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千の口の災禍[2019年02月12日(Tue)]

DSCN9860.JPG

俣野橋より見えた雲の切れ間から地上を照らす光の束。
この直前、真っ直ぐ垂直に降り注いで見えた瞬間があったのだが、とらえ損ねた。雲の動きが速いためだったろう。この後は垂直線から30度ほどの傾きになった。
刻々と世界は変化しているのだと納得させられる。

*******

◆衆議院の予算委員会、消費税引き上げを機にキャッシュレス決済のポイント還元を導入する政府の考えに対して野党党首が反対意見をぶつけ、町の商店主が訴えている懸念・不安を3つ指摘した。

1.キャッシュレス決済に対応できなくなる商店が出てくる。
2.カード会社に支払う手数料が必要になる。


当然の不安である。設備投資にも資金が要る。地道な商いが続けられるか、個々の経営者だけでなく商店街全体にとっても心配は尽きないだろう。

3つ目の心配は次のようなものだった。

3.キャッシュレスになると商品が売れても現金がすぐに入ってこなくなる。

これを聞いて時計が半世紀以上も昔に戻った感じがした。

高度成長期以前の農民たちの嘆きと一緒であることにびっくりしたのだ。

秋の実りの決済が済んでようやく自由に使える現金が拝める農家から見れば、月々決まった給料を手にする「月給取り」はうらやましがられたものだ。
産業構造の変化で兼業農家が増え、生産現場や土木工事などへの出稼ぎ農民も増えた。
消費社会において、現金の魅力に抗うことはできなかったのである。

今また現金が手もとにない不安に直面する。
実質賃金が下がるばかりの給料取りもまた同じである。

政治家はもっとスーパーに足を運んでみるといい。消費税引き上げで消費の冷え込みを心配する前に庶民はとっくに耐乏生活に入っている。

キャッシュレスやポイント、イージス、トランプ、カジノと、日本人が弱いカタカナを舌先で転がして国民を欺く政治はまっぴら御免だ。

*******

あなたはぼくの     柴田三吉

千の手で衆生を救う仏がある
苦しみの池を干し
凡夫、悪党もらさず掬い上げるなんて
あまりに大袈裟な発願だから
あからさまな像をみるたび
その力みように
ぼくは苦笑を禁じることができない

千の口のわざ
と呼ばれる手合いもこの世にはあって
そのときことばは禍となって世界をかけ巡り
貧者の舌は家々の
暗い戸口の裏に押しやられるだろう
だからぼくは千の手も
口も
千の耳さえ欲しない

ありきたりな道具一式かかえ
ふし穴の目でぼくは
逆さの世界像を結んでいる
夜更けて
知の嬌正術を施しにやってくるひとよ
あなたはぼくの
夢の師匠だ


日本現代詩文庫「柴田三吉詩集」(土曜美術社出版販売、1996年)

◆「千の口」とは即ち「舌」のことだが、口舌の徒ばかりの政府がもたらす人心の荒廃にまさる災禍はあるまい。



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