おざなりな参院選報道[2019年07月16日(Tue)]
キイチゴ(木苺)。赤い実が黒ずんでくるのでブラックベリーともいうらしい。
土手に続く家庭菜園の棚を掩うように蔓がのびていた。
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◆夕方6時台のNHK総合・首都圏ニュースを観てクラクラした。
夢でもみているのかと自分の目を疑ったほどだ。
東京都選挙区の「参院選」各候補の選挙戦を伝えるものだが、一昨日だったかの夕方に流したものと全く同じだったからだ。候補者ごとに街頭演説〜直接インタビューで紹介していくのだが、前回観たのと映像もコメントも全く同じ。一度流したものを編集し直すでもなくそのまま使い回したのであろう。
手抜きと言わんか、視聴者をナメていると言わんか。
*7時台のニュースでは、その中の一部だが、再び同じ映像を使っていた。もはや味のしなくなったガムを無理やり口の中に押し込まれたような。
それとも二、三日したら忘れていて気づかないだろう、とナメてかかっているのか?
(他のニュースでは、長梅雨でお客が来ないよみうりランドのプールを6時台・7時台とも取り上げていて――半分ほどに縮めてはいた。さすがに全く同じだと、いくら鈍い視聴者だって気がつく――続けて観てしまった首都圏の人間は嫌気がさすばかり。ひょっとしてそれが狙いか?)
◆選挙戦後半に入り、各候補は情勢分析や聴衆の反応をふまえて演説に軌道修正を加えている段階だろうに、それを追跡して伝えようという気は全くないと思わせるほどのおざなりな放送。
◆たとえば野原善正候補(れいわ新選組)の出馬は公明党にとって青天の霹靂ともいうべき事態で、台風の目となる可能性もあるはず(先の沖縄知事選では学会員の投票行動が重要な意味を持った)。しかし、創価学会員である氏が、公明党本部前で「立党の精神に立ち返れ」と演説した様子はネットメディアしか報じていない。電波メディアは 「れいわ」が巻き起こした旋風を黙殺する方針と見える。
◆掘り下げれば特定候補に加担する恐れがある、などと言い訳を用意しているなら、とんだ心得違いというものだ。
1票を投じる人間を決めるための豊富な判断材料を主権者に提供する、それ以外に公共放送の使命があるはずがない。