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〈卑怯者の影は水にも映らないよ。〉[2019年01月22日(Tue)]

DSCN9644紅菜苔の花.JPG
紅菜苔(コウサイタイ)という野菜らしい。紅菜花(ベニナバナ)とも呼び、アブラナの仲間とのこと。

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卑怯者   中桐雅夫

おれたちはみな卑怯者だ、
百円の花を眺めて百万人の飢え死にを忘れる、
強い者のまえでは伏し目になり、
弱い者のまえでは肩をそびやかす。

夢の階段をおりてもおれたちは疲れる、
朝の明るい薔薇色の指をおれたちは知らない、
とるに足りない不満を拡大鏡で見て、
正義と復讐を混同する。

おれたちはひとりで立っていられないから、
どんな旗でもいい、旗ざおに寄りかかり、
たくさん集まって安心しようとする、
頭が軽いので重いヘルメットをかぶる。

卑怯者は目的の毛布で良心を包むのが上手だよ、
卑怯者の影は水にも映らないよ。


*小海永二・編『精選 日本現代詩全集』(ぎょうせい、1982年)より

◆このような詩は、一度でも自分を「卑怯者」だと思ったことのない人からは生まれない。
強きを助け弱きをくじく者や、権威や強者に抗うことから遠く、復讐の感情に動かされているだけなのに正義の冠を頭に載せて周りを欺く輩は卑怯者だと言う。我々の多くがしばしばはまる陥穽だ。

最終連、「目的の毛布で良心を包むのが上手」というのも、ウソやゴマカシを「目的」の正当さで覆い隠そうとする我々の小ずるさを揶揄した表現。

◆厚労省の「毎月勤労統計調査」について組織的な改竄が明るみになった。
「法に基づく基幹統計調査」という大義名分の陰で、良心・名誉にかけて履行すべき責務に背を向け、目をつぶる。

「法に則って公正に実施した調査に基づいて適正に給与を支払う」などという簡単な約束を踏みにじる役人ばかり居て、ちゃんと「水に映る影」を持っている人間を探す方が難しいのかも知れない。



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