞でも良い、広報してくれない限り、知らぬままでいる市民は多いはずだ。
知らされぬとやがて地元の保存山林にすら大きなゴミの不法投棄が続出することになる。

しかし、そうした被害の全体像や難儀を抱えた市民の声、生活情報を含めた15号台風の続報は、極めて乏しい。
各メディアの方たち、役所内の記者クラブにしがみついて何をしているのだろう。

*******


きのうの夢   石垣りん

子供たちは
どうしてお面をかぶりたがったのだろう。
氏神の祭りの小さな屋台
セルロイド製のおかめひっとこ。

大人になっても
どうしてお面を欲しがるのだろう。
このところ夏祭りの屋台にあらわれるのは
舶来のゴム紐につるされた七つの面。

「トージョーサンをくれ」
「はいよ」
銭を数えるあきんどの顔は
うつむいていて見えない。

おかしな夢だ。
むかしの面をかぶった大臣が
テレビの画面から語りかけてくる
国民のみなさん!


『やさしい言葉』(花神社、1984年)より。
*2002年童話屋発行の新装版によった。



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