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ト・ジョンファンの詩「蔦」[2019年03月30日(Sat)]

ト・ジョンファン(都鍾煥)という韓国の詩人を知った。1954年生まれ。
白粉花(おしろいばな)、スベリヒユ、茄子の花、ナデシコなど、草花が鮮やかなイメージを立ち上げる。それらを用いた比喩も美しい。とりわけ、若くして逝った妻を立葵(たちあおい)の花にたとえた一篇「立葵の花のようなあなた」。
病床の妻に終夜付き添い、残された時間をいとおしむ結びのことばが、惻々と胸に迫る――

とうもろこしの葉を打つ雨音が大きくなってきました
また夜がひとつ闇の中に消えるけれど
この闇が終わり 新しい夜明けが訪れるその瞬間まで
私はあなたの手を握りずっとそばにいます


***

◆教師として教え子たちに注ぐ愛情を歌った詩も多いが、30代半ばで教職員組合結成に参加したことを理由に免職・投獄された経験を持つ。
抑圧するものへの不屈の抵抗をうたった次のような詩は、私たちを励ましてやまない。


 蔦    ト・ジョンファン

あれは壁だ
ひとは抗いようもない壁だと思うのに
なんとその壁を
(つた)は何もいわずに登っていく
一滴の水もなければ たとえ一粒の種子だって生き残れない壁
あれは絶望の壁だとひとびとは言うのに
蔦は焦らず黙ってゆっくり前に進む
わずか三センチほどの距離でも
みんなで手をつなぎあって進んでいく
絶望の緑一色に覆いつくされるまで
その絶望しっかり握りしめて離さない
ひとはどうしても越えられない壁だと肩を落としているのに
一枚の蔦の葉は 数千枚の蔦の葉と手と手をつなぎ
ついにその壁を乗り越える

  (ユン・ヨンシュク、田島安江 訳)

ト・ジョンファン満ち潮の時間.jpg
ト・ジョンファン(都鍾煥)詩集『満ち潮の時間』(ユン・ヨンシュク+田島安江 編訳。書肆侃々房、2017年)

*2017年より文在寅政権で文化体育観光部長官の職にあるとのこと。

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http://blog.canpan.info/poepoesongs/archive/1183
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